◯KV-1重戦車(
◯Ⅲ号戦車J型(
◯T-34中戦車(ヒ
◯T-26軽戦車(オ
◯T-26E軽戦車(ト
◯BT-42突撃砲(妖
◯BT-7快速戦車(オオ
▼ワッフル学院
◯
◯105mm榴弾砲搭載型
◯ルノーAMC35(AGC1)
◯ルノーAMC35(AGC1)
◯ルノーAMC35(AGC1)(琳瑚搭乗)
◯ヴィッカースT-15軽戦車
◯ヴィッカースT-15軽戦車
◯ヴィッカースT-15軽戦車
生産数千七百輌を記録しておきながら、実戦で使われたのは僅か数輌のみに留まる。そのほとんどが英国本土で訓練用として扱われてた、英国面の名に相応しくも不名誉な伝説を築いた戦車だ。つまり
その伝説が今、戦場を駆け抜ける。文字通り、今、伝説を築き上げているのだ。
まだ初期位置に向かっているだけだけど。
なお戦車内部は地獄の有様、
武器腕兄貴が救援に来て「手こずっているようだな、尻を貸そう」とか貫禄のある声で囁いてくる幻覚が見える。クソザコナメクジな敵しか出てこないミッションだから助けはいらないんだよなあ、新手のナンパかな? やけに良い声でバラライカを熱唱するお兄さんが、やらないか、って連呼しながら歌い始めた。
どうでもいいけども阿部さんは誘い受け、異論は認めない。
「隊長、どうした。しっかりしろ、だから服を脱げと言っただろう……っ!」
わかってない人が多いけども阿部さんの魅力は全てを包み込む包容力にある訳で攻めに回るのは違うんだよな。
別にネタとして扱う分には構わないのだけども、阿部さんは自分の尻で全てを受け入れるだけで突っ込もうとしたことは一度もない。むしろ相手を気遣いながら慎重に手引きをしている、かといって誘うところは大胆に男らしくだ。やっぱ付き合うなら包容力のある人間が良いよねって、私ってほらちょっと神経質なところとかあるからさ。そういう時に優しく包み込んでくれる相手がいてくれたらなって思ったりするのよ。ああでも阿部さんは男にしか興味がないから残念だなあ。
うふふ、あはは、なんだかもう自分が何を考えているのかよくわからなくなってきたZOY!
「とりあえず、これを飲むと良い。ビタミンの錠剤とか、プロテインとか……を、凌駕する画期的なエネルギーをとにかく混ぜまくった私特製の栄養剤だ」
そう言いながら王堂は青白く発光する液体の入った瓶を取り出して、その蓋を開けた。
「ちょっと待ってください。うちの隊長に何を飲ませるつもりなんですか!?」
下着姿の操縦手、
「それ、ヌカッと爽やかしそうなコーラじゃないですよね! それも排泄物が発光しそうな感じの!」
「馬鹿を言うな、もっと画期的で革新的な新エネルギーを用いた栄養剤に決まっているだろう」
「クアンタムしそうなジュースじゃなければ良いんですけども……」
私の体がガクガクと痙攣し始める、なんだか見覚えるのある人型の何かが見えてくる。まだ靄がかっているが、あれは、確か……
「やっぱりおかしいですよ! その成分なんなのですか!?」
「ん、これはこの前、とある科学者が発見したものなのだが確か……小島とかなんとか……その粒子を存分に詰め込んだ、だな」
「コジマはまずいですよ……っ!」
徐々に頭の中が鮮明になってくる。あの靄がかった巨体は、青色を基調とした……あの汎用型二脚の機体は……っ!
「お……お……オラクル兄さん!!」
「へ……変な夢見てるーっ!!」
その日、私はロボ娘とドッキングして、取り込まれる夢を見た。
うん、あれだね。ロボ娘って良いよねって。
†
観客席ではダージリン様とアスパラガスが隣同士で座っており、
彼女達は手持ちの戦場図と見比べながら、巨大スクリーンに展開する両陣営の動きを観察していた。
それを後ろから覗き込みながら私、オレンジペコは二人の会話に耳を傾ける。
「ここは漁師の港と呼ばれる場所*1。地図の上から見ると戦場の八割方が畑で埋め尽くされた面白みのない場所ね」
私もパンフレット代わりに配られていた戦場図に目を通す。
ダージリン様が言っていたように中央部に住宅地、東側には港町があるだけの平凡な戦場図だ。
これだけを見ると住宅街か港町で正面衝突するだけの戦場にしか見えない。
「だが見た目ほど生易しい戦場ではないざます」
パンと手の甲で開いたパンフレットを叩きながらアスパラガスが告げる。
「先ず、南北を切り離すような横一線の道路が、中央の住宅街を横切る形で敷かれているが――この道路は少し隆起しているざます。北から南、南から北の様子を窺うことは難しく、車体の低い戦車であれば敵の攻撃から身を隠すことも可能。また中央の住宅街を占拠することができれば、遮蔽物のない畑を見下しながら東西南北の四方全てに睨みを効かせることができるざます」
中央部は視界確保の上では重要な拠点に成り得る、しかし防御力という面では建造物が脆そうなので期待できそうにない。では何処に布陣すべきか。
「東の港町は遮蔽物が多く、この戦場では最も強固な防御拠点に成り得るわ。確保することができれば、優位に戦局を進めることもできそうね。ただ少し迂回路が多そうなのが気になるかしら。市街地だから仕方ないとはいえ、背後や側面を取られないように注意が必要ね」
「あと気になるのは港町には南北を縦に繋ぐ、見通しの良い道路が敷かれていることざます。ぼけっと道を走っていると遠距離からの狙撃を受けてしまうのではないざます?」
「それでも中央の市街地から身を隠せるのであれば――その優先順位は高い」
巨大スクリーンを見れば、両陣営共に初期位置に着いたところだ。
今は最後の作戦会議が行われているに違いない。
「最後に西側、ここにも南北を繋ぐ見通しの良い道路が敷かれているわね」
「だが道路脇には街路樹や繁みが多く、西側の南北には小さな住宅街が存在しているので侵攻するには待ち伏せを受けやすい場所ざます」
「でも南北を繋ぐ道路は隆起した場所に敷かれている。道路の更に西側の窪地を東側から確認する事は難しいのでは?」
「突破されると背後から奇襲を受けそうざます」
そう言って、二人は巨大スクリーンを見つめる。
総評すると中央住宅街は四方に睨みを効かせることができるが防御拠点としては心許ない、東側港町は防御拠点としては優秀ではあるが南北からの攻撃を受けやすく、市街戦の乱戦に持ち込まれる可能性が高い。西側は侵攻ルートとしては優秀だが、拠点としての強みはなかった。
要は拠点を抑えながら、如何に挟撃や包囲を受けないようにするかが大切ということだろう。
「どちらも機動力には自信があるはず……」
「北は継続高校、南はワッフル学院。これからの展開が楽しみざます」
私は自分の分の紅茶を淹れると、二人の解説を耳にしながら事の行く末を見守ることにした。
†
「それでどうするのかな、
全員参加の作戦会議中、隊長のミカが私に作戦を投げてきた。
まあ最初から作戦面で彼女を頼りにしようとは思っていない、私は広げた地図を睨みつける。港町への被害を抑える為なのか私達は北西*2、ワッフル学院は南西*3が初期位置となっており、どちらが先に港町を確保するべきかが勝負の鍵となる。
とはいえ、東端中央にある港町まで単純な競争になるかと言われれば、そうではなかった。
「西側端、つまり互いの初期位置を繋いでいる道路が厄介だね」
全車輌で東にある港町を目指せば、西端の道路を駆け上ってきた戦車に背後を突かれる可能性が高い。
ついでに言えば、西側道路の真ん中付近から戦場中心にある住宅街への道が繋がっているので、西側道路を放置するということはそのまま中央住宅街を放棄することと同義になる。また遮蔽物は多いが中央住宅地から港町に攻撃を仕掛けることは可能であり、港町を確保できたとしても西と南から十字砲火を受けることに成りかねなかった。
理想は中央住宅街を確保しながら港町での防備を固めることだ。
「どちらにせよ、西側の道路には戦力を割かざる得ないだろ。仮に相手が西側の道路に戦力を割かず、一直線に中央住宅街と港町を確保に向かったとしても――その時は西側と北側から中央住宅地を攻めれば良いだけだ」
「えっとつまり?」とトナカイさんチームの
「要は
「うん、そうだね」
エトナの意見に私も同意し、「そこまでは相手も読んでくるはずだ」と付け加えた。
†
「順当に考えれば、敵は西側の道路にKV-1と――Ⅲ号戦車かT-34のどちらかを配置してくるはずだ」
私、
隊長である
ちなみに体を冷やしたい時は首の後ろ、脇の下、鼠蹊部を冷やすと良いぞ! でもやりすぎると体全身が急速に冷えるから注意しろよな☆彡
「全裸冷えピタ先輩、どうしてその二輌が配置されると分かるのですか?」
ワッフル学院戦車道部を創立してから入部した彼女、
「私達は
「残った軽戦車は中央の住宅地に向かいますでしょうか?」
「残る三輌の軽戦車は九割方、中央住宅地を狙うだろう。残る一割は東側にある港町だが――西側道路に配置した戦車と連携が取れなくなるから考え難い」
「相手が初手で港町を狙う可能性については?」
その問いに私は首を横に振る。
「その時は足止めしてくる戦車を削れば良いだけだ、殿になるのは必然的にKV-1になるだろうからな」
そうなってくれれば、御の字だ。共に三輌あるルノーAMC35軽戦車とヴィッカースT-15軽戦車では重戦車の装甲を抜くことはできない、T-15に至っては機関銃である為に中戦車の装甲すら抜くことが難しかった。
ともあれ十中八九、相手が中央住宅地を狙うと分かっている以上、それを前提に策を立てるのが良い。戦力では劣るのだ、何処かしらで無理をしなければ勝ち目はない。
「主戦場は中央の住宅地になるだろうな」
「では、どのように動きましょうか?」
林檎少女の質問に「前進だ」と地面に敷いたマットの上に寝かされていた福井が体を起こして告げる。
「
戦場中心を横断する道路は、西側と東側で縦断する道路と中心で繋がっている。速度が同じならば、敵と接触する可能性が強いが、T-15の速度であれば接敵する前に駆け抜けることができるかもしれない。だが、T-15は中央住宅地を占拠するには問題がある。
「
そうだ、林檎少女の云う通り、T-15では敵戦力から中央住宅地を守り切ることはできない。
「大丈夫だ、私に良い考えがある」
そう福井が口走った瞬間、彼女の背後に青い顔のロボットが守護霊のように佇んでいる姿が見えた気がした。
あれ、こいつまだコジマの副作用が残ってるのかな。
ようやく両高校の戦術がまとまったので書き出せました。
あとひっそりとタンカスロンで福井と王堂が率いていたチームの名前を変えました。
福井は同盟者。王堂は協力者です。