タイトル通り。まじでやっつけ。

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ほんとにやっつけです。マジぶん投げてる。


超やっつけ短編:台所を召喚した少年

ここではないどこかにある剣と魔法の世界。

 

そこに住まう人々は、12歳になれば「クラス」そして「スキル」と呼ばれるモノを神より授かる事になっていた。

「クラス」はその人が持つ才能であり、「スキル」とは「クラス」の為の特別な力である。

無論、「クラス:戦士」だからと言って魔法使いになれない訳ではない。

だが選ぶ者は少なく、殆どの人は「クラス」に沿った将来設計を夢描いていた。

 

とある村で行われた「授かりの儀」。

巡回神殿によって各地の小さな村にまで行われるそれは人々に自らの可能性を見せる物であり、

未だ跋扈する魔物たちと戦う為の手段を人々に授ける為の物であった。

 

「やった! 俺のクラスは<勇者>だ!!」

 

赤毛の少年が大喜びで周りに自慢する。

「クラス:勇者」は世界でも数少ない「クラス」である。

「スキル:勇者の剣」は手に持つ武器を全てを断ち切る無敵の刃と変え、

「スキル:勇者の盾」はこの世全ての害悪を寄せ付けぬ、と言われるほどの力を持つと言われる。

もっとも、今の少年が持つスキルは1日に1度だけ死より蘇る「スキル:勇者は死せず」のみ。

だが、その時点ですでに破格であるともいえる。

 

「私は<聖女>よ!!」

 

緑髪の少女がはしゃいで周りに伝えて回る。

「クラス:聖女」もまた世界でも数少ない「クラス」なのだ。

通常ならば「クラス:上位司祭」でなければ使えない上位信仰系魔法を習得でき、

あらゆる悪意を寄せ付けない力場を創造する「スキル:聖女の祈り」、

どのような瘴気も清浄にする「スキル:浄化の願い」など聖女にしか使えないスキルは

多々存在する。

もっとも、今の少女が持つスキルは1日に1度だけ人を完全に癒す事ができる

「スキル:癒しの祈り」のみ。

だが、その時点ですでに破格であるともいえる。

 

「で、お前はどうだったんだよ?」

「そーよ、どーだったのよ?」

 

二人が目をやったのはつい先ほど「授かりの儀」を終えた黒髪の少年である。

 

「<召喚士>だった………。」

 

「何だよ、<大魔導士>とか<賢者>とかじゃないのかよ!」

「ホント使えないわねぇ!」

 

二人からこつかれる黒髪の少年。

この3人の関係性は、この光景からでも見て取れるかもしれない。

2人に比べてどこか劣っている部分のある黒髪の少年の扱いは、総じてこんな物であった。

村の人達も、それを止めようとは思っていない。

クラスが決まった時点で、改めさせようとすら考えないだろう。

 

勇者、聖女と比べれば召喚士は一枚劣る。

呼び出すモノにもよるが………。

 

「で、どんなスキルなんだよ!」

「とーぜん、ドラゴンとか呼べるんでしょうね!?」

 

そう言う二人に、小さな声で黒髪の少年は告げた。

 

「………台所。」

「はっ?」

「えっ?」

 

聞き間違えと思ったのか、二人は聞き直す。

 

「………台所。」

「台所、ってあの?」

「料理作る台所?」

 

頷く黒髪の少年。

吹きだす二人。

 

「お、お前………台所、台所って………お前……!?」

「バッカじゃないの!? 台所呼び出して何する気なの?料理教室でも開くの!? 

ホントにバッカじゃないの!?」

 

うわ、ありえない。ほんとどーしょうもないじゃないそれ!とツボにはまった笑いと共に

指をさして笑う<勇者>の少年と<聖女>の少女。

<召喚士>の少年はうつ向いてしまう。

 

周りの空気も似たようなモノだ。

慰めるどころか、何コイツと言った目をしてる者が多い。

実の親ですら「ウチの子は………」と申し訳なさそうに小さくなっているくらいである。

 

「出してみろよお前台所。」

「ほんと、ちょっと出してみてよ台所。思いっきり笑えそうじゃない!」

 

だーせ! だーせ!とはやし立てる二人。

だから<召喚士>の少年は呼び出すことにした。

 

「<スキル:高速召喚>

<スキル:複数召喚>

<スキル:大型召喚>

<スキル:連続召喚>

<スキル:台所召喚>」

「えっ。」

「えっ。」

 

二人が最後に感じたのは空からの強烈な一撃だった。

空から落下してきた古代魔法文明期の物と思われる無数のユニットキッチンが

彼らをいとも容易く押し潰したのだ。

硬い物と硬い物がぶつかる派手な音を奏でながら、ダメ押しのようにさらに

無数のシステムキッチンが二人に降り注ぐ。

それはまさに死体蹴りのごとく。

 

<召喚士>の少年の即断即決ぶりは、周りの村人たちが止める暇すらなかったのである。

そして、落とすだけ落として魔力の尽きた少年は、意識を失ったのだ。




別に二人にぶち込む必要はなかったけど後悔はしていない

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