ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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10話 本当に良い男は男からもモテる

オカルト研究部の部室にて。

 

「あー………いー………うー………えー………おー………」

 

「なんだか憂鬱そうだね。というか、壊れ方が独特と言うか………」

 

俺の状況を見て、木場が苦笑する。

今の俺は―――――とってもだらけていた。

ソファにうつ伏せになって寝そべり、義手の腕をだらんと垂らしている俺。

まるで全身の力を全て抜ききったようにする俺は、ここ数年で一番だらけているのだろう。

 

だらけている理由?

そんなもん、一つしかない。

 

「まともな義手………まーだー………?」

 

そう、俺の精神を磨り減らしているのは、だらしなく垂らしている、このメタリックな義手が原因だ。

この義手をつけてから数日が経つが、アザゼル先生は未だにまともな義手を持ってこない。

なので、この数日間は長袖を着た上で、手袋をはめることで、メタリックな義手を隠しながら生活していた。

美羽の魔法で隠すという手もあることにはあるが、何かしらの拍子で魔法が解けたら騒ぎになるので、一番無難な方法で誤魔化している。

 

木場が訊いてくる。

 

「ま、まぁ、とりあえずは不便なく過ごせてるようだし、良いんじゃないかな?」

 

確かに腕があるとないのでは天地の差だ。

食事も、着替えも美羽達の助けなしに出来るようになったしな。

想像以上に自分の意思通りに動かせるのは流石はアザゼル先生お手製と言ったところだろう。

でもね………。

 

「………なぁ、木場よ。人差し指の先から刺身醤油が出てくるんだぞ? そんな指で平穏に過ごせると思うだろうか?」

 

「なんで刺身醤油!? もしかして、ワサビも出てきたりする!?」

 

「よく分かったな。人差し指の第一関節から練りワサビが出てきてな。第二関節からは甘ダレが出る」

 

「完全にお寿司を食べようとしてるよね!? どんな特化装備!?」

 

いや、全くその通りだよ。

俺も知ったときは木場と同じツッコミしたもの。

 

仮にだよ?

授業中に誤作動を起こして、指先から刺身醤油が出てきたら………と考えてしまった時のハラハラ感が分かるか?

無理だろうな。

俺だって自分で言ってて意味分からないもの。

どんなハラハラ感?

 

「もうどーでも良いよ。やってらんねーよ」

 

「イ、イッセー君の目が死んでるわ」

 

「あ、ああ。ここまでやさぐれたイッセーを見るのは初めてだな」

 

引きつった顔で俺を見るイリナとゼノヴィア。

ごめんね、二人とも。

俺はもうあの頃の俺には戻れないのかもしれない。

 

すると、アーシアが部長の椅子から立ち上がってこう言った。

 

「元気を出してください、イッセーさん! その装備も必ず使い道があるはずです!」

 

「………どんな?」

 

「え、えっと………お寿司の出前を注文した時に、お店の人がお醤油を入れ忘れた時とか………?」

 

「結局、寿司限定じゃないかぁぁぁぁぁぁ! うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

聞いといてなんだけど、なに、そのピンポイント過ぎるシチュエーション!?

そんなの滅多にないよ!?

 

イリナが俺を宥めるように言う。

 

「心配は無用よ、イッセー君! ほら、ワサビが少なく感じた時とかも使えると思うの!」

 

「だから、寿司限定じゃないかぁぁぁぁぁぁ! 確かにワサビが少ないと感じる時はあるけども! そんな時に、人差し指の第一関節からワサビ出してる人を見て、君はどう思う!?」

 

「どうかしているわ!」

 

「どうかしているよ!」

 

想像するだけで摩訶不思議な光景が広がってくるよ!

 

更にゼノヴィアが続けて、

 

「甘ダレが足りないときも使えるぞ!」

 

「だから、寿司しか使い道ないじゃん!」

 

んもぉぉぉぉぉ! 

なんで、こんな限定的な使い道しかない装備つけた!? 

 

ギャスパーが訊いてくる。

 

「え、えーと、他の指には何か装置はないんですか? 今のところ、人差し指にしかついてなさそうなんですけど………」

 

「ないよ。この義手、人差し指以外の部位は出汁醤油とワサビと甘ダレを製造する装置になってるから」

 

「なんでですか!?」

 

「俺が聞きたいよ! なんでなんだよ!?」

 

あの未婚オタク元総督、どこに技術を注ぎ込んでるの!?

それを堕天使の技術力と誇っても良いのか!?

 

美羽がなんとも言えない表情で呟く。

 

「ロケットパンチとかミサイルが出るよりはマシだったんだよ、きっと」

 

「美羽ちゃん、ちょっと諦め入ってない?」

 

「うん、アザゼル先生だもの」

 

「………そうね」

 

美羽の言葉にどこか納得してしまうアリス。

 

ねぇ、君達………本人より先に諦めに入るのやめよう?

そこは励ましてくれよ!

 

そんな時だった。

ふいにコンコンと部室のドアがノックされた。

 

「はーい」

 

アーシアが応じると、扉を開けて入ってきたのは一人の男子生徒だった。

男子生徒は書類を手にしていて、

 

「失礼します。ここに会長が………って、やっぱりここにいた」

 

彼は言うなり、ゼノヴィアを発見して息を吐いた。

 

「ゼノヴィア会長、ここにいらしたんですね。例のレポートが纏まったんで確認お願いします」

 

ゼノヴィアに書類を渡す男子生徒。

ゼノヴィアも書類を受けとると、目を通していく。

こいつのこう言うところ見ていると、生徒会長なんだなって改めて認識できるな。

 

ゼノヴィアの確認を待つ間、男子生徒は俺達に視線を送り、物珍しげに部室全体を見渡していった。

それに気づいたゼノヴィアが問う。

 

「もしかして、皆とはあいさつはまだか?」

 

「ええ、いつか紹介してやると言われて、それっきりですよ」

 

苦笑いでそう返す男子生徒は再び深く息を吐いた。

 

「すまんすまん。ちょうど良いから、今紹介しておこう」

 

苦笑するゼノヴィアは男子生徒を横に並ばせて、改めて紹介をし始める。

 

「こいつはうちの生徒会に所属する書記。二年生の―――――」

 

「百鬼勾陳黄龍です。皆さんの噂は色々と伺ってます」

 

と、生徒会書記の二年生である百鬼が挨拶をくれた。

 

俺も名前自体は新生徒会メンバー発表時に知っていたし、ゼノヴィアが新生徒会メンバーを引き連れて歩いている時に見かけたこともある。

まぁ、新生徒会が動き始めて暫く経つのに、名前と顔が一致したのは今なんだけどね。

 

「長い名前だな」

 

ついそんな風に訊ねてしまう俺。

百鬼は軽く説明をくれる。

 

「勾陳は諱、ミドルネームみたいなものです。百鬼黄龍で構いません」

 

なるほど、そういうことね。

俺が納得している横では、同じ学年のレイヴェルとギャスパーが反応していた。

 

「ここでお会いするなんて珍しいですわ」

 

「百鬼くん、こんにちは」

 

声をかける二人に百鬼も手をあげて返す。

 

「よっ、いつもの三人組」

 

小猫ちゃんがビスケットを食べながら訊ねる。

 

「コーチン、仕事?」

 

「ああ、会長に用があってね。………というか、その呼び方はやめてくれ。名古屋コーチンみたいで嫌なんだよ」

 

美味そうではあるけど、流石にそのあだ名はなぁ。

でも、そこは「俺は食い物か!」くらいのツッコミをだな………。

 

「イッセー先輩、コーチンをツッコミの道に誘おうとしてますね?」

 

鋭いよ、小猫ちゃん!

というか、ツッコミ要員増やしちゃダメですか!?

 

俺はコホンと咳払いすると、百鬼に問う。

 

「百鬼というと、五大宗家の筆頭だったか。確か、黄龍って名前は百鬼家が司る霊獣と同じだったよな?」

 

「はい。俺は百鬼家の次期当主ということになってます。現状は」

 

次期当主………やっぱりか。

霊獣の名前を継ぐのは次期当主だって聞いたことがあったから、なんとなくそんな気はしていたよ。

 

ゼノヴィアが腕を組んでうんうんと頷きながら言った。

 

「黄龍はかなり凄いぞ。何せ、魔王アジュカ・ベルゼブブのもとで、重要な役割をいただいているみたいなんだ。残りの神滅具の調査だったな?」

 

マジか。

アジュカさんのもとで神滅具の調査と来ましたか。

残りの神滅具というと『蒼き革新の箱庭』と『究極の羯磨』だな。

アザゼル先生も行方を追っていると言っていたけど、あの二つはまだ捕捉できていないのか?

 

百鬼は複雑そうな表情で言う。

 

「なんて言いますか、あの魔王さまには厄介事専門家として結構無理させられるといいますか………」

 

「ま、何かあれば出来る範囲で手を貸すよ」

 

苦笑しながら言う俺。

すると、百鬼は俺の前に立って、急に姿勢を正した。

 

「赤龍帝の兵藤一誠先輩」

 

「ん? どうした?」

 

なんだなんだ、突然改まって。

もしかして、俺に用があったりしたのか?

 

そんなことを思っていると―――――百鬼は俺に向かって頭を下げてきた。

 

「俺、あなたを目標にしているんです」

 

「俺を?」

 

「はい。あなたのこれまでの経緯は俺も聞いています。神滅具を宿していたとは言え、元々は普通の一般人だった。けど、あらゆる困難を乗り越えて、勇者とよばれるまでに至った。俺はあなたのような心も体も強く、そして運命に逆らうくらいに強くなりたいと思っています」

 

下げた頭を藻とに戻した百鬼の表情は真に迫るものがあり、真っ直ぐな目で俺を見ていた。

いやはや、どうしたものか………。

 

俺は苦笑して返した。

 

「そんな大したもんじゃないさ。俺はただがむしゃらに生きてきただけだ。もし、俺のことを強いと思うなら、それは俺に仲間がいたからだと思う。俺一人じゃ、多分、とっくの昔に尽きていたさ」

 

「………そうですか。いえ、そうだからこそ、兵藤先輩は大勢の人から、それこそ神からも認められる存在なんだと思います。俺、あなたに教わりたいことが山ほどあるんです。もし何かあったら、言ってください。俺もあなた方の力になりますので。アジュカさんも許してくれるとは思います」

 

うーむ、黄龍は俺に何か特別な想いでも抱いてるみたいだな。

まぁ、目標にしてるとは言っていたし、自分で言ってしまうのもあれだが、俺に憧れに近いものをもっているとか?

 

ゼノヴィアがクスリと笑いながら言う。

 

「黄龍はずっとイッセーに会いたがっていたんだ。まぁ、私が紹介すると言っておきながら、忘れていたせいで遅くなってしまったが。黄龍、この書類をここに持ってきたのはイッセーに会うためでもあったんだろう?」

 

「あ、いや、それは………」

 

ゼノヴィアの指摘に顔を赤くして、口ごもる黄龍。

どうやら図星のようだ。

こういう反応は年相応かな?

同じく後輩男子のギャスパーとはまた違った感触だ。

 

俺はフッと笑むと左手を差し出した。

 

「ありがとう。俺に何が教えられるかは分からないけど、何でも聞いてくれ。これからよろしく頼むよ」

 

「はい、こちらこそ。よろしくお願いします」

 

俺の手を取り、力強く頷く黄龍。

 

………この手のゴツゴツした感触。

相当に鍛え込んでいるな。

黄龍も相当に修羅場を潜り抜けてきたんだろう。

 

などと考えていると、またまたドアがノックされた。

今度入ってきたのはリアスだった。

 

「イッセーはいるかしら………って、いたわね」

 

「いるけど、どうしたの?」

 

俺が問うと、リアスは頷きこう言った。

 

「あなたにお客さんが来ているの。町の地下まで付き合ってちょうだい。アリスさんとレイヴェルもお願いできるかしら?」

 

話を振られたアリスは自信を指差して聞き返した。

 

「レイヴェルさんは分かるけど、私も必要なの?」

 

「ええ、アリスさんはイッセーの『女王』だもの。会っておいた方が良いと思うの」

 

 

 

 

部活を抜けだした俺はアリス、レイヴェルと共にリアス先導のもと、駒王町の地下に用意されている空間の一つを訪れていた。

空間に辿り着いた俺達を待っていたのは―――――十メートル程のドラゴン。

そのドラゴンはどこか覚えのある風貌をしており、感じる気の質もある人物と似たものだった。

 

ドラゴンは俺を確認すると、深く頭を下げて、ひれ伏した。

 

「お初にお目にかかりまする。某は魔龍星タンニーンが三男ボーヴァと申します」

 

「―――――っ!」

 

ドラゴンの言葉に驚いた。

もしやと思ったが、本当にタンニーンのおっさんの息子だったのか!

いや、アザゼル先生とかからそれとなく息子がいるという話は聞いていたし、姿や気の質も似ていたから、気づいたけども!

でも、タンニーンのおっさんの息子が俺を訊ねてくるとは予想すらしてなかった!

 

おっさんの三男―――――ボーヴァは改めて俺に言う。

 

「赤龍帝、兵藤一誠様にお願いがございまして、この場に参じております。ぜひ、某めをあなたの臣下にしていただきたく、参上つかまつりました!」

 

空間に響くボーヴァの声。

俺は一瞬、思考が止まり、ボーヴァの言葉だけが頭の中で何回もリピートされていた。

 

えーと………え?

え、ちょっと………え?

 

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 臣下ぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

驚愕の声をあげる俺とアリス!

だよね!

驚くよね!

だって、初対面でいきなり臣下にしてくれって言われたんだもの!

 

アリスが俺とボーヴァを交互に見ながら言う。

 

「イッセーの臣下って………。あー、それで私も着いてきた方が良いと。なるほどね」

 

リアスに言われたことを納得したのか、息を吐くアリス。

アリスは俺の『女王』だからな。

こういう眷属全体に関わってきそうな話には着いてくるのが『女王』の役割でもある。

まぁ、『王』と『女王』揃って、まだまだ知識が不足していることもあるので、『僧侶』にしてマネージャーのレイヴェルも同行することが多いんだけどね。

 

隣のレイヴェルが耳打ちしてくる。

 

(………『破壊のボーヴァ』という蔑称がつくほどの冥界では有名な荒くれ者ですわ。ドラゴン達に敬愛される父君タンニーン様のご子息とは思えないほど、素行の悪さで知られています)

 

今度はリアスが耳打ちしてくる。

 

(ただ、タンニーン様のご子息の中では最強とされるのもまた事実よ)

 

『破壊のボーヴァ』、冥界の荒くれ者、元龍王の子供達の中で最強。

これだけ聞くと凄いドラゴンが訪れてきたものだなと認識できる。

 

しかし、おっさんの息子が来るなら、事前におっさんから連絡があっても良いと思うんだけど………おっさんには内緒で来ているのかね?

ここはおっさんに連絡した方が良いような気もするが………どうしたものか。

 

すると、アリスがボーヴァに訊ねた。

 

「臣下というのは、イッセーの眷属になりたいということ? イッセーの駒、あと『騎士』の駒一つしかないけど」

 

眷属かぁぁぁぁ………。

そうなるとかなり考えないといけないから、この場での判断は難しいぞ。

 

アリスの問いにボーヴァは大袈裟に手を振って、答えた。

 

「いいえっ! そのような大それたものではございませぬ! 兵藤一誠様はご眷属を女人で構成されたいという願望をお持ちであられると、某の耳にも入っておりますゆえ、それを望むわけにもいきませぬっ! ただの部下、ただの兵として、お近くにお仕えできれば幸いだと思っておるのですっ!」

 

と、ボーヴァは言うが………。

 

「モーリスが入ってる時点でもうイッセーの願望は崩れてるけどね。まぁ、うちの眷属で最高戦力でもあるけど、あのチートおじさん」

 

「というか、おっさんの場合、俺達の保護者ポジションなんだよなぁ。昔からそうだし」

 

「「ねー」」

 

顔を合わせて声を揃える俺とアリス。

 

悪魔になりたての頃は「上級悪魔になったら、眷属を女の子で固めてやる!」って思ってたけど、いざ上級悪魔になると、昔の仲間ともう一度っていう気持ちが上回ったんだよね。

現に今の眷属は昔の仲間がほとんどだし。

 

とまぁ、この話は置いておいてだ。

今は目の前のドラゴン―――――ボーヴァの対応について考えないといけない。

デカい図体で、纏うオーラもタンニーンのおっさんのものなんだけど………どう見ても緊張してるんだよね。

冥界の荒くれ者とは思えないほどに、それはもうガチガチだ。

緊張しすぎて、体が震えているほどだ。

 

そんな中でボーヴァは更にだめ押しとばかりに言ってきた。

 

「どうか、某めをお側に置いてはくだされませぬか?」

 

………今日は百鬼といい、ボーヴァといい、真っ直ぐに俺を見てくる奴が多いな。

勇者と呼ばれていた頃は色々な感情の視線を向けられていたが、その中には俺に対して憧れを抱いているのも確かにあった。

最初の頃は目の前の現実に必死であまり応えることが出来なかったけど、今はもっと考えられるようになってるはずだ。

 

「なぁ、ボーヴァ」

 

「はっ!」

 

俺が声をかけると、応じるボーヴァ。

俺は腕を組んで、少しの間、瞑目した後に口を開いた。

 

「まぁ、正直なところ、俺はボーヴァのことを知らないし、ボーヴァも普段の俺のことは知らないだろう。だから、臣下云々は少しの間、保留にしたいと思う。その代わり、見学期間を設けたい」

 

「見学期間、でございますか?」

 

「そうだ。暫くは俺の事務所に通ってもらう。流石に一日中、時間を共にすることは無理だけど、日常の中で互いのことを見極めていく。その方が俺にとっても、ボーヴァにとっても良いだろう」

 

アリスも頷いて言う。

 

「臣下になるってことは、自分の人生を捧げるに等しいわ。だから、あなたも自分の目で見て、イッセーのことをよく知った上で決めてほしいの。私達もあなたのことをよく知った上で仲間にしたい。その方が、将来的により良い関係を築けると思うの」

 

今すぐには臣下にするかどうかは決めない。

お互いのことをよく知った上で話していきたいんだ。

俺に憧れやそれに似た感情を持ってくれているのなら尚更だ。

伝聞や映像の中の俺じゃない、素の俺を知ってもらいたい。

その上で、ボーヴァには判断してほしい。

 

俺の出した答えにボーヴァは―――――涙ぐんでいた。

 

「某のことを真に考えていただけるとは………! 思慮の深さ、懐の深さに感服しました! そのお言葉を頂けただけで、十分ですっ!」

 

な、なんつー大袈裟な。

感涙しちゃってるよ………。

 

この後、今後のことについて少し話した後、ボーヴァは冥界に帰っていった。

よい返事が聞けたと言うことで、最後はメチャクチャ喜んでたけど、なんというか子供っぽい反応だったな。

とにかく、明日からうちの事務所に足を運ぶことになったから、臣下にするかどうかはそれからということで。

 

ボーヴァが帰った後、俺達も戻ろうかとなった時、レイヴェルが呟いた。

 

「先日、モーリス様が仰っていましたわ。本当に魅力のある殿方は男性をも惹き付ける、と」

 

アリスがポンっと手を叩く。

 

「その点、うちの主様は満点ね。男性からモテるもの」

 

「確かに」

 

リアスもうんうんと頷いているが………。

 

「野郎からなんてモテたくねぇよぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

俺の心からの叫びだった。

やっぱり女の子からモテるのが最高なんだよ!

 

 

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