今回の戦争編が一区切りしましたら、サーヴァントマテリアルを更新したいと思います。
ハジメサイドの話はその前後ですかね。
セイバーとライダーに交渉を持ちかけるも、彼等も一カ所にとどまるのではなく、様々な場所に赴き情報を集めると言い、手元に置くことは失敗に終わった。
変わり果てた姿を、魔術を使い誤魔化す。
焼けた肌を、色素の抜けた白髪を、肉の付いた体を元に戻していく。
ただ、これは仮初めに過ぎない。
サーヴァントには当然察知されるだろう。
その後、アイリスが此方に飛んできたので、それに跨がり帝国と王国の連合軍に合流をした。
「天之河!凄かったぞ。あの炎の一撃で、此方側は大分楽になった。本番はこう簡単にはいかないだろうが、今日の戦い振りを見れば、勇者は負けないという意志も持てる。俺たちは最後まで抵抗出来るだろう。それに、捕虜も捕らえることも出来た。これで亜人族との交渉も上手く進めることが出来るだろう。お前が俺たちの想定以上の働きをしてくれたおかげだ。ありがとう」
「身に余る光栄であります、皇帝陛下。ハイリヒ王国だけでなく、俺は言ってしまえば、よそ者です。ですが、今回の戦で人類の勝利に貢献出来たこと、誇りに思います」
「そうか。ともかく、我々の勝利だ。勝鬨をそして、勝利の凱旋をするぞ!天之河!お前は先頭に立つがよい。此処にいる者に反対する者はいない」
「わかりました。先陣を切らせて頂きます」
そして、アイリスに跨がった俺は、ヘルシャー帝国に凱旋する。
勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!勇者!
凄まじい程の轟音。
全ての民が狂気にまで満ちた用に勇者と叫ぶ。
全てをねじ伏せる圧倒的な力に、盲信する。
「帝国万歳!人類万歳!」「正義は我らにあり!」「亜人族共、ざまあみろ」「エヒト様、ありがとうございます」
勝利に酔いしれる帝国民に、笑顔を向ける。
手を振り、歓声と拍手を浴びる。
近寄ってきた姉弟だろうか。
少女は花を、少年は果実を渡しに来た。
不用心と後々釘を刺されるだろうが、花を受け取り果実を食べる。
お礼を言い、子供の頭を撫でる。
母親が人混みを掻い潜り、慌てて此方に来て、頭を下げて、その場を去る。
母親にもお礼ぐらい言いたかったが、そこまでしてしまうと、大人も俺の元に来るかもしれない。
改めて、国民を見る。
当然のことだが、戦士の国と言えども、国民の半数以上は力なき民。
そんな多くの人から見れば、俺は神の使いに見えるだろうし、亜人族や魔人族は怪物にも見えるだろう。
それこそ、一つの種族を滅ぼしていても可笑しくはない。
嘗ては、弟子の同型も人に多数交ざっていたと聞く。
それを続けられなかった理由があるのだろうが、今はやっていないようだ。
エヒトルジュエの願いを叶えるには、俺の命だけでは足りない。
トータスの聖杯を完成させるのには、喚ばれた抑止のサーヴァントを殺せば良いだろう。
だが、エヒトルジュエが個人で所有している聖杯は空のまま。
そして、二つの聖杯でなければ、世界を超えるなど出来はしないだろう。
ましてや、過去に飛ぼうとしている。
奇跡を二回は起こさなければ、果たせない。
そして、聖杯を満たすために、俺は細工を施した。
一つ目は、俺の命を聖杯に繋げる。
俺が死ねば、空っぽの聖杯は半分は充ちるだろう。
二つ目は、俺に殺された命を聖杯に捧げる。
俺が今まで殺した、魔物や今回の戦争で俺が殺した亜人族。
微量とは言え、聖杯に捧げる価値はある。
最後に、聖剣で殺した者を聖杯に捧げる。
この世界のアーティファクトで、ハイリヒ王国の国宝である聖剣。
これに殺された存在を聖杯に送りつけるようにしてある。
これは、俺が振るわなくても良いのが、好条件だ。
きっと、大きな戦争が起きる。
その時に多くの民を、戦士を俺は殺す。
此処にいる、力無き者もきっと、殺すだろう。
そして、ノイントや同型機は俺の聖剣を受け継いだこの世界の英雄の手で殺されるだろう。
そう思うと、俺を無条件に信じている、彼等の姿には憐れみを覚えてしまう。
その感情を表に出さずに、唯々笑顔を振りまいた。
凱旋のパレードの後に、皇帝から、帝国の城で三日後に戦勝パーティーを行わうと言われた。
俺に、宴開始の乾杯の音頭を取れと無茶を言ってくる。
それを断らず、了承して与えられた部屋へと戻る。
部屋に入り、寝間着に着替えてからベッドに身を投げる。
意識をエヒトルジュエの所まで飛ばす。
「待っていたぞ、光輝。お前を二人にすると言うことについて、詳しく教えてくれ」
来て早々にエヒトルジュエは、俺に説明を求めてくる。
直ぐに説明を始める。
「ああ。今、聖杯の中身は少しは溜まっている状態だ。それを使う」
「あまり許可をしたくはないが、そもそもサーヴァントを一騎喚ぶ程も溜まってはいないぞ」
「そこに問題は無い。今の俺は、二つの側面を一つに統合されている状態だ。必然的に、一騎以上の魔力を使われている。そこに、聖杯の魔力を混ぜて、俺を人間としての英霊の面と、神の化身としての面に切り離す。そして、神の側面の俺をお前はこれから扱ってくれ。人間としての側面の俺は勇者としてやり過ごしてみせる。それに、裏切る方法は多少は考えてある。狂信者が過去にいたことを、ありがたく思うよ」
「わかった。だが、その切り分ける作業は危険じゃないよな。お前を失えば、私は───」
「大丈夫だ。多少の痛みは有るだろうが、死にはしない」
そう言うと、エヒトルジュエは抱きしめてきた。
「何を...しているんだ。らしくないぞ」
「分からない。お前の過去を知れば知る程、こうしたくなってきたんだ。私には分からない。私は母親になったことがない。この気持ちがなんなのかは、分からない」
そう告白するエヒトルジュエに笑ってしまう。
どうして、俺の母親代わりという人は、不器用な奴ばっかり何だろうか。
俺が、喚ばれた理由も分かってきてしまう。
「不器用な人だ。そんな一面を最初から出せていれば、此処まで苦しみながら走り続けることもなかっただろう。でも、エヒトルジュエ。貴女の愚直さに敬意と感謝を。その愚直さがなければ、俺が貴女と出会うことも、自己満足を果たすことも無かったのだから。涙は最後まで取って置いてくれ」
抱擁を振り払い、聖杯の中身を取り込む。
肥大していく魂を二つに割り、エヒトルジュエとパスを繋げる。
現れる
マスターを、エヒトルジュエを頼む
互いの思いが交差する。
そして翌日、俺は意識を元に戻す。
ハイリヒ王国の本隊が到着したという一報と共に。
今回の再召喚によって、天之河光輝は事実上の弱体化をしました。
エヒトルジュエにいる側は、弱体化はあんまりしていませんが、勇者をしている方は、凄く影響を受けています。一部の宝具が使えなくなりましたので。
保有している霊基の大きさも二等分出来ているわけではありません。
あくまで二つに分けているだけです。