ドラゴンクエスト キャロのワンダーランド   作:カズノリ

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パソコンがダメな子になって早2,3週間。
ついに復活アンド投稿! お待たせしました。

あとキャロのワンダーランドの趣向変更したのでお楽しみください。
どんな厳しい言葉もお待ちしています。



デュエルモンスターズ精霊界編
1ページ目 タイジュの国と旅の扉


 

 

 

 

モンスターじいさん、通称モンじいについていき初めて私とフリードはわたぼうに連れてこられた世界を見た。

 広がる青空と森の絨毯、奥の方に見える巨大な樹、上を見上げれば巨大な枝の上で人が歩いている姿が見える。

 

「ほほほほ、驚いたかの? このタイジュの樹は精霊の力によって生まれ育ち人が集まり、国ができる。

 タイジュの国を始めこの世界の国は全て精霊を宿す樹に住むのじゃ、この国の民はタイジュの国、タイジュの樹に生まれ、育ち、成長する」

 

 足の下に広がる木の断面は切られたばかりのように肌色だった、精霊が宿る樹、タイジュの樹。

 風はどこか温かくて優しい、私の腕の中にいる意外に人見知りのフリードがモンじいが目の前にいるのにうたた寝し始めている。

 そんなフリードをみてモンじいも優しく微笑んでくれた。

 

「さて、キャロや、今からこの国の王様に挨拶しにゆくぞ」

「お、おおおおお王様!?」

「ほほほほ、そんなに慌てなくても良い、王様からの説明があるだけじゃ」

 

 それを聞いてわたしは安心した。

 いきなり王様に会わせられて不敬なことをして牢屋行きなんて嫌だった。

 モンじいはゆっくりと歩き出して私もついていく、危なげなのにどこか安心できる橋を幾つも渡り上へ上へと登る。

 道中で図書館、闘技場、バザー、メダルじいさんのお家などを教えてくれた、この国にはわたぼうに連れてきたモンスター・マスターが2人いるとのこと。

 2人は姉弟で最強のマスターとして名高く、特に弟の方、テリーは星降り大会という大会で優勝するほどだという、姉の方、ミレーユは近畿の差で準優勝した。

 タイジュの樹の上まで来ると噴水があった、階段の横に透き通るほど綺麗な水が流れていた。

 階段を登り、大きな門をくぐると、赤い絨毯が真っ直ぐに伸びてる。

 物語の中でしか聞いたことがない赤い絨毯に少し驚きながらモンじいについていく、今度は白い橋が湖を横断していた。

 ピンク、黄色の花が咲いていい匂い、奥に長い階段の両脇の壁に肖像画が描かれていた。

 

「モンじい、あの絵は」

「む? おお、あれか、今代の王と王妃じゃよ、少し前までは仲が悪くての、今ではヨリを戻したようじゃ」

 

 そうなのかー、絵に描かれている王様はふっくらとしているけれど優しそうで王妃様は綺麗で緑色の瞳が印象的。

 階段を上ると今度は青い絨毯が階段を通り王座まで引かれている。

 王座には先ほど絵に描かれている王様が目をつぶり座っていた、ドキドキと心臓が高鳴るのがわかった。

 階段前までわたしとモンじいは歩く、モンじいは王様に言葉をかけた。

 

「王様、新しいモンスター・マスターをお連れしましたぞ」

 

 すると王様はゆっくりと目を開け、私を見つめた。

 うむ、と頷きにっこりと微笑んだ

 

「よく来たな、新たなモンスター・マスターよ! わたしはこのタイジュの国の王じゃ。

 そなたは名はなんと申す?」

「わ、わたしはキャロ・ル・ルシ……」

 

 そうだ、わたしはあの村から出たんだ、もうル・ルシエじゃない、名乗れない。

 悲しくなるけれど、今は王様の目の前泣いちゃダメなんだ。

 

「キャロ、わたしの名前はキャロです……」

「……そうか、では初めましてキャロ! そしてようこそ!タイジュの国へ!

これからお主には星降り大会優勝を目指してほしい!」

「星降り大会? それってモンじいから聞いた……」

「そうじゃ、大会優勝者は次の星降り大会へ出ることは禁じられておる、テリーは大会へ出るには次の次しか出来ん」

 

 そうなのかー、でも私に星降り大会へ出る実力が付くのかな?

 それに、モンスター・マスターって魔物使いのことだから、途中で食べられちゃうじゃないのか心配

 

「安心するが良い! 我がタイジュの国の精霊 わたぼうのご加護がある限りキャロは再びこのタイジュの国へ戻って来れる!

さぁ! これぞさずけよう! 我がタイジュの国に所属するモンスター・マスターの証! 「マスターの資格」!!」

 

 王様が自ら階段を降りて私の手に金色に輝く、わたぼうが描かれたメダルを下さった。

 しばらくメダルを見ていると、描かれているわたぼうが目をつぶり、にこっりと笑った。

 驚いて首を左右に振って改めてメダルを見る、けれどメダルのわたぼうは目を開けたまま変わっていない

 気のせいだったのかな?

 

「ふむ、キャロには既に見たこともない飛龍がおるようじゃし、早速「旅立ちのとびら」に行ってもらおう!

説明をグランド・マスターであるモンじいにしてもらうぞ! ではわしはこの辺で……イソ、イソ、イソ」

 

 王様は王座をたって右側にあるカーテンの中へ入っていった。

 カーテンの前に大道芸で見たことがあるピエロの人が立ってニッコリと笑ってる。

 

「ほほほほ! ではキャロよ、まずはモンスター牧場へゆくぞ」

「モンスター……牧場?」

 

 モンじいに連れられお城の階段を上ると樹の頂上だった。

 空にはフリードとは違い羽根のない緑色と茶色の二頭のドラゴンが仲良く飛んでいて近くには目がひとつだけの青い鳥が飛んでる。

 じっと空に飛ぶドラゴンを見ていると

 

「ふむ、キャロはしんりゅうとスカイドラゴンが気になるのかの?」

「しんりゅうとスカイドラゴンってあの空を飛んでいるドラゴンたちですか?」

「そうじゃ、緑色がしんりゅう、茶色がスカイドラゴンじゃよ」

「フリード、見てごらんあなたもあんなふうに立派になるんだよ」

 

 腕に抱えたフリードに声をかけると小さく鳴いてから空にいるしんりゅうとスカイドラゴンを見上げた。

 何を思ったのか私の腕を飛び出し空に飛んだ、しんりゅうとスカイドラゴンのいる空へ

 大丈夫、フリードはちゃんと帰ってくる。そう思った私はフリードに声をかけなかった。

 

「ほほほほ、ではキャロ、新たなモンスター・マスターよ」

「はい」

 

 モンじいは急に真面目な顔つきをして私を、私とフリードを見つめた、その瞳に映るのは私たちなのか、それとも違う何かなのか……

 真剣に見つめてくる瞳に対して私はなにができるんだろうか

 

「モンスターとは人間であるわしらよりも純粋な気持ちを持つ存在であり、それゆえに力をもっておる。

いわば彼らは白いキャンパスのようなもんじゃ、そこに邪悪の意思、意念である黒を塗れば彼らが持つ力は破壊にしか使わぬ。

じゃがわしらモンスター・マスターは彼らと友達になり友情を育み、共に成長し合う存在じゃ、彼らのことを理解しなければならん。

モンスター達には1つの本能がある」

「本、能?」

「『究極』にして『最強』になることじゃ

じゃがモンスターは己だけでは達成できぬ、故にわしらモンスター・マスターを頼り更なる強さを求める、わしらはそれを手伝いながら最強のマスターを目指すわけじゃ

モンスター・マスターが入る「旅のとびら」は全く別の世界へ飛び、世界を巡り、「主」を倒すことでこのタイジュの国へ帰ることができる

無論、ほかの方法で帰還することはできるが大抵のマスターは「主」を倒すまで入り続ける

さてキャロお主には2つのやり方がある。

牧場におるモンスターとフリードリヒを連れ旅に出るか、フリードリヒだけを連れて旅に出るか」

 

 モンじいの言葉を聞いた私は牧場を見渡した、動物みたいなモンスター、大きなアリみたいなモンスター、他にもたくさんの種類がいる。

 仲間にできたらさぞ楽できるだろう、仲間が多いというのはそれだけ強みだし心強い。

 中には旅慣れてるモンスターもいるかもしれない、私がわからないことだって教えてくれる。

 けれど、今は……ううん、今だけはフリードとだけの旅がしたい。

 この牧場にいるモンスター達を見て私は、キャロ・ル・ルシエではなくタイジュの国のモンスター・マスターキャロとして生きよう。

 

「モンじい私は、色々足りないことがたくさんある」

「ほう」

「旅に必要なこと、道具、知識、食べれるものないもの、私にはわからない」

「ふむ、ならば」

「ううん、だからこそ最初の旅は、フリードと一緒に行きます、フリード!!」

 

 空でしんりゅうとスカイドラゴンと遊んでいたフリードに大声で呼んだ。

 私の声が聞こえたようでしんりゅうとスカイドラゴンにひとなめされてからフリードはゆっくりと降りて私の腕の中へ戻ってきた。

 

「楽しかった?」

〈ギー!〉

「そっか、よかったね」

「ほほほほ、ではキャロよ、旅のとびらへゆくかの」

「はい」

 

 一度牧場を見渡してからモンじいに付いて行き、階段を下りた。

 王宮の中を歩き、階段の前にいる槍を持った衛兵の人たちに出会った。

 

「おお! グランドマスター! ではこの子が新たなモンスター・マスターですね?」

「ほほほほ、そうじゃ、王様から「旅立ちのとびら」使用の許可を新たなマスター、キャロに下さった。早速旅立つことになっての、通っても良いか?」

「はい、王様からの命により、新たなモンスター・マスター・キャロはこれより新たな冒険に出ることができます。

 様々な困難があるでしょうが、負けずに頑張ってください!」

「ありがとうございます」

 

 衛兵の1人が階段を降りていき、私とモンじいがついていく。

 ゆっくり、ゆっくりと階段を下りていくと曲がり角にわたぼうの石像がッ

 ドン!

 後ろから突き飛ばされ、モンじいと衛兵の人の前へ転がりわたぼうの石像にぶつかると思った瞬間―――

 私は黒い渦に飲まれた。

 最後に見たのは手を伸ばしている必死な顔をしているモンじいと驚いた顔をしている衛兵、そして長い舌を伸ばしてゲラゲラ笑っている赤いわたぼうの姿だった。

 

 

 

 

 

 舌が長い赤いわたぼうによって私は階段から転がり落ち、石像にぶつかったと思ったら黒い渦に飲み込まれた。

 手を伸ばしてくれたモンじいや衛兵の人、王様にごめんなさいと思いながら私はこれで死ぬんだなぁと感じた、私は意識を黒い渦から闇に飲み込まれた。

 真っ暗で何もないこの空間にどのくらい時間が経っただろう? 1時間? それとも1日?

 それに私は今落ちてるのだろうか? 浮いてるのだろうか? 地面に寝ているのだろうか? 地面に立っているのだろうか?

 そんなことすらわからないこの状況で私はただただ見えない、聞こえない闇の中にいる。

 何も見えないけれど、フリードの声は聞こえないけれど腕に抱えてるフリードのぬくもりだけは残っている、それだけで独りじゃない、寂しくもない。

 だってフリードと一緒に死ぬのならまだい良い。 

 なんだか何も見えないはずなのに目の前が眩しくなってきた。

 一体なんだろうと思いながら見えないのにフリードを抱えている腕を片手にし、右手でそれを掴もうと

 

 目が覚めた。

 空には青い空と真っ白な雲が浮かんでいて私の目の前には黒い男の子がいた。

 真っ黒で眠たそうな瞳が私の全てを見通してるかのようだった。

 よくよく見ると男の子はローブを着ていて右手には牢屋で使う手錠がついて腕に包帯を巻いている。

 ローブの下には黒いインナー、首には黒い首輪、半ズボンを履いていて、クツとの間には包帯が巻かれていた。

 右手に杖を持っており、上に鳥の骸骨がついている。

 

「キミ、だれ?」

 

 透き通るかのような女の子みたいな声。

 鳥の骸骨で作られている杖を私に向けながら男の子は眠たそうな瞳をさらに眠たそうにした。

 

「わ、わたしはキャロ。 アナタは……?」

「ダルク」

 

 ダルク、それが男の子の名前。

 しばらく見ているとはぁとため息を付いたダルク君は杖を左手に持ち、右手を私の方へ出してきた。

 これって、掴めってことかな? 私は右手をゆっくり出すとダルク君は私の手を取り引っ張った。

 急に引っ張られたことで私は起き上がれたけれど、ダルク君の胸の中に飛び込むことになった、ドックンドックンと聞こえる心臓の音がなんだか私を落ち着かせ、男の子特有の匂いはずっと嗅ぎたくなった。

 

「大丈夫か?」

 

 その一言で私は正気に戻った。

 私は今ダルク君の、男の子の胸の中にいることを思い出させた、顔がなんだか熱くなる。

 

「ふ、ふにょぉえれらりゃ~!!」

 

 変な声を出しながらダルクを突き飛ばした。

 でも私の力じゃああまり吹き飛ばせず、ダルクは後ずさりしただけ。

 

「なにをする?」

「ご、ごめんなさい!」

 

 ダルク君の顔色変えないで言われるとちょっと怖い。

 ここで私は思い出した、黒い渦に飲まれたことを、闇の中にいたことを

 

「ここは……どこなの?」

「ここは森に近い「草原」だ。後ろを見ろ」

 

 言われたままに後ろを向くと見たことがない位大きな森があった。

 ここから見えるだけでも大きな昆虫や草木があってしかもでかい、その中でも驚いたのが森よりでかい銀色のダンゴムシが木を倒しながら進んでいる。

 うん、いくらなんでもわけわからないよ。

「なにあれ、ダルク君」

「あいつか、あいつは「メタルアーマードバグ」といって全身が分厚い装甲を纏うでかい虫だ。

しかも猪突猛進でな、あの巨体でなんでも吹っ飛ばすから面倒だ。さて、キャロだったな、お前なんでこんなところにいるんだ?」

「よくわからないの、黒い渦に飲み込まれて闇の中を漂ってたと思ったらここにいたみたい」

「ふーん、まぁとりあえず長に合せればいいか」

 

 そう言ってダルク君は杖を構えると、鳥の骸骨の目の部分が怪しく光りだす、地面に魔法陣が現れる。

 魔法陣が現れたのを確認したダルク君は私の手を引っ張り魔法陣の中へ入れてくれたけどまたもや強く引っ張られて胸の中にダイブしてしまった。

 ダルク君の心臓の音が一定で聞こえてくる。

 

「ちょっと目をつぶってな」

 

 ダルク君は私を胸の中で抱えながらそう言うと魔法陣から黒い何か、ううん闇が溢れ出してきた。

 魔法陣から出てきた闇は球体になるかのように私たちはを包み込まれ闇に飲み込まれた。

 けれど、あの時の闇とは違ってどこか安らぎがあった、ダルク君の闇は優しい闇なんだなぁ。

 

 闇が晴れると景色は変わっていた、先ほどいた草原と森の中間ではなくアルザスにいた頃でも見たことがない幻想的な森にいた。

 変に曲がっている木々の間から光が暖かくキラキラと輝いて、森の中には不思議な形をした家が建ってたり、作られている。

 ふとダルク君の方を見るとダルク君は私を胸に抱き眠たそうな黒い闇色の瞳で私を見つめて少し微笑み

 

「ようこそ、「魔法族の里」へ」

 

 その微笑んでくれた顔が最初にあったダルク君とは違うギャップでなぜかまた顔が熱くなり始める。

 腕にいたフリードを強く抱きしめついダルク君の胸の中に顔をうずめ、心臓音を聞くことで少しづつ冷静になろうとした。

 恥ずかしい、なんで顔が熱くなるんだろう? 

 

「もう大丈夫だ、長に会うから、付いてきてくれ」

「うん」

 

 右手を引っ張られながら里の奥へと進む、里の中には小さな体をして羽を生やしている妖精もいた。

 他にもローブを着てたり、杖を持ってたりしている人々が共通してダルク君に引っ張られてる私を見ている。

 先ほどのこともあって、穴があったら入りたいほど恥ずかしい。

 

「ついたぞ」

 

 ダルク君が止まり、手を離して目の前にある小さな家のドアをノックする。

 するとドアがゆっくり開いた、中には紫のローブととんがった帽子をかぶった長い白い髭を生やしているおじいさんが座ってこちらを見ていた。

 けれどその体からはどこか緊張させるかのようなプレッシャー?みたいなのがある。

 

「入りなさいダルク、そして客人よ」

「失礼します」

「お、おじゃまします」

 

 私とダルク君が家の中に入るとドアが閉まり、家の奥からテーブルとコップみたいなのが3つ浮いてきて、私たちの目の前にゆっくりと降りた。

 でも中身がないと思っているとおじいさんが指を振るう、するとコップは土から水が湧いてくるかのように湯気が出るお茶が出てきた。

 おじいさんはコップを両手でとり、一飲みしてテーブルに置く。

 

「さてダルクよ、ワシすら見たこともない子竜を連れておるそこの少女は一体何者かな?」

「はい、大賢者様。 彼女は異世界からきたと思われます」

「なるほど、そのようじゃな。 では改めてワシはこの里の長をしている。名はとおの昔に忘れられたのでな皆には「黒衣の大賢者」と呼ばれておる」

「は、初めまして私はキャロ。 こっちにいるのがフリードリヒです」

「ふむ、はじめましてだな。ではキャロよ、お主がここに来たときのことを教えてもらえぬか?」

 

 私は目の前にいる大賢者様に全てを話した。

 部族での出来事とわたぼうによって連れてこられたこと、タイジュの国のこと、モンスター・マスターになり、はじめての冒険をしようとしたこと

 なのに赤いわたぼうに突き飛ばされ、黒い渦に飲み込まれたことを。

 大賢者様は頷きながら私の話を聞いてくれた。

 

「よくわかった、だが安心するがいい。

 赤いわたぼう、そやつは「ワルぼう」と言ってなマルタの国の精霊であり、イタズラ好きなのだ。

 今回のこともイタズラでお主を精霊界へ送ったのだろう、ワシの力を使えばスグにでもタイジュの国へ戻すことができる。

 どうする。今すぐにもどるか?」

「……いいえ、私はこの世界でフリードと共に旅に出たいと思います、ワルぼうという精霊の仕業でもきっと意味があるから」

「だがお主は余りにも力不足、一歩里から出ればモンスターに食われてしまうだろう、この世界はほかの世界とは違い多種多様の危険がある。ダルク!」

「はい!」

 

 黒衣の大賢者様は指を振るうと紙と羽ペンが現れ、羽ペンが紙を勝手に書き上げる、部屋の奥から封筒が現れると紙が勝手に折れて封筒の中に入り込み、赤いロウソクが紙を止め、ハンコが押された。

 そのままゆっくりと降りてダルク君の手に渡った。

 これが大賢者様の魔法の力、モノを中に浮かせ羽ペンを動かし、さらには部屋から封筒を浮かばしながら持ってきて、いつの間にか天井についているロウソクのろうを垂らし、ハンコで止める。

 言うだけなら簡単だけど、アルザスの村長でもあんな事はできないしデバイスを使ったとしても高精度な魔力コントロールは見たこともない。

 

「キャロと共に魔法都市に行き、その手紙をエンディミオンに渡すのだ。よいな?」

「わかりました」

「その後は魔法都市で勉学に励むがいい、ついに闇霊使いとして成長する時が来たのだ」

「ッ! ありがとうございます!」

「ふむ! ではキャロよお主には魔法を、呪文を覚えてもらう。 この世界で生き延びるため最低限の力をつけるのだ」

「はい!」

「ではゆくがいい! キャロ、ダルク! お前たちの成長を期待しておる」

 

 そんな大賢者様からのお言葉を聞いた瞬間、私の視界は光に包まれた。

 驚いてとなりにいるダルクに抱きついてしまったけれど。

 

「大丈夫だ、これは俺がキャロを連れてくる時と同じ転移系魔法だ」

「そうなの?」

「ああ、大賢者様は魔法陣を出現させることなく高度な転移魔法を使うことができるんだ」

「魔法陣って、ダルク君が使った時に地面に現れた魔法陣のことだよね」

「そう、魔法陣は術者のサポートをするためのもの、正しき魔力を導くモノだ。だが大賢者様はサポートの必要がないほどの優れた魔導師なんだ」

 

 なるほど。

 光が解けとき、目の前には長と一緒に連れて行ってもらった都会ミッドチルダと同じくらい大きく、周りには森がある街だった。

 巨大な魔法陣の中に街が作られ、中心には巨大な塔がある、街のどこにいてもあの塔だけは見つかりそうな位大きい。

 その塔を中心に3種類の呪文? が街を囲うように浮いている。

 あれは一体何だろう。

 

「キャロ、あれが「魔法都市エンディミオン」、俺たち魔法使いが様々な魔法、魔導、魔術とかを習う街だ」

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