ニセコイ~夢に紡ぐ物語~   作:舞翼

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プレゼント

 ~一年C組廊下~

 

 林間学校が終了し、ある日の出来事。廊下に出て談笑していたのは、俺、小咲、宮本さん、楽。んで、集、桐崎さん、鶫さんは席を外している。

 その横を、結構な量のノートを抱えた桐崎さんが、

 

「――楽~!このノートって何処に持っていけばいいんだっけ?」

 

「ん、ああ。キョーコ先生が、理科準備室に頼む。って言ってただろう」

 

「あ、そっかそっか」

 

 と言い、桐崎さんはふらふらしながら歩いていると、楽が溜息を吐き。

 

「――千棘。オレが半分持つ、ほら」

 

「い、いいわよ。先生に頼まれたのは、私なんだし」

 

「お前はよくても、オレたちがよくないんだよ。ノートが崩れたら、ノートが折り曲がったりするだろうが。そうなったらお前、責任取れるのか?」

 

「うっ……」

 

 桐崎さんは、尤もなことを指摘され、言葉に詰まった。

 結果、楽は桐崎さんからノートを半分受け取り、話しながら理科準備室へ向かったのだった。

 

「桐崎さんと楽、距離が縮まったよな?俺の気の所為かも知れないけど」

 

「わたしも、そう感じるよ。きっと、林間学校の肝試しでなにかあったんだと思うな」

 

 小咲の言う通り、林間学校で何んらかの変化を齎したのは、確かだろう。

 俺の予想だと、風呂場事件と肝試しなにかあったと見た。

 

「名前で思ったんだけど、歩夢君は、千棘ちゃんとるりちゃんは、名字だよね?」

 

「まあ。名前で呼んだ方がいいか?宮本さん」

 

「どっちでも構わないわよ。でも、友達なら名前の方がいいのかもね」

 

 俺は「なるほど」と頷き、

 

「じゃあ、るりで。ちゃんづけの方がいいか?」

 

「いえ、呼び捨てでいいわよ」

 

 その時、教室の前扉が開き、廊下に出て来たのは鶫さんだ。

 

「歩夢殿。お嬢は見てませんか?」

 

「桐崎さんなら、楽と理科準備室に行きましたよ」

 

「それは都合いいです。一条楽には、歩夢殿が伝えくれますか?」

 

「いいですけど。如何かしたんですか?てか、集には?」

 

「……あの男は居なくて大丈夫です。――それで、お願いなんですが。実は今日、お嬢の誕生日なんです。そのサプライズとして、是非パーティには、皆さんに参加して欲しいのですが」

 

「もちろん、お邪魔します」

 

「わ―!もちろん私も参加するよ!」

 

 すると、るりが何かを思いついたように、ポンと手を合わせた。

 

「――小咲、歩夢君。プレゼント選び、任せてもいいかしら?」

 

「いや、るりは来ないのか?」

 

 俺は、るりに問いかける。

 

「歩夢君と小咲で選んだ方が効率的でしょ」

 

 俺とるりは、視線を合わせた。

 なるほど。るりの言葉の裏には「ついでに、デートして来なさい」という言葉が隠れていたのだ。

 

「んじゃ、○○喫茶店に17時集合で。服装は、制服か?」

 

「一度帰ってから私服がいいと思うわ、そのまま会場に来た方が効率的でしょう。一条君には、変わりに私から説明しとくから安心しなさい。小咲もそれでいいかしら?」

 

「う、うん」

 

 ともあれ、プレゼント選びが決定したのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 学校が終わり、一度集英組に帰ってから私服に着替えて、喫茶店に到着した俺。待ち合わせ場所は店内になったので、俺は窓際のテーブル椅子に腰を下ろし、注文したコーヒーを飲んでいた。

 数分経過した所で店舗特有のベルが鳴り、私服姿の小咲が姿を現す。キョロキョロと店内を見回し、俺を見つけると笑みを浮かべて歩み寄り、対面の席に腰を下ろす。

 

「服、似合ってるよ」

 

「あ、ありがとう。でも、黒は背伸びしすぎた感じがするけど」

 

 小咲の今日の私服は、黒を基調とした服だったのだ。

 まあ確かに、デートの時は白が多かったので、黒は背伸びした感があるのだろう。

 

「そんな感じは全くしないぞ。大人っぽくて、十分似合ってるよ」

 

「そ、そっか。じゃあ、今後も黒に挑戦しようかな」

 

「ああ。でも、俺が独占欲剥き出しになる服は勘弁な」

 

「わ、わかった。――そ、そろそろプレゼントについて相談しようか」

 

「そ、そうだな」

 

 時間を見ると、約20分経過していた。……少し話し込んでしまった。デートはついででもあるので、目的を忘れてはいけない。

 

「新しいリボンとか、文具とかはどうだ。余り凝り過ぎると、実用性が皆無になるかも知れないし」

 

「だね。その辺が無難かな。それじゃあ、選びに行こっか」

 

 ともあれ、注文したコーヒを全部飲み、席を立ってから俺が会計をして店を出た。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「良かったね~。良いものが見つかって。喜んでくれるかな、千棘ちゃん」

 

「喜んでくれると思うぞ」

 

 そう言いながら、それぞれ袋紐を片手で持って歩く俺と小咲。

 そんな俺と小咲の空いている手は、優しく繋がれている。

 

「つか、るりは色々な意味で凄いよな。今の状況を作ってくれた張本人だし」

 

「るりちゃんは、私の大親友だから」

 

「お、おう。答えになってるか不明だが、そうなんだろうな」

 

 そう談笑しながら、俺たちは桐崎邸に向かったのだった。




投稿が遅れて申し訳ないです……。
疾走だけはしないので、今後もよろしくお願いしますm(__)m

では、また次回!
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