Parallel Worid of ZI-O -仮面ライダーピリオド-   作:楓/雪那

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この絋汰神のイベントがなければ魔王エンド確定とか、ま?


真の王道/2013

ヘルヘイムの森で向かい合うゲイツ、バロン、ナックル。

 

一番初めに動き出したのはナックル。

ゲイツへと走り出し、その両腕に装着されたグローブ型の武器・クルミボンバーを振りかぶる。

ゲイツはジカンザックスを取り出し、その斧の刃で受け止めて腹へと蹴りを入れる。

後ろへ仰け反るナックルと入れ替わる形でバロンがバナスピアーを突き出してくる。

これもジカンザックスで防ぎつつ、バックステップを取りながら距離をとってジカンザックスを弓へと変える。

ジカンザックスから光弓が放たれ、バロンのアーマーに命中し火花を散らす。

が、同時にゲイツも体勢を崩す。

光弓が放たれる直前にバロンが投擲したバナスピアーがゲイツに当たったのだ。

バックステップ中に放たれたため、僅かに身体をそらすことでしか回避が出来ず、さらにその痛みで着地もままならない。

しかしそれよりも問題なのは、この状態で唯一フリーのナックルである。

やはりこちらへと勇んで向かってくるナックルだが、その武器のリーチならジカンザックスでの防御も間に合う。

そう考えるゲイツの予想はバロンの声で遮られる。

 

「ザック!」

「おう!」

 

なんとバロンは自分のベルトからバナナロックシードを外して、ナックル目掛けてパスをする。

ザックもクルミロックシードを外し、バロンから受け取ったバナナロックシードをセットする。

 

バナナアームズ!ナイト・オブ・スーピアー!

「何っ!?」

 

ナックルのアーマーは堅牢なクルミから騎士然としたバナナアームズへと変わる。

その手に持った武器もバナスピアーとなり、リーチが伸びた槍の攻撃はゲイツにダメージを与える。

さらにバロンはもう一つのマンゴーが描かれたロックシードをベルトへ装着する。

 

マンゴーアームズ!ファイト・オブ・ハーンマー!

 

バロンの黄色いアーマーが消滅し、替わりに飛来してきた巨大なマンゴーが新たなアーマーとなる。

バナナアームズより重厚でマントを纏った赤いアーマー、マンゴーアームズを装着したバロンは、その専用武器であるハンマー・マンゴパニッシャーを引きずりながらナックル相手に防戦一方となってるゲイツにゆっくりと迫っていく。

その地面を引きずる音に気づいたゲイツはジカンザックスでバナスピアーを弾くとともにナックルと距離をとって、ウォッチを取り出す。

 

GENM!

ARMOR TIME!LEVEL UP!GENM!

 

ゲイツの姿はエグゼイドアーマーと酷使した、しかし色は紫で両手にガシャコンブレイカーブレイカーが装着されてないゲンムアーマーを纏う。

奥から迫ってくるバロン目掛けて、両腕に具現化した2つの車輪状の武器・トリックフライホイールを投擲する。

トリックフライホイールは弧を描いてあらゆる角度からバロンを攻撃する。

マンゴーアームズの高い防御力のためにあまりダメージは入らないが、鬱陶しく感じたバロンはマンゴパニッシャーを払って打ち落とそうとする。

ナックルは一瞬バロンの方へ目がいくが、すぐにゲイツの方へ視線を戻す、がゲイツはいない。

 

(逃げた…?いや、まさかそんなはずが…)

「ザック、上だ!」

 

ナックルの疑問はバロンの声で解決へと導かれた。

ゲイツはゲンムアーマーの力でドカンゲートを開き、ナックルの真上へとワープしたのだ。

 

FINISH TIME!CRITICAL TIME BURST!

 

ゲイツの足先に紫色のエネルギーが収束する。

ナックルもまたベルトのカッティングブレードを二回倒す。

 

バナナオーレ!

 

バナスピアーの横薙ぎでゲイツの蹴りを跳ね返そうとするナックル。

だがパワー・ガード特化のクルミアームズならまだしも、バランスが取れているバナナアームズの威力では殺しきることができず、蹴り飛ばされて変身が解除される。

 

「ふっ、なかなかやるようだな。」

 

バロンの言葉に返答せず、ゲイツは走り出す。

トリックフライホイールと合わせて三方向から来るだろうとバロンは予想する。

しかしそれとは裏腹にゲイツは手前でハイジャンプをし、トリックフライホイールを踏み台にしてさらに高く跳躍する。

トリックフライホイールごと吹き飛ばそうと振り回されたマンゴパニッシャーは空振りとなり、大きな隙が生まれる。

だがバロンとて、その程度でパニックになるような男ではない。

その遠心力を利用してマンゴパニッシャーを捨てて、腰につけられた無双セイバーを引き抜きロックシードを装着する。

 

マンゴースカッシュ!

 

無双セイバーから小さなマンゴー状のエネルギー弾がいくつも放たれる。

それをゲイツはジカンザックスで払い除けるが、本来より斧の刃がバロンに届くまでの時間が引き伸びたため、バロンにサイドステップで回避する余裕が生まれる。

バロンが回避した先はザックが倒れている近く。

そう、狙いはバナナロックシード。

ゲンムアーマーの性能はある程度は分かった。

アーマーチェンジという懸念はあるが、いずれにしてもバランスの良いバナナアームズの方が大振りなマンゴーアームズより俊敏な相手にはいいだろう。

そんな戒斗の思考も無駄になった。

変身が解除されたのだ。

アナザーライダーの復活、そのことに気づいたのはゲイツだけである。

 

 

 


 

 

 

その頃、クジゴジ堂

 

エミとツクヨミの2人は腕を組んで2人(・・)のソウゴを見下ろしてた。

1人はこの時代のソウゴ、そしてもう1人は今から3日後の未来よりやって来たというソウゴ。

未来のソウゴはアナザー鎧武を倒した時、不思議な現象を目にしたという。

浮遊した島から止めどなく流れる滝、生茂る未知の植物、そこにただ1人佇む南蛮鎧のようなものを着込んだ白髪の男。

彼に仲間(ゲイツ)とは自分の手で助けないとこの状況から抜け出せないほど弱い男なのかと諭され、この時代に来たと語る。

 

しかしその行為はタイムジャッカーとなんら変わらないとツクヨミだけでなくウォズまでも怒る。

エミの怒りはまた別にあった。

 

(ちっ、絋汰さんめ。余計なことやってくれるね。)

(にしてもアナザーライダーの影響を受けているはずなのに、それでも存在を保つとは、流石神だな。)

 

エミとエボルトはその男が仮面ライダー鎧武こと葛葉絋汰だと分かっている。

彼女達は常識人といえばそうなのだが、思考としては割と正義とは言いがたい面がある。

人間の自由と平和は第一だが、そこに至るまでの障害は何であろうと蹴散らし、使えるものは可能な限り使うスタイルだからだ。

故にジオウを倒そうとするゲイツを救うという行為とアナザー鎧武を倒すという行為を天秤にかけた時、優先事項は後者なのだ。

さらに言うと、アナザー鎧武の特性が自分の配下となるアナザーライダーの増殖、もとい各種配下の自己進化が判明した以上、時間をかけるのは得策とは言えない。

 

「ソウゴ君、今回ばかりは私も君のやったことに賛同できないわ。ゲイツ君を救うことに価値を見出せないもの。」

「エミさん…ゲイツは俺たちの仲間じゃん!」

「自分の寝首をかこうとするヤツを仲間と呼べる程、私は寛容じゃないの。」

「それでも、ゲイツを俺は仲間だと思ってる。」

 

少しの間、両者は睨み合う。

先に折れたのはエミの方だった。

 

「はぁー…3日以内に始末出来なければ、強硬手段にでるわ。後、配下の方は増えすぎると面倒だから、それくらいは先に消しとくわよ。」

「…!うん!」

 

 


 

 

 

エミとソウゴ達は別行動を取ることにした。

エミはアナザーライダーを探して鎧武以外は撃破。

ソウゴ(×2)とツクヨミは鎧武ウォッチの入手に行った。

フルーツパーラー『ドルーパーズ』に向かった三人は、そこで1人の青年からウォッチを二つもらう。

しかし直後現れたスウォルツによってウォッチは奪われてヘルヘイムへと投げ捨てられてしまう。

ソウゴの行動に怒ったウォズがその目的を果たさせない為にスウォルツに密告したのだ。

しかし未来のソウゴにとってはここまでが予定調和だった。

彼は今もらったもう一つのウォッチ・コダマスイカアームズを起動してゲイツに鎧武ウォッチを持ってきてくれと通信で頼んだ。

そしてゲイツはヘルヘイムから帰還できる崖上の唯一のクラックからライドストライカーを使って脱出できた。

 

 

 


 

 

 

一方、廃工場。

 

アナザーライダーを倒しまくっているピリオドは軽く後悔していた。

何体か倒してるうちに深追いしてしまい、アナザー鎧武の根城であるこの廃工場にたどり着いてしまった。

そして現在1VS10という多勢に無勢の状況に陥っていた。

 

「一人一人が戦闘員クラスだったら良かったんだけどね…!」

(派手に動きすぎたな、コリャ。警戒して全勢力を出してきた感じか?)

「全勢力なら僥倖かしら…?」

 

中央に立つリーダーであるアナザー鎧武を始め、バロン、龍玄、斬月、ナックル、グリドン、ブラーボ、デューク、シグルド、マリカの十体が並ぶ。

これでまだいますとでも言われたら絶望してたが、アナザー鎧武直々に出たのなら恐らくエボルトの言う通りなのだろう。

そう信じて気を強く保とうとした時、その気をさらに強める声が聞こえた。

 

「エミさん!」

 

振り返るとそこにはジオウとゲイツがいる。

ジオウの手には鎧武のウォッチが握られている。

加えてゲイツの手にはバロンとナックルのウォッチも。

 

(こいつ…まさかバロンとナックルから勝ち取ったのか…!?)

「……ゲイツ君、連戦で相当疲れてるんじゃない?下がってたら?」

「今のお前には言われたくないな。」

「なら、遅れずに着いてきなさい。」

 

そう言ってエミはそれぞれウォッチを2人に渡す。

 

DUKE!

SIGURD!

MARIKA!

『『『ARMOR TIME!ソーダァ』』』

DUKE!

SIGURD!

MARIKA!

 

ジオウはレモンを模したデュークアーマー、ゲイツはサクランボを模したシグルドアーマー、ピリオドはマリカアーマーを纏う。

 

ジオウはジカンギレード・ケンモードでピリオドはジカンサーベル・サーベルモードで前衛のアナザー斬月やアナザーグリドンらを相手取っていく。

他のアナザーライダー達も一斉に襲い掛かるが、何かに跳ね飛ばされる。

それはシグルドアーマーの力で高速移動したゲイツによるジカンザックス・おのモードの攻撃だった。

しかしそれに気づく時にはアナザーライダーは一体減っていた。

 

FINISH TIME!SIGURD!ギワギワシュート!

 

ジカンザックス・ゆみモードから放たれた2対の果実をその尾につけた矢はアナザーシグルドを貫いた。

そしてその一瞬の出来事がアナザーライダー達を動揺させて、隙が生まれた。

 

『『FINISH TIME!』』

DUKE!ギリギリスラッシュ!

MARIKA!バリバリブラスト!

 

ピリオドがその場でハイジャンプをして、マリカの裏にいたアナザーデューク目掛けてジカンギレードの刃が迫る。

その軌道はレモンの断面のようになり、アナザーデュークを両断する。

そして飛び上がったピリオドもまたジカンサーベル・ボウガンモードから桃色のエネルギーの矢を放ち、アナザーマリカを打ち抜く。

 

『『『ARMOR TIME!』』』

カモン!GRIDON!

KNUCKLE!

BRAVO!

 

休む間もなく三人は次のアーマーを装着する。

ジオウは右腕が大きな槌と化した茶色のグリドンアーマー。

ゲイツは両腕が一回り大きくゴツゴツとしたグローブをつけたナックルアーマー。

ピリオドは緑色で両手にノコギリの様な武器を持ったブラーボアーマー。

 

「王様、舐めんなよ!」

「始めましょうか、守護と殲滅の行進を!」

 

ジオウは右手の槌、ドンカチZで敵を叩き、ゲイツは両腕のクルミボンバーZで殴り、ピリオドはノコギリの様な武器のドリノコZで敵を裂いていく。

推進力、重さ、えぐりとる強さそれぞれご異なる武器にアナザーライダー達は思考が追いつかない。

 

『『『FINISH TIME!』』

スカッシュ!TIME BREAK!

オーレ!TIME BURST!

スパーキング!TIMEIMPACT!

 

まるで独楽のように回転するジオウが振るったドンカチZがアナザーグリドンに、前へ飛び出しながら放たれたゲイツの強烈なパンチがアナザーナックルに、ピリオドのドリノコZに収束された緑色のエネルギー弾がアナザーブラーボにそれぞれ炸裂し撃破する。

 

『『『ARMOR TIME!』』』

ハイィー!RYUGEN!

カモン!BARON!

ソイヤッ!ZANGETU!

 

続けてジオウはブドウを模した龍玄アーマー、ゲイツはバナナ型のバロンアーマー、ピリオドはメロン型の斬月アーマーを装着する。

ジオウは新たに装備されたブドウ龍砲Zとジカンギレード・ジュウモードの二丁拳銃スタイルで後方から弾幕を放ち、ピリオドのメロンディフェンダーZが相手の攻撃を防ぐ。

そして2人の波状攻撃の間に生まれた隙をゲイツがバナスピアーZを突き刺すことで埋める。

 

『『『FINISH TIME!』』』

スカッシュ!TIME BREAK!

スパーキング!TIME BURST!

ZANGETU!スワスワリッパー!

 

ブドウ龍砲Zから放出されたドラゴンの頭を表現したエネルギー弾がアナザー龍玄を食いちぎり、バナスピアーZの一閃はバナナのようなオーラを描いてアナザーバロンを両断する。

ピリオドのジカンサーベル・ダブルセイバーモードからは黄緑色の刃が放たれ、アナザー斬月に備え付けられた盾ごと真っ二つにする。

 

これで残されたのはアナザー鎧武のみ。

しかしここでゲイツが膝をつく。

 

「くっ、こんなところで…!」

「ここらで十分よ、ゲイツ君。残ったアイツは私達に任せておいて。」

 

『『ARMOR TIME!』』

ソイヤッ!GAIM!

BUJIN GAIM!

 

「花道で、オンパレードだぁぁ!」

「この時代は、私達のものよ!」

 

ジオウとピリオドが装着したのは姿形そっくりな二つのアーマー。

しかしジオウのはオレンジカラーの鎧武アーマー、一方のピリオドは深紅の武神鎧武アーマー。

2人はそれぞれ自分たちの初期装備のジカンギレードとジカンサーベル、そしてアーマー付属の大橙丸Zを持って二刀流でアナザー鎧武に攻め立てる。

太刀一本のアナザー鎧武に対してピリオド達は4本と反則気味の戦法は、二本ほどは太刀で防げても残りは通してしまう為有効だった。

重さ、リーチはアナザー鎧武に分があれど、それ故にモーションが大きいのでピリオド達の小回りの効いた攻撃には防戦一方となってしまう。

たった今も上からの切りつけを防いだと思ったら、空いた腹に蹴りを入れられてしまう。

 

『『FINISH TIME!』』

『『スカッシュ!TIME BREAK(IMPACT)!』』

 

「「はぁぁぁ!!」」

 

必殺技の準備を整えるジオウとピリオド。

やけになったのかアナザー鎧武はその太刀を振り回して突撃してくるが、二本の大橙丸Zから放たれたオレンジ型のエネルギーがアナザー鎧武を拘束する。

そして動けなくなったアナザー鎧武に代わり、2人がアナザー鎧武目掛けて走り出しすれ違い際に切り裂く。

橙と紅の斬撃がアナザー鎧武の身体を三等分するかのように流し込まれ、爆発と共に切り口からはオレンジとブラッドオレンジのエネルギーが弾け出す。

爆炎から契約者のアスラが現れたことでこの戦いは終止符を打たれた。

 

 

 

 

 

 




アナザーアーマードライダーズが当て馬のようになってしまったのだけが後悔。
ザックもイマイチ活かしきれなかったのも後悔。ゲイツはヘルヘイムから脱出時に強者に覚悟を見せつけたので貰えた感じ。
ちなみにバロン、龍玄、斬月の音声は差し替えました。個人的にはダサいと思っちゃったので。

オリジナルアーマータイムの詳細解説、いる?

  • いる
  • いらない

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