ハイスクールダークディケイド 作:ダークディエンド
翌日、約束の時間に間に合う様に家を出で駒王学園の校門前に着いた所、昨日の白髪の少女が待っていた。
「よ、昨日ぶりだな?えーと…」
「塔城小猫です」
「小猫…小猫ね。よろしく。で、俺はどうすれば良いの?」
「こっちです。付いてきて下さい」
そう言って歩き始める小猫を追って行くと、辿りついたのは旧校舎であった。如何にも使われていなそうな雰囲気を醸し出しているが、小猫はそんな事は関係無いとばかりに中へと入っていった。隠れ家の様なものだろうかと考えながら、一誠も後を追う。
「ここです」
そう言われ、案内された部屋に入ると昨日の面々が揃っていた。リアスだけが見当たらないが、シャワーの音がする為十中八九彼女が浴びているのだろう。呼び出しといてそれはどうなんだと思いつつも、壁に背を預けリアスが出てくるまで待つ。
「ごめんなさいね。少し忙しくて、シャワーを浴びている暇がなかったの。座ってもらって大丈夫よ?」
髪を拭きながら現れたリアスは、そう一誠に言ってきた。この時間に浴びるという事はこの後も何かあると言うことかと考えながら、とりあえず近くのソファーに座ってから改めて自己紹介をする。
「改めまして、俺は兵藤一誠。そんなに友達が居たわけじゃないけど、親しい奴からはイッセーって呼ばれてる。よろしく」
「ええ、よろしくね。一誠君。私はリアス・グレモリー。この部活、オカルト研究部の部長をやっているわ。副部長はそっちの━」
「姫島朱乃と言います」
「あ、どうも」
ぺこりと頭を下げる朱乃に釣られて一誠も頭を下げる。次いで紹介されたのは先ほど本人から名前を聞いた小猫。羊羹を食べながら、目だけこっちに向けての挨拶だった。余程菓子が好きなのだろう。
「で、残りは男子2人か」
「ええ、木場祐斗と砂月兵次よ。兵次はつい先日うちの部活に入ったのよね」
「よろしくね、一誠君」
「おう、よろしく」
差し出された手を握り祐斗と挨拶を交わす。兵次の方は機嫌が悪いのか一誠を見向きもせず舌打ちをしながら何か考えに耽っている様だ。一通りの挨拶を終え、リアスの口から出た言葉は常人ならば混乱必須の事であった。
「まずは言っておきたい事があるのだけど、私たち悪魔なのよ」
「へぇ」
最も一誠は常人とはかけ離れた生活をしていたので、その程度では驚きもしないが。蝙蝠の様な羽を生やした面々は特になんのリアクションも起こさない一誠を不思議そうに眺めていた。
「えっと、驚いたりしないの?」
「いや、昨日の化け物に比べれば羽が生えた程度そんなに」
嘘である。世界を渡り、色々と見てきた一誠はこの程度では驚きはしないのは当然だが、それを話すと色々とややこしくなるのは目に見えてるので、昨日との化け物に比べてと言っておく。話を聞く限りは昨日の化け物も悪魔だったらしいが、何故こんなにも差があるのだろうか。それは後々聞くとして、彼は来るであろう質問を待った。
「私たち悪魔についてはこんなものね。それで、次は貴方が私たちに昨日の姿について教えてくれるのよね?」
「何が聞きたい?」
「まずは貴方の神器の名前かしら。出来れば見せてももらいたいわね。良いかしら?」
「それ位なら別に断る事もないしね。こいつはダークディケイドライバー、昨日の様に変身することが出来る代物だな」
取り出したダークディケイドライバーを見せながら、一誠はそれについての説明を開始する。無論、すべては話さないし、神器ではないという事を教える訳でもないが。そんな中、リアスは再び変身して見せてくれないかと聞いてくる。別に断る理由もないので、一誠は昨日と同じオーズのカードを取り出して、装着したダークディケイドライバーに挿入する。
『KAMEN RIDE OOO』
『タカ!トラ!バッタ!タ!ト!バ!タ・ト・バタ・ト・バ!』
「これで良いかな?」
「ええ、ありがとう。ちょっと観察させて頂戴ね」
初めてのダークディケイドを介さずの別ライダーへの直接変身だった為、若干不安だったがどうにか上手くいった様である。リアスは色々と観察している様なので、少し待ってから変身を解除する。彼女は何か納得した様に何度か頷いていた。
「なるほどね。私もそんなに神器を知ってる訳じゃないけど、珍しいタイプみたいね」
「そうか?」
「ええ、少なくとも私が知ってるものにそういうのは無いわね」
納得した様なそぶりを見せながら、神器じゃないから当たり前なんだよなと心の中で呟く。そんな時、リアスは何かを思いついた様に一誠に話しかけた。
「ねえ、兵藤一誠君。貴方、悪魔にならない?」
「はい?」
言ってる意味がよく分からず、そんな間抜けな返答になってしまった。リアスは一度咳払いし転生悪魔について説明を始めた。その話が出た一瞬、兵次の方から殺意が飛んできたが下手に反応するわけにもいかなかったので敢えて流し、リアスが目の前に置いたチェスの駒を見つめた。
「これは?」
「これがさっき言った
「長生き出来るってのは魅力的だが、遠慮しとくよ。俺は人間として生きていたいしね」
「そう、残念ね。でも、気が変わったら言って頂戴、何時でも待ってるわ」
「気が変わったらね。多分ないと思うけど」
それでも監視はしたかったのか、それとも力を持つ一誠を手元に置いておきたかったのか、時折この部活に顔を出してくれないかと提案された。無理矢理悪魔にされそうになったら抵抗する気ではあったとは言えそれ位なら問題無い為それを軽く了承し、その後は部活動を始めるらしいので、一誠は邪魔にならない様に帰路に就くのであった。