『地球人類防衛システムAAD、活動を開始します』

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人類全兵士化計画

『緊急警報! 緊急警報! 大気圏外から飛来する物体があり!』

 

 その日、宇宙より飛来するものがあった。

 それは、世間でいうところの隕石と呼ばれる物ではなかった。

 

『飛来物はアースジャパンエリア13番へと落下! その場の近くにいる者たちは対処せよ!』

 

 落下してきた者は東京と呼ばれる場所の象徴ともいえる塔、今やあまり話題にも上がらなくなったがそれでもなお日本人に根強い記憶が残る物、東京タワーと呼ばれる塔を折り曲げながら、スドンという音と共に道路へと落下した。

 落下したものは銀色の金属の光沢がまぶしい雫のような形をしており、切れ目や傷という物が一切存在していなかった。。

 曇り一つないその金属の光沢が、街にあった車のライトやビルからの光をよく反射している。

 

「なになに? 隕石落ちた!?」

 

「まじで!? ネットに上げよ!」

 

「皆さん! 危ないですから下がってくださーい」

 

 その場にいた人々がスマホ片手に動画や写真を撮りながら集まりだす。 近場にいた警察官はそんな野次馬たちを静止していたが、突如として落下物に異変が生じた。

 

 傷一つなかったそのフォルムに切れ目が走った。

 切れ目は上へ横へ下へ動くと、長方形の形を作り出した。

 そして、その長方形はゆっくりと開き始めた。

 

 そこから出てきたものは、炎だった。

 

 炎の中には人型の形をした骨格のような骨があり、それを媒介として燃えている生命体のような存在だった。

 炎はゆっくりとアスファルトを焦がしながら飛来物から降りる。

 飛来物の中は機械のような物が光っており、どうやら小型宇宙船のような物のようだった。

 つまり、この炎の生命体は宇宙人ということだった。

 あたりにいた野次馬や景観のかをがゆがむ、なぜなら卵が腐ったようなにおいが漂ってきたからだ。

 臭いは炎の宇宙人の宇宙船から漂ってきている。

 

 宇宙人はそのまま歩き出し、人々へと迫ろうとした。

 だが、それはかなうことはなかった。

 

『地球外生命体を確認』

 

 その場にいた者たちが持つスマホからそのような音声が流れだす。

 その音声を聞いた者たちはその目から光を消した。

 

『システムAAD起動します』

 

 スマホから光があふれ出す。

 光は所持者たち全員をを包み込み、光り輝くクリアアーマーを形成した。

 手にはクリアアーマーと同じように輝くAK47と呼ばれる物と形が似ている銃が握られている。

 武装の展開を終えると音声は続けだす。

 

『こちら地球防衛軍民間人戦闘防衛システムです。 我々地球防衛軍に連絡なしの地球への降下は固く禁じられています。 何か弁明があれば応答を』

 

 音声が無機質に宇宙人へと尋ねる。

 だが、

 

「…………」

 

 宇宙人からの返答はなかった。

 

『……釈明を確認できませんでした。 よってこれよりAADシステム、正式名称()()()()()()()()()()()()()()()行動を開始します』

 

 その場にいた全員が、宇宙人へ銃口を向ける。

 そして、一切の慈悲もなく、一切の躊躇なく、引き金を引いた。

 無数の光の弾丸が、炎の宇宙人へと飛来する。

 炎の宇宙人はなすすべもなくその()を散らした。

 

『斉射終了』

 

 音声と共にピタリと銃弾が止まる。

 

『対象の完全沈黙を確認しました。 これにより後始末プログラムを起動します』

 

 武士うしていた者たちは光が溶けるように消えて、元の姿へと戻った。

 アーマーや銃を形成していた光、そして新たに端末から光が発生する。

 光は、折れ曲がってしまった東京タワーや小型宇宙船が落下した場所の瓦礫を修復すると小型宇宙船を包み込みその姿を消し去った。

 

『周囲の修復……完了。飛来物の迷彩……完了。情報規制……完了 一時間後の回収を提案……受理確認。 よってシステム起動を終了します』

 

 音声が途切れると、街に人の音が戻る。

 先ほどまでの殺伐とした光景が嘘のように消え去り、人々は日常へと戻っていく。

 

 

 これが現在の地球のよくある一幕。

 突如として飛来し始めた宇宙人が引き起こしたファーストアタックから五年。

 人類は秘密裏に対宇宙人防衛手段を生み出した。

 AADと呼ばれるその機能は、宇宙人の飛来によって得られたテクノロジーを解析し生み出された。

 それは、宇宙に漂うエネルギー、通称スペースフォースエネルギーを物質化(マテリアライズ)させ、様々な物質を生み出し、生命体を強化する技術だった。

 それと合わせ音による洗脳技術を持って即席の兵士を生み出すことに成功する。

 人権を配慮しない非道な技術だが、全世界をカバーするためには手が回らなかったのだ。

 

 

 

 ――西暦20XX年、地球は狙われている

 人類は生き残ることができるのか、それは誰にも分らない。

 

 


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