鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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2-2開幕。・・・ところでこれ9月までに終わるんですかね?


3-2「即応小隊の日常」
疑心の視線1


 

 まともに舗装もされていない砂道を走るハンヴィーのナビゲーター席でツーンと不機嫌を表に出しつつ、流れる車窓を眺めた。

 

「ごめんってサム」

「あっちの基地でそうやって呼んだらぶっ飛ばすからな」

「分かってるよ。FALさん達には秘密、でしょ」

 

 行き先は、MCVカンパニーの社屋のすぐ近くにある前線の基地。

 先日の応援のお礼を伝えることと、それとは別でサブリナの私用を一緒にこなすためにサブリナには俺を基地まで運ぶという依頼が出されている。

 一々やっていると面倒な手続きだが、それをおざなりにするわけにもいかないのだ。

 

「行きたくねぇなぁ」

「どうして?」

「バレたら話がこじれるだろ」

 

 厄介なのは・・・パーサ討伐作戦の時に共闘した人形の一部とサブリナには親交があって、俺の人柄や諸々が抜けてしまっているらしい。

 俺はあっちに居る間、「VAG-73」に徹しなければいけないのだ。

 VAG-73という戦術人形自体は有名じゃないから、普通であれば俺という存在はそのまま受け入れられる。

 しかし、逆にサムの存在が知られていれば面倒になるのが分かっていた。

 憂鬱な気分をため息に乗せて、ミラーを見る。横道から一本道の舗装路に入り、目的地までは数分ほどだ。

 色々な道から、わざわざこのルートを選んだのは単純で、交通量皆無の横道を使った方が気が楽だから。

 

「・・・あのバイク変じゃないか」

「だね。対応する?」

「気は張っておくべきか」

 

 後方からやけに飛ばしてくる姿を見て、疑心を覚えた。

 バイクは黒ベースに紺のセンター、差し色の緑が所々に入っている。ライダーは前傾姿勢でフードのおかげで良く見えない。

 あと二十秒もすれば追い越されるぐらいだ。

 

「道幅に寄せるよ」

「んじゃ、俺は後ろに行く」

 

 交通ルールに照らせば、左でハンドルを握っているサブリナの方から追い越すような感じになる。

 対向車は居ないし、オフロードじゃないバイク相手なら舗装されている部分を開けるべきだし。

 ライダーは俺たちを追い越すのと同時に手を伸ばして、停車を指示してきた。

 

「・・・サム」

 

 緊張が走る。俺たちは何も変わったことはしていない。警戒のために俺がナビゲーター席から後部座席に移ったことも普通は確認できないようなことだし、トラブルを起こすような運転もしていない。

 

「おう」

 

 今日は機械類の装備も全て置いてきた俺は姿勢を落とした。

 

「出る?」

「最悪は置いて行ってくれ」

「了解」

 

 意思を確認して、俺はハンヴィーを降りた。日差しの影響とフードでライダーの顔はまだ分からない。

 フードの左側には白い字で何かが書きなぐってあるが、アルファベットのようだということしか確認していなかった。

 銃にはまだ手をかけない。太ももにあるホルスターに手を伸ばすにはややラグがあるが、俺自身の反射を頼るのだ。

 ハンヴィーとバイクの中間、俺の前方二メートルに気配が入る。厄介な敵だったら対応が遅れかねないが、感覚を信じた。

 相手は、少女ぐらいの体格だ。

 

「やーやーVAG」

 

 声を聞いて思い切り拍子抜け。張り詰めていた緊張の糸は緩んだ。

 

「なんだ、AEK-999か」

 

 頭を撫でつけた後、ベレーを被ると視線が刺さる。この前も見られてたけど、特に変なところはないはず・・・なにか興味を引くような動作があるのだろうか。

 AEKがフードが取ると長くてもっさりした銀髪がバサッと落ちた。・・・どうやって入ってたんだアレ。

 

「フルネームなんて堅苦しいからAEKでいいって!」

「AEK、そのバイクは?」

「これ?スキンのおまけ」

「すきんってべんり」

 

 俺の素っ頓狂な声に、ハンヴィーの方からは盛大に笑い転げている音が聞こえてくるし、AEKも吹いた後お腹を押さえつつ大爆笑。

 そもそも、IOPはスキンに力入れ過ぎなんだよ。このバイクも民間の結構いいタイプだし、どこから入手したんだか・・・

 

「そんなに気になるんなら、基地までニケツしてく?」

「・・・いいのか?」

 

 とても魅力的な提案だ。俺も中身は男だし、バイクなんて大好物。どんな感じで走るのかは普通に気になるし、今の体はノーヘルだろうが問題も・・・いや人の見た目をしているからどうかとは思われるだろうけど・・・

 魅力と、社会的なあれそれを天秤にかけて数秒ほど考えているとグッと後ろに抱き寄せられる。

 

「ダメー!VAG!お姉ちゃんの言う通りにしないと怒るよ!」

「誰が妹じゃ!誰が!」

 

 何時の間にかハンヴィーから降りてきた自称姉が俺の脇に手を突っ込んで持ち上げやがった。

 必死に足を振って抵抗するが、ショットガン人形の膂力がそのまま残っているサブリナにはなんの意味もない。

 

「あ、サブリナじゃんか」

「バルソクが迎え?」

「そ。指揮官からの命令」

「・・・そっちは治安が悪くなってるのか?」

 

 社屋に残っているボスやボスの愛娘のサリアからの報告では特に変わったことはなかったはずだが、かといってあの基地に行くのに迎えが必要だとも思えない。

 そうなってくると思いつくのは、最近急激に治安が悪化してきたとかそういう話になるんだけど・・・そろそろおろしてくれないだろうか。

 

「いんや。ちょっとツーリング気分だったからさー」

 

 そんな理由かい!




感想返し
「あ、ヤバい、死ぬわ、ロリVAGとか死ぬわ(爆死

リンヤオちゃんが変態化してて何か大丈夫そうで安心した(ヲ」

ガチャの時間だね!()
リンヤオはナード(ジャパニーズオタク)だからこれが通常運転なんだよなぁ・・・
まぁ、ほとんどはあのサムの妹という血のさだめ()そんな話も3-2には出てくる予定。


いつもながら感想とかお気に入りとかありがとうござい。
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