「歩夢君。今日から林間学校だよ!楽しみだねっ!」
「て、テンション高いな、小咲」
「そりゃそうだよ!」と頷く小咲。
まあ確かに、泊まり込みの学校行事でイベントが盛り沢山なのだ。小咲がテンションが上がるのも無理はない。
「あ、今思い出した。――羽さんが『林間学校の写真待ってます』だってよ」
小咲は笑みを浮かべ、
「そっか。たくさん写真送ろうね」
「……送り過ぎは良くないと思うぞ」
送り過ぎると羽さんが『わたしも行きたいっ!』って膨れる未来しか見えない。てか、バスの席順はどうなっているのだろうか?俺は “おまかせ”にして寝たからなぁ。
ともあれ、学校の校門前に到着した俺と小咲。また、校門前では全クラスがバスに乗る準備が終わっており、俺たちが到着して五分後に各バスに乗り込むのだった。ちなみ俺は、楽、集、小咲、桐崎さん、宮本さん、鶇と同じ班である。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
バスの席は、一番後ろに、宮本さん、桐崎さん、楽、鶇さんだ。その右斜めの二人席に、俺と小咲らしい。てか、俺と小咲の席は
それから、小咲が窓際に座ったのを確認してから、俺が通路側の席に着席する。
「小母さんから教えてもらってたんだが、小咲って料理が壊滅的じゃなかったけ?……着いたら、カレー作りだろ?」
「だ、大丈夫だよ。お母さんが言ってたのは、随分前のわたしの評価。今はきちんと作れますっ」
「そうか」と頷く俺。
「そ、それにいつか、歩夢君に食べて欲しかったから。わたしの手料理」
小咲の得意料理は、和食全般らしい。特に、肉じゃがが得意だということ。
「お、おう」
バスが出発し、急なカーブが差しかかるとバスが遠心力で左右に揺れ、密着度が増す。
「わ、悪い。小咲」
「か、構わないよ。それより重くないかな、わたし」
「いや、軽いくらいだけど。てか小咲、ちゃんと飯食ってるか?」
「た、食べてるよ」
「本当か?」
「ほ、ホントだよっ」
俺は渋々頷いた。
この時男子クラスメイトは、
「(((((――甘いよ!お前らッ!)))))」
このように思っていたらしいが、俺と小咲が知る由もない。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
出発から約一時間後に目的地に到着し、続々と生徒は立ち上がりバスから降車する。
「行くぞ、小咲」
「うん」
俺は立ち上がってから通路側に移動し、小咲も元に右腕を伸ばし、おずおずと俺の右手を握る。
それからバスを下り、
「よ――し!皆聞けよ――!プリントにも書いてあると思うけど、各班には今から近場のキャンプ場でカレー作ってもらうからな。楽しんで、気をつけて作れよー―!」
キョーコ先生の言葉を聞いて、キャンプ場に向かう俺たち。その間で、楽が顔を引き攣らせたのを俺は見逃さなかった。
決闘云々の後に、鶫と買い物をしたり、楽が熱を出した時に桐崎さんがお見舞いに行ったり、そこでダークマターのお粥を食べたりとあったらしい。ちなみに俺は、楽の眠りを妨げないように席を外していた。
「歩夢と宮本、小野寺は薪を貰って来てくれ。桐崎はオレが指示するから大人しくしてろよ」
必死やね、楽。まあ、あの二の舞は洒落にならないと思うけど。
さて、俺も仕事をしますか。
「行くわよ、小咲、歩夢君」
「あいよ。小っこい宮本隊長さま」
宮本さんは、目を細めて俺を見る。
「……歩夢君、はっ倒すわよ」
「る、るりちゃん。そんな言葉使ったらいけないよ」
「そ、そうだぞ。小咲の言う通りだぞ、宮本さん」
「……まったく、次はないわよ……」
ともあれ、俺たちは薪を貰いに行った。んで、皆で楽しくカレーを作り、美味しく頂きました。
小咲と歩夢君はクラスで、楽たちに次ぐ公認カップル(本人たちは付き合ってない+そのことに気づいてない)です。
てか、もっと羽姉出したいですね。
追記。
歩夢君と小咲は、学校に行く際にいつも待ち合わせをしてますね。