隻脚少女のやりなおし   作:にゃあたいぷ。

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番外編:不死鳥の名は伊達じゃない。⑫

 第62回全国高校戦車道大会、準決勝試合会場。観客席。

 その一角を、聖グロリアーナ女学院の制服を着た一団が占拠している。彼女達は同校の戦車道チームの一員であり、そのほとんどが一年生と二年生で構成されているが、三年生も少なからず存在している。彼女達は熾烈なレギュラー争いから外れた補欠ではあったが、それでも同じチームの一員として、聖グロリアーナ女学院の勝利を祈って精一杯の応援を捧げていた。

 しかし、彼女達も納得して補欠に甘んじている訳ではない。レギュラーに選ばれず、これまで必死に積み重ねてきた努力はなんだったのか? と自問自答を繰り返し、自分の心に無理やり折り合いを付けることで今日、この場に座っているのだ。だからレギュラー陣がしょうもない失敗をすれば歯噛みをするし、情けない姿を晒せばふざけるな、と黒い情動を曝け出す。戦場を駆けるレギュラー陣は、今日、この場にいる補欠一同の代表として、戦っているのだ。ならば、せめて自分達を納得させる戦いをして欲しい。と彼女達が願うのは至極当然の話。であればこそ、彼女達の活躍に我が身のように一喜一憂する。

 彼女達は必ずしも納得して、この場に甘んじている訳ではなかった。

 

「ルクリリは構わない。あいつは生意気で滅茶苦茶だけど、選考試合では三対十という劣勢をひっくり返したことがある。実際、練習試合でのキルスコアの平均は三輌を超えているし、この全国大会でも初戦は二輌、二戦目は三輌を撃破している。納得し難いけど、結果を出している以上、文句は言えない」

 

 だが彼奴は駄目だ、と補欠組の中でもレギュラーに最も近い三年生が巨大スクリーンを睨みつける。聖グロリアーナ女学院のフラッグ車、クルセーダー巡航戦車。周りから過剰なまでに守られてお姫様気取りの憎い奴。アッサムの推薦で紅茶の園の一人として名を連ねる金魚の糞であり、アールグレイから直々にソウルネームを授かる恨めしい人物でもあった。

 

「玲良、どうしてあんな奴が……」

 

 玲良とはウバの本名だ。彼女は生来の臆病者で誰と話すにしても他人の顔色を窺い続ける。声を掛けるだけでビクリと身を跳ねさせて、ちょっと叱るだけで泣き出してしまったりする。まだ一年生だった頃、よくアッサムの背中に隠れていた彼女は、独りになったときに数人の生徒に詰め寄られたことがある。悪質という程のものではない。人通りの多い廊下で日頃から感じていた不満を彼女にぶつけていた。他に手助けに入る者も居ない。有名企業の御令嬢であるアッサムの寵愛を受けている彼女の存在は、他の者達から見ても不満の対象だった。ビクビクと怯える姿が嗜虐心を擽ったのか、「貴女は聖グロの生徒として相応しくない、荷物をまとめて帰ってくださいまし! 目障りですわ!」と怒鳴り散らした時、ヒグッと身を震わせた後、ウバは数十人といる廊下で、公衆の面前で失禁した。太腿を伝う黄色い液体が足元に水溜りを作り、青褪めた顔で、その上にへたりと座り込んだ。その時、ウバは珍しく泣き叫ばなかった。ただただ詰め寄ってきた女を怯えた目で見上げながらポロポロと涙を流していた。ウバに不満をぶつけた生徒は逃げるように立ち去り、独り残されたウバは呆然と涙を流し続けていた。何もせず、身動ぎ一つせず、数分後、アッサムが早足で駆けつけるまで助けを待ち続けた。

 つまり彼女はそういう奴である。

 自分独りでは何もできない癖に、ただただ与えられるだけのか弱き存在だ。それなら別にそれでも構わない。何処か私の目の付かない場所で勝手に泣いていて欲しい。泣いて怯えるだけが取り柄の彼女が、聖グロリアーナ女学院においては名誉ある紅茶の園の一員に選ばれるなんて絶対に認められないし、ましてや私を補欠に追いやって、レギュラーにさせて貰っていることが気に入らない。どんな手段を使ったのか知らないが、アールグレイ様とアッサムに取り入っているところも気に入らなかった。何から何まで気に入らない。彼女という存在その者が気に入らない。名前だって呼びたくない、ソウルネームで呼ぶなんて以ての外だ。

 私だけの話ではない。これは戦車道の補欠組の全員が、大なり小なり共有している想いでもあった。

 

「アールグレイ様はどうして、あんな情けない子を……」

 

 巨大スクリーンにて、敵フラッグ車を追いかける隊長の勇姿を前に、少女は独り不満を零した。

 

 

「疾風アールグレイの妙技を見せてくれようか!」

 

 森林地帯、視界不良の中でキューポラから身を乗り出しながらクロムウェル巡航戦車を全速力で走らせる。

 第二次世界大戦中最速の戦車と呼ばれた愛機のエンジンを酷使し、尻尾を巻いて逃げる敵戦車、T-34/85中戦車の尻を追いかける。彼女達の速度も最高時速54kmと悪くはないが、IS-2重戦車の方は最高時速34kmとクルセイダー巡航戦車と比べても大きく劣る。別働隊ではあるが機動部隊のつもりで編成をした訳ではなかったのだろう、恐らくは強襲部隊。本隊のマチルダⅡ歩兵戦車とチャーチル歩兵戦車の編成では、IS-2重戦車の速度にも追いつけないからな。私達が敵本隊に攻め寄せている内にIS-2重戦車の強力な火砲で私達のフラッグ車を狙い撃つつもりだったか。

 さておき、ここで敵と遭遇できたのは僥倖だ。即断即決、今ここで勝負を決めてくれる。

 プラウダ高校が保有する戦車の中でも、とびきりに厚い装甲を誇るIS-2重戦車だが、装甲が薄い背面なら近接することで装甲を貫くことも可能だ。直進するIS-2重戦車、砲口は後ろに向けられている。誘われている、と理解しながら敵戦車の真後ろに付く――ふりをしてから僅かに車体を横にズラした。砲煙が上がる。砲弾はクロムウェル巡航戦車を掠めて、その背後にあった木々を抉った。さあ、更に加速だ。次弾装填まで最速でも十秒強。この荒れた立地で行進間の装填ともなれば、早くとも装填には二十秒以上はかかる計算だ。幸いにもプラウダ高校には装填手で名の知れた者はいない。よってクリティカルはない! 即断即決、最速爆走、精密速射。操縦手にIS-2重戦車の背後に詰め寄らせる。戦車とは機動兵器であるが故に速さこそが全てだ。速さがあれば優位なポジションに立てるし、伏撃や挟撃、強襲と取れる選択が豊富になる。そもそもだ、フラッグ戦というルールからして速さを極めろと言っているようなものだ。なんせ、どれだけ敵に浸透されようとも敵よりも早くにフラッグ車を撃破することができれば勝てる。言ってしまえば旗取り競争、運動会でいうところの棒倒し。つまり速さ、それこそが力である。一発の砲弾よりも二発の砲弾の方が良い、二発の砲弾よりも三発の砲弾の方が絶対に良い。つまり速さは火力でもある。証明完了、戦車とは速さが全てだ。

 あと少し、もうちょっと、ぎりぎりの限界まで引き付け――ようとして我慢せずに発射、放った砲弾が装甲に弾かれる音を聞きながらの急停車。その直ぐ前を敵の砲弾が横切った。

 

「ノンナを倒そうなんて、そうはいかないわよッ!」

 

 カチューシャに横槍を入れられる。そのまま目の前を通り過ぎるフラッグ車を狙おうとして、操縦手にすぐ斜め前へと発進するように指示を出した。履帯が回りだした少し後で、IS-2重戦車の砲弾がクロムウェル巡航戦車の装甲を削り飛ばす。ちびっ子副長め、よく見ている。これはフラッグ車を仕留めるのに少々時間が掛かってしまいそうか。

 でもまあ彼女がフラッグ車を務めているのだ。少し時間を掛けたところで問題はない。

 此処はじっくりと攻める一手か――いや、と首を横に振る。我が名は疾風アールグレイ、何時如何なる時であっても速攻を信条とする。優位に立った今こそ信念を捻じ曲げることは得策ではない。と、IS-2重戦車を見やって追撃を指示した。それにあのちびっ子副長の動きがきな臭い。彼女はもっと好戦的で無意味な逃走を嫌う性格をしているはずだ。少なくとも無意味に時間稼ぎをするくらいなら一筋の勝機に賭ける人間だ、とプロファイリングでの結論は出ていた。

 なにかを待っている、その結論に根拠はないが確信はある。首筋にチリチリとした感覚があった。彼女が待つ切り札はきっと、私の天敵に類する存在なのだろう、そんな予感がする。なればこそ、此処は追撃の一手。強行してでも敵フラッグ車を倒し切る。

 それが最適解だと、私の存在の全てが告げていた。

 

 

 疾風アールグレイ、分かっていたが厄介な相手だ。

 森林地帯の接近戦であっても危険を顧みずにキューポラから身を乗り出して、私は相手の動向を窺い続けている。

 まるで狩猟犬のようにしつこく尻に喰らい付いてくる。油断をすれば、すぐ背面まで詰め寄せてくるし、クロムウェル巡航戦車に限っていえば、こちらの砲撃する瞬間が分かっていると言わんばかりに紙一重で避け続ける。疾風の名は、部隊展開の早さだけではない。分かっていたことだが、実際こうして後ろから追い回されると、速度の差を感じずにはいられない。特に、あのクロムウェル巡航戦車とかカタログスペックは時速60km半ばのはずなのに、体感では時速70kmを超えているように思えて仕方ない。まさかインチキしてないだろうな。エンジンを改造するのは戦車道のルールに違反しているのだから!

 とにかく、今言っても仕方ない。

 彼女が従えるクルセーダー部隊も厄介だ。小柄で軽いこともあってか。T-34/85中戦車と比較して時速10kmも遅いくせして、この鬱蒼とした森林地帯では私達よりも速い速度で動き回っている。おかげで左右からの攻撃にも気を配らなければならず、敵味方の中で最も鈍重なIS-2重戦車のフォローもしなくちゃいけなかった。見捨てて欲しい。とノンナから何度も通信はあったけど、そんなことはできない。私の考えにノータイムで付いて来られるのはノンナだけだし、この後にやってくる響の支援ができるのもまたノンナだけだった。

 できるだけ陣形を維持し、時にはフラッグ車である自分が赴くことで敵を退ける。

 頭が疲弊する、集中力を維持するのが難しくなってきた。間断なく攻撃を仕掛けてくるアールグレイが本当に憎たらしい。あんな奴、疾風ではなく猟犬だ。犬だ。犬なら犬らしく、ワンワン吠えていろってんだ。いや、砲撃音のことじゃない。至近弾に晒される仲間を支援する為に他車輌に指示を送った。クソ、右から左から後ろからと本当にしつこい。振り切れないことがもどかしい。

 響はまだか、BT-7M快速戦車はまだか。

 

『カチューシャ、囲まれて……あ、駄目ッ! 避けきれ、キャーッ!!』

 

 通信機から聞こえる悲鳴、その直後に複数の砲撃音。砲弾が装甲を捉える音が響き渡る。一輌、倒されてしまったか。これで戦局はもっと厳しくなる。あと二輌。いや、一輌か。倒された時は私だけでも逃げ出さないといけない。まだか、まだ来ないのか。アールグレイと真っ向から機動戦で勝てる味方は、ただ一輌だけだった。

 

『こちらピロシキ部隊、三号車。私ももう駄目のようです。どうかお逃げください、カチューシャ』

 

 その報告に私は天を仰ぐ、砲撃音。またも装甲を捉える音、その音に私は静かに覚悟を固める――――

 

『えっ? ……あ、三号車。無事です!』

 

 ――しかし続く通信で、私は弱気な思考をかなぐり捨てた。

 

『味方の援護……あれは、BT-7M! BT-7M! 同志ちっこいの、来ました!』

 

 その報告に私は口角を上げて、思わず拳を握り締める。

 第一回戦では軽戦車を使っていながら敵車輌を三輌破壊する活躍を見せて、第二回戦では斥候としてプラウダ高校の勝利に大きく貢献してくれた。この準決勝戦における対聖グロリアーナ女学院戦では、彼女の存在そのものがアールグレイへの対策になる。戦車道における戦術観はない、まだ経験は浅い。しかし、それを補って余りある能力が彼女にはあった。

 通信機を手に取り、BT-7M快速戦車の車長に告げる。

 

「響、遅いのよ!」

 

 信楽(しがらき)(ひびき)には、ただ戦場を与えてやるだけで良い。

 それだけで彼女は誰よりも輝くことができた。

 

 

 駆逐艦娘である以上、水中聴音機の扱いは嗜みだ。

 視界に入らない潜水艦の探索は責任重大で、一隻の潜水艦を逃すことは味方を危機に陥れることへと繋がる。

 だから私は耳を鍛えた、音を聴くだけで水中を三次元に動く敵潜水艦の位置と動きが分かるように徹底的に鍛え上げた。雷と電は潜水艦を苦手としていたから暁型では私と暁が頑張る必要があった。幸いなのは砲撃は魚雷よりも弾道計算が楽という点。そして、かつて戦艦には欠片ほども通じなかった砲撃が、今の私たちなら位置さえ良ければきちんと相手に通用するという点だ。

 森の中、視界不良の環境で、砲手と役割を交代した私は、音だけを頼りにまだ見えぬ車体に向けて砲撃する。

 ガンッという砲弾が弾かれる音がした。車体後方を狙ったつもりだったけど、砲塔に弾かれてしまったようだ。予測である以上、多少の誤差は仕方ない。メンバーに次弾の装填を急がせて、操縦手には直ぐに戦車を発進させる――森林地帯では駆逐艦娘で培った戦い方ができないから苦手なんだけど、案外、私の得意を活用すれば上手く戦えるかも知れない。しかし戦車を静止させて一方的に撃つ感覚は、なんとなしに潜水艦を思い出すな――このまま、ちまちまと削って行っても良いのだけど、つい先程のカチューシャの余裕のない声を聞いているとそういう訳にも行かないか。これはフラッグ戦だ、旗艦を倒されると負ける。

 牽制は充分、もう少し近付いて戦う方が良いか。と敵との距離を詰める。

 

〜私は思想する者、私自身に存在意義を問う〜

〜私は殺戮する者、それだけが私の存在を証明する〜

 

 アイムシンカー、トゥートゥートゥトゥー。

 口遊む音は、何時か何処か聞いたことのあるものだった。妙に頭に残るフレーズで、妙に印象に残る歌詞。文法を無視した英文は、現地人であっても解釈が困難だと云う。

 だから私は感じるままに文章を解釈している。

 

〜あの空に飛び立つ彼らに触れる、彼らの想いを感じ取る〜

〜きっと貴方は深淵の深くまで、私と語り合うこともできるはずだ〜

 

 クロムウェル巡航戦車を確認、その砲口は私達に向けられていた。

 間髪入れずに放たれた砲弾を木々を盾にすることで躱す。

 キューポラにはアールグレイの姿、悔しさに舌打ちする姿がよく見えた。

 

〜思想の深海で貴方は普遍の愛を識る〜

〜世界の全てが貴方の思想を更なる愛へと昇華させる〜

 

 クロムウェル巡航戦車の側面を取ろうと考えて、その私達の側面を更に取ろうとする戦車の存在に勘付いた。操縦手に車体を傾けないように指示を出し、直後、飛び出してきたクルセーダー巡航戦車と相対する。敵戦車が砲撃した。それは私達の車体の横に逸れて、そのまま敵戦車と擦れ違う。予め、指示は出しておいた。クルセーダー巡航戦車の真横を通り抜けた瞬間、履帯を滑らせて車体を反転させる。数秒の静止、晒される敵戦車の無防備な背面に砲撃を撃ち込んだ。

 

〜この宇宙の外側では、誰かが愛を待ち続けている〜

〜彼らは音楽をジェットに乗せて、愛を伝えに向かったのさ〜

 

 そのまま戦車を発進させる。

 敵の位置は視えている、敵味方の判別はエンジンと履帯の音で判別が付いた。そこに敵からの砲撃音も聞こえてしまえば、もう透けて見えるも同然だ。視界不良の森林地帯、草木に身を隠した気になっている敵戦車を次から次に追い回す。時折、援護射撃を入れてくれるIS-2重戦車の働きもあって、随分と戦いやすかった。一輌、また一輌と撃破する。残り二輌となった時、逃げ出すクルセーダー巡航洗車の履帯を撃ち抜いて、ゆっくりととどめを刺した。

 そして残るはクロムウェル巡航戦車、アールグレイ。彼女だけは少し注意する必要がある。

 

 

 戦慄した、という言葉以外に表現しようがなかった。

 優勢だったはずの局面は、たった一輌の参戦により、あっさりとひっくり返される。

 視界不良の森林地帯。そうであるにも関わらず、あのBT-7M快速戦車はまるで枝葉の先が透けて見えているかのような動きをする。チートか、インチキか。垢BANされろ。レーダーかなにかが搭載されているんじゃないかと疑いたくなる。この場にはもう私達しか残ってなかった。相手の姿も満足に確認できていない中で、次から次に撃破される味方車輌にはホラー味を感じるほどだ。実際、ものの数分で鎮圧されるとか、何かの悪い冗談としか思えない。しかし現実として起きている以上、認めるしかない。

 即断即決、それが疾風アールグレイの真髄だ。

 この絶対不利の状況において、此処は逃げ一択――いや、違う。此処は玉砕の一手だ。あのBT-7M快速戦車を好きにさせてはならない、アレを自由に戦わせてはならない。私の今まで戦車道を嗜んできた経験が、奴を倒せと訴える。例え死んででも止めろ、と私に訴えてくる。奴を倒さないことには私達に勝機はない。そして今、奴を止めることできるのは、この疾風アールグレイ。ただ一人だけだ。

 通信機を片手に可愛い後輩達に通信を繋いだ。

 

「これより私は死地に赴く、指揮の全権をダージリンに移譲する。後は任せた」

 

 ああ、それと。と個人的に一輌の戦車へと通信を繋ぎ直す。

 

「ウバ、聞いているか?」

『うばぁっ!? な、なんですかもう! 急にびっくりするじゃないですかあ!?』

「……君の実力は私が保証する。私を信じろ、今はそれだけで良い」

『やめてください! 良い感じに終わってたじゃないですか! そもそもどうして私なんかをフラッグ車においたんですかー! 此処までいいとこ一つもないんですよ、私!? そもそも私に良いところなんて……うばぁっ! う、撃たれた!? うばばばばばばばばばっ!!?』

「お前に足りないのは自信だけだな」

 

 伝えるべきことは伝えた。

 通信機を放り投げて、目の前の戦場に全神経を集中させる。

 あとはBT-7M快速戦車を倒すだけだ。

 

「さあプラウダ高校諸君、かかって来い! この疾風アールグレイが全霊を賭して相手になってやる!」

 

 尤も、それだけの事が困難極まるのだが。

 

 

 




書き切った後でJASRACに登録されていないことに気付きました。
ので、響の解釈だけ残しておきます。

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