ありふれてはない元守護者の異世界戦闘録   作:ギルオード

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四話です。


出来れば、感想が欲しいなぁ(チラチラ)


ハイリヒ王国にて

戦争参加の決意をした以上、皆は戦いの術を学ばなければならない。

いくら規格外の力を潜在的に持っていると言っても、元は平和主義にどっぷり浸かりきった日本の高校生だ。

いきなり魔物や魔人と戦うなど不可能である。

その辺の事情は当然予想していたらしく、イシュタル曰く、この聖教教会本山がある【神山】の麓の【ハイリヒ王国】にて受け入れ態勢が整っているらしい。

王国は聖教教会と密接な関係があり、聖教教会の崇める神――創世神エヒトの眷属であるシャルム・バーンなる人物が建国した最も伝統ある国ということだ。

国の背後に教会があるのだからその繋がりの強さが分かるだろう。

個人的にはそういう国は強い。

いわば、この世界の神が守っているように感じ、人は全力で生きていくからだ。

そう考えている内に、イシュタルが魔法を発動させて、ハイリヒ王国に到着していた。

美しい意匠の凝らされた巨大な両開きの扉の前に到着すると、その扉の両サイドで直立不動の姿勢をとっていた歴戦の兵士二人がイシュタルと勇者一行が来たことを大声で告げ、中の返事も待たず扉を開け放った。

イシュタルは、それが当然というように悠々と扉を通る。多くの生徒達は恐る恐るといった感じで扉を潜った。

当然俺は、堂々と歩く。

扉を潜った先には、真っ直ぐ延びたレッドカーペットと、その奥の中央に豪奢ごうしゃな椅子――玉座があった。玉座の前で覇気と威厳を纏った初老の男が立ち上がって(・・・・・・)待っている。

その隣には王妃と思われる女性、その右隣には十歳前後の金髪碧眼の美少年。

国王の右側には十四、五歳の同じく金髪碧眼の美少女が控えていた。

更に、レッドカーペットの両サイドには左側に甲冑や軍服らしき衣装を纏った者達が、右側には文官らしき者達がざっと三十人以上並んで佇んでいる。

しかし、此処にいるのは全員ではない。

一番強く、賢い男がいない。

俺はこの気配をよく知っている。

なぜ、地球の英霊が此処にいるかは分からない。

だが、間違いなく城内に彼はいるはず。

向こうからは、気づかれないだろうが、暗躍の難易度は俺の予想を遙かに超えてしまった。

これは、一度エヒトルジュエと話すべきだろう。

玉座の手前に着くと、イシュタルは俺達をそこに止め置き、自分は国王の隣へと進んだ。

そこで、おもむろに手を差し出すと国王は恭しくその手を取り、軽く触れない程度のキスをした。どうやら、教皇の方が立場は上のようだ。

当たり前のことだ。

宗教という物は強い力を持っている。

失地王の歴史からも分かるが、基本的に教皇の方が権威がある。

特に宗教が少ないこの世界では尚更だろう。

そこから先はただの自己紹介だ。

国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。

金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。

後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がなされた。ちなみに、途中、美少年の目が香織に吸い寄せられるようにチラチラ見ていた。

残念なことに、彼の恋は無惨に終わるだろう。

その後、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。

見た目は地球の洋食とほとんど変わらなかったが、たまにピンク色のソースや虹色に輝く飲み物が出てきたりしたが非常に美味だった。

ただ、俺としてはもう少し雑な物の方が良かった。

ランデル殿下がしきりに香織に話しかけていたのをクラスの男子がやきもきしながら見ているという状況もあった。

少し微笑ましいと思ってみていた。

それが癪に障ったのか、一方的に嫌われてしまった。

王宮では、皆の衣食住が保障されている旨と訓練における教官達の紹介もなされた。

教官達は現役の騎士団や宮廷魔法師から選ばれたようだ。

いずれ来る戦争に備え親睦を深めておけということだろう。

そして、一人ずつに付き人と部屋を用意されていた。

俺は、早速エヒトルジュエと連絡を取り合う。

そのために、魔術を使い、付き人に軽く催眠をかける。

 

『天之河光輝は既に就寝した。誰が来ても、明日に訪ねるようにと』

 

実験も兼ねていたが、上手くいったようだ。

そして、意識をエヒトルジュエの居るところまで飛ばす。

 

「エヒトルジュエ。一つ訪ねたい」

「なんだい、セイバー?」

「お前は、この地に俺以外のサーヴァントが呼ばれていることに気づいているか?」

「.........ああ。私が呼び寄せてしまったからな」

「その言い分で大体のことは予想できる。だが、そういう情報は隠さないで欲しい。危うく返り討ちに遭うところだった」

「詳しく問い詰めないのかい?」

「聞いて欲しいのなら聞くが、それは嫌なのだろ。少なくとも今は。俺とて生前のことをペラペラと語りたいわけではない。人には聞かれたくないものがあることぐらいは知っている。お前が話すべきと思ったときに話してくれればそれでいい。ただ、戦場に影響が出そうな内容は隠さず伝えて欲しい。お前を守り切れなくなる」

「ま、守る。私を?この私を?世界をチェス盤に見立てている私を?」

「当然だ。お前が善であろうが悪であろうが関係ない。マスターになったお前を、サーヴァントである俺が守るのは当然のことだ。神という存在のことを俺はよく知っている。お前は純粋な神とは違うが、それはそれとして、魔術師としては普通な視点だ。それに、触媒無しでの召喚は相性が良い者が呼ばれる。俺とお前はどこか似たり寄ったりの部分が少なからずあるわけだ。故に見捨てる気もそうそう無い。信じないというならば、今ここに誓おう。我が身は御身を守る剣となり、盾となることを」

「わ、わかった!わかったから!恥ずかしいことは言わないでくれ。実体があったら、顔を真っ赤にしているぞ。そんなことを良くスラッと言える。貴様の故郷の者は皆がそうなのか」

「さあ、どうだろうな」

 

身近に対等の相手が居なかったからか、エヒトルジュエは口説き耐性が著しく低い。

このことが分かったのは収穫だろう。

 

「呼ばれたサーヴァントは確認できているところだと六体だ。場所が割れているのはハイリヒ王国のランサーと、ヘルシャー帝国のバーサーカー。あと、亜人族のために帝国に反抗運動をしているセイバーだ。後は日に日に転々としている」

「それだけでも、十分だ。後はこちらでどうにかする。お前の願いが何であれ、叶えるために、また命を守るために戦うのがサーヴァントであり、戦士としての俺の宿命だ。貴様が命じれば、サーヴァントも討ち取ってみせるが?」

「いや、今は良い。彼等のおかげで、戦おうとする人々も増えている。彼等との決着はまだ先のことだ。今は人類の切り札を鍛え上げるのを見守っていて欲しい」

「了解した。では、そろそろ戻る」

 

そう言って俺は退場した。

 

 

 

 

 

そして、翌日から訓練と座学が始まった。




書いていて思うことは、結構進まないこと。
経験者も多いと思います。
それでも、頑張っていくので、応援お願いします。
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