メリークリスマス!
クリスマスプレゼント代わりの番外編です!
冬の一大イベント・クリスマス。
この楽しいイベントを心待ちにしていた学生たちは、この日を思いっきり楽しもうと思い思いのプランをたてていた。
『何人にも平等に、生徒の自主性を尊重する』という理念を掲げるキメツ学園においては生徒たちにおおらかな対応をしており、部室や教室などの学校施設の使用許可や自主イベントの開催などよほどの理由がない限り認める傾向にある。
そのためクラス単位で何か催し物をしたり、仲のいい者だけで集まってパーティーをしたり、部室に集まってゲームに興じたりなどある種のお祭り騒ぎの様相を呈していた。
皆が楽しい雰囲気に浮かれる中、結一郎たち生徒会のメンバーは一同に疲れた表情をしていた。
何故って?
それはクリスマスのために出された申請を受理するのは生徒会の役割だからだよ!
「私、世の中のサンタさんの気持ちが分かった気がします……」
「みんなが楽しく過ごす中、頑張ってる人。偉いよなぁ」
「世の中に必要なことなんだ。黙ってやるだけだよ」
生徒会の紅一点、会計の高橋のつぶやきにしみじみと返事するのは庶務の佐藤。
淡々とした様子なのは書記の鈴木だ。
ここ数日申請された書類の山と激戦を繰り広げようやくこの日を迎えたのだ。
クリスマスだというのに精魂尽き果てた姿に涙が……。
「お疲れ様でした。あとは皆さんもクリスマスを楽しんでください」
そんな彼らに労いの言葉をかけるのは生徒会長である結一郎だ。
彼も激務を乗り越えたはずなのだが疲れた様子は微塵も見せない。
なにせ中学三年生の頃から生徒会に所属しているだけあって慣れたものだったりするわけで。
ベテラン生徒会長は顔つきが違うぜ。
「やったー! お疲れ様でーす!」
「うっす! お疲れ様っス!」
「それではお疲れ様です。お先に失礼します」
歓声を上げて立ち去る高橋。大きな声であいさつをして部屋を出る佐藤。丁寧に礼をして扉を閉める鈴木。
三者三様の生徒会メンバーを見送った結一郎は一人大きく息をつく。
仕事の終わった彼らと違い、結一郎はこれからが本番なのだ。
自由な校風のキメツ学園はクリスマスの特別対応ということでいつもよりも遅い時間まで開放されていた。
寒空に星の輝く校舎。
その陰で密かに企み事をする男たちが四人。
「いいか、派手にやるぞてめえら!」
「おう、やってやるぜ! ガハハ!」
「みんなに喜んでもらえるよう頑張ります!」
「クリスマスにゲリラライブ……これでモテモテ間違いなしだよなぁ! ウフフ、どっしようかなぁ。困っちゃうなぁ!!」
各々の手にマイクや楽器を手に気合を入れるは、宇髄先生・伊之助・炭治郎・善逸の四人。
そう『ハイカラバンカラデモクラシー』の四人だ。
彼らはこのクリスマスの夜にゲリラライブを実行しようと画策していた。
聞いた者を昏倒させる破滅的な音楽を奏でる彼らはよほどのことがないと許可されるはずの申請を不受理にされ、こうして無許可でのライブを強行しようとしてたのだ。
こんな横紙破りをする者は風紀委員会及び鬼の暴力生徒指導・冨岡先生が許しはしないのだが、当の風紀委員の善逸がメンバーの一人となっており、肝心の冨岡先生は彼らのファンというありさまだ。
彼らを止める者はいない。
ああ、幸せなクリスマスに破滅の音が近づいている……。
「オラ、派手にいくぞォ!」
宇髄先生の掛け声と共に爆音が響き、クリスマスのために校庭に用意された特設ステージに四人が躍り出る。
もちろんステージは彼らのために用意されたものではない。
演劇部や吹奏楽部が使っていたものを無断で拝借している。無法すぎるぞコイツら!?
「おまえら、これから『ハイカラバンカラデモクラシー』のゲリラライブだ! 派手に楽しんでいきやがれ!!」
「みなさーん、ぜひ楽しんでいってくださいねー!」
宇髄先生が大声で告知を行い、炭治郎が笑顔で呼びかける。
二人に合わせるように善逸の三味線がかき鳴らされ、伊之助が和太鼓を好き勝手に叩きまくる。
四人の姿にその場に居合わせた者たちは悲鳴を上げた。
もちろん阿鼻叫喚的な意味で。
テ、テロだー!?
突然の危機にパニック寸前の生徒たち。
そんな彼らに救いの手が差し伸ばされた。
『そこまでです。許可のないライブは認められません』
ハイカラバンカラデモクラシーの蛮行を止めるのは我らが生徒会長・
校内放送用のマイクを手に四人を制止する。
だが、四人がその程度で止まるはずもなく――
「和ぃ! これから派手なライブをやるんだからなァ!」
強行する気満々の
意気軒昂な彼らを見て結一郎は冷笑を浮かべた。
こうなることを予測していないとでも思ったのだろうか。
『フッ、派手……ですか。そんな地味なライブでよくぞ言ったものです』
「ああん? 喧嘩売ってんなら派手に買うぞ、オラア!!」
結一郎の言葉に輩先生と呼ばれる所以を見せる宇髄先生。
教師とは思えないドスのきいた声だが、歴戦の生徒会長には通用しない!
『見せてやりましょう! サプライズライブとはこうやるものです!!』
腕を高く振り上げ指を鳴らす。
その直後、花火が打ち上げられるとの同時に体育館倉庫に隠してあったステージカーが発車。
校庭にまでやってきた後、トレーラー部分が開き即席のステージが形作られる。
スポットライトが照らされ、ステージの人物を照らし出す。
「またせたなぁあ、おまえらぁああ!」
「盛り上がっていくわよー!」
そこにいたのは妓夫太郎・梅の
学園一の不良兄妹であり、学園随一の人気兄妹バンドの二人である。
しかもクリスマスということで二人そろってサンタコスチュームを身にまとう特別ライブだ。
思わぬサプライズに恐怖のどん底に落とされていた生徒たちのテンションは激上がり。あちこちから歓声が上がり始める。
「学園三大美女の一人を連れてくるとかズリぃだろ、こんなの!」
「うろたえんじゃねえよ。音楽で勝負してくんならこっちも受けて立つだけだ」
泣き言をいう善逸に宇髄先生が喝を入れる。
まだまだ諦めていないHBD。
だが、結一郎プレゼンのサプライズライブはこんなものではない!
「はーい、わたしたちもいるよー!」
「こんばんは! よろしくね!」
「「「みなさん、楽しんでいってくださいねー!」」」
続いて現れたのはこれまたサンタコスチュームに身を包んだ
全校生徒たちから絶大な人気を博する彼女たちも謝花兄妹に並んでステージに立つ。
そう、つまりこれはコラボ。一夜限りの夢の共演。
クリスマス限定のスペシャルライブである!
「キャァアアアア!? 禰豆子ちゃぁあああああん!!」
「禰豆子!? お兄ちゃん聞いてないぞ!?」
これにより善逸が速攻で裏切り、炭治郎が驚愕で使い物にならなくなった。
メンバー離脱でもはやライブどころではないHBD。
そこにダメ押しとばかりに新たな要素が追加されていく。
「あらあら、みんな楽しそうね」
「うむ! せっかくのクリスマスだ。楽しまねば損というものだな!!」
「南無阿弥陀仏……今日ばかりはハメを外すのにも目をつぶろう……」
「ハァ……なンで俺がこんなことを」
バックダンサーとして現れたのは胡蝶カナエ・煉獄杏寿郎・悲鳴嶼行冥・不死川実弥の個性的なキメツ学園教師陣。
もちろん皆サンタコスをしている。
カナエの美女サンタが一番注目を浴びているが、普段見ることができない教師たちのハッチャケ姿にも生徒たちのテンションは鰻上りひつまぶし。
「もう、姉さんったら私とカナヲまで巻き込んで……困ったものだわ」
「みんなにプレゼントを配ったら炭治郎と……炭治郎と……」
「なんで私まで……」
「キャハハハ! 楽しいのう、楽しいのう! クリスマスとはこうではないとな!」
「狛治さん、喜んでくれるかしら?」
さらにさらに、現れたのは美少女サンタ集団。
しのぶ・カナヲの胡蝶姉妹に神崎アオイ、バレー部部長の
これで盛り上がらないわけがなく、ライブ会場に早変わりした校庭には熱気が渦巻いていた。
その様子を歯噛みして結一郎を睨みつける宇髄先生。
「チクショウ! 規模が派手に違いすぎんだろ! どんだけ金使ってやがる!?」
こうなってしまえば誰もHBDのことなど気にしちゃいない。
所詮はメンバー四人の手弁当で賄ったライブでしかないHBDに比べて、結一郎は学校の公式イベントの一つとして開催されたもの。
その機材・人員・予算その他もろもろからして規模が違いすぎていた。
まさに公式が最大手。
宇髄先生が見上げる結一郎の目が語る。
『金と権力はこういう時にこそ使うもの……でしょう? 宇髄先生?』
『結ぅ一郎ぉおおおお!!』
産屋敷学園長に話を通し予算と人員を確保。
生徒会の権限を使って場所・機材を融通し。
普段の生徒会活動のコネを使って根回しを行う。
これがキメツ学園に大きな影響力を持つ生徒会長の力。
弱小バンドとは実力が違うのだよ。実力が。
こうして
そして、宇髄先生の下へとどめを刺す刺客が送られてきた。
「て、天元さ~ん。どうですかぁ? 似合ってますぅ?」
「ほら、もじもじしてないでシャキっとしなさいよ、須磨」
「こんばんは、天元さん」
宇髄先生に想いを寄せる食堂・売店の三美人、須磨・まきを・雛鶴たちがサンタコスで駆けよってくる。
その姿に宇髄先生は天を仰いで呟いた。
「それはズリいだろ。派手に」
キメツ学園の楽しいクリスマスはまだまだ続きそうだ。
メリークリスマス!
クリスマスでも仕事してる結一郎ェ……
まぁ、自分も仕事なんですけどね! てか、世の中の人は大半そうだよねー。
そうやって社会はまわっているのですよねー。
クリスマスなので何か投稿せねばとプロットもなしに書きなぐった。
クオリティが低いと感じたらごめんなさいね?
個人的にはキメツ学園は公式でスピンオフしてくれないかと思ってたりします。
謝花兄妹のライブとか映像化されたりしたらいいなぁとか。
ちなみに禰豆子たちのガールズライブは公式設定です。知ってる人は知っている。
生徒会長コソコソ話
バックダンサーにいなかった伊黒先生は桃色髪の女性とクリスマスデート中です。そのために無理やり有休をとったそうな。
生徒会長コソコソ話 弐
バックダンサーにいなかった冨岡先生。
そもそも話が回ってきてない。
「俺は嫌われてない」
生徒会長コソコソ話 参
カナヲは炭治郎のところにサンタガールコスでアタック。
プレゼント私にいった。誤字じゃないよ