ニセコイ~夢に紡ぐ物語~   作:舞翼

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テンコウセイ#2

 ~一年C組~

 

「(楽に許嫁ねぇ)」

 

 俺は席に座り、頬杖をついて窓際を覗き込んでいた。

 昨日、一条家で義父の話を聞いていたのだが、楽には許嫁が居るという。そのことを、義父が楽に伝え忘れてていたらしく、最近思い出したらしい。

 

「は~い、全員注目!今日は突然だけど、転校生を紹介するぞ~~!」

 

 キョーコ先生が前扉を開けて教室に入り、「それじゃあ入って来て、橘さん」と促すように手を向けていた。

 「はい」と返事をし、橘と呼ばれた転校生は教壇に上がって一礼した、見た感想としては、清楚な女の子。と言った所だろうか。

 

「皆さん初めまして。橘万里花と申します。何卒、よろしくお願いします」

 

 橘さんを見たクラスの奴らは、

 

『うおぉぉおおおー。またしても美人!』

 

『どうなってんだ!このクラスは!』

 

『モデル!モデルなの!?』

 

『オレ、このクラスで本当によかった!』

 

 と、かなりの騒ぎである。……てか、橘って見たことがあるんだが。……――そう、警視総監の娘だ。“昔”、騒ぎの後始末を押し付けていた記憶がある。

 

「楽様~~~!ずっと、お会いしたかったですわ~~~!」

 

 転校生が楽に抱きついたので、またしてもクラスメイトから声が上がる。

 

『はあぁぁああ!どういうことだよ!』

 

『転校生が一条に抱きついたぞ!』

 

『ちくしょう!また一条なのか!?』

 

 彼女の話によると、橘は楽と許嫁関係にあるらしい。確かに、昨日義父が「ギャングよりある意味、厄介というか……」って言っていた理由が解った。

 すると、隣席の小咲が、

 

「歩夢君は、転校生に興味ないの?」

 

「まあな」

 

 俺が好きなのは、小咲と羽さんだけだしな。と伝えると小咲は顔を真っ赤にして「ありがとう、嬉しいよ」と微笑んでくれた。

 

「ふふ。わたしも羽さんも、歩夢君が大好きだからね」

 

「……でも俺は、世間一般で言うと、優柔不断、二股野郎になるが」

 

「気にしないで。わたしと羽さんが“了解”を出してるんだから問題ないよ。他所は他所、自分は自分。だよ」

 

「そっか」

 

 と、俺は頷く。

 ともあれ、楽は修羅場?というやつに遭遇していた。んで、鶫が拳銃を向けると、盾を持った警察官が教室に突入する……いつも思うが、銃刀法違反に引っ掛からないのが不思議である。

 まあこの後は、橘は仮病?を使い、楽に保健室に連れて行ってもらっていた。

 

「今後、何事もなければいいんだけど」

 

「歩夢君、それをフラグって言うんだよ」

 

 小咲にそう言われ、俺はガックリと肩を落とした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~屋上~

 

 翌日。

 怒涛の一日?が経過し、現在は放課後の屋上。この場には、小咲、桐崎さん、橘、楽、俺が集まっていた。

 

「……は?俺も過去に会ってる?」

 

 楽に「そうだ」と言われて、俺は目を丸くする。

 いやいや、俺の記憶では“天駒高原”で出会ったのは、小咲と羽さんだったはず。楽、橘、桐崎さんと出会った記憶は無い。

 

「ああ。千棘の親父さんはそう言った。この場に、再び四人集まったのは運命かもね。ってな。んで、橘も昔、オレたちと一緒に居たそうだ」

 

「……悪い、全く思い出せないわ。俺には、小咲と羽さん、二人と一緒に居た思い出しかない」

 

 楽は『羽さん』の名前を聞き、目を丸くし、橘はギョッとしていた。話を聞いた所、楽は羽さんと幼馴染の関係であり、橘は、昔の顔見知りだということ。

 それに、小咲と桐崎さんは一目見た時、お互いが仲良くなれるとほぼ確信していたそうだ。んで、橘と桐崎さんは、楽のペンダントに合うかもしれない鍵を持っている。で、小咲は俺が昔あげた、月形が括りついた銀色のネックレスを首からかけている。

 

「へぇ。そのネックレスは、歩夢があげたものだったんだね」

 

「お、おう。十年間持っててくれたのは、よ、予想外だったけどな」

 

 桐崎さんにそう言われた、俺は言葉を詰まらせながら答えた。

 小咲は、ネックレスをぎゅっと握りしめた。

 

「このネックレスは、わたしの宝物だから。肌身離さず身に付けるって決めてたんだ」

 

 「でも、重い女なのかな?」と、小咲が呟いたので俺は「いや、全く、全然」と呟いた。つーか俺は、可愛い子に想われるとか最高に嬉しいことでもある。

 ともあれ、放課後のチャイムが鳴り完全下校になった所で、オレたちは帰路に着いたのだった。

 




歩夢君は、羽さんとの思い出を最近思い出しました。(思い出全て)

では、また次回(@^^)/~~~
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