鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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誓約で
VAGちゃんを
メスにする
(一句)


密着グリフィン24時 薬物の流通ルートを絶て!4

「状況知らせ」

「VAG、ポインター準備完了」

「あたしもオーケーでーす」

 

 偵察の結果見つかった科学ドラッグ工場は大きな横道をいくつか利用する形で建てられていた。

 俺が居るのはそこのアクセスホール。ちょうど足元に一人の気配と独特な香り。煙草を吸っているようだ。

 416が川側の大きな入口から左右に分かれている工場の入口部分を見張り、SAAは反対側の工場の上のアクセスホール。敵の数は出店の店主含めて五人。こっちに三人、下水道のところに一人、SAAの方に一人。

 俺はポインターも居るからこの程度は苦しまない。問題は手榴弾や爆薬があった場合だ。衝撃が起きた場合少ない箇所にしか抜けないせいで爆発すれば証拠、確保対象、俺たち、全部大きなダメージを受ける。最悪は手を撃って持たせないようにするしかなかった。

 

「カウント十で突入。レディ」

 

 事前のブリーフィングの要点は三つ。

 一番の目標はビジネスに関する情報の確保。ブツの精製に関わったモノのルートとビジネスそのものの情報が一番重要だ。

 確保対象は情報確保が目的なので、情報を持たない見張りに対しては最悪撃っても構わないというのが二つ目。

 ビジネスに関わったきっかけがスラムの生活を逃れるためかもしれないとか、発砲を躊躇する事情を想像することは出来るけど、それよりも作戦の遂行と仲間の安全の方が大事。一応手足と言った行動を妨げる部位を狙うし、応援の警備人形部隊が来るまでに応急処置はするが、命の保証は出来なかった。

 最後に仲間や自分が危なければ発砲しても構わないということ。責任は自分が取るから君たちは判断に躊躇をするなというのは指揮官の口癖だ。

 

「ふぅ」

 

 カウントダウンが進んでいく。深呼吸。脇腹は痛くない。

 そう言えば人間の頃に痛んでピンチを知らせてくるのはそういう体質だと認識していたが、ボディが変わった今でも使えるってことは俺の脳内にそういうプログラムがあるってことだよな。

 

「スリー」

 

 息を止めた。

 指揮官の期待には応えないといけない。やってみせるさ。作戦目標を全部こなして、敵も全部確保してみせる。

 

「ツー」

 

 アクセスホールの蓋に手を掛け、ポインターに直下に居る敵を制圧するように命令。

 

「・・・ゴー!」

 

 下水道全体に響く一発の銃声が作戦開始の狼煙だった。

 アクセスホールが開くと同時にポインターが飛び降りてスタンガンを使い一人無力化する。俺も飛び降りつつ半身を抜いて灯りを撃ち、暗闇に身を隠した。

 こっちの工場に居る人間は白衣姿の男が一人に、店主の男。店主の男は殴りかかってくる。

 

「オラァッ?!ぐっ!」

 

 降りかかってきた右腕を引っ張り、首元に腕を引っ掛けて首を絞めた。もちろんこの程度じゃ人間を気絶させるのは難しい。

 

「ポインター」

 

 隙だらけになった店主の足にポインターが噛みつくように飛びついた。俺が腕を離せば、暗闇に電撃が走る。

 洞道の近くにガス管が埋まっていたが、それが漏れ出ていないことは確認済みだ。ガスが漏れていたら迂闊に武器を使えない。

 

「く、来るな!」

「お前が生産者か・・・アンタだけは絶対に生きて捕えないといけないんでな」

 

 白衣の男はまだ暗闇に目が慣れていないようで、虚空を見回して震えていた。俺の声が聞こえたのかこっちを睨むと何かを振り上げた。

 

「全部、全部吹っ飛ばしてやる!」

「はぁ・・・破滅主義はおススメしないぜ」

「何が!何が分かる!銃を捨てろ!」

 

 手榴弾だ。男はピンに手を掛けた。流石にここじゃ安全なところに投げられない。そうなるとレバーを離す前に確保する、それだけだ。

 

「分かった。この銃を捨てればいいんだな?」

「そうだ!そして俺を見逃せ!危害を加えようとした瞬間にドカンだ!」

 

 VAG-73を置く。スカートの裾に手を掛ける。空いている手にはライトがあってボディの方を照らす。

 

「なっ!?・・・?!!?」

 

 至近距離、三メートルほどで思い切りスカートの中身を見せつけてやる。それに気が緩んだ瞬間にガーターに引っ掛けていた単発テーザーを抜いて、ズドン。

 

「あっぶねぇ・・・」

 

 近づいて男の右手を握ってやれば、手榴弾のピンは抜かれていた。電撃の後に手が緩んでしまえば爆発まっしぐら、危ないところだ。

 左手の親指でレバーを握り、林檎のような形をした球の部分を手のひらで持つように、手榴弾自体を上下さかさまに持つようにして、川の方で捨てた。

 

「首尾は上々。あとは応援の警備が来るまでここを持ちこたえることね」

 

 手榴弾の爆発、銃声、これらに呼応してビジネスのグループやそれに協力するスラムの住民が迫ってきている。警備人形達は少し遠いところで待っているものの、俺たちの制圧時間は一分と決めている。増援はすぐに来るはずだけど上もお祭り騒ぎになる。

 

「この空間はきついな・・・」

「VAG、正面でタンクをお願い。SAA、横道使いまくって攪乱。情報源は確保したから、殺さないように気をつけつつパーティよ」

 

 VAG-73をホルスターに戻しつつ戦闘態勢。人数は多い。今晩は踊り明かすことになるかもしれない。

 まぁ、難しいことを考える必要もないか。

 

「全員纏めて吹っ飛ばす!単純明解な答えだ!」




VAG-73ボイス
ローディング「あ、待ってくれ、今行く!」

コミュニケーション4?ねぇよんなもん(


次回予告
えぇっと、スキン?
IOPからの送りものって服かよ・・・
なんつーかこういう可愛いものが似合うと思えないんだよな。中身男なんだし・・・
あ、やめろ416!ノリノリで着させんな!自分で着替えるから!
「スキン「可愛面包店」」
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