鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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お久しぶりです。


アイツを倒す三本の矢1

 

 痛い。

 痛み止めが切れたのは分かっている。意識が重かったおかげで痛みで目を覚ますことはなかったのだ。一歩間違えていたら死んでいてもおかしい。

 薬物でブーストをかけて戦っても、パーサは、人形を倒すことは出来なかった。

 悔しい。俺がどれだけ努力していても戦闘用でない人形にすら勝てないという事実で重く打ちのめされるとともに、だからこそ一六式やグリフィンの人形達という仲間と助け合わなければいけないと思い知った。

 AEKが居なければ、一六式ごと倒されていた。FAL達人形の部隊が居なければ数の暴力で負けていた。もし最後にFGが狙撃しなければ、俺はパーサに殺されていた。

 それでも俺は突っ込んでいったことは後悔していない。

 だけど迷惑かけたよな。

 瞼がゆっくりと開いていく。眩しさで目をしばたたかせると、天井に手を重ねた。

 

「あ、ボス!皆、ボスが起きたよ!」

 

 いつもの寮の部屋、そのベッドの近くにはサブリナが座っている。デコの上には濡れたタオルがかけられていた。

 

「サブリナ、パーサは?」

「・・・後で話すよ。うん!今はゆっくりして大丈夫だから」

 

 俺が結果を聞こうとすると、サブリナは濁す。いい結果出ないのはわかりきっていて、俺がそれを気に病むこともわかっているので、納得はいかないけど仕方ない。

 

「大丈夫か?」

「何が?」

「サブリナと、ジョージだよ。暴発のブラストで気絶してただろ?マイクも疲れてるだろうし」

「ぼ・・・サムの方が無理してたじゃん!ふざけないでよ!」

 

 泣いていたのか少し赤い目の周りを震わせながらサブリナが叫ぶ。小さな声で謝ったけど、聞こえていたようで俺の手を握り無理やりな笑顔を浮かべている。

 

「もうさ、無理しないでよ・・・」

「すまん。それは多分無理だ」

「ごめん、分かってるけど我儘言ったね」

 

 一つだけ現状気になっていることもあった。

 

「なぁ、俺の鞄の中身見てないよな?」

「鞄って、戦闘用のボストンバッグでしょ?見てないよ。FALさん達が回収してきてくれたみたいだけど」

 

 アンプルがバレたらどうしようもないからな。

 あれがないと赤子の手をひねるように倒されてしまう。それぐらいなら体に大きな負担のかかる薬物でも頼った方がマシだ。

 

「とりあえず、サブリナが無事でよかったよ」

「・・・ッ!馬鹿!」

「馬鹿ってなんだよ馬鹿って」

 

 

 

 

「気が重い」

 

 呟けば呟くほど嫌に実感させられる。

 手元には社長とグリフィン、そして人形についてのプロ、IOPの16labという部署の人間の会議の結果が纏められた資料が置いてある。傍らには一六式の整備関連の書類があって、正直どちらも目に入れたくない話があった。

 

「そんなこと言っても事実は変わらないわよ」

「んなこと言ってもだな・・・」

 

 応接ソファの対面には服の前をはだけてインナーを見せている痴女みたいな恰好の人形がホットチョコレートを飲んでいる。

 先の戦いで共に戦い、別の戦線の指揮に忙しい指揮官の代理としてきたFALだ。

 

「パーサのダミーを回収できたこと、期限があと五日しかないこと、一六式を出さないとなると敵の本拠地を攻撃することが難しいこと、グリフィン(ウチ)から言うことはこれだけね」

「パーサの本体とダミーの数ってわかってないのか?」

 

 ダミーを回収したんだから、その電脳とかダミーリンク系の部分を解析すれば分かりそうだが、セキュリティもキツイか。それにVT信管でモロに榴弾の破片を受けたわけで、酷い状態だろう。

 

「ペルシカリア博士、つまり16labの主任研究員が全力で対応してる。期限ギリギリまでにはそっちの数も分かりそうだけど、一つ気になることがあってね」

「気になること?」

 

 FALはカップを置き、しなやかで細い指をピンと立てた。

 

「私たち人形のダミーって、本体よりも感情が薄いの。でも貴方が殴り合ったパーサは感情が表に出ていた。前に倒したダミーはどうだった?」

 

 そう言われて思い出してみれば確かにパーサは初めて出会った時より声が大きかったし、殴り合っていた時にはなんだか感動していた。ダミーと戦った時にも、オモシロイ性格をしている奴だと思ったが、もしかして殴り合ったのは本物だったりするのだろうか。

 

「確証が持てない。そういう不確定要素で本物かダミーを判断したくないんだ」

「そうね。それが正しいわ」

 

 FALが対面から机を越えて寄りかかってくる。

 露出の激しい服装が目に悪く、おまけにそれを分かってやっているのかしなだれかかってくるのだ。

 

「なんだよ」

「これ、見て頂戴」

 

 耳元でそう囁くと小さなケースを俺の手元に返してきた。

 

「なんでお前がこれを持ってるんだよ」

「貴方が無鉄砲で考えもなしに戦っているような輩であれば、あの人形や貴方の仲間にこれを渡そうと思ったの。でも、駒は多い方がいいから」

「ありがとよ」

「精々あがきなさい?」

 

 ケースを開ければ使っていなかった二本が入っている。

 一本でも心臓に痛みが残っているが、一本では相手に勝てない。

 何のためにそこまで全力を尽くすのかなんて聞かれるだろうけど、答えは一つだけあった。

 サブリナのコアさえ取り返せば、彼女は本来の姿に戻ることも出来る。そうなれば俺はいらない。

 だから、いざという時には使う。





サム君!死に急ぐのは!やめよう!
そんな意識だからシーズンワンの最後であんなことになるんやで。

戦術人形達の口調が怪しい。
シーズンツーの二章から割合多くの人形が出てくるのにやれるのか。

そんなわけで戻ってまいりました。頑張る。(実はこの話は二回目の投稿。一回目はダメダメ無線ランによって投稿中に消えてしまった)復帰早々心が折れそう・・・

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