今回も、色々飛ばしてますから。
~一年C組、教室~
文化祭が終わってから、アメリカからやって来たと言われるポーラの襲撃以外は、特にこれと言った事件もなく日々が過ぎて行った。
また、四季の訪れを感じるように、徐々に寒さが回りを包んでいく。
俺は席に座りながら体を小咲を捉えるようにして動かし、話かける。
「そういえば、小咲。クリスマスイブに何か予定入ってるか?」
「入ってない、かな」
俺は、そうか。と頷く。
「実は羽さんの希望で、テレビ電話を繋げてツリーを見るんだけど、小咲もどうだ?」
小咲は、目をパチクリと瞬く。
「わたしも一緒しちゃっていいの?」
「もちろん」
ちなみに、小咲も共に。ということは、羽さんの希望だ。
勿論、俺も小咲に参加して欲しい。
「じゃあ、お邪魔しようかな」
「んじゃ、よろしくな」
そんな時、
「あ――!もうすぐクリスマスか~。イブの日は皆もう予定あんの?」
楽の周囲に集まっていた集がそう呟く。
集の話によると、クリスマスイブの日に、クラス皆で行うパーティーを企画してるとのことだ。
「歩夢と小野寺はどうかな?」
「――悪い。イブは小咲と過ごす予定」
「ご、ごめんね。舞子君」
「いいよいいよ。でも、嵌めは外すなよぉ」
そして、『クリスマス』という言葉を聞いて、桐崎さんは顔を青くしていた。
何でも、お母さんが帰ってくると言うことだったが、ビーハイブの者が逆らうことすらできない凄腕の母らしいのだ。
ともあれ、緩やかに時間が経過し、クリスマスイブを迎えるのだった。
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~クリスマスイブ当日~
現在俺は、上はタートルネックにミリタリージャケットを羽織り、下はスキニーパンツにチャッカブーツといった出で立ちで小咲の到着を待っていた。
「十分前か」
そう呟いてから数分後。
マフラーを首に巻き、ミニワンピースの上にふんわりとしたコートを羽織り、下はタイツに茶色いブーツを履いた小咲が小走りで手を振りながら待ち合わせ場所に到着した。
「お待たせ、歩夢君」
「いや、全然待ってないぞ。てか似合ってるな、今日の服装」
というか、小咲に似合わない服なんてあるのか疑問である。
「ふふ、ありがとう。歩夢君も似合ってるよ」
「そ、そうか。じゃ、じゃあ行くか」
誤魔化すように呟く俺。
「ん、歩夢君」
といって小咲は右手を伸ばすと、俺はその左手で優しく握る。そして、目的地はショッピングモール内に展開された大きいモミの木である。
俺と小咲は、持参した電子カードを改札に翳してから、目的地へ辿り着く路線の電車を待っていたのだが――、
「人、多くね?」
そう、電車を待つ白線の内側の人の密集密度が通常と比べると異常なのだ。
「今日イブだし、ツリー目的でモールに行く人たちかも」
「え?この人数全員?」
「全員ではないと思うけど、たぶん半分以上はツリー目的じゃないかな。でも、娯楽目的の人もいると思うよ」
確かに小咲の言う通りなのかもしれない、俺はあのショッピングモールには一度しか訪れたことしかないが、そこはレストランや服屋、ゲームセンターなどが整っており、有名ショッピングモールと言っても過言ではなかったりする。
ともあれ、電車に搭乗し、目的地の駅で降りた俺と小咲は、ショッピングモールのパンフレッドを入手し、パンフレッドを見ながら目的の場所へ歩き出した。
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~クリスマスツリー前~
モミの木がある中庭は、周りがガラス張りされた空間になっており、何とも神秘的な場所だ。
「よくこんなにでかい木を運べたな」
ツリーのサイズは、ショッピングモールの天井に届きそうな大きさだ。
「だね。でも綺麗だね」
小咲は感嘆な声を上げた。
そして、スマートフォンに映る人物からの声も――、
『たしかに綺麗。でも、不思議な感覚でもあるね』
「そりゃそうだろう。羽さんは、厳密言えば中国から見てるんだし」
羽さんは両頬を膨らませた。
『歩夢ちゃん、そこは触ったらいけない部分だよっ』
羽さんは、もうっ。と言って苦笑した。
『でもそうだね。来年は同じ場所で同じ景色を見たいね』
そうだな、と頷く俺。
小咲も、楽しみにしてるね。と言い、嬉しそうだ。
『歩夢ちゃんと、小咲ちゃんはこれからどうするの?』
うーん。と考え込む小咲。
「歩夢君、ご飯でも行く?」
確かに、小腹が空いてきたの否めない。
出掛ける前に食べてきたんだけどなぁ。
「そうするか。てか、テレビ電話も繋げたままにして、羽さんにショッピングモールの案内も入れるのはどうだ?」
「それいいね。羽さんもデートだねっ」
『ふふ。案内よろしくお願いします♪』
ということなので、俺と小咲、羽さんでショッピングモール案内件、一階にある飲食店へ向かう。
これが、クリスマスイブの日に起きた出来事である。