一つ、人間たちが住む『リアルワールド』
もう一つは、デジモンたちが住む『デジタルワールド』
この地球で二つの世界は本来干渉することはなかったはずなのだが、突如として発生した次元融合と呼ばれる災害により融合を果たしてしまった。
二つの世界は多大な被害を受けたが、それでも生き残った者たちがいた。
これはそんな世界で生きる彼女の物語である
日差しが温かい小春日和。
窓ガラスは割れ、鉄筋コンクリートの中身が浮き出しになり、木の根やつるが巻き付いてしまっている三階建ての朽ちたビルに潜む者たちがいる。
その者たちは手に棍棒を持ち、茶色の古着のベストとパンツを履いた赤いモヒカンのどこか懐かしさを感じる者たちだった。
だが、それ以上に目を引くのは緑色の肌が、彼らが人間ではなく別の何かなのだということを示している。
彼らはビルの中で集まり暮らしているようだった。
「んーんー!?」
そんな彼らの住むビルの二階の中心に、ビルに巻き付いている太いつるで口と体を拘束されている獣のような耳を付けたの少年がいた。
少年はこの場所から逃げ出そうともがいている。
だが、少年の力では太いつるを肌に食い込むほどに強く巻き付けられているせいでびくともしていなかった。
そんな彼らを隣のビルから双眼鏡で覗く少女がいた。
「数確認よーし、保護対象の位置確認よーしっと」
少女は覗くのに使っていた双眼鏡を背にあるリュックサックにしまうと、腰のベルトにぶら下げていた長方形の白の端末なようなものを取り出した。
「デジコンバート! ユニモン」
少女が端末を掲げそう叫ぶと、光のバーコードが端末から現れ、赤い鎧のような物を付け、背に黒い羽根がある馬の姿となった。
「よっと」
少女は腰に端末を戻し、慣れた様子で馬にまたがると、リュックサックの中からオートマチックの拳銃を取り出した。
その様は、カウボーイハットさえあれば西部劇に出てくるようなカウボーイのようだ。
少女は装備されている手綱を握りしめ、ユニモンを走らせた。
ユニモンはビルの床を踏みしめ心地よい音と共に空へと駆けだした。
そして空を駆け向かう先は――隣のビル。
「ギャァ!?」
本来は窓があったであろう吹き抜けをユニモンは駆け抜け、窓際にいた緑の人型を踏みつけた。
踏みつけられた緑の人型は、その身を光のバーコードに変えると少女の腰にある端末に吸い込まれていった。
「やあやあご機嫌いかがかなゴブリモン君たち、預け物を返しにもらいに来たよ」
少女はユニモンから降りてそう言った。
それに対するゴブリモンたちの返答は、
「ガアアアア!」
棍棒による攻撃であった。
だが、少女はそうなることをわかっていたのか横に軽くステップを踏んで回避する。
「ユニモン、ホーリーショット!」
攻撃をよけながら、少女はユニモンへと指示を出す。
ユニモンは口に光のエネルギーを溜めてゴブリモンへと向けて解き放った。
攻撃を受けたゴブリモンの一体は叫び声も出すこともできずに倒され光のコードへ姿を変えた。
そして先ほどと同じように、少女の腰にある端末へと吸い込まれる
「ギャア!」
「ふう、大丈夫かい?」
そして、少女は少年の近くにいたゴブリモンの頭を手に持つ拳銃で打ち抜いて少年の下へとたどり着くことに成功した。
少女は端末と同じく腰のベルト装備していたナイフを取り出してs、少年を縛るつるを切る。
解放された少年は涙を流しながら少女へと抱き着いた。
「おう、よしよし。怖かったね」
少女は少年の背中をやさしく摩りながら抱えて立ち上がった。
「さーて、あとは帰る……ん?」
ビルから脱出を試みようとしていた少女にどこからか振動が響き渡る。
振動はどうやら市上の階層から響いているようで、天井からコンクリートの粉末や埃が舞い始め、ひびが入り始めた。
「あらら、上で騒ぐ子供がいるみたいね」
天井の日々はさらに大きくなっていき、大きな衝撃と共に崩れた。
そして、上の階にいた何者かが少女のいる階層に落ちてきた。
「……オーガモンもいたのね」
落ちてきた者は、たてがみのように伸びた白い髪と緑色の肌、そしてゴブリモンたちとは違い棘のついた骨棍棒を持っていた。
「おねぇちゃん……」
少年が恐怖からか、少女にしがみつく。
少女はそんな少年に優しい笑顔を向けると、少年をその場に降ろした。
「体上部、大丈夫。 私を信じて」
少年の目線に合わせ少女は笑いながらそう言うと、腰にある端末を再び手に取った。
「この子は無事に連れて帰らなくちゃいけないの、だから……全力で行くわよ!」
少女はユニモンを光のコードに戻し端末に戻すと端末をオーガモンへと向けて叫んだ。
「ハイパー・バイオ・エボリューション差しが温かい小春日和。
窓ガラスは割れ、鉄筋コンクリートの中身が浮き出しになり、木の根やつるが巻き付いてしまっている三階建ての朽ちたビルに潜む者たちがいる。
その者たちは手に棍棒を持ち、茶色の古着のベストとパンツを履いた赤いモヒカンのどこか懐かしさを感じる者たちだった。
だが、それ以上に目を引くのは緑色の肌が、彼らが人間ではなく別の何かなのだということを示している。
彼らはビルの中で集まり暮らしているようだった。
「んーんー!?」
そんな彼らの住むビルの二階の中心に、ビルに巻き付いている太いつるで口と体を拘束されている獣のような耳を付けたの少年がいた。
少年はこの場所から逃げ出そうともがいている。
だが、少年の力では太いつるを肌に食い込むほどに強く巻き付けられているせいでびくともしていなかった。
そんな彼らを隣のビルから双眼鏡で覗く少女がいた。
「数確認よーし、保護対象の位置確認よーしっと」
少女は覗くのに使っていた双眼鏡を背にあるリュックサックにしまうと、腰のベルトにぶら下げていた長方形の白の端末なようなものを取り出した。
「デジコンバート! ユニモン」
少女が端末を掲げそう叫ぶと、光のバーコードが端末から現れ、赤い鎧のような物を付け、背に黒い羽根がある馬の姿となった。
「よっと」
少女は腰に端末を戻し、慣れた様子で馬にまたがると、リュックサックの中からオートマチックの拳銃を取り出した。
その様は、カウボーイハットさえあれば西部劇に出てくるようなカウボーイのようだ。
少女は装備されている手綱を握りしめ、ユニモンを走らせた。
ユニモンはビルの床を踏みしめ心地よい音と共に空へと駆けだした。
そして空を駆け向かう先は――隣のビル。
「ギャァ!?」
本来は窓があったであろう吹き抜けをユニモンは駆け抜け、窓際にいた緑の人型を踏みつけた。
踏みつけられた緑の人型は、その身を光のバーコードに変えると少女の腰にある端末に吸い込まれていった。
「やあやあご機嫌いかがかなゴブリモン君たち、預け物を返しにもらいに来たよ」
少女はユニモンから降りてそう言った。
それに対するゴブリモンたちの返答は、
「ガアアアア!」
棍棒による攻撃であった。
だが、少女はそうなることをわかっていたのか横に軽くステップを踏んで回避する。
「ユニモン、ホーリーショット!」
攻撃をよけながら、少女はユニモンへと指示を出す。
ユニモンは口に光のエネルギーを溜めてゴブリモンへと向けて解き放った。
攻撃を受けたゴブリモンの一体は叫び声も出すこともできずに倒され光のコードへ姿を変えた。
そして先ほどと同じように、少女の腰にある端末へと吸い込まれる
「ギャア!」
「ふう、大丈夫かい?」
そして、少女は少年の近くにいたゴブリモンの頭を手に持つ拳銃で打ち抜いて少年の下へとたどり着くことに成功した。
少女は端末と同じく腰のベルト装備していたナイフを取り出してs、少年を縛るつるを切る。
解放された少年は涙を流しながら少女へと抱き着いた。
「おう、よしよし。怖かったね」
少女は少年の背中をやさしく摩りながら抱えて立ち上がった。
「さーて、あとは帰る……ん?」
ビルから脱出を試みようとしていた少女にどこからか振動が響き渡る。
振動はどうやら市上の階層から響いているようで、天井からコンクリートの粉末や埃が舞い始め、ひびが入り始めた。
「あらら、上で騒ぐ子供がいるみたいね」
天井の日々はさらに大きくなっていき、大きな衝撃と共に崩れた。
そして、上の階にいた何者かが少女のいる階層に落ちてきた。
「……オーガモンもいたのね」
落ちてきた者は、たてがみのように伸びた白い髪と緑色の肌、そしてゴブリモンたちとは違い棘のついた骨棍棒を持っていた。
「おねぇちゃん……」
少年が恐怖からか、少女にしがみつく。
少女はそんな少年に優しい笑顔を向けると、少年をその場に降ろした。
「大丈夫よ、私を信じて」
少年の目線に合わせ少女は笑いながらそう言うと、腰にある端末を再び手に取った。
「この子は無事に連れて帰らなくちゃいけないの、だから……全力で行くわよ!」
少女は顔を真剣なものへと変え、端末をオーガモン向にけてこう叫ぶ。
「ハイパー・バイオ・エボリューション!」
端末に太陽のような紋章が現れ、光が少女の包み姿を別の物へと変わる。
手や頭に刃のついた黒いアーマーを装着した獣人のような存在へ姿を変えた。
「バイオフレイドラモン!」
少女、いやバイオフレイドラモンは少年を背にすると、オーガモンの下へと走る。
「ユニモン! 彼を守ってて!」
「うわあ!?」
ユニモンが少年を口でつかむと、外へと退避する。
それと同時に、バイオフレイドラモンは体に炎を纏わせてオーガモンへと突撃する。
【ファイアロケット!】
「がああああ!?」
オーガモンはバイオフレイドラモンの攻撃を受けると、ゴブリモンたちと同じくその姿を光のコードへと姿を変えた。
少女は隣のビルに着地すると、その姿を人に戻した
ユニモンが少女の傍へと降りてくる。
「ふう、何とかなったわね」
少女は降りてきたユニモンへとまたがると、少年と抱きしめながら固定すると空へと舞った。
向かう先は少年と少女の住んでいる集落である。
「はぁ……」
少女は少年の頭の上でため息をつく。
その顔はどこか疲れているようだった。
「いつになったら私たちは平和に暮せるのかな……」
そう言いながら、少女は空を飛ぶユニモンからちらりと下を見る。
少女の目には、木の根やつるが巻き付いた林のように生えるビル群と、歩き回る様々なデジモンと呼ばれる者たちの姿。
そして今にも倒れそうな様子の赤い塔。
かつては街のシンボルとして町を見下ろしていたそれは、かつてこう呼ばれていた。
――東京タワーと
そうここは、かつて東京と呼ばれていた町。
だが今は、次元融合によりデジタルワールドとリアルワールドが融合してしまい滅んだ街の名だ。
彼女たちはその滅びを回避することに成功した生き残りの子孫である。
限られた人間の技術力と、協力関係にあるデジモンの技術力により何とか今の世を生き抜いていた。
少女たちは、協力関係にあるデジモンたちと共に明日を目指す。
その先にある者がどんなものになるのか、それは誰にも分らない。
少女はそんな不安を胸に、今の世を生きていく。
――いつか、平和な世が来ると信じて。