鉄騎兵と戦術人形   作:ケジメ次郎

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えー投稿時のミスにより、本来24時に公開する予定だった話がこの時間に公開されてしまいました(敗北)

三話の2パートを見ていない方はそちらから読んでいただけると嬉しいです。

今回はミスなので、今度の二回更新はいつも通り昼間と24時になる予定です。ごめんなさい


地獄への転進1

 双眼鏡を使って周りを見回すと見渡す。ゴーストタウンの先は砂漠に囲まれているので遠くは砂嵐で何も見えない。

 大きくため息をついてから無線のスイッチを押した。

 

「ジョージ、ボスの様子は?」

「何とも言えないわね。応急処置はしたわ。意識も一応あるみたいだけど」

「おい、サム!」

「ちょっと、ボス!」

 

 無線の奥からボスの声が聞こえ、止めるジョージと無線機を取り合っているようだ。

 

「サム、聞こえるか?」

「なんすか?」

「今から命令する。お前は次のボスになれ」

「はぁ?」

 

 意味が分からない。いきなりなんだ?

 

「破片で目がやられたみたいだ。数メートル先も見えないから車長の仕事は出来ない。だから、てめぇがやるんだ」

「装填手もやりながらか?」

「ちげぇよ。戦術人形が居るだろ?やり方だけ教えて、お前は俺の席に座るんだよ」

「無茶言うなよ・・・」

「無茶じゃねぇ、これは命令だ」

 

 SPASに装填させるたって、そりゃ戦術人形だから力とかそういう問題もないのでやろうと思えば出来るだろうしもし事故っても整備さえすれば元に戻る。リスクはないからどうにでもなるだろうが、イメージがわかなかった。

 

「・・・ていうか、俺は車長なんて柄じゃねぇよ」

「何度も言わせるな、これは命令だ。ジョージ以外に砲手は務まらねぇし、マイケル以外に操縦手は務まらねぇ。そしてお前以外に車長は無理なんだ」

 

 技能が必要な他のところと比べれば、装填手なんて本当に馬鹿でも出来る。車長はどちらかと言えば才能だろうか?状況判断能力に決断力、戦術眼あたりを持ち合わせていれば務まるだろう。

 俺の場合はどうも他に選択肢がなかった気がするが。

 

「分かったよ。やるだけやってみる。ボスはゆっくり休んでてくれ」

「おう。サム、てめぇは車長の資格がある。俺を見返してみ・・・ろ・・・グっ」

「ボス!」

 

 無線機のスイッチが切れた。ボスは意識を失ったらしい。

 双眼鏡で再び周囲を索敵する。砂漠の稜線から砂煙が立ち上っていた。

 この状況で敵の増援が来たのである。

 

 

 

 

 大きく深呼吸。タンカースジャケットの襟をしっかりと合わせる。キューポラから身を乗り出し、双眼鏡を覗く手は震えていた。

 落ち着け。俺は今車長なんだ。俺の怯えは乗員に伝わってしまう。

 砲塔後部のバスケットの中には寝袋と毛布で簀巻きにされ固縛されたボスの姿。顔色は苦しそうだが、怪我以外の原因もあるだろう。

 

「SPAS、装填のやり方はさっき教えたとおりだ。手前が瞬発榴弾、後ろの黄色が遅延で黒が徹甲。今回は瞬発を中心に使うから、なくなったら下の弾薬庫から黄色を引っ張り出して即応弾薬庫に補充してくれ」

「まっかせて!」

「ジョージ、俺の指揮はあやふやかもしれない。それでも期待に応えてくれると思ってる」

「あふん、任せなさい」

「マイク、俺のニュアンスを上手く受け取ってくれると分かってる」

「お、旦那も愛称で呼んでくれるのか!うれしいねぇ」

 

 乗員たちの士気は旺盛だ。俺がビビってどうする。

 

「敵部隊に攻撃を与えて街を抜け出す!そのまま街道に出て帰還だ。高額報酬が待ってるぜ!」

「「「了解!」」」

 

 車内の空気がいい方向に向かっていることが分かった。

 敵はぽつぽつと住宅が立っているあたりまで迫っているのが見える。

 エンジンの音で気が付かれそうだが、いつでも走り出せるようにしないと砲撃出来るタイプの敵に反撃を喰らいそうだ。

 相手の中心には一際大きな武装を持つ多脚の人形。

 

「ジョージ、あの多脚はなんだ?」

「マンティコアだと思うけど武装は初めて見るわね。装甲も分厚そうだわ」

「SPAS、徹甲弾装填。街灯のあたりで狙えるか?」

「やってみるわ。任せて頂戴」

「発砲後前進してそこの右の角から迂回する。照準!」

 

 砲塔が僅かに旋回し、砲身はゆっくりと下に下がる。

 マンティコアが街灯に差し掛かったところで砲撃を合図した。

 イヤーカフをつけていても耳が痛くなる砲声。目が眩むマズルフラッシュ。エンジンは高鳴り、前進を始めた。

 

「敵マンティコア撃破!そのまま右のルートからまっすぐ前進だ!次は瞬発HE!狙いは敵のミニガン持ちを仕留める!」

「ストライカーね、了解!」

「サム、瞬発入れた!」

「砲塔左旋回九十度、停止射撃!停止、今!」

 

 急ブレーキでキューポラから体が落ちそうになる。敵の人形と目が合ったような気がした。実に肝が冷える。自分で撃つ銃がないのに敵と睨みあうのがここまで怖いとは思わなかった。

 

「撃っ!」

 

 目標のストライカーとダイナゲートの一部が吹っ飛び、破片で変な乗り物に乗ってる人形(ドラグーン)も吹っ飛んだ。

 これで三割ほど倒しただろうか。ダイナゲートの数も多いがアサルトライフルを持っているヴェスピドもそれなりに居る。ダイナゲートはこちらに走り出してきた。

 

「バック!機関銃ばら撒け!」

 

 操縦手と装填手、それぞれの席に設置された遠隔スイッチ、砲手の使える同軸機銃、そしてキューポラに増設されたブローニングM2重機関銃が音を立てて火線を描く。

 薬莢が砲塔と車体をすさまじい勢いで叩く。

 四本の12.7ミリシャワーは道路を埋め尽くすように走ってくるダイナゲートを貫き、跪かせた。

 

「ダイナゲートさえ倒しちまえば、後は撒ける!全力で街を抜けるぞ!前進!」

 

 残骸を踏みつぶしながら八つの車輪は前へ前へと回り始める。




そんなわけで第四話一パート目でした。
ちょっと薄味だったかな?
次回はあの人形が出てきます。そして今回の依頼に関する疑問が上がる、そんな回です。


感想返しのコーナー
「戦車の様な大口径の重火力や射程がでないけども…その代わり臨機応変に素早く対応しなきゃならないこの世界観(鉄血や人類人権団体やE.I.L.D)ではうってつけの兵器やな」
そうなんすよ。その上一六式なら主砲があるんで、力を見せることが出来るというね・・・一応そういう説明をする回も今後出す・・・かな?今のところメインストーリーを素早く展開するためにそういう描写が割を食ってしまっています。

「さて…今後の展開楽しみっすね。

次回も楽しみにしてます!」
こう言うこと言ってもらえると非常に嬉しい。

そんなわけで感想お気に入りありがとございます。
更新のペース続くのか・・・?
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