ありふれてはない元守護者の異世界戦闘録   作:ギルオード

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今回は原作主人公、南雲ハジメとの絡みです。


弱き者

訓練から二週間ほど経ち、クラスによる初の模擬戦が行われた。

悲しいことに一回戦で雫と当たり、接戦の末に惜敗した。

俺が使っていた模擬戦用の剣が壊れてしまい、徒手空拳で戦ったが、リーチ差で負けてしまった。

その後にあった、南雲ハジメの試合だが、良い健闘ぷりだった。

相手との力量の差が分かっているからこその、慎重な戦い方。

相手の得意分野で戦わせないというのは基本だが、出来るのは中々いない。

試合場から下りてきた南雲に声をかける。

 

「ナイスファイトだったよ、南雲くん」

「えっ、い、いやぁそんなことないよ。やっぱり皆には敵わないな」

 

普段はあまり接さず、ここに来てからはあまり良い態度をとっていない相手から、話しかけられた事に驚いたのだろう。

 

「まあ、確かに君は弱い。けど、自分に出来る武器をしっかり把握して、相手の強みを潰すようにして戦っていたじゃないか。穴を作ったり、突っ張りを出したりと良い応用方法だと思うよ」

「あはは、ありがとう」

「ただ、もう少し大きい壁を作れれば良いんだけどな。魔力が少なくて作れないのかい?」

「作れないことはないけど、時間が凄く掛かるんだ」

「そうか...南雲は、訓練方法を変えた方が良いな。今のように一人で我武者羅にやるのは効率が悪すぎるし、正直あまり意味が無いと思う。ステータスの伸びも低いって聞いているし。それなら、先ずは日頃から錬成で魔力を使い切って、回復薬を飲んで、錬成してを繰り返して、錬成の質と少しでも魔力を増やすと良い。それから、武器はナイフのままで良いとして、弓も覚えようか。遠いところまで錬成出来るようになれば、体勢を崩した相手に早撃ちが出来れば理想的だ。相手には...惜しみなくメルド団長や騎士の皆さんに手を借りよう。今日の南雲の動きを見て、彼等も...」

「待って、天之河くん!」

 

南雲が話を切ってきた。

いきなりの話で混乱をしたのかもしれない。

 

「どうした?何か疑問点があるのか」

「そうじゃなくて...えっと、天之河くんって僕のこと嫌いだよね?」

「うん?まあ、厳密に言えば興味が無いだが、好きか嫌いかで言えば嫌いだね」

「なんでこんなに構ってアドバイスをしてくれるの?正直、僕は君に好かれることしてないと思うけど」

 

至極まっとうで、俺からすれば間抜けにも程がある質問が飛んできた。

 

「南雲、お前は馬鹿か?お前もクラスメイトだろ?俺は言ったぞ、全員絶対に地球に連れて返すと。クラス全員で生きて帰らなければ意味が無いだろう?生存率を上げるのに、好きも嫌いも関係ないだろう。良いか、一度しか言わないぞ。天之河光輝のクラスメイトに、お前は含まれているんだ。俺はトロッコ問題で、トロッコを壊して全員で生き残ることを選択する男だと言うことを覚えておけ!」

「す、凄いね。うん、でもありがとう」

「兎に角、メルド団長に訓練のことについては伝えておけ。ただ、メルド団長からもっと良い案があったらそっちを使え。プロの言うことの方が今の段階では合ってると思うからな。そうすれば檜山たちと距離を取れるだろうし、努力しているのを見て、庇う相手も増えると思うぞ」

「気づいていたの?」

「気づいていないと思っていたのか?俺は現状打破を考えていない相手の助けをする気が無いだけだ。お前が図書館で知恵を身につけているのを悪いとは言わないが、お前の場合は隠れた努力よりも、見える努力をするべきだ。少なくとも今はな。時間が解決するほど、甘くないぞ。自分でSOS信号を出すか、変わるように立ち向かうかを選択しなければ、動く人も動かないぞ」

「じゃあ、助けてって言ったら、助けてくれたの?」

「先ずは、夜更かしする癖を治せとと説教から入るな」

「あはは、やっぱり?」

「まあ、お前の家の教育指針に大きく関わる気は無いが、片親でいっぱいいっぱいの人がそこそこ居て、遊ぶこともせず必死に大学目指したり、推薦とろうとしている生徒も少なくない。そんな奴から見たお前は、親から出されている教育費を無駄にしていると見られていたのは、分かれよ。そして、現状の信頼性ゼロの状態をここからどう巻き返すかだ。俺は可能性が少しでもあると思ったから、今は手を貸した。俺は甘くはないからな。切るときは切るぞ」

 

そう言って、再び勝利を収めた雫の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

訓練の後に、メルド団長から、数日後にオルクス大迷宮に遠征に行くと言われた。

南雲の弓は恐らく完成しないだろう。

いや、実戦で完成させれば問題ないのか。

それならば、良いタイミングなのか。

そして、直ぐにその時は迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前日の夜、不幸な夢を見た少女が、最弱の男と約束を交わしていたとき、英雄は準備をした。

 

 

 

 

 

 

 

「セット完了。サーヴァントの反応も無し。これなるは悪しき者を封じ、守るべき者を救う遮断と治癒その結界なり。我は守らず、力なき民を守る物『紋章の盾(ファイアー・エムブレム)!!』

 

今度こそ、誰も死なせない。

守り切ってみせる。

誰から恨まれようと、今度こそ...




宝具が出ましたね。
詳しい効果はどこかで、番外編という名のマテリアルで載せたいですね。

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