鉄騎兵と戦術人形 作:ケジメ次郎
・過去になく(前回もそこそこだったけど)お下品な回になっています。ギリギリなんすよね、明らかに・・・僕の尺度でR-15行ける描写のつもりで書いてます。他の人のR-15作品の中でもギリギリなのを参考にしてセーフであろう描写のつもりです。
「げへへへへ・・・こんなロリを触れるとか滅多にねぇぜ」
「あんたらモテなさそうだしな」
ケっと吐き捨ててやれば相手のテンションが下がっていく。屈服できない相手には興奮しないらしい。そんなだからモテないというのが分かっていない辺りこいつらは女の味を知らないようだ。
チビは胸当てていた両手を俺の体のラインに合わせて下に持っていく。代わりに子分の方が後ろから揉みしだいてきた。力加減が出来てなくて人工肌から返ってくる感覚は痛さを示す。
好きでもない相手にこういうことされると気持ち悪いんだなぁ。サブリナとは一度だけそういうことがあったけど、こんな気持ちにさせてないといいんだけども。俺が人形になったせいで二度とそういうことは起きないので今は気にしないことにした。
「アニキ、やっちまいましょうぜぇ。前と後ろからやったらすぐに壊れますよ」
「そうだな・・・まずは言うこと聞かせねぇとな」
小さい。いや思わず鼻で笑ってしまう位に小さかった。しかも二人してお子様サイズだ。少なくとも俺が男の時一緒に公衆浴場に行った野郎三人はこいつらの二倍はあった。多分ボスに至っては三倍ぐらいだな。
「ちっさ。そんなんでやるとか言ってたのかよ」
「「はぁぁぁ!?」」
「これぐらいなら多分片方に二本行けるぜ?」
煽ってやればどんどんキレる。でもあれのサイズは大きくならない。悲しいな。
「ちょっとVAG!あんた!」
「大丈夫大丈夫!もうじき来るからさ!」
WA2000、長い。同じワルサーを冠する人形も居るが今はワルサーって呼んでおこう。ワルサーが怒ってきた。大方そんな下品な煽りをするなと言ったところか。
普通に女を模した自律人形のAIだったらこんな対応もしまい。だけど、こうやって気を引きつけているおかげで子供の拘束を外すことが出来たし、気づけば建物の外に警備ロボットに簡易的な警備人形が立ち並んでいた。時間稼ぎは十分だ。
『立てこもり犯の諸君、お楽しみのところすまないが君たちは完全に包囲されているよ。スナイパーだって配置についている』
「・・・遅いわよ、指揮官」
外の道路に拡声器を持った中肉中背の赤い制服が立っていた。性別は男、年齢は二十ほどだろうか、随分と若い。あと顔がときめいているのでワルサーは多分惚れているようだ。
「チイッ折角楽しむとこだったのによ!テンション下がったぜ」
「あ、あ、あ、アニキぃどうするんです?スナイパーが狙ってるって・・・!」
小心者の子分は狙われていることに怯えて窓の近くから徹底的に離れた。それを見てチビは笑う。
「すぐには殺さないはずだから心配はひつ」
「ひぃぃっ?!」
が、その笑いは瞬時に恐怖へと変わった。狙撃がテーブルの上に放置されていたチビの拳銃を撃ち抜いたのだ。銃器のルートを探るのに大事な証拠だというのに、壊してしまっていいのか。
パファーマンスにはなるし、それでもいいと思うことにして目を瞑ろう。
「疲れた」
「ちょっと前を隠しなさいよ!」
カウンターに背を当て大きく深呼吸。いくら元男でもあの気持ち悪さは中々にきつかった。正直に言うと拳で一発ぶん殴りたいし出来るなら二度と再起できないぐらいに滅多打ちしたいぐらいに。
ワルサーが顔を真っ赤にして怒鳴ってきた。そんなこと俺に言われたって、両手を拘束されてるんだから無茶ってものがある。
「無理だろ。解放されるまでの我慢だぜ?」
「ワイヤーカッター使うから!」
「おおっとそれはさせねぇぜスーツ女ぁ」
「近寄んな!」
チビがワイヤーカッターを回収。流石に俺のことは警戒しているらしい。外との交渉に夢中になってるところを自由になった両腕で抑えて制圧したかったが流石にそれはご都合主義もいいところだ。
「ちっちゃいお姉ちゃん、わたしやったげる」
「ありがとな。姉ちゃんしっかりあいつらをぶっ飛ばすから。もう少しの辛抱だ」
「うん!」
両腕が自由になり鬱血の痕はあるもののすっかり落ち着いた子供が服を整えてくれる。
外の様子がやや穏やかになった。俺のあられもない状態が終わったからだ。指揮官がゆっくりと交渉を始めた。
『君たちの目的はなんだ!』
それは分かってるだろ。思わず突っ込みそうになる。
「ど、ど、ど、どうすんだアニキィ!?」
「はん!よく聞け!この発信機に衝撃を加えれば、ドカン!だ!この建物とその近く、みーんな!吹っ飛んじまうぜぇ!?」
『要求を聞こう。その代わり、子供と老人の人質を解放してほしい』
ワルサー曰く犯人はあと一人大柄な男がいるらしい。そいつが地下の金庫を爆破したということとこっち側にいる二人の馬鹿さ加減を考えると、中心はその巨漢だ。この二人はその指示に従っているだけだろう。厄介だな、既にそいつだけ逃げているっていうパターンもあり得る。
「へへへっ、安全の保障と飯、それに女を連れてきやがれ!」
『最後のは無理だが、前二つはいいだろう。三時間は突入しない事の保障と食事を運ばせる。食事は無害なロボットに中まで運ばせよう。その代わり子供と老人の人質合わせて十名を無傷で解放という約束だ。破った場合、お前らの頭がさっきの拳銃みたいになる』
交渉が纏まり、建物に居た老人九名と子供が出ていくことになった。
「お姉ちゃん達・・・」
「行きなさい。私たちは大丈夫だから」
「心配すんな。人形ってのは頑丈にできてんのさ」
子供は心配そうな目つきでこっちを見つめてくる。たった数時間ほどの付き合いなのに、子供の純粋さと吊り橋効果ってのは恐ろしい。
「待ってるから!」
「おう!」
「えぇ、後で会いましょう」
「・・・うん!」
チビに急かされ子供は出口の方に向かっていった。一番守るべき存在はなんとか守ったかな・・・
外を見ればようやく夕焼け。おまけに犯人への安全の保障は二時間も残っている。これは長くなりそうだ。
VAG-73ボイス
コミュニケーション3「いつまでやるんだー?そんな心地よいものでもないだろうに・・・」