ある廃墟で、ビーハイブの幹部であるクロードは、とある人物を呼び出していた。
クロードは、眼鏡をくいっと上げて話し出す。
「……来たか。待ちわびていたぞ」
「はい。私が呼ばれた理由はなんでしょうか?」
クロードは、とある人物に写真を渡す。
「こいつがお前の次の任務――
クロードはわなわなと震えながら、
「しかし私は、お嬢はこの男に騙され利用されていると睨んでる。滑稽なガキだ……」
この言葉に鼓舞されるように、とある人物が握っている手に力が入り、写真がクシャクシャになる。
「ゆ、許せませんね。一条楽……」
「……私では直接動向を探ることはできない。だが、私が育てた優秀な部下のお前ならば、あのクソガキからお嬢を救い出すことが出来るはず」
「……了解しました。お嬢は、私が必ず救い出します」
この一件が、とある廃墟で行われたのだった。
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「……かなり眠い」
「もしかして、羽さんに掴まってた?」
「ああ」と返事をする俺。
聞いた所、小咲も羽さんに掴まったことがあるらしく、翌日寝不足になったらしい。それから教室に入り、桐崎さんたちに「おはよう」と声をかけてから、自身の席に着席し腕を組んで寝る体勢に入る。てか、集たちの話によると、転校生がこのクラスに来るらしい。
そんなことを思っていたら、教室の前の扉が開き、キョーコ先生が入って来る。なので、俺は顔を上げた。
「よーし、早く座れ。出席とるぞー」
キョーコ先生の言葉によって、生徒が各々の席に着く。キョーコ先生が教壇で出席を取り終わり、
「突然だけど、今日は皆に転校生を紹介するぞー。鶫さん、入って来て」
「はい」
教室のドアを開けて入って来たのは、ザ・イケメン。っていう者だ。
「はじめまして。鶫誠士郎と申します。どうぞ、よろしく」
自己紹介が終わると、凄まじい歓声が巻き起こる。……まあ、主に女子からだが。
キョーコ先生が空いている席に着いてと鶫さんに言い、鶫さんが楽の隣を通りながらフッと微笑む。すると、楽の隣に座る桐崎さんが立ち上がり鶫さんの名前を呼ぶ。
「鶫!?」
「お久しぶりです、お嬢――!」
鶫さんが桐崎さんに抱きつき、クラスからは、
『転校生が桐崎さんに抱きついた!』
『なんだ、なんだ~~~!』
と、声が上がる。
「ちょ、いきなり抱きつかないの!?皆が見てるでしょ!?」
「ああ、お嬢……!お会いしとうございました……!と、ところでお嬢、ここの教室には歩夢殿がいると聞いているのですが?」
「歩夢?歩夢なら、小咲ちゃんの隣よ」
桐崎さんの視線を追うように、鶫さんは俺を見て、俺の前まで歩み寄る。
「歩夢殿、お久しぶりです」
俺は「目立ちたくないなぁ」と思いながら、口を開く。
――そう。俺がアメリカで在住していた時、俺は鶫さんと銀行強盗たちを鎮圧した経験が何度かあるのだ。
「鶫さんも元気そうで」
鶫さんの経験値を見ると、ただの転校生とは言えない。面倒なことが起きなければいいんだけど。
ともあれ、転校生が一年C組にやって来たのだった。
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時は経過し放課後の教室。
「歩夢君は、見に行かなくてよかったの?」
「ああ。何か面倒な未来しか見えないし」
小咲、俺と呟く。
ちなみに、俺と小咲、宮本さんで輪になるように椅子に座っている。
「私気になってたんだけど、歩夢君と小咲の出会いって、どんな経緯からなのかしら?」
「そうだなぁ。家族旅行って言えばいいのかな」
俺と小咲が出会った場所は、天駒高原という所だ。
帰り道も同じということもあって、小野寺家は神埼家の車で帰省したのだ。そして偶然もあってか、俺と小咲が通う幼稚園も同じだったのだ。
これを聞いた宮本さんは関心したように、
「凄い運命力ね、歩夢君と小咲」
「でも、俺の家はちょっと特殊でな。小学生に上がる前に海外に引っ越したんだよ」
そう、俺の家は裏の世界で
今は力が無くなり
「でも十年越しに再会なんて、そうそうあるものじゃないわよ」
まあ確かに、このような偶然はそうそうあるものじゃない。俺から見ても、まるで漫画のようであった。
「でも納得が言ったわ。小咲が歩夢君に惹かれた理由」
「そうなのか、小咲?」
「う、うん。わたし、この時から歩夢君を好きだったんだよ」
小咲は、頬を桜色に染めて言う。
宮本さんは「一気に甘くなったわね」と呟いてから、
「それじゃあ、私は聞きたいことは聞けたから先に帰るわね。――歩夢君、小咲をお願いしてもいいかしら?」
「ああ、任せてくれ」
宮本さんは「そう」と頷いてから、傍らに置いてあるバックを肩に下げ、椅子から立ち上がり教室を後にした。
「気を使わせちゃったのかな?」
「わからん。でも宮本さん、そういう線引きは巧いよな」
そんなやり取りがあり、俺と小咲は支度をしてから椅子から立ち上がり教室を後にした。
後から聞いた話だが、決闘の結果は楽が勝利したらしいが、鶫さんの性別が露見してしまったということだ。
まだ幼いのに、銀行強盗を鎮圧する歩夢君と鶫のスペック高いなぁ。ちなみ、アメリカに居た時の歩夢君は武道を少しだけかじってます。
本格的な戦闘を覚えたのは、五年後の中国でですね。
追記。
天駒高原の帰りは、神埼家の車で帰ってます。小野寺家は、行きは電車だったということですね。
小野寺家と神崎家の繋がりは、偶々高原であって、偶々帰り道が同じでした。