鉄血もグリフィンも争わない平和な世界を死に損ないが満喫するだけ   作:葉桜さん

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今回から本編ですが、作者はネタを考えつく力が乏しいです。
中身が薄くなる危険性があります。


本編
温和日常I:AR小隊とハイエンドたちが遊ぶだけ


グリフィン・鉄血合同宿舎。

 

 

グリフィンの戦術人形たちと、鉄血の戦術人形たちが過ごす大きな建物。任務がない戦術人形たちが、人間と変わりのない平和な日常を過ごすための場所。

最近になって鉄血の戦術人形たちもここを利用するようになり、グリフィンの人形たちと鉄血の人形たちが交流するためのちょうど良い場所となっていた。

とある場所を見れば世間話をしていたり、とある場所を見ればちょっと喧嘩をしていたり。

そんな平和な日常が繰り広げられる場所だ。

 

そんな寮舎の1室……

 

 

「……おっとぉ、この船の駒は誰のだ?私の狙っていた領地にずけずけと入り込んで……」

 

「狙った目を出せないアンタが悪いんだろ?んじゃ、頂きますと……」

 

「次は私……あっ……」

 

「AR-15選手、早くも多額の損失だ〜!!」

 

「これは……運が悪かったみたいですね」

 

「ヒヒヒ、俺だってちゃんと考えてるのよ〜?」

 

 

半分屋上、半分屋内の最上階。

日が差し込み、空はいつものように青く澄み渡っている。広い窓からは屋上のスペースが見渡せ、そこから見える景色は荒廃した中でもどこか魅力を感じるようなものだった。

真ん中は吹き抜け、2階付き。

いわゆるペントハウスというところだ。

そんな一室に、グリフィンと鉄血の人形数人が集まっていた。ふかふかでダメになりそうなソファーやリラックスチェアが並ぶなか、真ん中のコーヒーテーブルにボードを置いて遊んでいる。

部屋が広いからか、特に圧迫感を感じることは無いが……

 

 

 

「なんでお前らわざわざ俺の部屋に上がり込んで遊んでるんだよ!」

 

 

 

ここ、俺の部屋です。と一言聞こえた。

ここしか空いてなかったからここに入ったんです、ええ。いつの間にかなぜ占領されているんだ!と言いたくもなるようで。

そう、ここはつい最近になってようやく使われた部屋。新しいメンバー、臨時指揮官および整備者となった人物の私室となった場所だった。というか、お前らは何をやってるんだ!?

勢いのままつい口に出してしまう。

そんな半ば混乱のままの問いにSOPが答えた。

 

 

 

「○ノポリーだよ?」

 

 

 

ボードゲームだった。

いやそういう事じゃない。

だからなぜ自分の部屋でやるのか。

お前らも自分の部屋あるでしょ!とちょっとお怒り気味だよ?いや、だってここプライベートルーム!

俺の私室!

そういう風に猛反抗するリオン。

 

 

 

 

見渡せば、テーブルを囲む人数は9人。

 

比較的落ち着いていると言うより、大人しくしているM4A1。

ついさっき派手にやられたのか、項垂れているAR-15。

そんな状態をはしゃいで解説するM4SOPMODII。

そんなこと知るかと言わんばかりに相手と火花を散らすM16A1。

はしゃぎ過ぎないようにと抑えてくれるRO635。

 

 

 

AR小隊は総集合だ。

何がおかしいかと言われれば、この後だろう。

 

 

 

酷くやられたAR-15に同情の目を向けるスケアクロウ。

 

M16と真正面から火花を散らす結構男らしい口調をしている鉄血のハイエンド人形、処刑人(エクスキューショナー)

ゲームだと結構温まりやすく、煽られるとすぐに乗っかっていく。特にM16相手では。

 

ROと一緒にハイテンション組を止めようとしている3人組の中の良識派、狩人(ハンター)

いや、スケアクロウがおかしいとも処刑人がおかしいとも言わないが、いや、むしろ鉄血側の方が意外と良識的だが。ここの人形たち全体から見ると多分トップレベル。

 

 

スケアクロウ以外の2人はグリフィンに入ってから会った。根っこは大して変わっていないらしいが、やはり歴史が変わったからか大分穏やかになっている。

特にハンターはかなり常識人枠になっていることに驚きを隠せなかった。

 

 

彼は必死に記憶の中を探る。

もう1ヶ月程度経つが、AR小隊のメンバーとこのハイエンド3人組はこんなに仲が良かったか……?と。

別にここに来る前の記憶を探している訳では無い。

ここに来る前ならこんな光景がありえないどころか、ここで殺し合いが勃発しているはずだろう。

それが、今や争いの方法がこんなに平和的だ。

 

 

「すみません、本当は止めるべきだったのですが……」

 

「何故かここの部屋に行くと総意で向かってしまったものだから止められなかったんだ……」

 

 

どうやら、ROとハンターは貴重な休みを邪魔しないように配慮してくれていたらしい。

ちょっとその優しさで泣きそうだ。

が、やはり数の暴力には叶わない。

1番驚きなのはM4やスケアクロウもここに来たがっていたことだ。

彼女らは普段あまり自分の意思を表に出さないことが多い。

そんな2人がここに来たい理由はよく分からない。

いや、広い部屋でみんなが集まれるということは分かるのだが。

 

 

一番ここにいてはおかしい人物までいる。

 

 

 

「……なんでお前までいるんだよ、クラウス指揮官サマ」

 

 

「ん?ああ、たまには大事な部下たちとサb……息抜きがしたくてね」

 

 

 

ぶっ飛ばすぞお前。とドスの効いた声で脅したのが良くわかる。まずこの指揮官、いつもは仕事をしているはずなのだ。なのになぜ仕事をほっぽり出してこっちへ来ているのか。

お前の執務室でやらせろよと文句を吐いた。

というか今サボりと言おうとしたな?

逃げようとしてたんだな?

AR小隊巻き込んでまですることかよ!とツッコミを内心で滅茶苦茶に入れていた。

 

 

だってぇ〜、なんて腑抜けた回答が帰ってきた。

お前いつも自分の部下の前でそんな態度をとっているのか……と呆れ半分ながら口に出てしまう。

本人は大して気にしている様子はない。

むしろ周りがいつものことだと言わんばかりの対応だった。

奴、1度ヘリアンに報告した方が良いのでは……?

そんな疑問さえ思う。

いや、俺がくたばる前の時からずっとそうだったが。

 

 

 

「お前、サボってきた訳じゃないだろうな……?」

 

「怖い!怖い!それだったら俺がROに絞られるから!」

 

 

 

必死すぎる。

でも彼の言うことはあながち間違ってはいない。

ROは真面目だ。指揮官ともあろうものが仕事をサボってくるものなら引きずってでも戻して仕事をさせるだろう。

追い打ちをかけるなら、ハンターもいる。

彼女も結構真面目な仕事人だ。

最悪威嚇射撃モノだろう。

 

 

 

 

「でもまぁ、こういうのはみんなでやった方が楽しいだろ?なぁ処刑人?」

 

 

「まぁ、それはそうだ。大人数用に作られてるものなんだから、皆で騒いでやるのが1番だよな」

 

 

 

ついさっきまで互いに争っていたM16と処刑人がこちらに顔を向けてそう言う。

曰く、お前もやろうぜってことなのか。

期待の眼差しで皆がこっちへ見てくる。

 

 

 

「どうせなら、リオンさんも一緒にどうですか……?」

 

「貴方が入った方がもっと面白くなると思います」

 

 

 

M4とスケアクロウが一緒にどうかと誘ってくる。

ほかの面子もそれが言いたかったとばかりに猛プッシュ。

SOPMODは子犬のような表情でお願いしてくるし。

やろうよやろうよ〜!とじゃれついてくる。

可愛い。でもちょっとくっつきすぎだと思います。

そんな光景を見たスケアクロウは柔らかい微笑みが自然と出ていた。でも、ちょっとだけ違う気もした。

 

 

 

「もう、SOPMOD。あまり無理強いはダメですよ」

 

 

 

「はーい」

 

 

 

AR-15が宥めてSOPはやっと離れてくれた。

普通にお姉さんやってるなぁ……と我が子を見るような目で見ていた。いや、今までじゃこんな光景は見れなかった以上、温かい目で見てしまうのも仕方が無いと思いたい。

まぁ、みんなでやるのが楽しいなら、俺も混ぜてもらおうかな。そう答えると、皆が嬉しそうにさっさと終わらせて次へ行くぞと言わんばかりにゲームの進行が早まった。

 

 

 

遊びは終わりだとM16が執拗に攻めの体制に。

対する処刑人は今回運が悪いらしく、何度もM16にやられていた。イカサマだ!インチキ!インチキ!と猛抗議の声が聞こえた気がしたが、どうしようもない。

静かに手を合わせて黙祷を捧げた。

 

AR-15は妙に上手くいかないらしく、何回も一回休みの刑をくらってゲームに殺されかけている。こういう物に熱中しないタイプだと思っていたが、意外にもかなり楽しんでいるようだ。時々我に返ってはいつもの調子に戻ろうとするが、結局またこうなるらしい。もっと息抜きしてもいいんだぞ?

 

SOPMODは特に何を考えることも無くただ高い目をだして爆走することを目的にしているようだ。

いつの間にか他のメンバーを周回遅れにさせるレベル。楽しみ方が何か違う気がする。が、見ている分には面白い。

 

M4は計画的に、堅実に行くタイプらしく、上手く回避できるように仕向け、相手からも上手く巻き上げて着々と順位を上げていた。さすが隊長。

 

スケアクロウは、まさかの口プロレス。上手いこと分析して相手が有利になるように見せかけておいて自分が一番得をする交渉でのし上がっている。やだ、この案山子さん策士。

 

指揮官?……特に何も言うことがなかった。

適度にボコボコにされ、適度に相手を貶める。

なんだかんだ言って正しいゲームの楽しみ方をしている。

 

 

 

皆が皆の楽しみ方ではしゃいでいる。

仕方がない。

俺もひとつ、遊びに付き合ってやるか。

人形たちのお願いを聞くのも、一緒に過ごすのも、俺の仕事だ。と言うよりは、俺の好きな事だ。

だから……聞いてやれなかった分、ここで聞いてやる。

そう思って微笑んで、騒ぎの中に入った。

 

 

 

「お手柔らかにお願いします」

 

「そっちもな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果?

 

 

……俺は惨敗だった。

 

 

 




・今回からやっと本編!のはずなのにプロローグより内容薄くない?と思ったのは作者だけではないはず……ほのぼの日常って難しいね。

・またまた評価お気に入り登録が止まらなくて非常に武者震いしております……頑張ります……クオリティ下がらないように頑張らせて頂きます……!

・今回サラッと処刑人とハンターが出ました。
処刑人はなんとなくM16と仲が良さそうなイメージがありました。
ハンターは言わずもがな苦労人枠。

・次回は誰を出そうかまだ未定です。


次回もお楽しみに!
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