桐崎さんの誕生パーティーが終わって、翌日のホームルーム。
キョーコ先生が教壇に立ち、机に両手を置いて口を開く。
「は―い、皆注目。林間学校の写真が焼き上がって掲示板に貼り出されているから、放課後、各自欲しい写真の番号を記入して提出すること、OK?……あ、それと、恥ずかしくても好きな奴の写真はゲットしていおけよな、先生からのアドバイス」
それは教師の発言なのか?と、クラスに居る生徒は思ったに違いない、うん。
ともあれ、本日の授業が終了し放課後。いつものメンバーは、林間学校の写真が貼り出されている廊下へやって来ていた。既に掲示板前は、大勢の人で殺到している。
「……わ~!これ、好きな写真買っていいの?」
「そうだけど。余り買い過ぎるなよ」
桐崎さんの問いに、楽が答える。
確かに、貼り出されている写真はかなりの数だ。厳選して選ばないと、金がかなり吹き飛ぶに違いない。
ともあれ、俺たちは人混みを進みながら掲示板前に到着する。
「あれ、わたしと歩夢君の肝試しの写真だっけ?歩夢君、寝むそうにしてるけど」
小咲が一点を指差して、俺に問う。
「だな。てか、寝むそうは余計だ」
俺が優しく小咲の頭を叩くと、小咲は「痛い」と言って涙目だ。……なんつーか、罪悪感が凄いんだが。
「あ。わたし、あれを買おうかな」
小咲が言う写真とは、俺と楽しそうに笑う写真だ。……俺は、笑顔がぎこちないが。まあ、先生にいきなり写真を撮られたから。ということにしておこう、うん。
「いいんじゃないか。んじゃ、さっきの肝試しのやつと、あとは自分が気にいった写真にするか」
「うん!」
そう言ってから、俺と小咲は購入する写真の番号を、配られた紙に記入していく。
――この時クラスメイトたちは、
「「「「「(((((……さすが学年公認カップル。羞恥心が全くない)))))」」」」」
と、思っていたらしいが、俺と小咲が知る由もない。
「おやおやダンナ。もっと良い写真が揃ってます。お1つどうです?」
集が両手を擦りながら俺に問う。んで、集が言うには、集が取り扱う写真は、女の子が普段見せない写真を取り扱ってるらしい。てか、そんなことをしてたら、いつか刺されるぞ……。るりからは「最低、クズ、変態、死ね」と罵られてるし。
「モロにH写真はオレの主義に反する!オレが求めるのは、絶妙に恥ずかしい写真のみ!――というわけで、るりちゃんと小野寺にお1つ」
集に渡された写真を見たるりは髪の毛を逆立たせ、小咲は顔を真っ赤にして写真を破り捨てた。んで、るりにボコられる集。
「……歩夢。お前には特別にこんな物を……」
集が俺に渡した写真は、肩を寄り添い合い、頭をくっ付け合ってる写真だ。
「いくらだ?」
「1枚500円」
「買った」
写真を買って教室に戻る途中、廊下の角を曲がった所で誰かにぶつかってしまった。そしてその衝撃で、先程の写真が手元から落ちてしまう。
「ご、ごめんなさい。あれ、歩夢君?」
小咲は「ご、ごめんね」と言って腰を落として、落ちた写真を拾い顔が真っ赤に染める。
「な、な、な。こ、この写真って」
「あ、ああ。集が撮った写真らしい。記念に貰ったんだ」
「そ、そっか。掲示板に貼り出されていると思って、少し焦ったよ。――わたしも、舞子君から貰おうかな」
「いいんじゃないか。頼んでみるか」
ともあれ、このようにして林間学校の写真選びが終了したのだった。
今後の話として、所々場面を飛ばす事があるかもしれないので、ご了承緒をm(__)m
実際、検問の件は飛ばしたので。
では、また次回(@^^)/~~~