ハイスクールダークディケイド 作:ダークディエンド
「じゃ、頑張ってね」
そう言って、教会の壁に背を預けるツァイトを尻目に、一誠達は目の前のレイナーレ改め、アナザーライドプレイヤーと対峙する。初戦がこれとは八奈に悪い事をしたなと思いながら、一誠は牽制としてダークライドブッカーをガンモードに変更し発砲した。レイナーレはそれを拳を振るってかき消した。その隙を突き、八奈が接近戦を仕掛ける。振るった右腕は防がれたが、反撃が来る前に腹部に蹴りを放ち僅かに怯んだ所に頭突きをお見舞いし回し蹴りで後方に吹っ飛ばす。
「ん?」
「どうしました?兵藤さん」
「いや、ちょっとな」
そこで一誠は、今まで何度か別世界で戦ったアナザーライダーよりアナザーライドプレイヤーは弱いのではないかと疑問を抱いた。そして、アナザーライドプレイヤーの胸部を見てそれは確信に変わった。右胸に小さく描かれたレベル1の文字。ライドプレイヤーが存在した世界のライダー達にはレベルがあり、それが高ければ高いほど強かった。もし、そのルールがアナザーライドプレイヤーにも適応されているのであれば、今の彼女はゲームでいう所の雑魚敵に過ぎない。そう結論付けた一誠は万が一にもレベルアップさせない様に、別のライダーのカードを取り出した。
「ゲームにはゲームってね」
『FORM RIDE PARA-DX Fighter Gamer Level50』
『デュアルアップ!Explosion Hit!KNOCK OUT FIGHTER!』
「また姿が……」
「ま、こう言うものだと受け入れてくれ」
パラドクスファイターゲーマーレベル50に変身した一誠は、既に八奈がほぼ滅多打ちにしているにも関わらずそこに加勢した。僅かだが、八奈の攻撃を避け反撃を繰り出していたアナザーライドプレイヤーも流石にどうしようもなくなったのか烏の様な羽を広げ、上空への退避を図る。しかし、教会に備え付けられてた長椅子が狙ったかの様に飛来しアナザーライドプレイヤーを怯ませた。その隙に跳躍した一誠の拳が、アナザーライドプレイヤーの腹部に突き刺さり地面に叩き落とす。。長椅子を投げたと思われる小猫の方を八奈が驚いた様に振り返ると、そこには次の長椅子を投げようと持ち上げている小猫の姿があった。
「何処からそんな力が?」
「後で話します。今は堕天使を倒しましょう」
「そ、そうだね。ねえ、お兄ちゃん?必殺技とかってあるの?」
「ライドウォッチのボタンを押してベルト回して、蹴りやらなんやらすればできるよ」
「あ、そうなんだ。えっと、こうかな?」
『フィニッシュターイム!タイムブレーイク!!』
ボクサーの様にジャブとストレートを繰り出す一誠の言葉通りにベルトを操作すると、ベルトからそんな音が鳴り響いた。それを見て、一誠もまた、別のカードをダークディケイドライバーに読み込ませる。
『FINAL ATTACK RIDE PARA-DX!』
『ノックアウト!クリティカルスマッシュ!!』
「八奈、合わせろ!」
「あ、うん!」
一誠のアッパーカットで打ち上げられたアナザーライドプレイヤーに八奈の蹴りが炸裂し、教会の壁にめり込んだ所で再び一誠が最後の一撃を放つ。壁を打ち破り、後方へと吹っ飛んで行ったアナザーライドプレイヤーだったが、完全に見えなくなる前にアナザーライドプレイヤーウォッチが排出される。しかし、一誠がそれを取るよりも早く、それを見越していたかの様にツァイトがそれを取ってしまった。
「お見事。景品としてコレあげるよ」
そう言って投げ渡されたのは、先のアナザーライドプレイヤーウォッチとは違うライドウォッチと呼ばれるものだった。こうして偶に打ち倒した景品としてどうやって入手したのか分からない入手経路不明のライドウォッチを渡してくるので、実は一誠は少しばかりライドウォッチを持っていたりする。いつもの様に展開したオーロラカーテンにそれを投げ込みながら、ツァイトを見る。
「なんでお前はこんなにライドウォッチを持ってるんだ?それに俺は使えないし、渡しても意味ないんじゃないか?」
「それは企業秘密ってやつかな。まあ、使えないのは知ってたけど、本当に景品のつもりで渡してたからあんまりその辺は考えてなかったんだよね。あ、でもジクウドライバーでは使えるんだし、妹さんは使えるんじゃない?ついでにアナザーウォッチも使えるかどうか試しといてよ」
これでさと言って、先のアナザーライドプレイヤーウォッチとは別のアナザーウォッチを投げ渡し、ツァイトは自身が展開したオーロラカーテンの中へ消えていった。一誠に関しては追う事も出来るが、それでは話がややこしくなるだろうと、この場で追うのはやめておいた。
「悪いな。面倒事に巻き込んじまって」
向き直りそう謝罪する一誠に、小猫と木場は特に何も文句は返さなかった。兵次は気絶しているが、起きていたら文句の一言位飛んできただろうと考えていると、教会の入り口から誰かが入ってきた。
「もう終わってたみたいね。それで、貴方達は何者かしら?小猫達を手伝ってくれたとは思うのだけど……もしかして、一誠君の関係者かしら?」
「いや、俺が一誠だよ。色々と姿が変わるもんでな。こっちは俺の妹だ」
「八奈です。よろしくお願いします」
変身を解除しながら言う一誠と、言ってから手間取りつつもなんとか変身を解除できた八奈。そんな2人を見てから、リアスは気絶している兵次へと視線を移した。
「これはあの堕天使の仕業かしら?」
「いや、俺の知り合いのせいだな。そいつがいなけりゃ兵次はちゃんと堕天使を倒せてたよ」
「そう。面倒な知り合いがいるのね」
「部長。持って来ましたわ」
「ご苦労様」
アナザーライドプレイヤーウォッチが抜けた事により元に戻ったレイナーレを朱乃が引きずる様に連れて来た。一誠としてはアーシアの方が気になるので、それについて聞いてみた所悪魔に転生する形で生き返ることができるらしい。
「じゃあ、アーシアはそっちに任せるわ。で、こいつはどうするの?」
「後片付けは私がしておくから、一誠君は気にしなくていいわ。それより、明日会えるかしら?貴方がさっき言ってた貴方の知り合いについてとか聞きたい事が出来たから」
「ああ、いいけど妹は学校があるからな。部活はやってないらしいが、それでも夕方辺りで頼む。この前の場所か?」
「それなら大丈夫よ。私達も、普通に勉強は受けてる訳だしどっち道その位の時間になると思うわ。場所はそれでお願いできるかしら」
「八奈はそれで良いか?」
「明日は暇だったから大丈夫だよ。お兄ちゃん」
アーシアの事はリアス達に任せて、一誠達は一足先に帰る事になった。リアス達が見えなくなった辺りでオーロラカーテンを展開し、家へと移動する。八奈は風呂に入ると言って風呂場へと向かったが、一誠は明日何処まで話すかと思考を巡らせる。ツァイトについて説明しながら、オーロラカーテン及び世界を渡れる事は隠さなくてはならない。八奈と言うかジクウドライバーについては拾ったとでも、貰ったとでも言えるから大丈夫だが。
「いっそ全部本当のことでも言うか?」
困った様に呟き、一誠は明日話す内容を考え始めた。
*
「そう言う事だったのね」
「ああ」
翌日、一誠と八奈は約束通り先日の旧校舎へとやって来ていた。結局、殆ど真実を話してしまった。嘘吐きまくっていつかボロを出して疑われるよりも、真実を話してしまった方が良い友好関係を築けるだろう。ついた嘘といえば、『世界から弾き出された』を『気付いたら別の世界にいた』にした位か。
「大変だったんだね。一誠君」
木場の言葉に別にそうでもないと返す。大変だったのは事実だが、それ以上に得たものはある。それに、なんやかんやありはしたものの旅自体は楽しかったのも事実なのだ。
「さて、こっちの話はこれくらいか。で、アーシアはどうなった?兵次もだが、此処には居ないからな。本人に聞こうにも居なければ聞けないし」
「それ!私も気になってたんですよ!グレモリー先輩」
「八奈はまだうちの学園に入学してないから、先輩は要らないわ。それで、アーシアだったわね。あの子は昨日も言ったけど悪魔として生き返ったわ。因みに使った駒は『僧侶』ね」
「駒?」
「ああ、八奈は前回居なかったものね。良いわ、教えてあげる。ついでにこの前は説明しなかった各駒の特性もね」
前回いなかった八奈が疑問符を浮かべると、リアスはいつかと同じように
「じゃあ、俺らはもう帰るとするわ。八奈には仮面ライダーの力に慣れて欲しいし」
「え、慣れて欲しいって何するの?」
「オーロラカーテンで広めの所に移動して、そこで俺と戦うんだよ。つってもライドウォッチの使い方とかだけどな。それに、あいつの言いなりになるのは癪だが、アナザーウォッチが使えるかってのも試す良い機会だろ」
アナザーライドプレイヤーは弱かったから良いものの、今後そうとは限らない。ならば、少しでも経験を積んだ方がいいだろうと言うのが一誠の考えだ。それに、ジクウドライバーを使ってる以上、上手くいけばジオウ達と同じ様にウォッチを継承出来るかもしれない。一誠と戦った時は、オーマジオウが加勢した事もあり余りにも呆気なく倒されたケルンは未知の部分が多い。
「まあ、まずは八奈に仮面ライダーを続ける意思があるかだけどな」
「私?勿論あるよ。お兄ちゃんが仮面ライダーをやってるうちはね」
一誠の質問にそう返答する八奈。ならば早速とばかりに一誠はオーロラカーテンを展開し、何処か開けた場所へ移動するのだった。
エグゼイド関連のフォームライドってレベルまで表記した方がいいんですかね?一応本編では表記しましたけど。以下、アナザーライドプレイヤーの性能
アナザーライドプレイヤー
外見はライドプレイヤーを歪めた様な姿。バグスターに倒されるだけの雑魚キャラだった本編とは真逆の自身をRPGの主人公とした能力を持つ。人間や動物等を殺す事で経験値を得る事ができ、それによるレベルアップとレベルアップによる新たな能力の取得ができる。変身者が人間だろうが人外だろうが変身した直後のレベルは1個定。レベルが上がれば上がる程強くなるが、逆に言えばレベルが低ければ弱いので、経験値を稼ぐ暇のなかった本編のアナザーライドプレイヤーは言わば主人公がいきなりボスに挑んだ様な状態であり、勝てるはずが無かった。