鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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3-3のタイトルを直すことを決意する。だけど思いつかない。そんな感じ。


突入二班リポート7

 

 

 意識はあっという間にシャットアウトされる・・・はずだった。

 この物理コードはデッドコピー以下のもので、通常のスリープモードと変わらないのは既に分かっている。

 だけど、クソ野郎にとってはそれだけの油断を与えるだけで充分なのだ。一時の欲望をぶつけさえすれば。そんなクソみたいな感情に、サブリナの思いは、俺の好きな相手の思いは踏みにじられかけた。いいや、踏みにじられた。

 俺は夢を見ることが出来る。普通の人形には出来ないことが、出来る。仕組みに関してはペルシカが一度なんとかかんとか言っていたのを聞いたことがあるが、俺にとってはナニが何だか分からない別次元の話だった。

 夢と言う物自体、第三次大戦がはじまるまでに解明されていなかったものだし、言わば研究途上のものだ。おまけに戦争が始まった結果有耶無耶になったってのもある。

 だけど、天才の人間ならいくらかの仮説は立てられるのだろう。万人が理解できるかは置いといても、だ。

 俺は必要な教育飛ばして働いていたから、電脳のニューロン構造とか言われても何一つ分からなかったよな・・・なんじゃそれ。

 

「・・・いってぇよ・・・これ」

 

 痛みから現実逃避するように脱線したが、閑話休題。

 ともかく、俺のスリープモードは人間の睡眠がメカニカルになったもの、と言った方がいいらしい。普段はボディのパワーが強いから、夢を見る以外は普通のスリープモードと変わらない。

 夢を見るという違いがあるのならば、強制的にスリープモードに落とされることを対策できるのではないか、指揮官がそう考えた。

 強制停止でもないスリープモード状態、俺は夢を見ることが出来、途中で起きることも出来る。なんて簡単な事なのだろうか。

 

「・・・作戦は成功だぜ!」

 

 俺の叫びにでっぷりと太った町長の脂汗がみるみる増えていく。

 眠らせて、エロ同人みたいに酷いことをしようとしていた野郎は、逆襲される状況は思いついていなかった。

 

「いつつ・・・キチィな。さて、いつでもぶっ飛ばされる覚悟はいいか?」

 

 ニーソに人工血液とか色々な液体が滴れていく。手に持っているナイフは妖刀のごとく。

 思いのほかぐっさり刺さったのか、予想以上に痛くて痛覚をカットする。ちょっと涙出てきた。

 機能に不調は起きるが、任務に支障が出るほどじゃないからなんとかなるけれど。

 俺はスリープモードに入る寸前、ナイフををふとももに思い切り刺したのだ。

 クソデブを拘束するための間合いをはかっていると、慌てきったMP5の声が無線越しに入った。

 

「VAGさん!」

「Cb人形か」

 

 銃声などは入ってきていないが、FALのぼやく声が聞こえ、ひっ迫する状況が伝わってくる。町長の悪事に関わっている仲間相手なら交戦してもいいものだし、ウチの正体であれば脅威ですらない。

 予想は当たっていたようだ。痛みが冷静に変わる。

 

「そうです!囲まれてる!」

「脱出しろ。俺が合流するまで、逃げ切れるか」

「そのつもりです!」

 

 Cb人形、コードネームだが、要はシャコ取り作戦において遭遇した自爆改造が行われた人形だ。それにはパーサが関わっている。IOP製の人形を解析した結果を応用した改造データにより、人形は自分の意思の存在しない移動式爆弾にさせられてしまう。

 こういうのは、いつの時代になってもなくなりやしないのだと思う。

 コードネームの由来も、わかりきっているだろう。

 俺も、新兵の頃に友人が読んでいた本で見たことがあった。

 

「言っておくが、この空間でそれをぶっ放せばあんたも死ぬぞ」

 

 後ろを振り向く必要もない。ピンチは脇腹が知らせてくれるし、扉についている小さなメッキ部分の反射で何を持っているのかも見えた。

 もっと厄介なのは、扉越しにCb人形が集まってきているという事実。拘束は一度諦めて、脱出することにする。あの巨漢だ、一人では連行するのが大変に決まっているから、逃げるのが一番。

 スカートに右手をかけ、振り向く瞬間に捲り上げた。

 

「くらえ!」

 

 目を瞑ったのは羞恥からじゃない。

 室内にはフラッシュバンレベルのすさまじい光量に満たされ、その隙を狙ってトンズラ。

 トリガーを引かれてしまえば、ロケットランチャーの爆発は怖いから逃げるに限る。部屋の壁は音漏れが一切しない、基地顔負けの防御力で爆発の影響はもろに籠る。あっちは死にかねないから撃つ気はないのはわかりきっているが、万が一が怖すぎた。

 

「ゾンビ映画かよ!」

 

 扉をあけ放つとCb改造を施されてしまった人形達が迫ってくる。足取りはおぼつかず、重たいそれがゾンビ映画と違うところは彼女たちには未だに意識があるということだ。

 望まずそうなった上に、ブルー表示のされていない相手が近づけば無差別に危害を加えてしまう。

 人に奉仕するために産まれてきたハズの人形達にとってそれがどれほどの苦痛かなんて全てを知ることは出来ない。

 だからこそ、これ以上被害を増やしてはいけないのだ。

 

「VAG、メインストリートのバリケードが強化されているわ。早く!」

「グローザ!デモ隊の連中を守り切れるのかよ!」

「別の場所に居て人質にされるよりかは、手の届く場所に隠す方がいいでしょ!」




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