鉄騎兵と戦術人形 作:ケジメ次郎
マジでついてない。
街の前まで一六式で送ってもらい道を聞こうとしたところで立てこもり事件に遭遇。
戦術人形としての安全機能である「権限のある指揮官からの命令以外での人間への発砲禁止」が重くのしかかり、
それでも俺は普通の人形と違って人間と殴り合うことにシステムからの警告が出ない。それを活かせば二人程度近づいてきた時に制圧できたかもしれないが、チビっこい犯人の鞄から出ている細いアンテナを見て諦めたのだ。
発信機であることは確実。延長しているようなタイプのアンテナだった。
手提げかばんの中に本体が入っていて、なおかつアンテナを伸ばす必要があるほど元のアンテナが小さいとなると小型のトランシーバーか携帯端末。基地局を経由するような大掛かりなものじゃなく、近い範囲に電波を送る程度だ。
そうなってくると、犯人の狙いは周囲を包囲した敵に対する目くらまし。
この建物の周りを爆破して混乱の中を地下通路か何かで逃げるつもりだな。
「ふぅ。とりあえず現状は把握した」
「ふーん」
「あいつら、爆薬の匂いがしてた。多分周りの建物に設置してるハズ」
「そういうことね」
同じく人質になっている同じ部隊配属の先輩、WA2000は面白くなさそうな顔をしていた。俺たちが配属される部隊は指揮官の権限が特殊で「人間に対する攻撃」を命令できる。治安維持における突入や確保の過程において人間への危害は避けることが出来ず、かといって人間の傭兵を雇い入れるのはめんどくさいというグリフィンにIOPが譲歩した結果だ。
その代わりとして同じ仕事をする治安維持任務の指揮官はIOPにおいても教育を受ける必要があったりする。
「お姉ちゃん・・・おてていたい」
「くっそあいつらキツく締めやがって・・・手首が鬱血してるじゃねぇか」
WA2000の傍に居た人質の子供がもぞもぞと動く。手首を確かめれば、結束バンドがきつすぎるせいで周りが青くなっていた。
「おい、
「あぁん!?なんだよロボット!」
「子供の手が鬱血してる。もう少し緩く拘束するか、彼女だけでも開放してくれ」
他に子供はいない。犯人だってこんな人質を抱えるのは嫌だろう。どちらにせよ、こいつらには子供を撃てるほどの度胸がないのがスケスケだった。
「アニキ、うっけつってなんだ・・・?」
「分からん!面倒だし放っとけ」
犯人が馬鹿すぎて何も伝わらないなんて予想できないだろ・・・文脈からなんとなく察せるはずだし、正気じゃないのか?
薬物が切れている様子はない。そうなってくると素面?マジで?
「はぁ!?なに考えてんだ、脳みそ赤ちゃんかよ!」
「あ?ロボットが人間様にたてつくんじゃねぇ!」
チビの犯人がドスドス怒りで肩を揺らして近寄り強くビンタしてきた。力加減も出来てないそれがまともに当たるものの、人形の防御力の前では蚊に刺された程度。
「その子の手首を見てやれよ、すごい痛そうになってるだろ?だから外してやれつってるんだ」
「それが人にものを頼む態度かよ?!」
ここまで典型的なチンピラ今時居るのか。別に頭を下げることに抵抗感はないし、必要とあれば下げてやる。
チビに丁寧に頭を下げてやると増長してつけあがった。
「結束バンドを取ってあげてください。お願いします!」
「態度がなってないなぁ、態度がァ!」
そもそも言うことを聞こうとすらしていないアホはひらひらとワイヤーカッターをひけらかす。
「アニキ、土下座させようぜ・・・!こんな美少女を屈服させるとかたまんねぇぜ!」
「趣味悪」
「スーツ女!後で覚えとけ!おら!頼む時は土下座しろ!」
ひょろなが子分の性癖駄々洩れな言葉にWA2000は眉を顰めぼやいた。
そのやり取りを耳に流しつつ、素直に前かがみになればポニーテールをわしづかみにされる。地面に顔を擦り付けられた。
落ち着け、あと少し、間合いを合わせて、今だ!
「?!なにしやがる!」
「ワルサー!カッター取れ!」
「えぇ!」
タイミングを合わせて一気に立ち上がる。持ち上がった頭で相手の頭を頭突き。落ちた工具を足で蹴飛ばしてWA2000にパス。そのまま子供とWA2000の盾になった。
「ロボットがたてつくとかおかしいだろうが!」
「お前が人間様レベルじゃない証拠じゃねぇのか?」
「うるせぇ!犯して何も言えないようにしてやる!」
「アニキィ、分かったぜぇ」
子分が後ろに迫りケツを撫で上げる。手つきが気持ち悪い。男の頃ジョージに触られた時と似た感覚だ。馬のように蹴飛ばしてやってもいいが、それだとWA2000が後ろ手を使って結束バンドを切る時間を稼げない。
チビは胸を揉みしだきだらしなく声を出していた。制圧してぇ。チビの拳銃は多分まともに当たらないし、子分ののっぽのナイフ程度じゃ壊れない。やってもいいが、周りの人質を考えるとリスクもあった。
手つきが気持ち悪い。ボディに引っ張られているのか女性の感じる生理的嫌悪感ってやつを感じていた。
ブラウスの胸元がはだけさせられる。スカートは
スポーツブラを捲り上げられるものの、目出し帽を外すことは躊躇っているようで揉む以上に発展しないことが救いか。
VAG-73ボイス
コミュニケーション2「なんだ、構って欲しいのか?」
VAGちゃんが脱がされるシーンは筆が進みましたグヘへへへ、ぐへっ?!(ケースレス弾48発で風穴が開く