ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ 作:ヴァルナル
今年から社会人ということで、中々書く時間を取れませんが、ボチボチのスピードでこれからも投稿していきます。
では、記念すべき(?)社会人になったヴァルナルの一話目をどーぞ!(笑)
※久し振りに書いたので異世界帰りの雰囲気が出てないかもしれません。
これからリハビリしていきます~
1話 疲れた時は寝ろ!
[木場 side]
《さぁ、色々な意味で注目を浴びている『異世界帰りの赤龍帝』チームの一戦! 果たして、彼らの滅茶苦茶な戦いを止められる者はいるのでしょうか! というか、そろそろ止めてくれないと苦情が来るので、本当に止めてください! お願いします!》
『おい、司会! ゲームの時くらい、平等なアナウンスしろよ! そんなに俺らのゲームは不満か!?』
《うるせぇよ! だったら、もう少し真面目にゲームしろよ、このシリアスブレイカー集団!》
などとテレビの向こうで言い合いをするゲームの司会とイッセー君。
そう、これからイッセー君達のレーティングゲームが始まるんだ。
………始まる前からゴタゴタしてるけど。
リアス姉さんが額に手を当てて深くため息を吐いた。
「イッセーったら………」
「アハハ……」
いや、もう僕達は経験済みだし、既に手遅れかもしれない。
だけどね、イッセー君。
この大会が始まってから君達のハチャメチャっぷりに磨きがかかっていると思うのは気のせいかな?
あまりに奇抜過ぎるバトルで専門家達を引かせているのは気のせいかな?
気のせいじゃないよね?
切実に願う程のことじゃないけど、それでも、真面目な視聴者の想いの数パーセントは受け取ってくれても良いと思うんだ。
ロスヴァイセさんが苦笑して言う。
「まぁ、今回の対戦相手はヴァルハラの英霊とヴァルキリーのチームです。いくらイッセー君達でもそう簡単にはいかないと思いますよ?」
今回の相手はヴァルハラの猛者が集まるチーム。
神クラスは在籍していないけど、確かな実力を持ったチームであることは間違いない。
その証拠に相手のチームも、これまでのゲームで全勝している。
しかし………
「ロスヴァイセさん、それはフラグだと思います」
「えっ!?」
小猫ちゃんの呟きに僕はそっと目を閉じた。
うん、分かってる。
彼らに常識なんて通用しないことくらい。
妹大好きおっぱいドラゴン
ツンデレ女王
ブラコンシスコン妹
チートおじさん
狙い打ちたがりスナイパー
夜のマネージャー
ロリコンメイド長
ムッツリ事務員
シスコン製造機
これだけのメンバー。
何か起こらない訳がないんだ。
というか既に荒ぶっている人もいて―――――
『よぅし、あの「僧侶」は私がやるわ!』
『アリスさん、落ち着こう? 一旦落ち着こう? ね?』
ゲームフィールドに転移する前からターゲットに狙いを定めるアリスさん。
狙われている『僧侶』枠のヴァルキリーの女性はもう涙目なので止めてあげてください。
ゲームフィールドだが、今回は海上。
広大な海のフィールドには大小様々な形の島が幾つも点在している。
対戦する両チームは東西の最も端にある島にそれぞれ転移しており、そこが彼らの陣地となる。
リアス姉さんが言う。
「移動する時が危険ね」
見たところ島と島の間には障害物が少ない。
島を移るときに狙い撃ちされる可能性もあるだろう。
「狙い撃ちと言えばリーシャさんの独壇場になりそうだけど、相手もそれを理解しているはず。何かしらの対策はしているでしょうね。イッセーはこれをどうやって………えっ?」
「えっ?」
リアス姉さんの呆気に取られた声につられて声を漏らす僕。
改めてテレビに視線を戻すと、そこには僕達の理解を遥かに超えた物が映っていた。
そして、僕達は全く同じ疑問を浮かべた。
―――――なに、あのカタパルトデッキみたいなやつ
いつの間にか、イッセー君の陣営に設置されていた黒く輝く長大な装置。
形状はアニメでよくロボットが射出されるカタパルトデッキに良く似ている。
中央にはレールが敷かれており、幅は人が一人立てるくらいだろうか。
更にレールに足を置くための土台のようなものがあって………。
レイナさんが口を開く。
「ねぇ、なんでモーリスさんが乗ってるの? ねぇ、なんで腰を屈めてるの?」
ゼノヴィアが冷や汗を流しながら、震えた声で言う。
「い、いや、流石に無いんじゃないか? だって、そうだろう? もしそうなら、地獄絵図になるぞ」
しかし、とイリナがゼノヴィアに返す。
「でも、ゼノヴィア。あれってそうよね? や、やっぱりそうなのよね?」
「ぼ、僕は無理ですぅ! こんなの見ていられません!」
涙を流すギャスパー君。
ギャスパー君、僕も同じ気持ちだよ。
この後の展開が読めてしまうだけに、もうテレビを切ってしまいたくなる。
「私はあの方達のために祈ります! アーメン!」
目を開いて現実と向き合うアーシアさん。
なんて強い心の持ち主なんだ!
そうだね、アーシアさん。
これは紛れもなく現実。
逃げるわけにはいかない。
僕達にはその義務(?)がある!
アリスさんが白雷をレールに走らせる。
リーシャさんが望遠の魔術を使って、レールの向きを調整した。
美羽さんが風の魔法を起こして―――――
『オールグリーン。発進どうぞ』
『モーリス・ノア、行ってくるぜぇぇぇぇぇぇ!』
無慈悲とも思えるイッセー君の合図によって、チートおじさんが射出された。
そう、相手チームがいる島に向かって―――――
[木場 side]
▽
「ねぇ、なんで皆して泣いてるの? ねぇ、なんで勝ってきたのに誰もハイタッチしてくれないの?」
勝利と共に帰ってきたはずの俺達を迎えたのは………なぜか涙ぐんでるリアス達だった。
俺達の勝利が嬉しくて泣いてる感じじゃないよね?
どっちかと言うと『おまえら、何をしたのか分かっているのか?』って訴えてくる目をしてるもの。
目元を赤くした木場が俺の両肩に手を置いてきた。
強く置かれた両手は震えていて、
「………君は、彼らにあんなことを………!」
「落ち着け、木場。俺はルールに従い、正々堂々、スポーツマンシップに乗っ取って戦っただけだ。俺達は悪くない………はず」
「はずって言った! はずって言ったよ! イッセー君! 君は彼らがどれほどのトラウマを刻まれたのか理解しているのか!?」
「おおぅ!? お、落ち着け、木場ぁ!」
なんか号泣しながら体揺らしてくるんですけど!
ちょっと苦しいからやめて!
落ち着こうか、イケメン王子!
た、確かに非情な作戦だったかもしれない。
ゲーム終わった後で見に行ったら、相手チームの皆さん、廃人みたいになってたしな。
真っ白に燃え尽きてたもんな。
ロセが聞いてくる。
「あれは何なのですか?」
あれとは俺達がゲームで使った装置のことを言っているのだろう。
その質問にはリーシャが答えた。
「あれは型式番号SK-01風魔電磁式強襲用無双叔父様射出装置。通称おっさんカタパルト。モーリスを相手に向けて発射する装置です」
「すいません、理解が追い付かないのですが。というか、名前長すぎませんか? 型式番号なんてあるのですか?」
「口頭では分かりにくいので図を書いて説明しましょう。まず、あれの原動力はアリスの白雷で作り出した電磁力です。その力でデッキを高速で動かし、モーリスを射出します。私の望遠魔術を使いレールの向きを合わせることで正確な方角に放つことが出来るのです。更には美羽さんの風の魔法で気流を整えることで、横風によるズレを無くす他、空気抵抗を抑えて―――――」
「いえ、そういうことを聞きたいのではなくて………」
「あっ、材質ですね? まずメインとなるフレームにはアザゼルさんが趣味で作っているロボットを参考にして―――――」
「そういうことでもないですのですが………」
どこからホワイトボードを取り出して、図で説明するリーシャに戸惑うロセ。
「ちなみに別名はおっさんミサイル、おっさんパトリオットとも言うわ」
「そこは別にどうでも良いんですが!?」
アリスの発言に対し、即座にツッコミを入れる木場。
今日も良いツッコミだ。
美羽が人差し指を立てて言う。
「ちなみに型式番号のSKはシリアスキラーの略だよ」
「確信犯じゃないか! 端からシリアス壊しにきてるよ、この人達!」
「無双戦士叔父ダム!」
「美羽さんのテンションがおかしなことになってる!?」
「昨日、遅くまでダンガム見てたから………」
「試合前日に余裕だね………」
「ちょっと寝不足で反省してます」
「………」
もうツッコミすら出てこないようだ。
あのカタパルトはリーシャが作製したものの一つだ。
レーティングゲームでは市街地から森林、海上と様々な地形が舞台となる。
今回の大会から追加された新しいフィールドも幾つかある。
その中でいかに勝利するか、その作戦の一つがリーシャお手製のアイテムだ。
地形にあったアイテムを作り、展開を有利に進めるつもりでいる。
いくつか用意するつもりだが、当然、全てに活かせるとも思ってないし、使う機会の方が少ないだろう。
「さーて今日も気持ちの良い運動ができたし酒だ酒」
プシュッと泡が弾ける音がしたので、振り返るとモーリスのおっさんが缶ビールを開けてグビグビ飲んでいた。
おっさんの発言に木場が目元をヒクつかせる。
「ヴァルハラの精鋭達と戦って、良い運動って………」
肩を落とす木場に俺は優しく声をかけた。
「なぁ、木場よ。このやり取りもいい加減飽きただろう? 実は俺もなんだ。どうせ、俺がいくらツッコミを入れたところで何も解決しないのはよーく分かった。だから思うんだ。もう良いかなって。俺はただあのチートおじさんを相手に放り込めば、それで」
「諦めた果てがそれなのかい!?」
「うん」
今日使ったおっさんカタパルトだって、最初にリーシャから見せてもらった時は俺もツッコミを入れたんだよ?
でも作ってしまったものはしょうがないし、おっさんも飛ぶ気満々だったんだよ。
それじゃあ、俺はただ黙って見守るしかないじゃないか。
飛んでいくチートおっさんが相手にトラウマを刻んでいくのを。
俺は窓から外を覗き、フッと笑んで一言。
「もう知らね」
「投げないでよ、イッセー君! 君からツッコミを無くしたら何が残ると言うんだ!」
「それはそれで酷いツッコミだな!」
ツッコミが無くても色々残るわ!
おまえには俺がどう見えてるんだ!
すると、レイヴェルが俺の横に並んで窓の外を見た。
「私ももう色々疲れましたわ」
「レイヴェルまでツッコミを放棄したぞ!」
「ああ、もうダメだわ! 主よ! 私達はどうすれば良いのですか!」
後ろで膝をつくゼノヴィアと天に祈るイリナ。
試合が終わっても俺の周りは休むことなぐ賑やかだ。
きっと、次の試合も、その次の試合も、そのまた次の試合でもこんな光景が見られるのだろう。
………どうしてこうなった。
なんか、俺の思い描いていたレーティングゲームと違うんですけど。
レーティングゲームってこんなんだっけ?
強豪やライバルとしのぎを削るそんな場だと思っていたんだけど、俺達が出る度にボケとツッコミの世界に早変わりするんだ。
まぁ、俺も何もないところで転んで、女性選手のおっぱいに顔を埋めたりしてしまっているので、何も言えないんだけどさ。
つーか、それにしたってあの駄女神が俺の中を何やら弄くり回したせいだったよな?
いや、もう考えるの止めよう。
「風呂入って寝るか」
「ですわね」
全てに疲れた俺とレイヴェルが風呂に向かおうとした時だった。
玄関から帰ってきた母さんに声をかけられた。
「イッセー、あんたに会いたいって子が来たんだけど」
そう言う母さんの後ろにはフードを深く被った小柄な人。
その来客はフードを取り払い、その顔を見せていく。
それは見知った吸血鬼の―――――
「あっ、クマさんパンツ!」
俺の後ろからひょっこり顔を出したアリスがそう声に出した。
その言葉に彼女は顔を赤くして、
「エルメンヒルデです! またあなたですか、もう!」
そう、彼女はエルメンヒルデ・カルスタイン。
吸血鬼の貴族、カルスタイン家のお姫様だ。
うん………久し振りの登場なのにこういう扱いになってゴメンね。
エルメンヒルデはコホンっと咳払いした後、一礼して挨拶を述べる。
「ごきげんよう、皆さま。試合を見させていただきました。その上で一つお願いがあります」
言いながら彼女は俺のもとに歩み寄り、その赤い眼でじっと見つめてきた。
そして、エルメンヒルデは真正面から俺に告げていく。
「―――――兵藤一誠様、私をあなたのチームに入れていただけませんか?」
「えっ……?」
思いもよらない言葉は今日一日の疲れを忘れ去るには十分だった。
「あらー、今日はクマさんじゃなくて、大人っぽいパンツじゃない。しかも新品。ウフフ、イッセーに会うから気合い入れてきたのかしら♪」
「な、ななななな何をしてるんですかぁぁぁぁぁぁ!?」
エルメンヒルデのスカートをめくりあげてパンツを覗く駄女神に俺は今日一日の疲れを思い出したのだった。
~あとがきミニストーリー~
イッセー「最近また暑くなったよなー。こうも暑いと喉が渇くよ」
イグニス「仕方ないわね。アーシアちゃん、今出るかしら?」
アーシア「えっ!?」
イッセー「おまえはアーシアになんつー変態プレイをさせようとしてんだぁぁぁぁぁ!」