かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について 作:低次元領域
イナイレ発売日が近づいてまいりました。
回避は不可能である。すれば間違いなく光の槍は進行方向を曲げ自分を追って背中に突き刺さるだろう。
無防備な背中を破壊できる威力を持っているだろうことは光り輝く槍の威光で理解できていた。
迎撃は不可能。自分の今一番の技であるダークネス・ハンドV2でさえ、容易に溶かし吹き飛ばせるだろうという信頼があった。
ならばそれに加えロアフェルシアドミネーション……いや焼け石に水だろう。
使えば気絶するだろう、両手のダークネス・ハンドV2もダメそうだ。
つまり、死。確実なる死。具体的には病院直行コース。
渦を巻き今にも俺を貫かんと迫ってきている光の槍は終わりを実現させようとしている。
「……よし」
俺は覚悟を決めた、ここで死ぬわけにはいかない。
まだ大会準決勝すら迎えてないのに、練習中ですらない夜のお散歩中に仲間の必殺技で入院しましたなど笑い話で済まされない。
凄く、とてもダサい。そんなことになれば部員からは何だコイツレベルの視線をもらうことも不可避である。
だから、絶対に死ねない。格好悪い終わりを迎えるくらいなら血反吐を吐いてでもと息を大きく吸い込む。
さぁ超えろ限界を、織部長久。悪魔のキーパーと呼ばれたお前の真価を見せるべきだ。
俺は体勢を低くし、グラウンドを大きく蹴り飛ばして走りだした。
──後ろへ
「(走れ走れ走れ……!!)」
避けるのも受けるのも無理なのであれば、もう攻撃が当たるその時まで無理にでも距離を稼いで威力が減衰することを祈るしかない。
この数ヶ月の経験から生み出された素晴らしいアイデアを元に、俺は全力で走る。
イメージするのはソニックの突風の如き走り。己が限界を常に塗り替えんとするそのフォームを少しでもマネして俺は走る。
サッカーゴールを避け走り出した数秒後、ネットが千切れる音を聞いて俺はゾッとする。
「ヒィィィィィィィイ!!!」
─なぁ長久、こんな無様な逃げ方するのは格好悪くないのか……?
コルシアの悪口に対してろくな反論すら思いつかないほどに酸素を足に回す。
考えずに走れ、いつものランニングの様に。普段と違い重りも無いのだから早く走れるはずだと。
実際、今の俺は常人の中ではかなり速く走れている。しかし悲しいかな、メアの新技?は今も俺の後ろを追って徐々に近づいて来ている。
─おい絶対当たるなよ!? お前もそうじゃが妾達があんなのぶつかれば焼き消えるわ!!
トロアの警告は最初からわかっている事だから無視する。
こうして走っていればいつかは光の槍は弱くなるはず。その時追いつかれようが精々打撲程度で済んでくれるはず。だから走れ織部、と鼓舞しながら走っていた。
同時にあと何秒、いや何分走れば光の槍の威力は減衰する、いやそもそも減衰するという当たり前の特性をちゃんと持っていてくれるのか? そう嫌な考えがよぎる。
そもそも俺をホーミングしてくるとかいういやすぎる特性を持ったシュートは果たして常識が通用するのか。する訳ないだろ相手は超次元だぞ。
そして、嫌な考えは嫌な変化をもたらした。
「あっ」と声が自然と漏れたのは、履いていた靴が片方脱げた。
トレーニング中ならともかく単にメア達を探しに来た俺の靴ひもは普段よりも緩かった。片足が靴下のみとなれば当然、走りに影響が出る。
元々スローだった視界が更に遅くなる。
俺の死の瞬間を見逃さないようにしてくれる親切設計だなぁと今更思った。
光の槍が空を貫き迫る音が大きくなる。
俺の体はいまだに走り続けようとしているが、次の一歩を靴下で蹴り飛ばした後には追い付かれるだろう。
せめてもっと足が速ければ逃げ切れたはずなのに。そう後悔しても手遅れで、
ああ、せめて靴の代わりになる物が欲しい。そうすればもうちょっとだけ頑張れるから。と願い。
「嫌アァァァ!!」
世界はゆっくり進んでいた
……靴の代わり、作ればいいんじゃないか?
そんな思考と共に。
◆
「──────!!」
その声はこの屋内中に響いていた。霧の中に誰かがいるようなシルエット。
一段と濃い霧の中に入っていった光の槍が一瞬、照らし映し出したそれ。数瞬の後、獣の様な叫び声が聞こえた。
シルエットもまた、人型よりも黒い塊に見えて……人ならざる様相であった。
「い、一体なにが……?」
「こりゃ、面白いことになったねぇ」
先程エンゼル・ブリューナクを放った僕の隣で、アルゴは物知り気に甘酒を飲んで笑っていた。
霧の中で何が起きているか、彼は正確に把握できているのだろうか。
「アルゴ、この霧って……多分君が出してるんだよね?」
「ん、まぁ……どうかな~」
そうですと言っているもののような誤魔化し方をされて、思わず隠したいのか誇示したいのかどっちなんだいとツッコんだ。
先程話した時の怖さを思い出すと、アルゴ自身隠すという行動はあまり好きではなく、隠しているという事実が好きなのかもしれないなと思った。
「……い、いやとにかくっ。よく見えないだろうし早く霧を晴らして!
当たったら大変だよ! 」
なんてって今までで一番だと思った程に威力が出た必殺技だ。
霧の中にいるのがだれか知らないけれど見えない状態で迫って来てたら最悪だ。
「落ち着きなって~、晴らす必要ないよ。だって多分そのメアの技と格闘中だしぃ」
「……えっ、そうなのかい?」
「じゃないとあんな金切り声みたいな雄叫び出ないでしょ……いや人間の声かも怪しいけどぉ」
アルゴはまたもケラケラと笑って、酒瓶を持ってない方の手をすっと上げて指をさす。向かう先は霧の中。
「もうとっくにゴールしてないとおかしい光槍が、霧の中で見え辛いけど……ほら、まだ光って動いてる。つまり?」
霧の中を見ると、確かに僕の光がうねる様に霧の中で反射している。
ただまっすぐ進まず、そしてまだ何かを貫こうと足掻いているようだった、
……なんとなく霧の向こうにいるのが誰か分かった気がした。
むしろそうであってほしいと思った。僕の新技が相手でも戦える相手なら、君しかいないと、リーダーだけだと。
「……っ」
僕の出した答えが意図せず君にぶつけられているかもしれないと思うと脈拍が早くなる気がした。
僕の新しい輝きを見た時何を思っただろうか、触れた時どう感じただろうか。
リーダーが今どうやって僕の技に対処しているのだろうか。
「じゃ、じゃあやっぱり早く霧を晴らしてよっ。僕の一撃が……どうなるか見たいんだ!」
「んー……いいよ」
そう願ってアルゴに頼んだ。アルゴは少し考えた後に彼は指をさしていた手を握り、下ろす。
不思議なことに、それとほぼ同時に今まで立ち込めていた薄桃色の霧が引いていく。
霧の中にいた彼と、彼に迫っていた僕の一撃がどうなっているか露になるのにそう時間はかからなかった。
「お、おお……?」
残念な事に、晴れた時には全てが終わってしまっていたようだった。
僕の槍は光を失い、ボールは地面に転がっていた。直前に止められてしまったのだろうか……いや、絶対に止められたのだろう。
霧が完全に晴れた際の光景を見て、僕はそう確信できた。
「リーダー……だよね」
「……メア、か。アルゴも」
彼は立っていた。転がるボールの前で両手を前を突きだしていた。明らかに防いだもののそれ。両手の掌から煙が上がっていた。
そして……彼は纏っていた。黒い黒い……深淵の闇。
形取った闇は彼の両腕両足を覆っていて、一部しか肌が見えないほどに埋め尽くしていた。
鋭いシルエット。狼、或いは龍を思わせる鋭い爪が両手両足の甲を守る様に。腕や足には闇で形作られた蛇が巻き付いた意匠が。
僕は目を輝かせ駆け寄って彼の両肩をつかんで揺らした。
「な、なんだいそれ!? 新技!?」
「おー……とうとう自分を強化する感じぃ?」
これほど興奮することは無い。自分の新技に対してリーダーが新技らしきものを使ってくれたのだ。
一体どれほど強い技なんだろうか。そうしないといけなかった、という事実だけで喜びで胸がいっぱいになる。
その嬉しさを表現するあまりに全力でリーダーの体を揺らしてしまう。
「……シヌ」
「今なんて……あ、ごめんね揺らしすぎた」
何か言ってくれたようだけど全く聞き取れず、一度肩から手を離して彼の言葉を待つ。
「……ハキソウ」
するとどうだろう、しばらく余韻でぶらぶらしていたけれど、彼の体から闇が吹き上がると昼に見せた、三体の悪魔が混ざり合った姿に似たレリーフが彫られた兜が出来上がる。
ついで同様に鎧が生成された。
揺れていたリーダーの体は鎧が出来上がった直後に収まり、呼吸一つ感じ取れないほどに安定したのがわかる。
先程までは手足だけで少しアンバランスだったけどこれでいっきに風格が増した。すごい、かっこいい。
「すごい、かっこいい。最高だよリーダー……ねぇその技の名前って──」
「……さっきの、はメア……だな?」
思考と言動が一致するほどに感動しながら、リーダーにもう一度名前を聞こうとして、逆に聞き返されてしまった。
そっと、目をつむって。……こういう時いつもならじっと僕の目を見つめてくるのにどうしてって聞きたくなったけれど、それ以上に僕はいろいろとドキドキしていた。
「……えっ あ、うん! エンゼル・ブリューナクって技でね! 翼も全部シュートに使うようにしちゃおうって感じでね!
とにかく貫けって感じで……ええっと、えっと……ど、どうだったかな……?」
「どう、か……」
やれることはやれたけど改良だってできる気でいる。もう少しだって言われてもそうだね頑張るよって返せると思う。
そう思いながらも僕は気がついたら両手を組んでその言葉を待っていた。
「……凄かった」
君が、静かに、力強く呟いた短い言葉は僕を歓喜させるにあまりに大きかった。
すごかった(小並感)
~オリ技一覧~
・??? (フィールド技)
三柱融合させて作った混沌を当世具足、全身を覆う姿に作り替える。
主に体が悲鳴を上げるような状態でも闇の力controlで無理やり抑えたり動かしたりできる利点がある。
体の疲労は知らない。化身アームドのような超強化されるわけでもない。
アムドと名付けよう(ダイの大冒険感)
~オリキャラ紹介~
・織部長久 GW 1番
スパイクが無いなら作ればいいじゃない
と思いついた結果、全身鎧を作ることに成功した。走り切って限界になったので威力が収まった所を闇パンチでギリ防いだが体力はミリ残ってる程度である。
頭を揺らされてリバースしかけたので頭の保護具と鎧で固定した。
・メア(勅使河原 明) FW 11番
合格点をもらってウキウキ天使(あくま)
この後部屋に戻り、自慢しながらスヤァした。