鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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なんか犬っぽい2

「鹵獲ダイナゲートをK9仕様にする」

「そもそもK9ってなんですかー?」

「ラテン語でイヌ科を示す言葉の英語読みが語源で、特殊な訓練を受けたイヌのことよ」

「そ、416の言う通りで今回の目的は警備犬ってことだ」

 

 警備犬・・・ってのは日本のK9の一種でその任務は鼻を使った捜索だけでなく、テロリストの制圧なんかも含まれていたらしい。

 低い姿勢からの強い圧力は非常に有効的で、火薬や爆薬の捜索だったりに活躍できる汎用性は俺たちにとっても悪くないと思う。

 K9自体が現代ではイヌの減少とハンドラーがほぼいないことによって絶滅状態。だから本物のK9は用意できないとあきらめていたところに、この話を見つけたのだ。

 

「鹵獲ダイナゲートって所詮ダイナゲートでしょ?そんなまがい物に騙されないわ」

「そう言うなってWA。普段のAIは小型犬そのものらしい。もちろん制圧の時はしっかり言うことを聞いてくれる」

「可愛い子が来るならさんせーですよ!」

 

 416はさっきから端末に表示されている動画を見つめている。これは悪い印象じゃない。隣のWAも気になってチラチラ見ていた。

 

「そんなわけで・・・なんとか指揮官を説得できないか?」

「別にいいんじゃない?って勘違いしないで!K9が居れば作戦の幅が広がるからよ?!」

「私も否定はしないわ。ただし面倒はしっかりと見て頂戴」

 

 WAは誰にツンデレしてるのか分からないし、416は母親かよ。

 

 

 

 

「ってわけで指揮官。検討してくれないか?」

「見積もりを見てからだね。うん。多彩な戦力があると嬉しいし、前向きに検討するよ」

 

 指揮官と相談しつつ見積もり仕様書を作成していく。

 

「仕様はセンサーと機動力の大幅強化、スタンガンの装備とAIの設定・・・と」

 

 センサーは言わずもがなK9としての能力に不可欠。機動力の強化は制圧時に必要だし、スタンガンは噛む器官のないダイナゲートを攻撃的なポジションにするために実装。AIの設定に関してはメーカー側との話し合いで変更点も出てきそうだ。

 そうして一週間ぐらい経った辺りで見積もりが返ってくる。

 

「あれ?意外と普通な値段」

 

 指揮官が見積書を手渡してくる。ここのところの運営の余裕で余剰になってくる予算の範囲内でローンが組める値段は実に良心的。関連の会社らしいが、IOPと比べて非常に良心的な価格設定だ。しかも問題があって返品した場合は全額返金、無期限のメーカー対応付き。今時こんなメーカー見つけることの方が難しい。

 鹵獲ダイナゲートの民間向け事業最大手の名は伊達じゃないか。

 

「指揮官、どうだ?」

「いいよ。採用。面倒はVAGが見るんだよね?」

「あぁ。ハンドラーはやったことないけど、マニュアルとにらめっこしてやってみるよ」

 

 専用にAIを設定しているのでそこまでハンドラーに依存することはないだろうけど、誰が一番面倒を見て指示を出すかは決めないといけないので俺が役割を買って出た。言い出しっぺだし。

 納入は三週間後。楽しみだな。

 

 

 

 

 発注してから三週間。ロールアウトしたK9ダイナゲートが基地にやってきてから俺との訓練を一週間。一か月経った今日になって全員にお披露目になった。

 

「そんなわけで、K9ダイナゲート改めポインター。ポインター、おすわり」

 

 素直に言うことを聞き、後脚だけを畳んでおすわりの姿勢になったダイナゲートが小隊メンバーと指揮官の顔を確かめる。

 ポインターって名前は・・・俺の原点とも言うべき日本の漫画から取ってきた。別にそれを読んでボクシングを始めたり特殊部隊に入ったわけでもないが、少なからず影響は受けていた。

 

「か、かわいい・・・ってなによ!?」

「ふっ、殺しのための人形」

「アンタだってにやけてるじゃない?!」

 

 WAと416がいつも通りに揉めている。

 

「わー!本物のワンちゃんみたいです!お手!」

 

 SAAが近寄るとポインターの尻尾に当たる部位がブンブン回る。ここら辺は本当に人懐っこい犬や子犬と変わらない。

 

「よし。新しい仲間も加わったことだし、これからも頑張ろう!」

「おう」

「きゃっほー!」

 

 あっちの二人は聞きもしていないけど。

 

 

 

 

「ポインター・・・あぁ!可愛い可愛い可愛い!」

「WA、そろそろ消灯なんだが」

 

 なんでそんなにデレデレしてるんだ。確かに愛らしいし、ちょこちょこと追いかけてきて足に体を擦りつける仕草は、感触が硬いはずなのにとってもほっこりする。

 

「ポインター、そんなのの相手よりこっちに来なさい」

「416、お前もか・・・」

 

 416が掛け布団を開いておいでおいですると、ポインターはWAと416の顔を交互に見た後体を震わせた。

 

「「あっ!」」

「よしよし。怖かったなーポインター」

 

 最終的に俺の方に飛びついてきた。座布団を用意してやればそこに収まりスリープモード。

 そうして夜は更けていく。

 翌朝、起床時間ピッタリに起動したポインターが飛びついてきて全員が起こされたのは余談だ。あの416とWAよりも先に動くとかポインター有能だ。




VAG-73ボイス
修復「ごめん、少し待っててくれ!」


次回予告
すみませんグリフィンなんですけども、路上使用許可の確認よろしいですかね?
あ、逃げんな!
巡回S1より本部、○○通り××前の不法出店者が逃走。応援求!
2-2第二話「密着グリフィン24時 違法薬物の出所を探れスペシャル」
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