ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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11話 新しいチームメンバーです!

ヴァーリ達と釣りをしてから二日ほど経った日のことだった。

授業が終わり、放課後。

俺達はレイヴェルが焼いてくれたクッキーを食べながら、部室でまったりと過ごしている。 

 

「美味い。レイヴェルのクッキーはいつも美味いよな。いくらでも食えるよ」

 

そう言う俺。

ほどよい甘さだし、プレーンのものからチョコレート、紅茶のクッキーと幅の広いバリエーション。

ただ美味いだけじゃなくて飽きが来ないってところが凄いところだ。

 

俺のコメントに美羽が頷く。

 

「うんうん。ボクも作ってみたけど、ここまで上手くはできないもん。流石はレイヴェルさん」

 

「そう言っていただけると、作り甲斐がありますわ」

 

俺達に誉められ、微笑むレイヴェル。

すると、俺の隣から皿に盛られたクッキーに手を伸ばす者がいた。

 

「ほぅ。こいつは大したもんだ。良い嫁さんになるぜ、レイヴェル」

 

そう言うのはモーリスのおっさんだった。

更に―――――

 

「本当に美味しいです」

 

「レイヴェル様もやりますね」

 

と、リーシャ、ワルキュリアもおっさんに続き、感想を述べていく。

部室には他にもニーナやミニドラゴンと化したボーヴァもいて、部員以外のメンバーがくつろいでいる。

 

実は今、部室にはうちのチームメンバーが全員集合しており、他の部員であるアーシアや木場達には席をはずしてもらっているという状況だ。

その理由はもちろん、大会に関することで、

 

「うちの戦力増強っていうけど、誰が来るんだろうね」

 

美羽がそう訊ねてきた。

 

そう、うちに新しいメンバーが入るかもしれないんだ。

現在のチーム構成では『戦車』の枠が空席になっている。

今のままでも十分すぎる程の戦力があると言われるだろうが、空席を遊ばせるのは勿体無い。

それに今後、神クラスのチームと相対することを考えると少しでも戦力を増やしておきたいんだ。

 

部室で待っていると、まずは厚手の服装のエルメンヒルデが到着する。

彼女もうちのチームメンバー候補なので、集まってもらったんだ。

まだ日が昇っているので、エルメンヒルデはフードを深く被っている。

 

それから少し待っていると、部室に三人ほどが入ってきた。

一人は新生徒会役員である百鬼勾陳黄龍だ。

五大宗家筆頭百鬼家の次期当主。

快活そうな雰囲気を持つ駒王学園の二年生男子だ。

百鬼が挨拶する。

 

「兵藤先輩に皆さん、お邪魔します」

 

「お疲れ、百鬼。それとミラーカさんも」

 

俺は百鬼とその隣に立つ女子生徒に声をかけた。

彼女は全身を覆うほどの厚着と、フードを深く被っており、エルメンヒルデのような格好をしていた。

ただ、瓶底のようなメガネ、首にまいたマフラー、スカートの下にジャージ、更には両手に手袋という、徹底的に肌の露出を避けた服装で、エルメンヒルデ以上の完全防備だ。

 

この厚着の女子は百鬼同様、新生徒会役員である二年女子のミラーカ・ヴォルデンベルグさん。

実は彼女、純血の吸血鬼であり、カーミラ派の主柱を担うヴォルデンベルグ家のお姫さまだという!

初めて聞いた時は流石に驚いたよ。

前々から俺達以外にも異形の存在がいることは分かっていたけど、まさかのお姫さまだもの!

つーか、この学園、お姫様だとか元女王だとか貴族多くない!?

アリスと美羽に関しては俺が連れ帰ったんだけども!

 

彼女が厚着をしているのは吸血鬼だからだ。

彼女もエルメンヒルデ同様、デイライトウォーカーではないため、日中の活動がしんどいらしい。

 

聞けば、彼女は百鬼と共にアジュカさんが取り仕切る『ゲーム』に参加しており、謎とされている残りの神滅具―――――「蒼き革新の箱庭」と「究極の羯磨」を調査しているという。

 

厚着の女子―――――ミラーカさんがエルメンヒルデを確認するなり、飛び付いた。

 

「エルメだ!」

 

飛び付かれたエルメンヒルデはミラーカさんの行動に驚くが、面識はあるようだ。

 

「ミ、ミラーカ? こ、こんなとろに何をしにきたのよ?」

 

エルメンヒルデがそう訊ねると、ミラーカさんは少し離れて不思議そうする。

 

「あれ? 私が駒王学園に通ってるって、母国から連絡来てるよね?」

 

「それは知っているわ。そういうことではなくて、ここは兵藤一誠様のチームが会合される場よ? 見学?」

 

「そんなところかな? 私はついでで、先輩達に用があるのはこっちの人達」

 

そう言ってミラーカさんが指差したのは百鬼と―――――綺麗な青髪のお姉さん。

その人はこっちに手を振ってくる。

 

「最近、会ってなかったが元気そうだな、イッセー」

 

「まぁ、ボチボチやってるよ、ティア」

 

百鬼、ミラーカさんと続き、最後の一人はティアだった!

久し振りの登場ですね、ティア姉!

なんかしばらく見てなかった気がするよ!

 

そんなことを思った瞬間、ティア姉はこっちにツカツカ歩いてくると―――――俺の頬を掴んで引っ張ってきた!

 

「それは! おまえが! 私を! 呼ばないからだろう!? いったい、いつぶりの登場だと思っているんだ!? 一応、私はおまえの使い魔なのだぞ!? その設定、忘れてないか!?」

 

「イダダダダダ! ちょ、ティア姉、力強すぎ!? わ、悪かったよ! こっちも大会とか色々あったし………ほら、そっちもアジュカさんの手伝いもあったじゃん!? つーか、心を読まれた!?」

 

「四六時中手伝ってるわけないだろ! 暇な時はとことん暇なんだよ! あと、おまえが心を読まれるのはいつものこと!」

 

「マジでプライベートないな、俺!? って、ギャァァァァァァァァ! ほっぺが! ほっぺがちぎれるぅぅぅぅぅぅぅぅ! 誰か! ヘェェェェェルプゥゥゥゥゥゥ!」

 

悲鳴をあげる俺!

だって龍王に頬を引っ張っられてるんだもの!

悲鳴ぐらいあげるよ!

 

美羽が宥めるように言う。

 

「まぁまぁ、ティアさんも落ち着いて。出番が少ないのはいつものことだし、ね?」

 

「そういえば、使い魔的なことってあんまりしてなかったような……」

 

「それはフォローしているつもりか!?」

 

美羽に続いて漏らしたアリスの言葉を聞いて、頬を引っ張る力が強くなる!

これ以上、ティアを荒立てないで!

被害受けるの俺だから!

 

「えぇい! お姉さんはもう怒ったぞ!」

 

ティアは涙目になりながら言うと、俺を後ろから羽交い締めにしてきた!

なんだ!?

何をするつもりだ!?

 

「おまえがそんなことを言うのなら、こっちにだって考えがある!」

 

「俺、何も言ってませんけど!? なにするつもり!?」

 

「こうなったら、おまえをチビッ子化させて永遠に養ってやる! 一生を私の抱き枕として過ごすがいいわ!」

 

「………」

 

ティアに言われて、ふむと考える俺。

 

チビッ子化は嫌だが、どうだろう。

スタイル抜群のお姉さんに養われ、寝るときは抱き枕にされる。

恐らく、おっぱいに顔を埋めながら眠ることになるだろう。

ティア姉のことだ、きっと俺を甘えさせてくれるはずだ。

………それはもはやご褒美ではないだろうか?

チビッ子化というマイナスはあるが、余裕でプラスになる。

 

思考がそこへ辿り着いた時、俺は顔をあげた。

 

「俺、ティア姉に養ってもらうことにする」

 

「お兄ちゃん!? 凄く良い顔してるけど、言ってることはダメな人のそれだからね!?」

 

「私はヒモになりたい」

 

「それ、貝の間違いだよね!?」

 

「私は貝ヒモが食べたい」

 

「いや、それもうおつまみ食べたいって言ってるだけ!」

 

「貝ヒモ美味いよね」

 

そんななんの脈絡もないボケをする俺とツッコミをする美羽だった。

 

百鬼はなんとも言えないといった表情を浮かべている。

 

「………ティアさん、兵藤先輩達といる時ってこんな感じなんですね」

 

「こんなとはなんだ、こんなとは」

 

抗議の声と共に百鬼を小突くティア。

その様子を見て、俺は百鬼に訊ねた。

 

「百鬼とティアって知り合いなのか? アジュカさん繋がり?」

 

「そんなところです。今回の話もティアさんから言われて………」

 

ティアに視線を送る百鬼。

 

今回の戦力増強の話、元々はティアから提案されたものだったりする。

前々からの知り合いみたいだし、ティアも百鬼の実力を評価しているからこその提案だったんだろう。

 

ティアは百鬼を指差して言ってきた。

 

「おまえのチームも空席があるだろう? 私が入っても良いが、これでも大会の運営側なんだ。流石にそれは不味いだろう。そこで、リュータを空席に放り込んでやろうかなと」

 

「と、まぁ、そういうことみたいなんです。………俺もティアさんには借りがたくさんありまして………頼まれたら断れない身の上なんです」

 

ガックリと肩を落とす百鬼。

龍王に借りって………いったい何があったんだか。

 

すると、ティアはニヤリと笑みを浮かべた。

 

「ほう? 嫌なら良いんだぞ? 他にもアテはあるからな。そもそも、リュータが『あのイッセー先輩のチームに入れたら、どれだけ光栄なことか!』とか言っていたから、私は―――――」

 

「ごめんなさいごめんなさい! 嘘です嘘! それ以上は恥ずかしいんでやめてください!」

 

「素直でよろしい」

 

ハハハ………。

百鬼が俺を尊敬してくれているのは知っているけど、そこまで言われるとこそばゆいな。

 

「リュータってのは百鬼のあだ名なのか?」

 

なんとなく気になった俺は本人に訊いてみた。

 

「………いえ、俺の本名『竜太』です。『黄龍』を継承する前の。ティアさん的にはそっちの響きの方が良いらしくて、そう呼ばれてます」

 

なるほどね。

『黄龍』ってのは家が司っている霊獣を継承した時に名乗るものってことか。

 

美羽が言う。

 

「リュータにコーチン………百鬼君の名前はいっぱいあるね」

 

「古いしきたりを持つ家に生まれた者の宿命ってやつです。好きなように呼んでください」

 

じゃあ、俺は『百鬼』でいっか。

一番呼びやすいし。

 

名前の呼び方は各自に任せるとして、話を本題に戻すか。

 

「百鬼のチーム入りだけど、ティアの推薦なら俺は良いと思うが………レイヴェルはどうだ?」

 

龍王のオススメなら実力は間違いないだろうが、一応の確認はしておくか。

 

レイヴェルは懐からスマホを取り出すと、アプリを起動して百鬼に翳した。

画面には百鬼が写し出されており、写真撮影のような感じになっていた。

 

「では、百鬼さん。ちょっと計らせてもらいますわね」

 

百鬼をパシャリと一枚。

これは大会が配信した大会専用のアプリで、このアプリで写真を撮ると相手の駒価値(大会基準)が即座に判明するというものだ。

 

百鬼の測定結果が画面に表示され、その結果にレイヴェルは驚いていた。

 

「ッ!? イッセー様、百鬼さんの大会駒価値を『兵士』枠で換算すると『5』ですわ! 予想を上回りました………!」

 

「マジで!?」

 

大会基準の駒価値で『5』なら相当なもんだぞ!

ティアの推薦とは言え、人間でその数字だなんて、流石に驚いた。

しかも、駒価値『5』ってのはリーシャと同じ数字だ。

こいつはとんでもない逸材が来たのかも………。

 

ボーヴァがスマホを画面を覗きこみ、全身をワナワナと震わせた。

 

「こ、こんな小僧が、某よりも上だというのか………!?」

 

ボーヴァは兵士枠で駒価値『3』だ。

つまり、百鬼の実力はボーヴァよりも高いということになる。

まぁ、見た目的には百鬼は普通の男子高校生だし、ゴツいドラゴンのボーヴァの方が強そうではある。

だが、それを言ってしまうとだな………。

 

「おいおい、人の実力ってのは見た目で判断するもんじゃねーぞ? そいつを言えば、俺なんかヨボヨボのおっさんだぜ? 見ての通り、貧弱だろ?」

 

「どこがヨボヨボ!? ヨボヨボの意味を調べてこい、このチートおじさんめ!」

 

あんたがヨボヨボなら、世界はとっくに滅んでるわ!

肉体逞しすぎて貧弱の『ひ』の字すら見えてこねーよ! 

 

つーか、モーリスのおっさんって、修行中、ボーヴァを片手であしらってなかったっけ?

ドラゴンを片手であしらうってどんだけ!?

見てて怖かったんですけど!

 

モーリスのおっさんに言われ、ボーヴァはかつての悲劇を思い出したのか、肩を震わせた。

 

「た、確かに………。うっ、あの時の振り下ろされた木刀が………!」

 

「ボーヴァに何したのおっさん!? またトラウマ植え付けたな!?」

 

「いんや? ちゃんと加減はしてるって。ちょっと後ろの背景が真っ二つになっただけで」

 

「あ、あれを受けていたら某も真っ二つに………」

 

「ほらほら、デカい図体してんだし、過去のことズルズル引きずるなよ。大丈夫だって。おまえも徐々に強くなってきてる。俺を相手にあそこまで粘れるなら、この先もやっていけるさ。どうしても心配なら深呼吸すれば良い。はい、吸ってー吐いてー」

 

「スー……ハー」

 

「吐いてー吐いてー、更に吐いてー、もっと吐いてー」

 

「ハー……ハー……ハー……ハー……うぷっ」

 

「いや、ボーヴァも付き合わなくて良いから! えづきはじめんじゃねーか!」

 

おっさんも真面目なボーヴァで遊ばないであげて!

俺達が言うこと信じて実行しちゃうから!

 

ツッコミを入れているとモーリスのおっさんが言ってきた。

 

「これも修行だぞ? 無呼吸状態で動けるかどうかの」

 

「修行だったの、これ!?」

 

「んなわけあるか。嘘だバカ」

 

「このクソオヤジィィィィィィィ!」

 

このおっさん、俺を舐めてるな!?

いっちょ、ここいらで痛い目に………あ、無理だわ。

このおっさん、チートおじさんだった。

ちくしょう!

このおっさんをボコボコにできる奴はいないというのか!

 

ティアが笑みを浮かべて言う。

 

「モーリスは無茶苦茶だが、鍛えられた奴らは間違いなく腕を上げている。そこは信頼しても良いだろう?」

 

「そりゃそうなんだけどさ」

 

おっさんも相手の実力を把握した上で、それに合った修行を課しているので、体が壊れたりなんてことはない。

ただね………ひたすらに怖いんだよ。

実戦的な修行じゃ、毎度毎度、死を感じさせる一撃が飛んでくるんだぞ?

修行終わったときの脱力感が分かるか?

分からないだろうな、経験者以外は。

 

ティアは百鬼の肩を叩いて言う。

 

「そういうわけだ。リュータがイッセーのところに入ればトラウマは刻まれるだろうが強くなれる。イッセーはリュータという戦力が手に入る。これぞWIN-WINの関係だ」

 

「兵藤先輩の下で鍛えられるのは嬉しいけど、モーリスさんの修行についていける気がしない………」

 

俺、色々な意味で後輩を守らないとな………。

 

こうして、百鬼は『異世界帰りの赤龍帝』チームに入ることになった。




~あとがきミニ~

イッセー「な、なぁ、ヴァーリ? 両手に持ってるウネウネ動く棒みたいなやつって……」

ヴァーリ「これか? これを持つと強くなれると聞いたんだ。こんなものに効果があるか怪しいが、とりあえず試してみようかと思ってね」

イッセー「ちなみに誰から?」

ヴァーリ「君のところの女神だが?」

イッセー「あんの駄女神がぁぁぁぁぁぁ! ヴァーリに何やらせてんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ウィンウィンウィンウィン……


ヴァーリ「どうした、兵藤一誠?」

イッセー「おまえはモビルスーツみたいな音出しながら来るんじゃねぇぇぇえぇ!」
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