ハイスクールダークディケイド 作:ダークディエンド
「誰だ!」
教会に入るや否や、先に入ったのであろう人物が話しかけてきた。その人物に見覚えがあった一誠は咄嗟にオーズのライダーカードを出し、オーズへと変身した。
「確か木場だっけか?俺だよ」
『KAMEN RIDE OOO』
『タカ!トラ!バッタ!タ!ト!バ!タトバタ・ト・バ!』
「その姿、兵藤君かい?」
「ご名答。色々と姿が変わるんでな」
「本当に珍しい神器なんだね。所で其方は?」
「ああ、俺の妹だよ。俺に似た神器の持ち主でな」
「八奈です。よろしくお願いします」
「木場祐斗。よろしくね。八奈ちゃんも一誠に似たタイプの神器持ちなんだね」
一誠が世界を渡って手に入れた物である以上、この世界にそれについて当てはまる言葉はないのだが、一誠に合わせてそうと返しておく八奈。
「で、なんでお前らここに居るの?」
「ああ、実は兵次君がアーシアって子が連れ去られたから助けたいって言ってね。一誠君達は?」
「俺らも同じ。アーシアを助ける為だ。しかし、兵次の奴何処にいたんだ?」
「彼曰く見てることしかできなかったって言ってたから、偶々連れ去られる所を見たんじゃないかな。人1人抱えて飛んでるだろうから目立つだろうしね」
なんとなく違う気がするが、確証がない為それで納得しておくことにする一誠。次いで八奈がアーシアは何処かと木場に質問した。
「ああ、アーシアさんはそこの階段の先にいるよ。でも、少し前に一誠君と小猫ちゃんが入ったからもうそろそろ……あ、来たね」
「木場先輩何をって、一誠さんも居るじゃないですか。2人は分かるんですけど、貴方は?」
「あ、八奈です。一誠の妹の」
「そうですか。……私は小猫と言います」
恐らく隠してあったであろう地下への階段を指差す木場の説明が終わるかと言うタイミングで小猫がアーシアを抱えながら出てきた。2人が自己紹介をしてる中、アーシアが何故自分で歩かないのか、もっと言えば何故こんな状況で目を閉じているのかと疑問が湧いてくるが、死んでいるのだろうと彼は直感していた。確認のために木場に聞いてみると、彼は若干驚いた顔をしながら肯定した。八奈はそれを聞いて悲しそうだ。
「こんなことを言うのもなんだけど、一誠君よく気付いたね」
「まあ、伊達に10年以上も行方不明になってないとだけ言っておくよ。それで、なんでアーシアは死んだんだ?」
「実は、神器持ちは神器を抜き取られると死んでしまうんだ。そして、君たちもあった堕天使。彼女は多分アーシアさんの神器を抜き取って自分のものにしたんだと思う。合ってるかい?小猫ちゃん」
「はい。先輩があのエクソシストを引き受けてくれた後、私と兵次先輩は堕天使を追って地下に行きましたが地下にも多くのエクソシスト達がいたんです。1人1人はそんなに強くなかったんですが数が多くて助けられませんでした」
「じゃあ、あの堕天使は自分の為に他人を殺したって事!?」
信じられなさそうに八奈は言うが、一誠にとっては見慣れた事だ。その行為自体に対しては思う事はない。最も、友人の命を奪ったと言うことに関しては死で償わせても良いとは思っているが。
「それで、兵次の奴はその堕天使とやり合ってるのか?」
「そうですね。状況が状況だったので、私がアーシアさんを連れて来たわけです」
「なら、早く加勢に行かないとね」
「そうだな」
しかし、すぐ様助けに向かう必要はなくなった。誰かに吹っ飛ばされて来たであろう堕天使が隠れ階段から飛び出し、天井に激突したからだ。少し遅れて、堕天使を追う様に兵次が現れる。一誠はその際、彼の腕に展開されている赤い神器と思わしきものを見て、引っかかることがあったが、先に堕天使をどうにかせねばとそれは一旦置いておく事にした。
「一誠……来てたのか」
「まあな。目の前で誘拐されたんだ。助けにも来るさ」
「そうか。だが、手は出すな。あいつは、レイナーレは俺がやる」
俺の出番はなしかと思う大人しく一歩下がる一誠を見て満足そうにしながら、レイナーレを睨む兵次。相手はもうグロッキー状態だ。次の一撃で決まるだろう。
「私は至高のー」
「吹っ飛べクソ堕天使!」
羽を広げ逃走を図るレイナーレに素早く接近し、兵次渾身の一撃が叩き込まれるその瞬間、
「はーいストップー」
そんな気の抜けた声と共にあらゆるものが動きを止めた。そんな中で唯一動ける一誠は声のした方を見て、そして落胆した。長年一誠を追っかける少年がそこには居た。何でここまでと言う思いとやはり来たかと言う思いが一誠の中で渦巻く中、少年は楽しそうに笑った。
「分かっていたけど、世界から弾き出されて時間も何もかもが無くなった場所に行った君には効果ないみたいだね。ここは君が居た世界だからもしかしたらって思ったんだけどね」
「ツァイト、何しに来た?」
残念だなぁと微塵もそうは感じさせずに言うとツァイトに対し、一誠は警戒しながらそう聞いた。そして、その返答に返って来た言葉は、一誠の予想通りの言葉だった。
「何って僕は君……と言うよりダークディケイドについて知りたいだけだよ。まあ、それよりもまずは新しい仮面ライダーになった君の妹さんに挨拶しないとね」
「え、あれ?」
そう言って、ツァイトが手を向けると八奈だけが動き出した。不思議そうに止まっている辺りを見渡いる彼女に、ツァイトが声をかける。いきなり声をかけられた八奈は不審がり、一誠にツァイトの事を尋ねた。
「じゃあ、あれがお兄ちゃんのストーカー……!」
「まあ、そうなるな。で、今回お前は何しに俺らの前に現れたんだ?」
「新しいアナザーウォッチを作ってみたからさ。試してみたくなったんだよね」
そこで一誠はツァイトがゆっくりとレイナーレに近付いて居た事に気づいた。取り出したのは、ライドウォッチに似た何か。アナザーウォッチと呼ばれるソレを見た一誠は瞬時に動き出し、拳を振りかぶる。
「まあ、そりゃ妨害してくるよね。でも無駄だよ」
一誠の拳が当たるよりも早く、ツァイトはそのアナザーウォッチをレイナーレに向かって放り投げる。
『ライドプレイヤー……!』
低く野太い音声を発したアナザーウォッチは弧を描きレイナーレへと入っていった。面倒な事をしてくれたなと一誠はツァイトを睨み付ける。八奈はよく分かっていなかったが、先ほどの兄の慌てようから、何やら起ころうとしているのは理解できた。
「アナザーライダーはそれに対応した力じゃないと倒せないと聞いたんだが?」
「ディケイドはアンデッドを封印せずに倒したり、魔化魍を清めの音を使わずに倒せるんだ。君だってダークとは言えディケイドなんだから大丈夫でしょ」
「なら、俺から取った力返してくれない?」
「それは無理かな。返しちゃったらアナザーウォッチを作れなくなっちゃうし。まあ、危なくなったら助けてあげるよ」
これでねと言いながら、何時ぞや一誠からダークディケイドの力の一部を奪って作り出したアナザーダークディケイドウォッチを見せびらかしてくる。笑みを浮かべながらツァイトが指を鳴らすと、再び時間が動き始めた。
「な……!?」
時が動き出した事により、兵次の拳がレイナーレに突き刺さったが、レイナーレは異形の怪人ーアナザーライドプレイヤーへと変貌を遂げていた。何が起こったのか分からず、一瞬硬直した兵次は次の瞬間殴り飛ばされる。
「兵次君!?」
「一体何が……?」
吹っ飛ばされた兵次を心配して近づく木場と、いきなり姿が変わったレイナーレに警戒を高める小猫。一誠と八奈も小猫の横に並び立った。ここで、小猫がツァイトの存在に気付いた。相変わらず不気味に笑っているだけの彼に少しばかり恐怖を覚える。
「あの人は?」
「はは、俺の知り合いだよ。追っかけみたいなもんだ。ただ、迷惑しかかけて来ないがな。八奈、小猫行けるか?」
「うん。多分大丈夫」
「大丈夫です。木場先輩は兵次先輩をお願いします」
小猫の言葉に頷く木場。ただ、仮面ライダーである自分と八奈は良いとして、小猫に関しては不安を拭えない一誠だった。
ツァイト
一誠がまだ幼かった頃に一誠からダークディケイドの力を意図的に一部だけ奪ってアナザーダークディケイドウォッチを作り出した。時を止めることができるが、スウォルツに貰ったとかでは無く生まれ付きのもの。スウォルツ達とは違い1日2回だけしか使えないが意識事止める事ができる。その能力を買われてタイムジャッカーの一員になる筈だったが、ジオウ云々よりもダークディケイドの方が気になったのでそっちの追っかけにシフトした経歴を持つ。オーロラカーテンも使える。
アナザーダークディケイドウォッチ
一誠から奪い取ったダークディケイドの力の一部が封じられている。ライダーの名前さえ知っていればそのライダーのアナザーウォッチを作り出せる能力を持つ。ただ、この能力で作ったアナザーウォッチで変身しても本来のライダーの歴史が消える事はない。