鉄血もグリフィンも争わない平和な世界を死に損ないが満喫するだけ   作:葉桜さん

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今回はまさかのコラボ回です!
どの家のキャラが出るのか、恐らくタイトルでわかると思われますが……


温和日常XIII:代理人の双子

 

 

 

 

グリフィン基地敷地内。

 

 

 

機械が立ち並ぶような、無骨な雰囲気など微塵も感じさせないひとつのスペース。

テーブルと椅子がいくつか置いてあり、自由に座っていいスペースになっているようだ。

少し洒落た内装が特徴で、レコードの再生機まで置いてある。特徴的な香りが鼻を抜け、訪れるものを虜にする。

 

 

 

ここは一時の休息を楽しむ場所……カフェ。

カウンターにはよく見なれた女性が立っている。

普段と同様に、穏やかながらも凛々しいその風貌は見るものの視線を釘付けにしていく程。

彼女はスプリングフィールドだ。

あのアルケミストの同士であるあの人だ。

彼女がマスターをやっている姿というのも、意外に馴染む。

 

 

 

今日は珍しく、1人で落ち着いて過ごそうと思いここに来ていた。普段ならいつも部屋などにいるが、たまにはこういうのも悪くないだろう……そんな気分だ。

 

 

 

カップの中にある液体を啜り、ふぅとため息をつく。

口の中には強い苦味ではなく、甘みが広がった。

 

 

「お口に合いましたか?」

 

「ああ。甘いものは口に合わないわけがない」

 

 

 

スプリングフィールドは俺が甘党なことを知っていたからか適当にという1番困る注文に対して、最善の選択をしてくれたらしい。中に入っているのはコーヒーではなく、ココアだ。

正直、コーヒーはブラックで飲める気がしない。

砂糖も1つ2つ程度では全く変わらない気がして、あまり飲むのは気が進まないのだ。

かと言ってせっかく入れてくれたものに対してそうどぼどぼと味を足すというのは正直言って申し訳なく思う。

その程度で?と思われるだろうが、何故かそんな気分になるから仕方ないだろう。

 

 

 

「それにしても、基本的に自分の部屋にいらっしゃるリオンさんがここに来るなんて珍しいですね」

 

「たまには客の襲来から離れたいんだよ、俺も」

 

 

 

確かにここにいる奴らとの交流は良いものだと思うし、俺も積極的に関わっていきたいとは思う。

だが、あまりにしつこいと言うか、たまには1人で息抜きする時間だって必要だ。俺は戦術人形とは違って完全な生物だ。疲れることだってもちろんある。

そういう時は1人でのんびりとしたい。

今や俺の部屋は来客が無い方が珍しい。

そんな部屋でゆっくり休めるわけがないと思ったから柄でもないようなカフェでゆっくりしているという訳だ。

 

 

 

周りには見知った顔もいるが、皆驚いたような顔をしていた。確かに柄でもないことは分かっている。

でも、ここの雰囲気は結構気に入っている。

だからついつい来てしまうのだ。

 

 

 

「まぁ、落ち着くにはもってこいの場所だからな」

 

 

 

カップを置き、一息つく。

今日ばかりは、何時もの様に何かが起こることもなく平和に休めるだろうか……そんな穏やかな空気。

 

だったのだが。

 

 

 

「リオン!いるかい!」

 

 

 

……ああ、この流れは……

焦って入ってきた1人を完全なジト目で見つめる。

この話し方と言い、この見た目と言い。

確実に指揮官の野郎だ。

安息の地を汚すと申すか痴れ者が。

内心そんなことを思っているのがバレているのか、スプリングフィールドが苦笑いを浮かべていた。

 

 

 

「……なんだよまた……せっかく落ち着けると思ったんだが」

 

 

 

少し苛立ち交じりな声を漏らす。

また厄介事なのか、それともただ騒ぎに来ただけなのか。どちらにせよ俺にとっては好ましくない。

だが、奴の動揺が見えるということは切羽詰まった事態ではないだろうが……アレはとりあえず来て欲しいと催促する。

言葉では説明できないものなのだろうか?

まぁ、無理無理連れていかれそうになる前に向かおう。

 

 

 

「悪いな、スプリングフィールド。ご馳走様でした」

 

「ええ。また落ち着く時間が必要でしたらいつでも」

 

 

 

お代をカウンターに置き、ぶっきらぼうに立ち上がる。

どうもいつもの事だが、俺に安息の2文字はないらしい。

仕方がないと割り切り一息。

仕事だ仕事。切り替えていくとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事だと割り切ってきたはずだった。

しかし、今現在の状況は俺の目を疑いたくもなる状況だ。医療用ベッドの上に寝かされている人形が1人。

しかもI.O.P製ではなく、鉄血製だ。

さらに言えば量産型ではない。ハイエンドだ。

 

 

 

「……本当にそこいらで転がってたのか?アイツともあろうものが……」

 

 

 

転がっている人形。それは代理人の事だった。

彼女はダミーを持っていない。

故に今ここにいるのが本人であり、彼女が倒れている事など有り得ないと思っていた。

だからクラウスが焦っていたわけだ。

しかし、見てみると外傷は全くない。

検査をしてみたが、内部損傷もなかった。

息もあり、全くと言っていいほど異常がない。

 

 

 

「代理人、酔っ払って寝ちゃったのかな?」

 

「代理人が羽目外してここまで支障をきたすわけ無いだろ……別の要因があるんじゃ?」

 

 

 

代理人は実質的には鉄血のトップの様な人物。

本人もそうであることを理解している故にそんな自己管理が甘いなどと言ったことは確実にない。

時々検査をしている俺の方が怖くなるレベルだ。

だが、そんな彼女が倒れているとは……

 

 

 

「……本当に何があった?」

 

 

 

過労か?それとも何処かメンテナンスに不備があったのか?どちらにせよ俺達にとって代理人が倒れているという事は異常だった。目を覚ましたら事情を聞く方がいいだろう……

心配と不安が頭を満たす。

 

 

 

本当に大丈夫なのだろうか。

そんな中、彼女がぱっちりと目を開いた。

何となく、顔立ちが穏やかなような気がする。

 

 

 

「……お目覚めか?代理人」

 

「はい……ええと……」

 

 

 

辺りをキョロキョロとする代理人。

彼女らしくない挙動だ。

随分と脅えているというか、なんというか。

いつものクールな感じではなくなっている気がした。

 

 

 

「あ、あの……ここは何処でしょうか?」

 

「……は?いや、ここはグリフィンの医務室だぞ?」

 

 

 

訳の分からないことを口走り始めた。

ここが何処だが分からないようだ。

しかも口調さえ変わっている。

彼女は本当に代理人か?

クラウスの襟を掴んで取り敢えず引き寄せる。

 

 

 

「おい……本当にあれ代理人か?ある程度一緒にいたが、あんな代理人前の世界線でも見た事無いぞ」

 

「い、いやいや、俺に言われたって……だって見た目完全に代理人じゃんか……それに俺、倒れてる所見ただけだし……」

 

 

 

あわあわという少女の様な声を出しながら困惑している様子の代理人……多分本人だと思う。恐らく。

そんな彼女が本物かどうか信じられないけれど恐らく本物。いや、本当にそうなのか。

指揮官であろうそこの阿呆を掴みながら尋問している。もしかして空似の人を連れてきてしまったのでは?

はたまた、記憶喪失か?

そうであったら大変だ。

不安が余計に増した気がする、そんな時だ。

 

 

 

 

 

「……何の騒ぎですか?」

 

 

 

 

 

俺たち2人は唖然とした。

驚かない方がおかしい。

何故なら、今倒れていた筈の代理人がもう一人いるのだから。俺はベッドの上にいる代理人と、今現れた代理人を交互に見る。全くもって訳が分からない。

開いた口が塞がらない。

クラウスも同じで、向こうの方がより笑える様な間抜け面を晒している。今、本当は真面目なはずなのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、えーと……代理人さん?なぜ2人目が……?」

 

「私の方が聞きたいのですが」

 

 

 

そりゃそうだ。当たり前だ。

普通に考えて1番困惑するのは本人だろう。

いる訳のない自分のダミーのようなものがここにいるのだから。基本的に彼女達ハイエンド人形はダミーが存在しない筈だ。俺が居た世界線でもそれは変わりない。

特に代理人ともなれば尚更だ。

表情にこそ出ないが、彼女はかなり困惑しているだろう。

 

 

 

そんな中もう1人の代理人は彼女を見つけるや否や、水を得た魚のように彼女の方へと目を輝かせている。

今にも飛びつきそうな、そんな状態。

 

 

 

「Oちゃん!Oちゃんもここに居たんだね!」

 

「お、おーちゃん……?」

 

 

 

彼女自身、呼ばれたことの無い名前に困惑する。

そんな様子を見ていたもう1人の代理人はその反応を見て忘れちゃったの?と目を潤ませて上目遣いで彼女を見ていた。正直彼女ともう1人の代理人の関係は分からない。

いや分かるわけない。

本人が分からないのに分かるわけがあるか!

 

 

 

「申し訳ありません、あなたの言うOちゃんとやらと私は別の人物だと思いますが」

 

「……本当に、私の事を忘れちゃったんですか……?」

 

 

 

今にも泣きそうだ。

これは……さすがに止めないとまずい。

とは言っても、理由が分からない以上は……

 

 

 

俺たちの知っている代理人がここまで困惑しているということは、新しく製造されたダミーではない。

もしそうだったとしてもあるはずの無い記憶が有るのはおかしい事だ。その線も含めて無いだろう。

となれば、違法製造か?

そういうわけも無いだろう。

 

 

 

……まさかな。

いや、ないとは思うが……

とりあえず話の流れを切ってでも。

 

 

 

「あー……悪い。ちょっと質問いいか?」

 

「は、はい!私に答えられることなら……」

 

 

 

まず第1問。

俺たちに見覚えはあるか。

答えは一部NOだ。

代理人は見た事があり、俺達は見た事がないらしい。

彼女のいた場所にも指揮官はいたが、クラウスとは全くの別人の様だ。

 

 

 

第2問。

現在のグリフィンと鉄血の状況は。

ここで差がつき始めてきた。

元々グリフィンと鉄血の敵対が起きていない。

ここまでは同じだが、彼女の記憶との差異は鉄血が民生用人形を製造しているという所だ。

俺の知っている鉄血、及びこの世界の鉄血は民生用人形など製造していない。戦術人形のみだ。

……これは、あの線再びか?

 

 

 

第3問。

と言おうと思ったのだが、少し様子を見ることにした。

そんな時に、彼女からも一言。

 

 

 

「すみません、私の方からも質問良いですか?」

 

 

 

本当は尋問のようなものではあるが、別に堅苦しくもなく、そんなに切羽詰った危機的状況でもない。

大丈夫だと伝えて聞く体制を取る。

 

 

 

「……この近くに、『喫茶 鉄血』というお店がありませんか?」

 

 

 

……ああ。今の質問で完全に確信を得た。

もちろん、俺たちに聞き覚えはない。

名前から察するに鉄血の人形達が喫茶店を経営しているのだろうが、そんなところを見た事など1度もない。

強いて言うなら、スプリングフィールドのカフェを手伝っているところを見た程度だ。

 

 

 

「いや、悪いが聞き覚えはない」

 

「……そうですか……」

 

「……今の質問で、こっちの質問の必要も無くなった」

 

 

 

え?と答えたそうな顔をしているもう1人の代理人。

安心してくれ。俺もそんな顔をしたい。

彼女はおそらく、全く同じことが起きた。

要因こそ違うだろうが、状況は同じ。

俺が導き出した結論……それは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうやら、俺と同じだ。……何らかの拍子で、並行世界へと飛んで来てしまったみたいだな」

 

 

 

普通は何を言っているんだと言われる回答。

並行世界転移だ。

だが、俺という前例がある以上完全否定はできない。

黙って聞く代理人と指揮官。

並行世界に関しての話を軽くしてみる。

ただ、本人がそれを受け入れられるかどうかだが……

 

 

 

「え、えぇ……?私がパラレルワールドに来てしまったんですか……!?」

 

 

 

……嘘だろお前。

あの代理人……いや、中身は違うだろうが、彼女がそんな純粋に受け止めるなんて思わなかった。

と言うかこの子ちょっと不安になる。

悪い人に連れてかれそうな性格だぞ……

同じ代理人とは思えない。

 

 

 

「まぁ、簡単に言うとそういう事だ。……正直信じられないだろうが安心しろ、俺もそうだったから」

 

 

 

非常に遠い目をしているだろうな、俺。

あんなにパニックになっていた頃が懐かしい。

今や争いがほとんど無くてかなり安定してるし、平和ボケし始める頃合いだし……

でもまぁ、来てしまった事実が変わる訳では無い。

受け入れてもらうということしか……

 

 

 

「あの、私、帰れるんですよね……?」

 

「……」

 

「目を逸らさないでください!?」

 

 

 

うん、全くもって考えてなかった。

帰れる方法は今のところ見つかっていない。

俺の場合は死亡が引き金だった。

つまりは、その逆という説が1番だろう。

だが、彼女の原因が何かは分からない以上は下手なことをしたくない。いわば彼女は『喫茶 鉄血』からの来客だ。

客人に手を出す阿呆はいない。

 

 

 

「だ、大丈夫だよ!悲観的になるとそうなっちゃうから、前向きに考えよう!」

 

「だからと言ってありもしない嘘をつくのもどうかと思いますが……」

 

 

 

大波乱。ここは色々な世界線の吹き溜まりか。

自分で言っててなにだが、かなり酷いことになっている。

1番可哀想なのは飛んで来てしまった彼女だ。

聞くにその世界では人権団体さえ武力で物を語ることを辞め、真に平和的な世界になっている。

だがこちらはどうだ?

グリフィンと鉄血は協力している。

しかし、相対する人権団体の行動は激化し人間対人形の体制が作り上げられつつあるこの世界に放り込まれるとは……同情を覚えてしまうレベルだ。

 

 

 

あと、その他にもやるべきことがある。

彼女は代理人の姿をしている。

混乱を招く訳には行かないのもそうだが、まずは彼女の処遇……どうやってこの先の事を確約してやるかだ。

さすがに2度も俺と同じ手は使えないだろう。

俺はグリフィンに所属していた経緯があった故に何とかなったが……

 

 

 

「このまま放っておく訳にもいかないしな……」

 

「クルーガーさんに話すような内容でもないよね、これ」

 

 

 

協力関係にあるとはいえ、今回の管轄はどちらかというと鉄血の管轄だ。どうしたものかと目を向けるのは代理人の方へ。等の彼女も口元に手を当て暫し考えている。

 

 

 

「……取り敢えず、所属としては何とかして鉄血の方に所属しているということにしましょう。帰る方法が見つかるまでの間ですが」

 

 

 

ほっと一息つくもう1人の代理人。

ですが、と続ける代理人本人。

曰く、鉄血は働かざる者食うべからずの精神です。との事。つまり、彼女にも何かしらの業務をやらせるべきだと言いたいらしい。そこで彼女はもう1人の代理人にこんな事を聞いた。

 

 

 

「良ければ、『喫茶 鉄血』についてお聞かせ頂いても?」

 

「……!うん、大丈夫!」

 

 

 

……一体何を考えているのか。

俺達には知る由もない。

しかし、ひとつ分かることはある。

あの代理人だ。本人のことまでしっかり考えているのだろう。1人で大暴走するアーキテクトやら、何かと面白い様に物事を持っていこうとするドリーマーやらとは違うのだから。

 

……これ、アーキテクトはまだしもドリーマー本人にこの本心聞かれたら絶対引っ掻かれるな。最悪髪の毛引っ張られて抜かれるぞ。無理矢理の脱毛は勘弁だ。

 

 

 

取り敢えず、検査やら何やらは終わらせたあとだ。

俺の仕事としては終わっている。

だが、もう少し。

直した相手の事くらいは知りたい。

 

 

 

「あー……その、話してるところ悪いんだが、お前の事は何って呼べば良いんだ?ほら、いつまでも名前を呼べないと不便だろ」

 

 

 

そんな風に頭を掻きながら問いかけると、そうだったと言わんばかりな反応を返した。

わざとらしい咳払いをしながら、彼女は自己紹介に入った。

 

 

 

「私は代理人の高性能ダミーです!名前はダミーからとって”D”と呼んで下さいね!」

 

 

 

彼女はそのまま自分に関してのことを話してくれた。

元々は彼女の元となった向こうの世界線の代理人のダミーリンク実験で作られた高性能ダミーのようだ。

普通のダミーとは違い、ほとんど本体と寸分違わぬ思考力を持つダミーという話だ。

しかし、向こうのアーキテクト(おばか)17lab(へんたいども)なる集団による魔改造で今のような性格になったらしい。

 

 

 

彼女の人格は、”素直になった代理人”らしく、この根底にあるのは向こうの代理人とほぼ同じ。

同期された感情や思考などをそのまま純粋に出すのが彼女のようだ。……しかし、こちらには肝心の本体がいない。

このダミーだけでも自立して動けているというのか。

つくづくヤバい奴らだと思わされるものだ。

 

 

 

「素直な私、ですか……なんとも言えない感覚なものですね」

 

「良いじゃないの、だって可愛いし」

 

「でも、世界線を跨いでもあまりお前自身の性格やらなにやらに差異はあまり無かった様だからな……正直、お前の本心と言っても違いは無いんじゃないか?」

 

 

 

ほんの少しだけ恥ずかしそうに袖で口元を隠す代理人。

こちらの方が少し大人しいのだろうか?

普通だったら追いかけ回されるなどとDは言っていた。

まぁ、俺も表にして意識させるようなことを言ったらアイアンクローで頭を掴まれるだろうな。

絶対痛い。

あとクラウス、鼻の下を伸ばして彼女を見るな。

お前を好いている人形達が泣くぞ。

 

 

 

 

 

 

「……まぁ、何はともあれこれから鉄血の仲間になるんだろ?……リオンだ。人形の整備・修理を専門にやってる。よろしくな、D」

 

「おっと抜け駆けか〜?あ、ごめんね。俺はこの地区の指揮官……クラウスだよ、俺からもよろしくね」

 

 

 

お二人共、よろしくお願いします!と元気な声が響いた。あの代理人の本心が現れているとは言ったが、あのクールな中身がこんなに天真爛漫な少女かと考えると……

まぁ、少し考えてしまう部分もない訳では無いな。

まさかの二人目の転移者。

随分と奇妙なところに来てしまったものだ。

 

 

 

代理人はそろそろ手続きに取り掛かると言ってDの手を取り、彼女と話しながら去っていった。

結局、今日も波乱だった。

新しい仲間が増えるのは嬉しいが、そろそろ落ち着く時間が欲しいものだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、グリフィン基地内カフェ。

 

 

 

ようやく少し落ち着きを取り戻しつつあった俺の日常。

再度改めてここで息抜きをしようと来た。

この前のようにカウンター席に座る。

 

 

 

レコードから流れる曲を楽しみながら、メニューをちらり。とは言っても、大抵頼むものは変わらない。

今日も甘い物が欲しい。

目の前に映るパンケーキに目を奪われ、これにしようと決めた。

注文良いか?と聞けば、いつもの様にスプリングフィールドが丁寧に応対してくれる。

 

 

 

「この前と同じココアと、あとこれを頼む」

 

「了解しました、少しお待ちくださいね」

 

 

 

この前とあまり変わりのないやり取り。

こんな感じに落ち着いたのが理想的なのだが。

 

 

 

そういえば、心做しか鉄血の人形達も今日はよく来ているような……いや、気の所為だろう。

周りを見れば、リッパーが集まっていたり、ヴェスピドとイェーガーが平和そうにお茶をしていたり……

妙に賑やかになったような……

 

 

 

「お待たせしました〜」

 

「ああ、ありが……!?」

 

 

 

頼んだものを持ってきてくれたウェイトレスのような人物。ここに普段いることがなかった容貌なだけに、少しびっくりしてしまった。と言うより、驚いて倒れるところだった。

普段はお偉いさんとして働いている容姿。

しかし、彼女は別人だ。

そう、彼女は……

 

 

 

「D、お前ここで働いてたのか!?」

 

「はい、私の経験が生かせると思ってここのOちゃんが交渉してくれたんですよ!」

 

 

 

なるほど。

まぁ、確かに喫茶に務めていたのだから当たり前か。

だから妙に鉄血の客が多かったということか。

彼女の笑顔はグリフィンの人形だけでなく、基本感情が見えない鉄血の量産型でさえも驚きとつられた笑顔を見せてしまう……そんな魔法の様な笑顔だ。

そりゃあ繁盛する訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日俺が訪れたカフェ……

それは、スプリングフィールドのカフェと、『喫茶 鉄血』別世界線支店の合同店だったらしい。

まさか別の世界線で支店を立ちあげるとは。

面白いこともあったものだ。

 

 

 

元の世界線に戻る方法が見つかるまで、ここでより多く経験を積もうということなのだろう。

彼女もやはり、代理人ということか。

真面目な彼女の姿に、少し頬が緩んだ気がした。

 

 

 

 

 




・という訳で、今回はいろいろ様より『喫茶 鉄血』の代理人高性能ダミー……Dちゃんをお借りさせて頂きました!
キャラとか少し違ったらすみません……すみません……!
(焼き土下座の準備)


・今回はコラボの為、キャラに関しては『喫茶 鉄血』の本編の方を読んでみてください。


・最近更新ペースが遅くなりつつありますが、失踪はしません!(重要)


次の話もお楽しみに!
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