日常に潜む非日常   作:煮詰まったおでん

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はじめまして、煮詰まったおでんです。
とりあえず完結目指して頑張ります。
暇つぶし程度に読んでくれたら幸いです。


音石明と七不思議

2001年 10月 11日

 

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

とあるスタジオにある男の絶叫がこだまする。

その男の様子といえば今にも何かに八つ当たりしそうなぐらいプッツンしていた。

この思いをいつものライトハンド演奏で表現しようと肩にかけてあるエレキギターに手をかけるが、

 

ギュィィィィィン ギュィィィ・・

 

「ちくしょぉ!」

 

表現できない。

そう、音石明はスランプに陥っていた。

今現在音石明は仮釈放の身である。

 

仮釈放となって真っ先にスタジオにやって来た音石はエレキギターを借り、さっそくギターを弾き始めた。が、このザマだ。

音石明の身体に染み付いたギターの腕は鈍っていない、しかし音石明が得意としていた「今感じている感情を音楽で表現する」ことが全くできないでいた。

 

原因はおそらく刑務所での生活だ。

刑務所での真面目な態度のおかげで仮釈放となったが、刑務所での刺激とは無縁の生活が音石明の(自称)天才的な音楽センスを鈍らせた、と本人は推測している。

気持ちを吐き出せず、行き所のない気持ちが胸で渦巻くが、

だからといって他のものにあたる訳にもいかない。

そんなことをしてこのスタジオのものを壊せば器物損害で刑期が伸びる。

音石明にとってそれはなるべく避けたいことである。

 

「スゥーーーーー、はぁーーーーー」

 

深呼吸をし、頭を冷やし、一考した結果

 

「こんな時はよぉ〜一流のギタリストならよぉ〜外にアイデアを求めるもんだよなぁ〜」

 

☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪

 

 

「レッド・ホット・チリ・ペッパー!!」

 

音石の掛け声と共に電気をまとったトカゲのようなスタンドが飛び出す。

まごうことなき音石自慢のスタンドである。

 

 

「自分で出かけてもいいけどよぉ〜こっちの方が遠くまで行けるしな!行け!レッド・ホット・チリ・ペッパー!!」

 

レッド・ホット・チリ・ペッパーは宿主の掛け声と共に町の電線の中に入り込み驚くべき速さで町を駆ける。

なんでもいい、何か今の自分に刺激とアイデアを与えてくれるものはないか、その一心で町を縦横無尽に駆け回る。

 

その中で町を超スピードで駆ける疾走感を楽しみながら本来入れない所に入り込み刺激を探す。

ホテルの中、亀ユーデパート、他人の家、果ては銀行の金庫の中にまで入り込んだ。

 

しかし、元々盗みを働いていた時に散々色々な場所に入り込んでいたので新たな発見などあろうはずがなく結局、超スピードで駆ける疾走感しか楽しめずそれにも次第に飽きてきた頃、

 

「チッ!なんの刺激もねぇ、こんなんじゃぁ俺のファンを痺れさせる画期的なアイデアが浮かばねぇじゃねえか!この仮釈放の間に聞けば痺れるような曲を書こうと思ったのによ!」

 

音石明もとい、レッド・ホット・チリ・ペッパーが抜け出せないスランプにイライラしている時、ふと顔を上げると、ある家が目に映った。

 

「ん?ありゃあ確か露伴先生の家か?

あんまり行き先とか考えてなかったんで気づかなかったぜ」

 

レッド・ホット・チリ・ペッパーの目の前にはあの天才漫画家である岸辺露伴の家があった。

興味本位で近づいてみると

 

「ん?なんか話し声が聞こえるなぁ」

 

中から誰かと話す岸辺露伴の声が聞こえてきた。

 

「もしかしたら新しい漫画について編集者と打ち合わせをしてるのか?なら気になるなぁ〜。まだ出てない漫画の話を聞くのはちぃーとばかし悪い気がするが、まぁちょっと聞くだけならバチもあたらねぇだろう。それにこれは私利私欲のためじゃねえ!俺が将来ファンを痺れさすためのアイデアを引き出すためのもんだ!ギタリストの神さんも許してくれるぜ!」

 

と自分勝手な言い訳を立てレッド・ホット・チリ・ペッパーは電線を通って露伴宅へと入っていった。

 

✒︎♪✒︎♪✒︎♪✒︎♪✒︎♪✒︎♪✒︎♪

 

「康一君、君は杜王町七不思議を知ってるかい?」

 

「い、いえ、知りませんけど」

 

「へぇ、なるほど、知らないと・・」

 

広瀬康一の解を聞いた岸辺露伴はいきなりニヤニヤし始めた。

正直、広瀬康一はとうとう露伴先生は頭がおかしくなったのではと思った。

何か重大な話があると聞いて来たらいきなり変な質問されて答えたらニヤニヤ笑い始めたのである。

どうかしていると思わない方がどうかしている。

そんな広瀬康一の思考を遮るように岸辺露伴は再び話し始めた。

 

「仕方ないなぁ僕が今から教えてあげるからよく聞くんだよ。

この杜王町七不思議ってのはね、最近、杜王町でできた奇妙な出来事たちの総称さ。」

 

「へ、へぇ〜」

 

「なんだいその気の抜けた返事は?

ま、いいさ。

本題はここからでね、僕の予測だとこれはただの都市伝説なんかじゃない。

というのもこの都市伝説は内容もそうだがこの都市伝説自体奇妙なんだ。

都市伝説ってのは普通、人から人へ徐々に広がっていくものなんだ。

でも杜王町七不思議は違う。

ある日を境に一気に広がったんだ!

それまで一人たりともこの噂をしていなかったのにある日以降一気に広がったんだ!!誰も知らない人がいないくらいにね!!!」

 

「へー」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・んだ」

 

「へっ?」

 

「その気の抜けた返事はなんなんだと言っているんだ!!!人がせっかく教えてあげたのに君というやつはさっきからまるで興味のない話を聞いているような反応をしやがって!!!」

 

「いや、確かにそれが本当なら「『本当なら』だと!!康一君!君は僕が・・」」

 

「人の話はちゃんと最後まで聞いてください露伴先生!

『それが本当なら』と言ったのも理由があってそもそも僕はその都市伝説の話を一ミリも聞いたことがありません!

さっき露伴先生言いましたよね、誰も知らない人がいないくらいに広まっているって、なのに僕が知らないってことは露伴先生が取材した人が嘘ついているかあえて取材しないと出てこないくらい知られていない都市伝説ってことですよ!

だから僕はこの話には正直半信半疑なんです!

それに露伴先生多分僕に一緒に調査に協力してくれっていうつもりでしょう!

でも僕は今高校3年生で受験に向けて勉強しなくちゃあならないんです!

一応、仗助君たちにその噂について聞いてみますが直接の協力はできませんから!」

 

一気にまくし立てたおかげで広瀬康一は肩で息をしているが岸部露伴は広瀬康一の話を聞いてまたもやニヤニヤとした顔になり「一ミリも、へぇ、やはり・・」と何か呟き始めた。

広瀬康一は本格的に岸辺露伴の精神状態が心配になってきた。

しかし相手はあの露伴先生だ、これくらいは先生にとって普通だと広瀬康一は自分を納得させ平常心を保つ。

 

「よし、康一君さっそくで悪いが杜王町七不思議の一つを一緒に調査しよう」

 

前言撤回、やっぱり今日の露伴先生はおかしい。先程の自分の話をガン無視してくる。

 

「いや、露伴先生僕は受験勉強が・・」

 

「チープ・トリック」

 

「へっ?」

 

「いや、確か前にもこんなことがあったなぁ〜と思ってね、もちろん君があの時来てくれたことにはとても感謝しているんだ、でもあの時君が僕のことを疑ってなかったらもうちょい早く解決したかもなぁ〜とほんの少し思っただけさ。

あと4月頃に確か僕は君にイタリアで不自由しないようにしてあげたよなぁ〜」

 

「うっ」

 

少し怯む広瀬康一

畳み掛ける岸辺露伴

 

「康一君、僕は君が思っている以上に君を尊敬しているんだ。」

 

「それに君、七不思議全部協力してくれって言ってるわけじゃあない。

一つさ、一つだけでいいんだよ。

それにまだ10月、受験生の君にだって1日くらい余裕あるだろう?」

 

「わかりました!でも露伴先生、一つだけですよ、それ以上は僕も予定があるから手伝うことはできませんから」

 

「ありがとう康一君!やっぱり君は僕の親友だ!

じゃあ順を追って七不思議のことを説明していこう。まず一つ目は・・・」

 

☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪

結局レッド・ホット・チリ・ペッパーは岸辺露伴と広瀬康一の話を最後まで聞き、新たな刺激を求め目的地に真っ直ぐ向かっていった。

 

「杜王町七不思議か、中々面白そうじゃねぇか!俺様が直々に見定めてやるぜ!」

 




あらすじで康一君のこと書いときながら音石始まりになったのは許してちょんまげ。
仮釈放の決まりについては作者は特に何も考えていません。
ただこの時期に音石明を出したかったので仮釈放という形で音石明を外に出しました。
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