柱合会議の翻訳係   作:知ったか豆腐

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2020/3/21 投稿

前回の翻訳係 三つの出来事!

一つ、上弦の弐・童磨の居場所判明!
二つ、童磨、ねずみによって大爆死!
三つ、それもこれも全部鬼舞辻無惨ってやつが悪いんだ!


その22(上弦狩り 弐)

 ーー切見世

 客がつかなくなったり、病気になった遊女が送られる最下級の女郎屋にて、音柱・宇髄(うずい)天元(てんげん)の妻の一人である雛鶴は苦境に立たされていた。

 潜入した『京極屋』で鬼を発見したものの、同時にこちらの正体も露見。

 毒を飲み病のふりをして脱出を図ったが、監視をつけられてしまい身動きができなくなってしまったのだった。

 

『天元様に……なんとかして鬼の正体を伝えることができれば』

 

 四六時中鬼の監視下に置かれ、鎹鴉(かすがいがらす)に連絡どころか自らが服用した毒の解毒すら叶わず、体は弱っていくばかり。

 このままでは何もできないまま死ぬのを待つしかない。

 焦燥感と絶望感がじわじわと精神を蝕んでいく。

 

『いっそ、鳥みたいに飛んでいけたらいいのに……』

 

 布団に横たわったまま、格子窓に止まって鳴く雀を見て埓もないことを考えてしまうのは心が弱っている証拠だろうか。

 一声鳴いて飛んでいく雀を見送る雛鶴ができることは一刻も早く夫の天元が自分を見つけてくれるよう祈ることだけ。

 しかして、その祈りは無事届く。他ならぬ先ほどの雀によって。

 

『雀と侮りまちたね? チュチュン!』

 

 監視をしていた鬼の分体も当の雛鶴も見逃した雀一羽。

 その小さな小鳥こそ、結一郎が天元に派遣した諜報雀『葛籠隊(つづらたい)』の一羽であった。

 遊郭・花街のあちこちを『葛籠隊』が飛び回り情報を集めていく。

 珍しくもない雀を気にする者などよっぽどの変わり者だけだ。

 彼らは何の妨害も受けることなく情報収集を進めていく……

 

「カアア! 報告、報告デアリマス! 『葛籠隊』ヨリ雛鶴様発見トノコト」

「『京極屋』ニテ女将ガ数日前ニ謎ノ墜落死! 鬼ノ犯行ノ可能性大! 捜査継続中デアリマス!」

「『ときと屋』カラ須磨花魁ガ足抜ケシタトノ情報デス! 残サレタ日記カラソウ判断サレタトノコトデアリマスガ、オソラク偽装。足跡ヲクマナク追ッテオリマス!」

「急報! 急報ォ! 『萩本屋』デまきを発見! シカシ、鬼ニヨッテ拉致サルル! 『御結隊(おむすびたい)』ガ追跡開始!」

「続報デアリマス! 追跡先ノ地下デ鬼ノ“食糧庫”ニ到達! まきを、須磨両名ノ無事ヲ確認致シタシダイデアリマス!」

「音柱様ヘ意見具申デアリマス! コレマデノ情報ヲマトメルニ、鬼ノ正体ハ『京極屋』ノ蕨姫(わらびひめ)デ間違イナイカトオモワレマス! ココハ人質ヲ救出後、一気ニ目標ヲ殲滅スベキカト!!」

 

 雀の葛籠隊に加えて諜報鼠の御結隊たちからの報告を結一郎の鎹鴉が取り纏めて天元に報告していた。

 カアカア、チュンチュン、チューチュー。

 小動物たちがもたらす報告を聞いて天元はドン引きを隠せない。

 

「派手に優秀過ぎだろ! こいつら」

 

 鴉の司令官による効率的な組織運用。

 雀の機動力をつかった空からの偵察調査。

 ネズミたちの体を活かしてどこにでも入り込める潜入捜査。

 

 天元も忍獣としてムキムキねずみなるものを飼い馴らしているが、ここまで組織的に訓練された動物たちとか見たことがなかった。

 というか、他にあってたまるか!

 侵入者のことを「ねずみが入り込んだ」と例えたりするのだが、マジモンのねずみが潜入してきて諜報活動するとかどうすればいいの!?

 地味にくのいちの嫁三人よりも早く情報収集されて複雑な気持ちになった天元であったり。

 

「俺はちゃんと加減しろって言ったよなぁ。派手に」

 

 弟子のトンデモ具合にため息を吐く天元。

 しかし彼はまだ知らない。

 その弟子が上弦の弐を派手に爆殺することを。

 ついでにその罪を敵の首領になすりつけてしまうことも。

 そしてこの作戦についていろいろと責められたときに、

 

「師匠の一人の教えは『派手に』が口癖だったので……」

 

 と、返事をしたせいで騒動に巻き込まれることを。

 彼はまだ知らないのだ……。

 


 遊郭に潜んでいた鬼の正体が明らかになり、潜入していた味方の居場所、人質の隠し場所、移動経路まで調べ尽くした天元たち。

 手にした情報的優位性であったが、これは鬼の行動によって容易く失われてしまった。

 別に鬼側が天元たちの動きを察知して裏をかいたわけではない。

 なんのことはなく鬼が補食行動を起こしたため動かざるをえなくなったのだ。

 『ときと屋』の鯉夏(こいなつ)花魁を襲おうと動き出した鬼の動きをねずみたちが即座に察知・連絡。

 一般人に被害が及ぶことを見過ごすことなどできない鬼殺隊は万全の準備を整えることもできず行動開始を余儀なくされたのだった。

 鬼の気まぐれという、ある意味不運でバカバカしい理由で出鼻をくじかれたわけだが、そこは鬼狩りの柱が率いるだけあって不測の事態にも見事に対応してみせる。

 

 善逸が鯉夏花魁の救助と鬼の足止めをしている間に、伊之助が人質の奪還。

 天元は雛鶴を救出して即伊之助の援護、分体の撃破。及び善逸と対峙していた鬼ーー上弦の陸・堕姫(だき)の頸を斬るという大活躍であった。

 たいした被害もなく、上弦の陸を追い詰めた天元たち。

 しかし、上手く進んだのはここまでで。

 堕姫の中から現れたもう一体の上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう)によって戦況はあっという間に覆されてしまう。

 

 

音の呼吸 肆ノ型 響斬無間(きょうざんむけん)

血鬼術 飛び血鎌(とびちがま)

 

 全集中の呼吸から繰り出される人越剣と鬼の放つ血鬼術がぶつかり合う。

 互いに両手の得物を振るい激しい攻防を繰り広げる音柱・天元と上弦の陸・妓夫太郎。

 周囲に破壊をまき散らしながら行われる戦闘。その趨勢は妓夫太郎に傾いていた。

 

「ひひっ、なんだあ? 大口叩いておいて大したことねえなああ!」

「ハン! まだまだ余裕だわボケがァ! 舐めんなよ!」

 

 妓夫太郎の挑発に声を張り上げる天元。

 虚勢だ。状況は酷く不利だ。

 先ほどから何とか相手の攻撃を相殺しているが、防戦一方になっている。

 ここまで危機に陥っているのは、二つの理由があった。

 一つは天元を蝕む鬼の毒。

 二つ目に妓夫太郎・堕姫という二体一鬼の上弦の陸が持つ特異な不死性だ。

 

 一度は堕姫の頸を斬ることに成功したのであったが、それで消滅するどころか彼女の体から妓夫太郎が出現。

 予期せぬ事態に不意を突かれた結果、初撃を避け損ねて天元は毒をくらってしまったのだ。

 時間が経つにつれ徐々に弱っていくことを考えれば早期決着を目指さねばならないにもかかわらず、上弦の陸の特性がそれを許してくれない。

 上弦の陸の鬼の兄妹は、二人同時に頸を斬らねば死ぬことがないのだ。

 そして、それを行うことは現状では酷く難しいと言わざるを得ない。

 

『クソ! 手が足りねえ!』

 

 単純な話、戦力不足。

 二体一鬼という特性を持つ彼らは、兄の妓夫太郎が妹の堕姫を操る形で連携が取れるという厄介さを持っている。

 特に妓夫太郎の己と妹から得られる二人分の情報を処理・判断できる天性の能力が天元たちを追い詰めるのに拍車をかけていた。

 何せ、先ほどまでならば頸を断つことができた堕姫が大幅に強化されてしまっているのだから。

 修業を積んだ善逸と伊之助が堕姫を抑えてくれているものの頸を斬るには至らず、かろうじて妓夫太郎との連携を分断するにとどまってしまっている。

 一説によれば上弦の鬼は一般的な柱三人分の強さがあるという。

 その上弦の鬼を一対一で相手をしている天元が段々と追い詰められているのはある意味当然の結果であった。

 

『あと二人、いや、せめてあと一人でも戦力がいれば! クソ、情けねえ地味なことを考えるな!』

 

 心中で自身を叱咤する天元。この場にいない戦力を当てにして嘆くなど弱気の表れでしかない。

 

『情けねえ! 他の柱ならこんなことは考えなかったはずだ! あいつらなら……』

 

 傲岸不遜を絵に描いたような態度をとる天元だが、その内心には他の柱への劣等感が隠れていた。

 恵まれた体格。身に着けた忍びの技。

 しかし、他の柱たちはそれをもってしても上回る能力を持っているのだ。

 剣技しかり、呼吸法しかり。そして天元にとっては精神でさえも……

 追い詰められたからこそ噴き出した劣等感。それは戦いの場において致命的な隙となって現れる。

 

「コフッ、し、しまった」

「油断したなああ? 取り立てるぜ俺は、容赦なくなああ!」

 

 毒で咳き込み、動きが鈍る。

 そしてそんな隙を見逃すほど妓夫太郎は甘い相手ではない。

 

「死ぬときグルグル巡らせろ」

『マズい、やられる!』

 

 振り下ろされる鎌は真っ直ぐ心臓を狙う線を描いて天元に迫る。

 間違いなく致命の一撃。

 しかしそれは何者かによって防がれた。

 

炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天(のぼりえんてん)

 

「待たせたな、宇髄! だが、俺が来たからにはもう大丈夫だ!」

「お、お前……」

「良いところで邪魔しやがって。何者だあぁ?」

 

 炎をかたどった羽織をはためかせ、威風堂々たる姿で鬼に立ち塞がるその姿。

 何者かと鬼が問う。ならば名乗らねばなるまい。

 

「炎柱・煉獄(れんごく)杏寿郎(きょうじゅろう)、推参! 俺の赫き炎刀は貴様を焼き尽くす!」

 

 その場にいるだけで敵に圧を与え、味方の士気を上げる圧倒的な存在感を持つ彼こそ当代の炎柱。

 燃える炎の快男児、煉獄杏寿郎ここに在り!

 

「煉獄、派手に助かったぜ!」

「うむ! 間に合ってよかった! しかし宇髄、お前がそこまで追い詰められるとはやはり上弦の鬼は一筋縄ではいかないな!」

「気をつけろよ。あいつの攻撃には毒がある上に、もう一体の鬼と同時に斬らないと死なねえ」

「ますます厄介だな! あまり聞きたくなかったぞ!」

 

 天元は救援に来た杏寿郎に妓夫太郎の情報をすぐに共有して脅威を伝える。

 上弦の鬼が尋常ならざることを改めて認識させられた杏寿郎だが、目の前に立つその鬼はすぐには攻めてはこなかった。

 だが、こちらを睨みつけ苛立たしげに敵意を露わにすることは隠しはしない。

 

「わかるぜぇ。お前みたいなやつは一目見ただけで恵まれて生まれてきたんだってなあぁ。いいよなあ。きっと何不自由なく生きてきたんだろうなあ。妬ましいなああ! 死んでくれねえかなああ!」

 

 炎柱を歴代輩出してきた名家の血筋を感じ取ったのか妓夫太郎が妬心を隠すことなく殺意ごとぶつけてくる。

 だが、杏寿郎は名家の出身ではあれどお坊ちゃんではない。歴戦の猛者である彼はその程度で怯むことなどなかった。

 

「そうだな! たしかに俺は人よりも多くの才に恵まれて生まれてきたのだろう!」

 

 彼は自身の生まれの良さを否定はしない。

 

「だからこそ、俺は弱き人を助けるために行動する!」

 

 それが俺の責務だと、恵まれて生まれてきた意味はそのためだと胸を張って告げる杏寿郎。

 恵まれた生まれに驕ることなどない高潔な精神がそこにはある。

 その姿は妓夫太郎をさらに苛立たせるのに十分であった。

 

「違うなあ。間違ってるぜぇ。強いやつは弱いやつを食い物にして生きてるのが当たり前だからなあ」

 

 恵まれた者が弱い者を助けるなどありえないと真っ正面から否定する。

 もしそうならば自分は鬼になどなっていない。

 そう考える妓夫太郎は杏寿郎とは反対の言葉を告げた。

 

「だから俺は取り立てるぜ。恵まれたやつからも強いやつからもなあ。俺は妓夫太郎だからなああ!」

「いいや! 俺がそうはさせない!」

 

 強いから守る。

 強くなったから奪う。

 

 相反する考え方、生き方をしてきた二人の間には決して埋まることのない深い溝があった。

 もはや言葉は不要。二人は同時に踏み込んだ。

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火(しらぬい)

血鬼術 円斬旋回(えんざんせんかい)・飛び血鎌

 

 妓夫太郎の腕を中心に回転する血鎌が頸を狙う刃を弾く。

 その間隙を縫って天元も刀を振るう。

 

「俺を忘れてんじゃねえぞ!」

「忘れてねえんだよなああ」

 

 が、妓夫太郎はなんなく鎌で受け止めて防いでみせる。

 柱二人を相手に油断も慢心も捨てた妓夫太郎は天性の戦術眼で次々と襲いくる攻撃を捌ききっていく。

 単独ですら柱二人と互角以上に渡り合う強さ。しかし、上弦の陸の本領はまた別にあることを忘れている。

 それは単独行動を基本とする鬼において、唯一連携を基本とする鬼という点だ。

 

「ちくしょう! しまった!!」

「マズい! 合流される!」

 

 堕姫を相手にしていた伊之助と善逸から失態を告げる声があがる。

 分断していた堕姫が二人を出し抜き、柱たちの背後を突く形で襲いかかってきたのだ。

 

「もらったわ! 死ね!」

「させるか!」

「俺がなああ」

 

 反応しようとした天元を妓夫太郎が遮る。

 

血鬼術 八重帯斬り(やえおびぎり)

血鬼術 飛び血鎌

 

 八重の帯の刃と毒血の飛刃に挟みこまれ逃げ場のない天元と杏寿郎。

 暴力的なまでの面制圧攻撃だ。しかしーー

 

ヒノカミ神楽 灼骨炎陽(しゃっこつえんよう)

水の呼吸 捨壱ノ型 (なぎ)

 

 暴威を神楽が払い、水が流す。

 

「お待たせしました! 竈門(かまど)炭治郎(たんじろう)です! 援護します!」

「大丈夫か、二人とも」

 

 水柱・冨岡(とみおか)義勇(ぎゆう)ならびに継子・竈門炭治郎の到着だ。

 度重なる救援。

 その背後には例の小動物たちの活躍があった。

 鬼の行動で戦闘行動を開始する段になった際に、相手が上弦の鬼の可能性が高いと救援要請をその時点から出していたのだ。

 実に優秀な小動物たちである。いや、ホントに。

 ついでに言えば救援要請は他にも出してたり……

 

風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ(じんせんぷう・そぎ)

蛇の呼吸 弐ノ型 狭頭の毒牙(きょうずのどくが)

 

「きゃあああ!? 何よいったい!」

「チイイ! また新手かよ」

 

 出会い頭に妓夫太郎たちに斬りかかる二つの影。

 

「風柱・不死川(しなずがわ)実弥(さねみ)。てめえの頸を掻き斬る風だァ」

「蛇柱・伊黒(いぐろ)小芭内(おばない)。覚えなくていいぞ。どうせ貴様らはすぐに死ぬからな」

 

 そう、近隣にいた柱たちに片っ端から救援要請していたのだ。

 この指示を出した結一郎の鴉曰く、

 

『戦力ノ集中ハ戦術ノ基本デアリマスカラナ!』

 

 とのこと。何なのお前。軍の参謀かなんかなの?

 上弦の鬼二体を柱五人と準柱級の三人で囲む形になった今の状況。

 先程まで戦力が足りないと歎いていたのは何だったのか。

 

『よっしゃ! “譜面”が完成したぜ! ていうか譜面も派手にいらねえだろ!』

 

 天元は“譜面”と称する独自の戦闘計算式を用いて勝利に向かうのが常なのだが、ここまでくると下手な理屈や小細工など不要に思えた。

 それなりの実力者が数に頼んで攻撃とかね。これ以上どうしろというのか。

 相手をする妓夫太郎たちは大変だ。

 

「ふざけんなよなあ! 柱五人ってなんだよ。そんなに暇かよてめぇらあ! しかも連携慣れしてやがって!」

 

 ただでさえ強いのに連携もしっかりしてるとか厄介過ぎる。と、自分たちのことを棚に上げて言う妓夫太郎。

 怒鳴りたくなる気持ちも分かるが、そんなこと言ったら柱たちの連携の練習にされた弟子は怒るどころじゃないわけで。

 

 理不尽過ぎる状況に珍しくも焦りを隠せない妓夫太郎。

 そんな彼の味方は一人だけだ。

 

「何弱気になってるのよ、お兄ちゃん! 忘れちゃったの!? 二人一緒なら最強だって言ったのはお兄ちゃんじゃない!」

 

 堕姫からの言葉にハッとなる妓夫太郎。

 思い出すのは過去の出来事。

 彼らがまだ人間の幼い頃、雪の降る夜に寒さで震えて身を寄せ合っていたときのことだ。

 妹を励ますための言葉だったが、たしかに二人一緒なら自分は何でもできると間違いなく信じていたのだ。

 

「そうだよなあ! 俺たち二人一緒なら負けるはずねえよなあ! なんせ俺たちは二人で一つだからなああ!」

「そうよ! 負けるはずないんだから!」

 

 兄妹の絆が気力を満たす。

 鬼となっても消えないその兄妹の絆に、一瞬気圧される感覚を鬼殺隊たちに与えてみせた。

 

猿の呼吸 参ノ型 猿猴猿臂(えんこうえんぴ)

 

 まぁ、そんな人間の情とか猿には関係ないんだけどね!

 実は現場にきてた鬼殺の猿であった。

 低い位置から腕を一気に伸ばすように振るわれた刀は間合いを一気に潰し、堕姫の頸を落とす。

 

「うわああん! 猿に頸斬られたぁあああ!」

「猿までいるのかよ! もういいだろぉ!」

 

 鬼殺の猿までいるとか戦力過剰もいいとこである。

 てか、こいつまたやりやがった!?

 

 その後すぐ、妓夫太郎は柱たちの総攻撃を受けて最後は杏寿郎に頸斬られたとのこと。

 煉獄師弟の勝利だね!? やったね!?

 

 

オマケ「出番はこれだけ」

 見事上弦の陸を討伐した鬼殺隊だったが、妓夫太郎の最後の悪あがきによって全員毒をくらってしまってこのままでは全滅だ!

 どうする?

 

血鬼術 爆血(ばっけつ)

 

 突如燃え上がる人体。

 普通なら阿鼻叫喚の出来事だが、そうはならなかった。

 

「毒が消えた?」

「ありがとう禰豆子(ねずこ)! お前の血鬼術で毒を消してくれたんだな!」

 

 何が起きたのかわからず呆然とする義勇を横に炭治郎が妹に礼を言う。

 彼の鬼になった妹・禰豆子の能力が毒を消したのだ。

 

「ちっ、一応は感謝はしてやるよ。気にいらねえがなァ」

「……鬼は嫌いだ。だが、少しだけ認めてやる」

 

 大嫌いな鬼に助けられて内心複雑な柱二人から素直じゃない礼を告げられる。

 しかし、そんなことは気にならないのか、誇らしげにフンスと胸を張る禰豆子の姿があった。

 

 危うく出番が無くなるところだったからね。

 多少のことは気にしない禰豆子であった。




遅くなりました。やっぱり戦闘シーンが入るとたいした量じゃなくても遅くなります。

次回ミニ予告
しのぶ「結一郎の馬鹿はどこです!」
天元「あいつなら腕の調子が良くないから湯治に行くって言ってたぜ」

翻訳係コソコソ話
雀の部隊の名前は最初は葛籠隊じゃなくて呟隊(つぶやきたい)でした。
T〇itter?

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