鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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特殊部隊を組みたかったが故に、部隊編成の話だけ書きました。


4章第1話「STF結成」

 

「部隊改編・・・か」

 

 そうは言うものの、実態は部隊の合流と指揮系統の複雑化と、面倒くさい事柄の集まりだ。

 

「リーン?」

「なにー姉貴ー?」

「荷物、部屋に入れ終わったぞー」

 

 そんなわけで俺たち即応小隊もお引越し。

 よくよく考えれば、あの基地で暮らした時間もかなり長かった。

 更には、あの事件から数か月後、ひょろっと戻ってきやがったのは、目の前にいる同じ背丈ほどの姉妹機ことホーワM1500(R)だった。その中身は、リンヤオだった。

 

「サームー」

「サブリ・・・って何その量の飯」

 

 自称長女、姉、ことサブリナ・フランキはいつも通り。G-MCVカンパニーが即応小隊の傘下に入ってからはほとんど同じ基地で生活している。

 一時期は色々あったけどな・・・。

 

「引っ越し蕎麦って文化があるから引っ越しハンバーガー!」

「いやそうはならんやろ」

 

 彼女の手元に山のように積みあがった紙袋に思わず突っ込んでしまった俺は悪くない。

 

「パーパー」

「なんだ11式」

「ひーまー」

 

 間延びした声を出したQLU-131はいつも通りだ。放置しておく。これからはWAが面倒を見てくれるだろう。

 

「副官から全人形呼び出します。ブリーフィング始めるから14時までに集合」

 

「よっしゃ、行くぞ!」

 

 

 

 

 STF。新部隊の名称だ。

 スペシャリティタスクフォース。

 通称はスタッフ。

 

「ようやく僕の理想の部隊が出来ましたよ、クルーガーさん」

「ご機嫌だな、タバタくん」

「例えダミーを使わなくても練度向上、連携強化で、人形のポテンシャルを引き出す。そして、いずれ人間の特殊部隊を取って変わる」「VAG、君から見て、この部隊はどうだい?」

 

 複雑、だな。

 

 スペシャリティタスクフォース。聞こえはいいが、その中身はもはや正規軍だ。

 16式という存在。Mi-24という攻撃ヘリ2機を輸送ヘリのお題目で保有。こんなPMC、あってたまるか。そう思ってしまう。

 

「アテンダント!」

 

 M60Jサクラ、ピンク髪のショートカットを揺らした少女が、気をつけの姿勢を取る。機動制圧隊と呼ばれる特殊部隊――――彼女達がSTFのお題目だ――――はMP5にロクヨン、ホーワにJS 9mmと言った警察や特警などで使われた銃と繋がった戦術人形達による部隊だ。

 

「複雑?」

「五年前までは人間としてあっちの世界に居たんだ。その役割を俺たち人形に、代替されかねない。制圧役として平常運転してた時には考えなかったけど、複雑だぜ」

 

「・・・そうだね。だけど、これからの戦いは熾烈を極めていく」

「例のカルトはグリフィンの近くを・・・いや、グリフィンの地域内を狙っている」

「んで、強権力の保持、と」

 

 呆れかえるが当たり前のことだ。

 なにより、そのカルトには因縁がある。

 

「VAG、そろそろ席を外してくれ」

「了解」

「それと副指揮官を呼んでおいて」

「へーへー」

 

 カルトとの・・・戦争か。

 あの狙撃手はどうなったのだろう。

 そんな気が遠くなりそうなことはひとまず置いておいて。

 この後は俺たちは行進したりして、グリフィンの広報役になる。

 人形の場合、特殊部隊であることを隠す必要が大きくないから、というのもあるが、STFの目的は抑止力だ。

 

「情報収集隊、邪魔するぜ」

 

 基地内のブリーフィングルーム。スタッフの中でも、情報収集に当たる戦術人形と基地防衛に関わる業務を行う、副指揮官の部隊。

 副指揮官はサムと知り合いの、あの女性指揮官だ。

 今日も例にもれず、9A91に絡まれている。

 こいつらも・・・暗殺とか諸にやっちまうんだけどな。

 

「コーラちゃん、ウェルロッド、グローザ、副指揮官様、連れて行っていい?」

「「「どうぞどうぞ」」」

「ASVAL~9A91よろしく」

 

 情報収集隊は主に闇に隠れて任務を行う分隊だ。

 9A91を分隊長に、AS VAL、OTs12ことティスにグローザ。そこにウェルロッド。大体このメンツ。コーラちゃんは指揮官の傍の人払いを416に任せてコーラタイム中だ。

 

 そして俺の所属は・・・どうなったと思う?

 副指揮官、副官を送り出したあとに、自分の居場所に入った。

 

「ここはそのまんまかぁ・・・即応小隊」

 

 即応小隊はそのまま額がかけられている。

 ワンフォーオール、オールフォアワン。スローガンも前の基地から持ってきたものだ。

 

「RO、MAVの整備の話取り付けてきたぞ」

「それじゃあ、次は16式の砲弾を買う場所を探さなきゃいけないですね・・・」

「「・・・はぁ」」気が重い。ブラックマーケットを使うのは最後の手段にしたい。

 

 俺は部隊長という立場がなくなり、部隊の指揮はROに一括化された。が、しかし。色々手伝ってはいる。

 

「サンロクさん、明日、暇・・・ですか?」

「えぇ・・・暇ですが」

 

 相変わらず進展しない二人を片目にいれ、天を見上げる。

 突入班はAA-12に俺ことVAG-73、FALにG36、RO635。そこにP226とG36cが加入

 支援班はホーワが抜けて11式が入ったような形で火力増強と共にロクヨンの抜けた穴をG28が埋めた。

 だが、大きく変わったことがある。

 

「サームー、半自動装てん装置のチェック終わったよー!」

「うし!わかった。んじゃ、RO、おあとよろしく」

「・・・え?」

「俺の居場所はやっぱり、鉄の棺桶なんでな」

 

 そうして俺は格納庫の中に向かう。

 大きな大きな、鉄の馬が。

 騎士を今か今かと待ち受けている。

 これから俺たちスタッフをどれだけの困難が襲おうとも。

 俺たちスタッフは家族なのだ。お互いを信用し、お互いを守るのだ。

 だから。

 

「行くぞ・・・16式。あのクソカルト共を吹っ飛ばしに」

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