柱合会議の翻訳係   作:知ったか豆腐

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2019/09/25投稿


その10(那田蜘蛛山編)

 鬼殺隊本部である産屋敷邸にて、結一郎は当主の耀哉(かがや)と対面していた。

 用件は先日遭遇した上弦の伍についての詳細な報告が第一にある。

 これまで多くの鬼殺隊士たちが返り討ちにされ、情報を持ち帰ることも出来なかった正体不明の上弦の鬼。

 そのうちの一体とはいえ、容姿・性格・能力といった詳細な情報を得ることができたのは僥倖と言える出来事であった。

 そのため、紙面による報告だけではなく当事者である結一郎が呼びだされて直接口頭報告をすることになったのだ。

 

「ご苦労だった結一郎。よく上弦の鬼の情報を持ち帰ってくれたね」

「いえ、鬼の頸を獲ることもできず、申し訳ございません」

 

 耀哉からのねぎらいの言葉に、結一郎は上弦の伍を討ち取れなかったことを詫びた。

 あと一歩というところまで追い込んでおきながら逃してしまったのは、痛恨の極みであった。

 しかし、耀哉は結一郎の謝罪を首を横に振って否定する。

 

「いいや、上弦の鬼と戦って生き残ってくれただけでも上出来だ。結一郎、奴らは強い。焦ってはいけない」

「はっ! ご温情、感謝致します!」

 

 自身の失態に優しい言葉をかけられ、感極まる結一郎。

 多くの剣士たちから慕われる当主のカリスマがそこにあった。

 一連のやり取りを含め報告を終えると、次の要件に入る。

 その用件を告げるために、耀哉は口を開いた。

 

「結一郎、以前に伝えていた選抜部隊の準備がひとまず整った。君にはこれから部隊を率いて任務に向かって欲しい」

「御意!」

 

 耀哉からの指令に深く頷く。

 説明を聞けば、選抜されたのは以前共に任務を受けたことのある佐藤・鈴木・高橋の三名だという。

 今後また人数を増やしていく予定だが、まずは結一郎と関係があり、実力も申し分のない三人を選んで結成されたのだという。

 人選について結一郎に否はない。

 柱たちから受ける地獄のような特訓にも自ら参加してくるほどの覚悟も、それを乗り越えた実力もある。

 そんな信頼できる彼らと共にする部隊の名前が耀哉から告げられた。

 

「この部隊の名前は“(あさひ)”。君はそこの“棟梁(とうりょう)”を名乗るといい」

「謹んで拝命致します!」

 

 鬼殺選抜隊“旭”

 鬼の支配する夜を終わらせる朝の光を冠した名だ。

 そしてその部隊の長という意味と、柱に並んで鬼殺隊を支える意味も含め“棟梁”と名付けられた役職に結一郎が付くこととなったのだった。

 新たな役目を与えられた結一郎は気力全開で次なる任務に挑む。

 

 次なる任務の先は那田蜘蛛山(なたぐもやま)

 多くの隊士たちが派遣され、誰も戻らぬ土地だ。

 


 

 那田蜘蛛山には複数の鬼が潜んでいる。

 普段は共食いの習性から単独行動が基本の鬼たちが集団として活動しているという事実は、普通ではない『ナニカ』がそこにいるという証左にほかならない。

 悪鬼の巣窟へ普段よりも人員を投入して足を踏み入れた鬼殺の剣士たち。

 彼らは酸鼻を極める地獄のような光景を目の当たりにしていた。

 

 ある者は人の倍はあろうかという巨大な鬼に怪力で叩き潰され、

 ある者は溶解液の満ちる繭に閉じ込められて生きながら溶かし殺され、

 ある者は毒を打ち込まれ、痛みと恐怖に震えながら体を蜘蛛に変えられて下僕にされた。

 

 そしてもう一体、母鬼と呼ばれるその女の鬼は五指から伸びた蜘蛛の糸で小型の蜘蛛を操り、隊士たちの四肢に括り付けて操り人形と化す恐ろしい術を持っていた。

 糸を括り付けられた隊士たちは本人の意思の望まぬままに仲間に向けて刃を振るわされる。

 たとえ自らの骨が砕けようと、内臓が潰れようと、その糸は無情に体を動かし続けるのだ。

 無理やり体を動かされる苦痛に自らの死を乞いながら仲間が襲い掛かってくるおぞましくも最悪な状況。

 

「マズい、マズいわ! 鬼狩りが、鬼狩りが来る!!」

 

 そんな地獄を作り出した女の鬼は、焦りを隠せずに顔を歪ませていた。

 彼女の指につながる糸はピンと強く張られており、少しでも力を抜けば体が引きずられそうなほどの力で引っ張られていた。

 多くの人間を操ってきた糸が逆に彼女を拘束する物に成り果てている。

 こんな様子では、人間を操ることなどできはしない。つまり、彼女は今、無防備な状態にさらされているのだ。

 

『そんな! なんて馬鹿力! 逆に私の糸を絡めとって力比べを仕掛けてくる人間がいるなんて!?』

 

 鬼に力比べを仕掛け、あまつさえ拮抗状態を生み出した常識知らずな人間がいた。

 その人物とは、鬼殺選抜隊“旭”棟梁・(にぎ)結一郎(ゆいいちろう)。我らが翻訳係である。

 

 

 鞘に蜘蛛の糸を巻き付け、力の限り引っ張っている結一郎。

 鬼と力で張り合うという信じられないことを行えているのには理由があった。

 一つは鬼殺の剣士の必須技術である“全集中の呼吸”。

 もう一つは“反復動作”と呼ばれる技術だ。

 集中を極限まで高めるためにあらかじめ決めておいた動作を行い全ての感覚を一気に開くというもので、これを行うことで通常では出せない怪力を出すことができるのだ。

 

(りん)(ぴょう)(とう)(しゃ)(かい)(じん)(れつ)(ざい)(ぜん)!』

 

 結一郎の場合は「九字切り」もしくは「九字護身法」と呼ばれる九字の呪文を唱えることが反復動作となっている。

 本来ならば、九字の呪文に合わせて両手で九種類の印を結ぶのが正式なものだが、訓練により唱えるだけでも極限の集中状態に持っていけるようになっていた。

 もちろん、印を結んだ方がより集中しやすいのは言うまでもない。

 そんな反復動作と全集中の呼吸を使い鬼と力で張り合う結一郎の内心は、端的に言えば滅茶苦茶焦りまくっていた。

 

『うおおお! 早く! 佐藤くん、鈴木さん、高橋さん、炭治郎(たんじろう)伊之助(いのすけ)ぇぇぇ! みんな早く鬼の頸を切ってください! これ、結構キツいです!!』

 

 口には出さないものの、けっこう情けないことを考えていたり。

 森に入った際、炭治郎を庇って腕についた糸を引っ張り返したところ、相手の動きが弱まったことから逆に糸を絡めて力比べを行い動きの妨害をする作戦を決めた結一郎。

 ズバリ作戦は当たり、結果として操られていた仲間の動きも止まり、糸を操る鬼は差し向けた仲間に無抵抗に首を斬られるだけとなっている。

 ただし、欠点としてこの作戦では結一郎の負担が滅茶苦茶でかいというのを見落としていたのだけれど。

 

 お館様直々に新たな役職に任じられ、張り切った結果がコレである。

 どうも我らが翻訳係、致命的ではないものの肝心なところで詰めが甘いというか、うっかりをやらかすというか……

 今は複数の呼吸を使いこなすようになったとはいえ、彼も元を正せば水の呼吸の使い手。多少、天然が入っているのはしょうがないのかもしれない。

 

 

 なお、母鬼の頸は炭治郎君が優しく斬り落としたそうです。

 

 

 

「しっかりなさい! 諦めてはだめです!」

 

 糸を操る鬼が倒されたことで抑え込む必要がなくなった結一郎は生き残った隊士たちを相手に応急処置を施していた。

 骨折や内臓の損傷といった重傷者ばかりで一刻の猶予もない者も多い。

 その命の残り時間を少しでも伸ばそうと結一郎は奮闘をしていた。

 

「すみません、助かりました。ありがとうございます」

「無理にしゃべらないで、呼吸を整えることに集中してください!」

 

 額に脂汗を浮かべながら尾崎という長い髪を後ろにまとめた女性隊士が礼を述べる。

 それを結一郎は制止しながら、全集中の呼吸を使うよう指示を出した。

 

「これから骨の位置を戻して固定します。全集中の呼吸で骨折した箇所に意識を集中させて痛みを緩和させてください!」

「そんなことを言われても!?」

「いいからやるんです! さぁ、自分の身体の構造を意識して……そう、そこです!」

 

 呼吸法の指導を行いながら処置をこなしていく結一郎。

 痛みに呻く相手にも容赦なく、しかし彼らの命を救うために迅速に対応していく。

 

「棟梁、お待たせしました」

「よく無事に戻ってきました! 佐藤君と鈴木さんは周囲の警戒と怪我人を連れてきてください。高橋さんは自分と一緒に応急処置を!」

「「「はっ!」」」

 

 鬼を倒して戻ってきた旭の隊員三人に素早く指示を出すが、その後であることに気が付いた。

 

「って、炭治郎君と伊之助君はどうしました?」

「え、あれ!? どこにもいないぞ!?」

 

 結一郎に指摘され、佐藤が驚いた声を上げる。

 他の二人も気が付いていなかったらしく、お互いに顔を見合わせて目を見開いていた。

 

 端的に言えば、炭治郎と伊之助の二人ははぐれたのだ。

 なぜこうなったのかと言えば理由は二つ。

 一つは、旭の三人と炭治郎・伊之助の身体能力に大きな差があり、かつそれを旭の三人は自覚していなかったことだ。

 この三人は結一郎と訓練を積んで急速に実力をつけたためまだ自分たちの実力と他の一般隊士たちとの実力差を身をもって体感しておらず、そのため自分たちの通常速度で移動した結果、炭治郎たちを置き去りにしてしまったというわけだ。

 もう一つの理由は、伊之助の性格だ。

 自尊心の高い彼にとって同期の炭治郎が鬼の頸を落とし、増援の旭のメンバーは誰もが自分よりも実力が上という環境は我慢できるものではない。

 プライドが刺激された彼は置いて行かれたことをいいことに獲物を求めて鬼を探しに別行動を開始したというわけである。

 当然、彼一人を置いていけない炭治郎も後を付いていっている。

 

「はぁ……事情は分かりました。鬼殺隊も仲間同士で動く訓練にもう少し力を入れるべきですね」

 

 おおよその事情を察してため息を吐く結一郎。

 鬼殺隊も人手不足から単独任務が多く、複数人で動くことに不慣れであるということが浮き彫りになった形だ。

 このこともお館様に報告せねばならないなぁ、と、考えながら伊之助と炭治郎を探しに向かおうとする結一路は、ふと人の気配を感じてそちらに顔を向ける。

 視線を向けた先から猛スピードで向かってくる人影。

 

「派遣された柱は冨岡(とみおか)師匠、あなただったんですね!」

「ああ。問題はないか、結一郎?」

 

 水柱・冨岡義勇(ぎゆう)がその姿を現す。

 鬼殺隊本部になんとかたどり着いた鎹鴉(かすがいがらす)により山に十二鬼月(じゅうにきづき)がいることが報告され、その対応のために柱が派遣されたのだ。

 状況を確認する義勇に結一郎は炭治郎たちのことを告げる。

 

「先ほど共闘していた隊士二名とはぐれてしまいました。一名は猪の被り物をしており、もう一人は箱を背負ったあなたと同門の水の呼吸の使い手です」

「俺と同門?」

 

 結一郎の言葉に不思議そうな顔をする義勇に近づき、そっと耳うちをする。

 

「あなたの師である鱗滝様のところに預けた彼です。二年前の……と言えばわかるでしょうか?」

「結一郎、お前……」

 

 結一郎が自分の秘密にしていることについて事情を把握しており、それに配慮して動いてくれていることに驚く。

 どのようにしてその事情を知ったのか義勇は分からなかったが、自分に悪いようにはしてくれていないと理解した義勇。

 彼は即座に自分のすべきことへと意識を切り替えた。

 

「わかった。その二人は見つけたら俺が何とかしよう。結一郎は怪我人の救護を頼む。(かくし)の部隊ももうすぐ着くはずだ」

「承知しました、冨岡師匠。お気をつけて!」

 

 事後処理部隊である隠たちもこの場に向かっていることを告げ、護衛と指揮を結一郎に任せた義勇は森の奥へと去っていく。

 その姿を見送った結一郎も、自分の役目をこなすため仕事に戻った。

 まずは怪我人を隠に預けてちゃんとした治療をしてもらわねば!

 これ以上仲間を失わないためにも気合が入る結一郎。

 

 

 そんな意気の高さは隠の部隊と合流して一瞬で消え去ったのだけれど。

 

「か、カナヲちゃん!? なぜ、ここに!?」

 

 隠を指揮する蟲柱・胡蝶(こちょう)しのぶの継子、栗花落(つゆり)カナヲの姿を見た結一郎は驚愕で開いた口が塞がらなかった。

 彼女がここにいるなど思ってもいなかったのだから。

 

「……あ、お菓子の人」

「自分の覚えられ方がそれというのも複雑な気持ちになりますが、置いておきましょう! カナヲちゃん、君がここにいるということはしのぶさんもこちらに来ているということですか!?」

 

 こちらに気が付いたカナヲの自分への認識に脱力しかけながら、気になっていることを尋ねる結一郎。

 その問いにカナヲは無表情で返事をする。

 

「師範なら一緒に来てます。今は山の中で鬼を狩るために別行動です」

「そうですか……これはマズいことになりました」

 

 返事を聞いて頭を抱える。

 まさか二人も柱が派遣されてくるとは予想外であった。

 結一郎の脳裏には今最悪の状況が浮かび上がっている。

 懸念していることは鬼の妹を連れた炭治郎とその関係者である義勇のことだ。

 

 鬼の妹について当事者である義勇が竈門(かまど)炭治郎・禰豆子(ねずこ)兄妹を見つけただけならば何も問題はない。

 最悪なのはそこにしのぶが竈門兄妹と出会った場合だ。

 鬼殺隊士が鬼を見逃す理由などあるわけもなく、実力差も考えれば禰豆子はあっという間に殺されてしまうだろう。

 かといって、その場に義勇がいれば何とかなるかと言えば、何とかならない可能性の方が高いと思えた。

 

「冨岡師匠の口下手は今に始まったことじゃないですが、こうも期待できないと悲しくなります!」

 

 義勇が竈門兄妹を庇い、しのぶに事情を説明して刃を引くように上手く説得する。

 そんな光景はまっっっっったくもってイメージできなかった。

 むしろ、義勇が変なことを言い出してしのぶが煽り返すように返事をしている方がしっくりくる。

 柱同士が刃傷沙汰とか勘弁してほしい事態だ。

 

「佐藤君、鈴木さん、高橋さん! 隠の方々の護衛は任せました! 自分は行かねばならないところがあります!」

 

 現場を部下に任せて駆けだす結一郎。

 焦燥感が焼き付いて離れなかった。

 

 

 事実、結一郎の懸念は当たっていた。

 下弦の伍・(るい)を倒し、竈門兄妹と再会した義勇のところへしのぶが乱入。

 禰豆子を狙うしのぶとそれを庇う義勇で小競り合いが起きていたのだ。

 

「冨岡さん、これは明らかな隊律違反ですよ!」

 

 そして現在、義勇はしのぶを木を背にするように押さえ込み拘束することに成功していた。

 両腕を頭の上にして片手で押さえ、暴れられないよう自分の身体を密着させて動きを封じている。

 同じ柱でありながらこうも一方的な展開にできたのは、男女の体格差も当然ながら、普段の訓練の差が出ていた。

 結一郎を継子にしたことで、他の柱と手合わせすることが多くなった義勇は対人戦という意味ではしのぶよりも一日の長があったのだ。

 

「鬼殺の妨害をするなんて、どういうおつもりなんですか?」

「これには訳がある。だが、上手く説明できるか……」

「口下手ですものね、冨岡さんは」

 

 至近距離で睨み合う二人。

 今も一瞬でも気を許せば攻守が入れ替わるような攻防を水面下で繰り広げていたりするのだ。

 膠着状態だ。

 

「冨岡師匠! しのぶさん! お二人ともお待ちください! …………あっ!」

「む、結一郎か!」

「ああ、結一郎さん。助けてくださいませんか? って、どうしました?」

 

 そこへ慌てた様子で駆けつけた結一郎。

 がしかし、二人の様子を見て硬直。どこか気まずそうに目を逸らした。

 結一郎の不可解な様子に義勇としのぶは二人そろって首を傾げる。

 そしてその疑問は結一郎の口にした言葉で氷解した。

 

「二人がそのような関係だとはつゆ知らず……ご安心ください! いま見たことは口外しませんので!」

「えっ!?」

「は、はぁ!?」

 

 結一郎の言っている意味が一瞬理解できず、脳がその意味を理解したときに自分たちの姿を客観的に考える余裕ができた。

 

 見目麗しい女性がこれまた見目麗しい男性に木を背にして迫られ、顔がくっつきそうな距離で何事かを話している。

 そう、いわゆる『壁ドン』と言われているやつだ。

 大正時代にその概念があるかはともかく、客観的に見れば義勇がしのぶに迫って愛をささやいているようにも見えなくはない。

 つまりは、結一郎に男女の関係があると誤解されたのだ。

 

「あ、あの、結一郎さん? これはですね――」

「伝令!! 伝令!! カァァ! 炭治郎・禰豆子両名ヲ拘束。本部ヘ連レ帰ルベシ!!」

 

 またタイミングの悪いことに、しのぶが弁明をしようとした頃合いに鎹鴉から伝令が届いて言葉を口にすることができなかった。

 その伝令を聞いた結一郎は、この機に乗じて立ち去ろうとしていたり。

 

「あ、そういうことですので……お邪魔致しました、どうぞごゆっくり!」

 

 自分は炭治郎と禰豆子を確保してきます! と、あっという間に立ち去っていく。

 残された二人は顔を見合わせ、数瞬して慌てて結一郎の後を追いかける。

 

「ちょっと、冨岡さん! 結一郎さんに誤解されたじゃないですか! どうしてくれるんです!?」

「俺に言うな! 早く追うぞ!」

 

 文句を言うしのぶに応じることなく、走り出す義勇。

 彼にはそうしなければならない理由があることを知っていたのだ。

 

「ねぇ、ちょっと、結一郎さん速くないですか!?」

「結一郎は五つの呼吸法に忍びの技術を身に着けているんだぞ。遅いわけがないだろう」

「それを早く言ってくださいよ!」

 

 柱たちに鍛えられまくった結果、結一郎の移動速度は鬼殺隊の中でもトップクラス。

 追いつくのは並大抵のことではない。

 自らの誤解を解くために、柱二人は今日一番の本気を見せたのだった。

 柱の本気ってそういうところで見せるものだっけ?

 

 

 なお、コミュニケーション能力の高い結一郎の誤解を解くことは簡単であったが、うっかりそのことを口外しないように告げるのを忘れていたせいで、一連の流れが他の柱にも伝わることになったりした。

 もちろん、他の柱からからかい倒されたのは言うまでもない。

 

「待ってください、結一郎さん! 誤解なんですよ!」

「いえいえ、分かってますとも! ご心配なく~!!」

「結一郎、話を聞け! 俺が胡蝶に無理やり迫ったわけじゃないんだ」

「ちょっと、その言い方はまた誤解されますよ!」

「……仲が良いんですね、お二人とも。お幸せに!」

「ほ、ほら、冨岡さん! あなたのせいですよ! どうしてくれるんですか!?」

「……俺は悪くない」




以前に話に上げていた選抜隊の名前が決まりました。
アイデアをくれた方々に感謝です。

他人をフォローしている間は良いけれど、単独で行動するとわりとうっかり属性の結一郎君だったり?
水の呼吸だもの、是非もないよね?

しかし、翻訳係はやっぱりしのぶさんとか義勇さんとかと絡めてる方が楽しいなぁ……

ミニ次回予告
「逆転柱裁判 ~弁護士・和結一郎~」

風柱「この鬼が人を喰らうことをコレで証明してやる!」
結一郎「ちょっと待った!」

※この予告には多少誇張された表現があります。

問. 結一郎が「……あっ!」と言った際にどんな気持ちが込められていたか

  • イケナイ関係を目撃してしまった!?
  • これを利用して状況をうやむやに……
  • こんな時にイチャイチャしやがって
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