ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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あとがきがメイン


20話 義父VS義息子!

「………ごめんね」

 

「い、いえ………」

 

気まずい空気の中、背を向けて会話する俺達二人。

冷静になった俺達は一旦、戦闘を中止して身なりを整えることになった。

後ろではレイナが、俺が脱がしてしまったズボンを履いていて………。

 

『半脱ぎがポイントだったのだけれど………。いいえ、後ろで生着替えというのも興奮するわね!』

 

うるさいよ、駄女神!

ちょっと黙っててくれませんかね!?

なに、鼻息荒くしてるの!?

 

『そう言いつつ、イッセーもレイナちゃんの太股の感触思い出してるくせに~♪』

 

「イッセー君!?」

 

「してないしてない! 今は申し訳なさで胸一杯です!」

 

『胸………つまり、レイナちゃんのおっぱいね!』

 

「イッセー君、試合中なのよ!?」

 

「もうマジで黙ってろや、駄女神ぃぃぃぃぃぃ!」

 

確かにおっぱいの感触も、太股の感触も何もかも残ってる!

でもね、今はそっとしておいてくれよ!

 

『えー、少し前なら問答無用で洋服崩壊してたでしょ?』

 

それはそれ、これはこれなの!

そういう雰囲気な時ならともかく、結構、真面目な雰囲気だったから申し訳ないの!

俺も真剣にやってたし!

試合開始からシリアス壊し続けてたんだから、あそこはシリアスでいたかった!

 

すると、レイナは指をもじもじさせながら言ってきた。

 

「その………ああいうことは夜にしてくれたら………」

 

夜なら良いんだ!

既に一線越えてるんだし、今更かもしれない。

でも、改めてそういう風に言われるとこっちもその気になっちゃうよぉぉぉぉぉぉぉ!

 

………いや、待て。

落ち着くんだ、俺。

そうだ、深呼吸しよう。

今は試合真っ只中。

多くの人がこの試合を観戦しているんだ。

これ以上、シリアスを壊すわけにはいかない。

もう、シリアスブレイクはお腹一杯のはずなんだ。  

 

レイナとは夜にしよう………!

俺はちょっと夜を想像しながらも心を落ち着かせ、冷静に口を開いた。

 

「よし。レイナ、これからはシリアスに―――――」

 

 

むにゅん

 

 

「ひうっ………!」

 

振り返り様に俺の左手はレイナちゃんのおっぱいを揉んだ。

服の上からだと言うのに伝わる確かな柔らかさ。

 

え………ナニコレ、ヤダコレ。

今、俺、普通に振り返ったよね?

なんで、おっぱい揉んでるの?

 

「やっ、あんっ………い、イッセー………君、そこはぁ………っ」

 

なんで、レイナちゃん悶えてるの?

なんで、左手が勝手に動いてるのぉぉぉぉぉ!?

 

すると、イグニスがテンション高めに叫んだ。

 

『うふふ! ついに会得が近づいてきたわね!』

 

会得!?

おまえ、俺に何かしたのか!?

 

イグニスは無駄に誇るように言う。

 

『意識と肉体を切り離し、無意識に体を任せることによって、どんなスケベ現象も起こしてしまう。そう、これが―――――「ラッキースケベの極意」。略して「ラキスケの極意」!』

 

意味はわからないんですけどぉぉぉぉぉ!

知らない間に、そんな意味不明な極意を会得させられていたの!?

 

『これから経験値を積めば、スキルレベルも上がっていくわ』

 

そんなゲーム感覚で上がるものなの!?

 

ツッコミが止まらない間にも左手はレイナのおっぱいを揉み揉みしている!

 

「あぅ………イッセー君、もう………私………ダメになり、そう………はぅぅ」

 

ダメになる!?

こんなところでダメになっちゃダメだって!

夜にしよう、夜に!

 

俺は慌てて左手を離そうとした―――――その時。

 

 

「なにを………やっているのだ?」

 

 

茂みの奥から聞こえてきた声。

その瞬間、嫌な汗が大量に流れ始めた。

 

ヤバい………ヤヴァいよ、これ。

だって、今の声って間違いなく―――――。

 

振り向くとそこには、静かに雷光を滲ませたバラキエルさんが立っていた。

 

 

 

 

風が静かに草木を揺らす。

耳を澄ませば、遠くの方で戦いの音が聞こえてくる。

そうだ、皆も戦っているんだ。

俺も―――――

 

「帰って………良いかな………?」

 

「ダメでしょ!?」

 

ボソリと呟いた内容にレイナがツッコミを入れる。

 

分かってるんだよ、こんな理由で退散するのはダメだって。

でもね?

目の前にいるバラキエルさんが滅茶苦茶怖いんだ。

ただ静かに睨まれるってさ、激しく攻め立てられるより怖いんだぜ?

このゲームから早く脱して、バラキエルさんの目が届かないところまで逃げてしまいたくもなるよ。

 

バラキエルさんが言う。

 

「こ、このような場所で………女性の………む、胸を揉むなど………どうかと思うのだが。それから、レイナーレ。君ももう少し控えた方が………。いくら恋仲とはいえ、今はレーティングゲーム中。しかも、対戦チームなのだからな」

 

「「は、はい………すいませんでした」」

 

バラキエルさんに言われて、ガクリと頭を垂らす俺達。

ホント、何やってんだろ、俺達。

これは言われても仕方がない。

 

バラキエルさんはレイナに言う。

 

「彼のことは私が引き受ける。君は『オブジェクト』の捜索を続けてくれ」

 

「はい! それじゃあ、イッセー君。このゲーム勝たせてもらうからね!」

 

そう言うなり、レイナは茂みの向こうへと姿を消した。

ここはレイナを追いかけて、妨害したいところだが、そうはいかない。

バラキエルさんがこうして立ちはだかった以上、そこまでの余裕はないしな。

 

軽鎧に身を包み、腕には鈍い銀色のガントレットを装備している。

他に装備は見られないが………。

 

《おおっと! 羨ましい状況から一転して、『王』同士のバトルです!》

 

《これは楽しみですね。彼がね、うちの娘のフィアンセなんです、フィアンセ。ふふふ、赤い羽織が格好いいですね》

 

ジオティクスさん、何を解説してるの!?

といか、これは解説なのか!?

フィアンセ連発しちゃってるよ!

 

内心ツッコミを連発しつつも、俺は腰を落として構えをとった。

バラキエルさんも応じるように構える。

 

堕天使バラキエル。

ロキの時に共闘したが、その実力はとてつもないものだった。

流石はグリゴリの幹部にして、『雷光』の二つ名を持つ歴戦の戦士。

あれから随分と間が空いたが、今のバラキエルさんはあの時よりも力を付けているだろう。

 

バラキエルさんが言う。

 

「鎧は纏わないのかね?」

 

「ええ。使える時間が限られているので。ここぞと言うときに使わせてもらいますよ」

 

「そうか。ならば―――――いくぞ!」

 

言うなり、バラキエルさんは腕に稲光を発生させて、豪快に振るった!

放たれた雷光が凄まじいスピードで迫る!

 

横に飛んで避けるが、外れた雷光は地面に着弾し、破壊する!

地面に大穴が空いた!

こ、これは当たったらマジで死ぬかも………!

 

雷光の威力に旋律しながらも、俺は地面を強く蹴って、間合いを詰める。

 

『Boost!!』

 

同時に籠手を展開して、倍加もスタート。

錬環勁気功を発動、身体中の気を高速循環させて―――――

 

「らぁっ!」

 

気の乗った拳でバラキエルさんを殴り付ける………が、バラキエルさんは片手でそれを受け止めていた。

 

バラキエルさんは言う。

 

「重い一撃だ。君の拳を受けたのは初めてだが、禁手なしにここまでとは………。だが、この程度では私は倒せんぞ、兵藤一誠君。いや―――――義息子よ!」

 

受け止めた手から雷光が発せられる!

俺は瞬時に拳を引いて、それを回避するが………。

 

なんだか、今日は色々なプレッシャーを感じるんだけど。

『フィアンセ』とか『義息子』とかバトルとは別のプレッシャーを感じるんだけど!

これ、下手な試合をしたら「やっぱり娘はやらん!」みたいは展開になったりするのかな!?

 

バラキエルさんなら放たれる雷光と、それとは別のことにことに恐々としながらも俺はバラキエルさんとの肉弾戦に突入していく。

 

バラキエルさんの戦闘スタイルはかなりシンプルだ。

遠距離は雷光を放ち、近距離では雷光を纏い、己の肉体を駆使しての肉弾戦。

鍛え上げられた肉体から放たれる拳は、それだけで凄まじい破壊力を誇る。

やはり、厄介なのは雷光だろう。

悪魔にとって光とは猛毒だが、そもそもの出力が高過ぎため、弱点とか関係なしに触れたら消し炭にされる。

俺は雷光に触れないよう、バラキエルの攻撃を紙一重で避けながら反撃に出ていた。

 

木々の間を駆け巡りながら幾度とぶつかる俺達。

俺は拳や蹴りを主体に、時には気弾を交え、更には木々を利用して縦横無尽に飛び回り、バラキエルさんを攪乱しにかかる。

そんな中でバラキエルさんが訊いてきた。

 

「ところで、朱乃とは最近どうなのだ!」

 

「ふぁ!? なんですか、いきなり!?」

 

あまりに突然すぎる質問に変な声を出してしまった!

最近どうって訊かれても………俺はどう答えれば良いんだ!?

 

「あれからどこまで進んだのだ!? デートをしているところも見た! 未遂に終わったが、こ、子作りしようとしているところも見た! 先日の昼間から朱乃の、む、胸を揉んでいるところも見た! 学生の内から、そんな淫らなことをするのはどうかと思うが………ま、孫はどうなのだ!?」

 

「子作りを注意したいのか、促進させたいのかどっちなんですか!?」

 

「………ど、どっちもだ!」

 

「どっちも!? ハッキリしてくださいよ!」

 

「父親にそんなことを聞くんじゃない!」

 

「いや、バラキエルさんが訊いてきたんじゃん!」

 

えぇい、なんでこうなる!

というか、バラキエルさんに俺と朱乃が一線越えたこと伝わってなかったのね!

伝わってたら伝わってたで色々と気まずくなりそうだけども!

 

この時、俺は嫌な予感がした。

ここ最近、出番が少なかったあいつが、この話題で出てこない訳がない。

俺の思考がそこへ至った時にはもう遅かった。

 

『イッセーと朱乃ちゃんは○○○(バキューン)とか△△△(ドキューン)とか、挙げ句の果てには×××(チュドーン)するまで至っているわ。心配しなくても、近い将来、孫の顔は見られるわよ、バラキエル君♪』

 

周囲に聞こえる声で、イグニスがとんでもない発言をしやがった!

 

「お、おおおおおおまえ! 何言ってくれてんの!?」

 

嫌な汗を大量に流しながら叫ぶ俺にイグニスは特に詫びる様子もなく言ってきた。

 

『最近、出番少なかったじゃない? やっぱり、私ってこういう時こそ前に出てこないとって。それに皆もこの展開を期待していると思うの。キリッ』

 

「こういう時こそ黙っててくれる!? つーか、皆って誰よ!?」

 

「世界中にいるイグニス教徒。愛とエロの力を信じる人達よ………!』

 

「イグニス教徒、世界中にいねーし! 広めるな! 布教するな! 歴代の先輩達だけで十分じゃぁぁぁぁ!」

 

そもそもイグニス教ってなに!?

なにするところなの!?

今のところ、無駄にシリアスを壊すか、宴会しかしてませんけど!?

アセムの腹筋崩壊させただけですけど!?

 

突然わいてきた駄女神にツッコミの嵐を浴びせていると、バラキエルさんが震えた声を出した。

 

「そ、そんなふしだらなことになっていたのか………! まさか、◇◇◇(アハーン)とか☆☆☆(ウフーン)に加えて◎◎◎(イヤーン)までしていただなんて………!」

 

「いや、うちの駄女神もそこまでえげつないこと言ってないんですけど。俺達、そんなプレイしてないんですけど」

 

何言ってるの、この人。

俺と朱乃がどんなことになってると思ってるの。

 

バラキエルさんはワナワナと肩を震わせ、全身にかつてないオーラをたぎらせた。

バラキエルさんの上空に暗雲が立ち込め、雷が光る。

雷雲をバックにバラキエルさんは目に強すぎる炎を宿しながら言ってきた。

 

「………孫が見られそうなのは良いとしよう」

 

あ、いいんですね。

じゃあ、ここまで引っ張らなくても良かったんじゃ………。

 

「そうと決まれば、名前を考えなければならん!」

 

「早すぎるでしょ!?」

 

「私は男の子だろうと、女の子だろうとどちらでも構わん!」

 

「人の話聞いてます!?」

 

「いや………その前に色々と試さねばならないな!」

 

「試すってなにを!?」

 

ツッコミすら出来ない程にバラキエルさんは猛烈な攻撃を浴びせてくる!

一撃一撃がシャレにならない威力!

 

俺は錬環勁気功のギアを上げて、猛スピードで駆け抜ける。

雷光を避け、懐に潜り、気を乗せた拳で殴りかかった。

幾度も拳を交えながら、移動していると、不意にバラキエルさんが距離を取った。

そして―――――バラキエルさんから特大の雷光が飛ばされてきた!

俺は大きく上に飛んで回避すると同時に、籠手の能力で高めていた力を解放する!

 

『Explosion!!』

 

身に纏うオーラが爆発的に膨れ上がる。

右腕に気を集中させると、ジェット機のような甲高い音が鳴り響き、

 

「アグニッ!」

 

右腕から赤い光の奔流が放たれた―――――

 

 




~あとがきミニストーリー~

イグニス&アセム「「デュエル!」」

イッセー「なにか始まった!?」

アセム「僕のターン! ドロー!」

イッセー「えっ、なにこれ!? カードゲームしてる!? カードゲームしてるの!?」

アセム「『可哀想な騎士・木場(ツッコマナイト)』をボケ表示で召喚!」

木場「アハハ………ツッコミなんて、もう………」

イッセー「なんで召喚されてるの!? つーか、ボケ表示というより、壊れ表示じゃねーか! しっかりしろ、木場ぁぁぁぁぁぁ!」

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