「女子にモテたい」
「わかる」
「彼女が欲しい」
「わかる」
「どうやったらモテると思う?」
「わからない」
「やっぱあれか、女子に人気なものを知っておいた方がいいよな」
「わかる」
「……お前さ、なんか女子の間で流行ってるもん何か知らね?」
「わからない」
「だよなー。……そういやさっきマックで女子高生の話が聞こえたんだけどさ……お前、タピオカって知ってる?」
「わからない」
「……お前「わかる」と「わからない」以外に話せる言語無いの?」
「わからない」
「それめっちゃムカつく」
「わかる」
「わかってるんならやめろや」
「わからない」
「張り倒すぞ」
「……で、だ。お前タピオカって知ってる?」
「わからない」
「しつこいっつってんだろ」
「知らん」
「やっと会話が成り立った……でもやっぱ知らないのか」
「知らん。何それ」
「いや、俺もわからん。でもすっげえその「タピオカ」って話題で盛り上がってた」
「つまりあれか。俺達がそのタピオカを極めたら女子にモテモテってことだな」
「極めるようなものかどうかもわからんけどな」
「じゃあ、俺達はモテるために今からタピオカとは何かを考えていこうと思う。まずこのタピオカってなんだと思う?」
「まあ、まず明らかに和風なものでは無いよな、響きが」
「そもそも和風なものに女子はめちゃめちゃ興味を示さないからな。ただし抹茶は除く」
「タピオカ……うーん……?雷門中のフォワード?」
「それは染岡」
「染岡の親戚とかじゃねえの?若しくは染岡の髪型」
「さつまいもみたいな色した五厘刈りで女子が盛り上がるか?そもそもイナズマイレブンは女子高生観ないだろ」
「腐女子にウケるじゃん」
「それは女子にモテモテじゃなくて腐女子にモテモテになるやつだ」
「俺どっちかというと受けだな」
「お前と付き合いたいわけじゃないんだ」
「でも俺と付き合ったら腐女子にモテモテになるぜ?」
「それ腐女子が一番イラッとするやつだから腐女子の前で言うなよ?」
「結局タピオカってなんだよ」
「わからん。……サイレントヒル」
「それは静岡」
「あ、あれだよ。ソフトバンクホークスの本拠地」
「それは福岡」
「ちょっと前の阪神の代打の神様」
「それは今岡」
「ざんね〜ん!代打の神様は桧山でした〜!」
「クイズやってんじゃねえんだよ」
「必死のパッチでタピオカについて考えてるんだよ俺も」
「野球から離れろ」
「……案外野球関連じゃね?ほら、ちょっと前カープ女子って流行ったじゃん」
「どこのファンだよタピオカ女子」
「ホークス」
「それは多分ホークス女子って言うんじゃないかな」
「おい、一向にタピオカが何なのかわからないぞこれ」
「DDD双暁王」
「それはカリ・ユガ」
「Perfume」
「それはかしゆか」
「攻撃手ランキング一位の」
「それは太刀川。「た」しか合ってないから」
「ガイスト、カッコイイよな」
「それは烏丸。文字数と語感しか合ってねえしワートリで固めるな」
「暗殺教室の副担任」
「それも烏間」
「京都にある……」
「それも烏丸。あのな、古今東西ゲームやってるんじゃねえの」
「結界師の物語の舞台になってる」
「それは烏森。タピオカじゃなくて烏丸の連想ゲームになってんじゃねえか」
「そもそも連想ゲームじゃねえよ」
「お前に言われたくはない」
「お前話進める気ある?」
「わからない」
「言語能力を下げることで話を終わらせるな」
「鶏肉のこと」
「それはかしわ。唐突に連想ゲームに戻ってくるのやめろ、しかも文字数すら合ってねえし」
「岩手の首都」
「それは盛岡。因みに首都じゃなくて県庁所在地な」
「アメリカの首都は」
「ワシントン……もうこれタピオカ関係なくね?」
「夢が犯されていく」
「それはパプリカ。今俺の脳もお前によって犯されていってるな」
「タピオカに犯されてるのではなくて?」
「似たようなもんだろ」
「最近よく犯される夢を見ますね?」
「急に夏油になるのやめてもらっていい?」
「埒が明かないのでネットで調べようぜ、タピオカ」
「寧ろ最初からそうしろって話だよな」
「ふむ、なになに……なるほど、なんかよくわからんがデンプンの塊らしい」
「デンプンの塊……?つまりあれか、ヨウ素液をぶっかけたらタピオカは青紫色に染まるわけだな」
「じゃがいもで実験するやつだろそれ」
「女子高生が盛り上がってたのってさ、「昨日授業で実験あってさ〜、タピオカマジ青紫!まじヤバい!青紫色あたしめっちゃ好きなんだよね〜」「ウケる〜!」みたいな感じなんじゃね?」
「高校生にもなって実験で盛り上がるか?しかもヨウ素液でデンプンが青紫になるだけで?」
「カエルの解剖よりは盛り上がるんじゃないの?俺気持ち悪過ぎて解剖出来ずにゲロ吐いたし」
「女子かよ」
「……俺は女子だったのかもしれない」
「女子なら最近の女子の流行り教えてくれよ」
「タピオカって何?」
「ダメだこいつ」
「でもさ、デンプンの塊ってことは食べ物説あるよな」
「若しくは実験器具」
「一回実験から頭離そうか」
「染岡の髪の毛の色」
「さつまいもじゃねえか。芋から頭離せ」
「和食では無いよな、語感的に」
「女子高生、和食にそんなに興味示さないしな……抹茶は除く」
「抹茶ソフト」
「レーゼじゃねえか。イナズマイレブンから頭離せ」
「あれじゃね?世界三大珍味的な」
「あー、なんだっけ……キャビア、フォアグラ」
「あとひとつがタピオカ」
「違和感無いのがちょっとそれっぽいな」
「だろ?キャビア、フォアグラ、タピオカ」
「女子高生そんな高級食材食べるの?上流階級かよ」
「庶民的な世界三大珍味なんだよ」
「お前言ってることめちゃくちゃだぞ」
「そもそも誰が「世界三大珍味」って決めたの?イカの塩辛とかの方が珍味感ありそうじゃね?」
「急激に庶民的になったな」
「これぞ本当の庶民的な世界三大珍味」
「いや、伏線回収したみたいな顔されても困る」
「でも実際謎じゃね?」
「……まあ確かになー。なんかギネスブックとかが認定してるんじゃねえの?若しくはミシュランとか」
「人の味覚や感性なんて千差万別なのに「これが世界三大珍味です!珍しい味!」とか言われてもな、トリュフ食べて「あー、普遍的な味ですね」って思う奴絶対一人はいるだろ」
「急に話の内容のレベルを上げてきたな……てかトリュフ入るなら必然的にタピオカは三大珍味から外されるんだが」
「トリュフは俺的には普遍的な味だったから三大珍味にはカウントしない」
「食ったことあるのかよ」
「いや無いけど」
「頭おかしくなりそう」
「なあ!結局タピオカってなんなんだよ!」
「今ツイッター見てたんだけどさ、なんかアレらしいぞ。「タピオカチャレンジ」ってのがあるらしい」
「えっ何それ」
「わからん。そもそもタピオカがなんなのかわからんから何をチャレンジしているのかすらわからん」
「それなんだよな……でも一つ情報が増えたな、何か挑戦するものってことだろ?タピオカは」
「髪の毛さつまいも色にして五厘刈りにするチャレンジ?」
「それは染岡チャレンジだな。いい加減超次元サッカーから帰ってきてくれ」
「金髪にしてワールドカップを戦い抜くチャレンジ?」
「それは長友チャレンジだな。サッカーから頭離せ」
「じゃーんけーんぽん」
「それはケイスケチャレンジだな……お前ホント張り倒すぞ」
「たかがタピオカ、そう思ってないですか?」
「たかがもクソもタピオカがなんなのかわかってねえんだよ」
「デンプンの塊で、チャレンジ要素があるもんだろ?案外世界三大珍味ってのは当たらずとも遠からずって感じなんじゃねえの?」
「マジ?ニアピン賞?五万くれ」
「ゴチになりますじゃないんだ、お前はクビレース最下位を突っ走っててくれ」
「もう四大珍味になればいいんじゃねえの?イフリート、ウンディーネ、シルフ、タピオカ」
「それ四大精霊」
「俺のことはマクスウェルと呼べ」
「元素を司る精霊よ、タピオカについて教えてくれたまえ」
「知るわけねえだろ」
「ほんとムカつくなお前」
「女子高生の好きなものから連想したらいいんじゃねえの?」
「名案だな、寧ろなんでそれを思いつかなかったんだ」
「女子高生の好きそうなものって何がある?」
「可愛いもの」
「クソほどアバウトだな」
「金」
「皆好きだ」
「命」
「どっちかというと嫌われてるぞそれは」
「イケメン」
「身も蓋もないことを言うな」
「結局イケメンがモテるんだよ」
「お前さっきモテたいって言ってたよな?」
「わかる」
「定期的に言語能力失うのやめてくれ」
「じゃなくて、ほら、他にもっとあるじゃん、スタバとか」
「スタバが好きってよくわからんよな。正確には「コーヒーフラペチーノだよ」が好き、だろ」
「それ「だよ」も入れたらアクタージュになるから。「コーヒーフラペチーノ」だけでいいから」
「でもおかしくね?」
「おかしくはないだろ。俺だって「マックが好き」とか言うし。逆に「ダブルチーズバーガーが好き」とかあんまり言わないし」
「フィレオフィッシュの方が美味しいだろ」
「そこに突っかかってくんのかよ。ややこしくなるからやめろ」
「モスの方が美味しいだろ」
「だからといってマックの部分に突っかかれとは言ってない」
「なあ、話進まないんだが」
「喉乾いてきた」
「聞いてる?話進まないのお前のせいだよ」
「わかる」
「どつき回すぞ」
「どっかで何か飲もうぜ」
「話聞け……はぁ……わかったよ。何飲む?」
「タピオカミルクティー」
「おっけ」