ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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エヴァ見に行かなきゃ


7話 他人から言われると恥ずかしいことってあるよね

両チームの自己紹介は進んでいった。

兵藤家に訪れた転生天使の紹介は全て終わったが、ジョーカーに四大セラフのA、それ以外の者も相当な実力者ばかりだ。

だが、この場で紹介されたのは一部のメンバーだけだったりする。

 

「他のメンバーも呼べばよかったのに。そのために席も揃えたんだぞ?」

 

俺がそう言うとデュリオが苦笑する。

 

「イッセーどんのお家がいくら広いと言っても、流石に大所帯でお邪魔するわけにはいかないからね。それに、他のチームメンバーも遠慮しちゃって」

 

デュリオが言うには『この面子に比べたら自分達は力不足だ』と今回の顔合わせを辞退したらしい。

 

「彼らも十分強いのよ?」

 

と、イリナもここにいない同僚達をフォローしていた。

 

転生天使に選ばれる者は元々、エクソシストとして名を馳せた猛者ばかりだ。

実力、素質をミカエルさんを初めとする天界のトップに選ばれたんだし、弱いはずがない。

事実、あの次元戦争でも転生天使達は活躍していたしな。

 

まぁ、折角の機会だったので、多くの転生天使と顔見知りになっておきたかったが………。

こうして、これだけのメンバーと一同に顔を合わせることもそうないだろうし。

レイヴェル的には存在が噂されている「もう一人の切り札」―――――エキストラ・ジョーカーの行方が気になって仕方がないようだ。

デュリオのチームには所属していないようだが………。

 

茶を啜りながら、モーリスのおっさんが言う。

 

「そいつらも謙虚だねぇ。ま、ここに並ぶメンバーと比べちゃあ、そういう感想になっちまうのかね? どいつもこいつもバカみたいに強い奴らばかりだしな」

 

 

――――――あんたが言うな、このチートおじさんが!

 

 

この時、おっさん以外の心は一つになったそうな。

 

だが、おっさんの言うこともまた事実でもある。

ここに集うメンバーなら、最上級悪魔とその眷属を含めて真っ向から倒せる戦力だ。

並の上級悪魔では歯が立たない、時代が時代なら冥界に攻め込むのかってレベルの顔ぶれなのだろう。

 

天使側の紹介が終わったところで、デュリオが言う。

 

「とまぁ、こんな感じかな。遅れてるメンバーが来るまでは歓談といくかい?」

 

「そうだな」

 

そこからはわりと穏やかな時間が続いた。

俺のチームはアリスをはじめとしてのほほんと過ごしている。

試合で戦う相手とはいえ、仲間であることには変わりないので、最初からピリピリしたムードを作る気はないんだ。

 

「ねぇねぇ、ミラナさんって何か好きな歌とかある?」

 

「あ、私は―――――」

 

美羽なんて初対面の相手にメチャクチャフレンドリーに話してるしね。

そんな感じで和気藹々と話が進んでいくなかで、ドアがノックされる。

 

「イッセー、遅れてきたっていうお客さんを連れてきたわよ?」

 

母さんがドア越しにそう言ってきた。

例の監督だろう。

ドアが開けられ、その人物達が顔を見せた―――――

 

「これは失礼。日本の地理には疎いものでね」

 

その人は最上級悪魔だった。

銀髪に正装という格好で、欧州の顔立ち、見た目も二十代後半と若い男性だった。

暗緑色の瞳からは底の知れ無さを感じさせる。

男性は薄く笑みを浮かべて、挨拶した。

 

「はじめまして、『異世界帰りの赤龍帝』チームの皆さん。私は『天界の切り札』チームの監督をしております―――――リュディガー・ローゼンクロイツという者です。今後ともよしなに」

 

リュディガー・ローゼンクロイツ。

人間からの転生悪魔にして、最上級悪魔の一人。

レーティングゲームでも活躍し、上位ランカー―――――7位をキープしている。

悪魔として、レーティングゲームのプレイヤーとしても超一流の人物。

そして、この人がデュリオ達のチーム監督だ。

この人とはバアル戦で審判役を勤めてもらって以来になるが………。

 

いやはや、まさかこういう形で再会するとはね。

彼がデュリオ達の監督をするという話を耳にしたときは流石に驚いたよ。

というか、冥界メディアでも大騒ぎしてたし。

 

俺は立ち上がり、挨拶をする。

 

「『異世界帰りの赤龍帝』チームの『王』、兵藤一誠です。こうして直接お話しできて光栄です」

 

「こちらこそ。バアル戦では見事な試合を見させてもらったよ。私としても良い刺激になった」

 

そう言って、俺達は互いに握手を交わす。

こうして面と向かってリュディガーさんに色々と感じるところはある。

………が、その前にもう一人の客人にも挨拶をしなければならない。

 

リュディガーさんと共に入室してきた祭服姿の老人。

二メートルはあろう背丈、太い首、分厚い豪腕。

 

「ようこそ、兵藤家へ―――――ストラーダ猊下」

 

そう、リュディガーさんと共に入室してきたのはヴァスコ・ストラーダ!

最強のデュランダル使いにして、モーリスのおっさんと共にトライヘキサを取り込んだアセムと真っ向からやり合った怪物!

 

俺はひきつりそうな顔を何とか抑えながら、デュリオに言う。

 

「遅れてくるメンバーって言ってたけどさぁ………これは先に言ってくれても良いんじゃねーの?」

 

「ハハハ、びっくりした?」

 

「するわ!」

 

一瞬、心臓止まりかけただろうが!

マジで!?

マジでなの!?

ストラーダの爺さん、デュリオのチームに入ってたの!?

俺、全然知らなかったんですけど!

 

見てみろ、うちのレイヴェルちゃんの顔!

目が点になってるだろうが!

あのレイヴェルですら、思考止まってるだろうが!

 

ストラーダの爺さんがにこやかに笑いながら俺に話しかけてくる。

 

「あの戦い以来だが、元気そうでなによりだ、赤龍帝ボーイ」

 

「さっき、また寿命が縮むかと思いましたけどね………?」

 

「フフフ、君なら死しても復活しそうな気もするがね」

 

ま、まぁ、身に覚えはありますけど。

 

デュリオの両隣に座っていたメンバーが立ち上がり、リュディガーさんとストラーダの爺さんに席を譲る。

俺も席に戻ると、盛大にため息を吐いた。

 

「いやいやいや、リュディガーさんが監督でストラーダの爺さんがメンバーって………鬼か!?」

 

「んにゃ、天使だよ?」

 

などと返してくるデュリオ。

 

ストラーダの爺さんが来たのは驚いたが、教会の大物で、デュリオ達の師でもある。

弟子達と大会に出場したとしてもなんらおかしな話でもない。

どちらかと言うと、組み合わせ的にリュディガーさんの方が意外すぎるだろう。

 

レイヴェルが言う。

 

「ストラーダ猊下はともかく、リュディガー様がそちらのチームの監督をすることになるとは………」

 

冥界メディアの意見をそのままのことをレイヴェルが口にする。

その通りで、冥界の悪魔にとって、あのリュディガー・ローゼンクロイツが選手としてではなく、監督として参加するとは―――――と、未だに大会の注目の的になっている。

 

これにリュディガーさんが軽く笑む。

 

「ふふふ、まぁ、偶然と言うか、不思議な巡り合わせでね。彼らと私のゴールが一致したため、今回の大会で手を組むことになった。まぁ、何はともかく、ひとつお手柔らかに頼むよ、兵藤一誠君」

 

「それはこちらの台詞ですよ」

 

微笑むリュディガーさんに俺も笑みを浮かべて返すが………。

この人と目を合わせているとどうにも内側を見透かされているような気がしてならない。

なにせ、この人の二つ名は―――――。

 

などと考えていると、モーリスのおっさんが茶菓子を摘まみながら言ってきた。

 

「よう、イッセー。二人に茶をだしてやれや。客人に何もなしってのは失礼なもんだぜ?」

 

「そうですわね。ケーキを焼いてありますので、それをお持ちしましょう。あと、お茶のおかわりも」

 

それに反応して美羽が立ち上がった。

 

「じゃあ、ボクが言ってくるよ。下からお茶とケーキを持ってくるね」

 

「ねぇね、私も行く」

 

「あ、私も手伝うわ!」

 

美羽とサラに続き、転生天使チームのイリナも一緒に下に行ってしまった。

 

リュディガーさんは俺達のチームの顔ぶれを一人ずつ確認していき―――――モーリスのおっさんと目を合わせた。

じっと、おっさんを見るリュディガーさんに、おっさんが言う。

 

「どした? 俺の顔に何かついてるかい?」

 

「失礼。いえ、聞いていた以上に自由な方のようだ。試合では楽しんでおられるようで」

 

「そりゃあ、祭りなんだ。楽しまなきゃ損だろう?」

 

「フフフ、それはそうだ」

 

飄々と返すおっさんにリュディガーさんは面白そうに笑みを浮かべた。

うちのチートおじさんと言葉を交わして、この人は何を思ったのだろう?

 

おっさんがストラーダの爺さんに視線を移す。

 

「まさか、あんたが出てくるとは………いや、こいつは当然と言うべきか?」

 

おっさんの言葉にストラーダの爺さんが言う。

 

「あの戦い、そして此度の大会で、血がたぎってきたのだ。一人の戦士として存分に力を振るえる。世界中の強者と、まだ見ぬ強者としのぎを削れる。フフフ、私にもまだまだこのような熱が残っていたらしい」

 

「ああ、この大会でたぎらなきゃ嘘だろう? 良いじゃねぇか。お互い良い歳だが、弟子と共に踊るのも楽しいもんだ」

 

「全くですな」

 

そう言って、笑いあう二人。

 

こ、この二人が試合でぶつかったらどうなるんだ………?

アセムと戦っていた時、ストラーダの爺さんは若返りの薬を使い、全盛期の姿となっていたが、異次元の強さだった。

『この世界、最強の剣士は誰か』と問われれば、間違いなくこの人の名が挙がるだろう。

そして、モーリスのおっさんもまたアスト・アーデ最強の剣士。

異なる世界の最強と最強………想像するだけで身震いしてしまう。

 

すると、ふいにリュディガーさんが俺に尋ねてきた。

 

「兵藤一誠君、体の調子はどうだろうか? まだ回復しきれていないと聞いているが」

 

こちらの心配をしてくれている………というよりは探られてるなこりゃ。

顔には出していないが、今の質問にレイヴェルが手をぎゅっと握っていた。

 

俺はティーカップに口をつけた後、その問いに答えた。

 

「ぼちぼちってところです。情報もある程度出回っていると思うんで、正直に言いますが、禁手も長時間使えなくなってます」

 

「そうか。君にはこの世界を救ってもらった。感謝してもしきれないだろうが、君の回復を願っている」

 

「ありがとうございます」

 

流したつもりではあるが、今のやりとりで何を感じ、何を思ったのか気になるところだな。

 

美羽とサラ、イリナが戻り、全員にお茶のおかわりとリュディガーさんとストラーダの爺さんにケーキを配る。

三人が戻り、改めて全員が揃うとリュディガーさんは美羽とサラに話しかけた。

 

「確か、二人は兵藤一誠君の義理の妹さんだったね。美羽さんが彼と仲睦まじいことはよく耳にするが、やはりサラさんもお兄さんとはが良いのかな?」

 

「サラもお兄ちゃんと仲良しですよ。ね、サラちゃん」

 

美羽の言葉にコクリと頷くサラ。

二人の反応にリュディガーさんも微笑みを浮かべた。

 

「それは何より。ところで、サラさんは高校にご入学されたとのことだが、学校にはもう慣れたのかな? クラスには馴染めそうだろうか」

 

「ああ………いえ、最近は友人も増えました。にぃ………兄と姉、それからルフェイのおかげです」

 

サラの返答にリュディガーさんは頷いた。

 

「そうか。学校という場は学問を学ぶことも大事だが、友人を作ることも大切だ。特に今という時は一度過ぎれば戻っては来ないからね。これまで学べなかったことを今の学校で学んでほしい。といっても、無理は禁物だがね」

 

これまで学べなかったこと、か………。

よく調べているな。

今の口ぶり、サラの過去を調べたということか?

しかも、学園でのサラの様子も知っている………?

 

「………」

 

ふとおっさんの方を見ると、横目でリュディガーさんを見ながら茶菓子をつまんでいた。

リュディガーさんの言葉、挙動に何かを感じているようだが、特に口を出す様子はない。

リーシャも同様だ。

 

アリスが言う。

 

「サラちゃんのこと、よく調べているみたいね。その様子だと私のこともかなり詳しそうね」

 

アリスの問いにリュディガーさんは朗らかな笑みで返す。          

 

「ええ、それなりに。アリスさんは料理が上達してきたらしいが、今でも兵藤一誠君とお弁当を作ったりしているのかな?」

 

そんなことまで知ってるの、この人!?

いや、確かにアリスの料理も上達してきたし、朝から弁当を一緒に作ったりしてるけど!

俺達のプライベート丸裸にされてない!?

 

冥界のメディアとかに情報流してないよね!?

『激写! おっぱいドラゴンのプライベート映像!』みたいなことになりませんよね、リュディガーさん!?

 

流石のアリスも今のカウンターは予想外だったらしく、顔を赤くしてしまっていた。

 

「わ、私は別に、その………ま、まぁ、料理は前よりも上手になってきたけど………」

 

可愛い反応を見せるアリスにリュディガーさんが追い討ちをかけにくる。

 

「アリスさんは陰で努力するタイプなのだろう。将来、良い奥方になりそうだ。兵藤一誠君と君ならば、楽しいご家庭を築けるだろうね」

 

「「はぅあっ!?」」

 

俺の方にも飛んできたよ!

 

なんか、メッッッッチャ恥ずかしい!

アリスは俺のお嫁さんだし、イチャイチャしたりしてるけど、こういう風に予想外の人から言われると顔が熱くなって仕方がない!

 

どうしよう、リュディガーさんの顔が見れねぇ!

だって、すっごく良い笑顔なんだもの!

 

「ハハハハハ! 随分、ピュアな反応するじゃねぇの、お二人さんよ。普段からあんだけイチャコラしといて今更かよ?」

 

うるさいよ、おっさん!

チートおじさんは黙って茶でも啜ってろい!

あんたまで茶化しにくるんじゃないよ!

 

リュディガーさんがおっさんに問いかける。

 

「お二人は長い付き合いのようだが、昔からこういう雰囲気なのかな?」

 

「そうだな………いや、アリスが素直になった分、前よりイチャイチャしているさ。昔、寝ているイッセーにアリスがキス―――――」

 

「いやぁぁぁぁぁぁ! モーリス、あんた何言っちゃってくれてんの!? つーか、なんでそのこと知ってるのよ!?」

 

「ちょっと待って! 昔、アリスが寝てる俺に何しようとしたって!? そこ詳しく! もっと詳しく!」

 

「あんたは黙ってて!」

 

「ぶべらっ!?」

 

その後、顔合わせそっちのけでギャーギャーと騒ぐ俺達に、デュリオだけでなくリュディガーさんまで爆笑していたのはまた別の話だったりする。

 

 

 




~あとがきミニ~

イグニス「イキなさい、イッセー! 誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!」

イッセー「言う人が違うだけで卑猥に聞こえるんですけど!?」

イグニス「敏感なイグニスお姉さんだゾ☆」

イッセー「頭に『流行に』をつけてくれる!? 意味変わってくるから!」

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