ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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新年初投稿!

祝 ブリーチ千年決戦篇アニメ化!


21話 技名は語呂が大事

「参る! ゆくぞ―――――『洞爺湖』ォォォォォォッ!」

 

 

新たな剣を携えたストラーダの爺さんが、その名を呼ぶ。

 

褐色に染まった刀身。

芸術品のような見事な木目。

そして、柄には『洞爺湖』と名前が彫られていて―――

 

「あんたも木刀なんかいぃぃぃぃぃぃぃッ!」

 

俺のツッコミがフィールドに響き渡った!

 

チートと呼ばれる剣士二人がこれから衝突しようって時に!

相対する二人に皆が緊張を走らせてる時に!

なんで、木刀なんだよぉぉぉぉぉぉぉ!

 

しかも、その木刀って明らかにリアスのだよね!?

お土産屋で買ったって言ってたやつだよね!?

大掃除の時に見たことあるもん!

そんでもって、ヴェネラナさんに捨てられてたやつじゃん!

リアスはこれも回収してたの!?

 

混乱する俺にデュリオが言う。

 

「うちの監督経由で猊下に渡ったんだよね、あれ。教会の錬金術師がデュランダルのレプリカを作ってるんだけど、満足いくものが出来てないらしくてねぇ。出来るのを待ってる間に――――」

 

「だからって渡すなよ!? 他にもあっただろ!?」

 

「猊下もそっちのチートおじさんが木刀ならって」

 

「そんなところで対抗しないで! こっちのノリに合わせなくていいから! つーか、前々から思ってたけど、爺さんってば、結構お茶目なところあるよね!」

 

アセムと戦ってる最中におっさんがロッキーっぽい曲を流した時も口ずさんでたしね!

意外とノリが良いよね!

 

ストラーダの爺さんは木刀を軽く振るう。

すると、地面には今放ったのであろう斬撃が刻まれていて、

 

「この手に馴染む感触………それにこの斬れ味。日本の武器は素晴らしいものだ。しかし、このような業物が土産として売られているというのは驚きだ」

 

「だよなー。おっかねぇところだぜ」

 

「違うよ!? 木刀で斬鉄剣とか出来るのあんた達だけだから! 日本の土産屋は武器屋じゃないからね!? おっさんも頷かないで!」

 

日本は無法地帯ではございません!

自分達のチートを基準に勘違いしないでください!

あんた達が土産の木刀を使うと魔剣になるんだよ!

木刀に斬れ味とかないから!

 

ツッコミが止まらない俺を他所にチートを体現した二人が好戦的な笑みを見せ合う。

モーリスのおっさんが口を開く。

 

「若返りの薬も飲んで………歳は俺くらいか? 得物も同じ。大会だと爺さんも『戦車』の特性を得ている。ということはだ」

 

「後は互いの技量のみの比較となろう。ここでは主も、信仰も関係ない。ただ――――」

 

 

「「強い剣士ととことんやり合う。それだけだろう?」」

 

 

二人の言葉が重なった――――次の瞬間。

凄まじいプレッシャーが俺達を襲った!

可視化するまでの闘気が二人を覆い、空間で激しくぶつかり合っている!

 

「まだ動いてすらいないのにこの圧力………!? 化け物か………!?」

 

あまりの圧力に両チームのメンバーの中には後退るする者まで出ていた。

化け物、そう称してしまうのも無理はない。

二人とも人の身で異形を、下手すれば魔王や神でも屠ることの出来る実力者。

あのアセムですら、二人の共闘には一時的に追い込まれていた程だ。

それが今――――ぶつかる!

 

二人の体が一瞬ぶれた。

この場にいる者がそれを認識した時には、二人の木刀が既に振るわれた後だった。

 

少し間を置いた後、先に動いたのはストラーダの爺さんだった。

木刀を上段に構えて、振り下ろす。

フェイントもない単純な動きだ。

それでも、振り下ろされた一太刀に籠められた力は尋常ではない。

振り下ろされた木刀の先を見ると、フィールドの端まで地面に斬られた跡が刻まれていた。

 

一方、モーリスおっさんはというと、少し体を反らすだけで、今の攻撃を軽く避けてみせていた。

おっさんはストラーダの爺さんの一撃に驚くこともなく、間髪いれずに反撃に出た。

一歩、強く踏み込み―――――神速の一撃を爺さんにお見舞いする!

 

放たれた一撃をストラーダの爺さんは腰を屈めて避けてしまうが、斬撃は空間に裂け目を入れている。

 

ただの一撃が必殺となり得る剣戟。

だが、今のやり取りはまだ小手調べといったところだろう。

ここから二人の戦いは――――一気に加速する!

 

「「オォォォォォォァァァァァァッ!」」

 

轟く雄叫び!

それと同時に響く剣と剣がぶつかり合う音!

目にも映らぬスピードで振られる剣が激しく火花を散らすッ!

二人はその場からほとんど場所を変えずに、至近距離での打ち合いを繰り広げていく!

 

『す、凄まじい打ち合いだぁぁぁぁぁぁぁぁ! 彼らの打ち合いにフィールドが悲鳴をあげています!』

 

アナウンサーが言うように、二人の周囲の空間にはヒビが入っており、僅かにではあるが次元の狭間の光景を見ることができた。

 

実況席にいるミカエルさんが言う。

 

『ストラーダはここに来て、人生で初めて好敵手を得ました。それが彼をここまで昂らせるに至ったのでしょう』

 

『全盛期の彼が冥界に攻め込んできていたらと思うとぞっとするな。天界の暴挙とは良く言ったものだ』

 

ミカエルさんに続き、そう口にするアジュカさん。

 

以前、コカビエルがストラーダの爺さんとやり合ったことがあると言っていたが、よく生き残れたものだと思うよ。

もし、全盛期の爺さんと対峙したとして、無事に帰ることができるか。

この試合を見ている悪魔、堕天使は思うはずだ。

もし、同盟が結ばれず、あの刃が自身に向けられていたら、と。

 

激しい剣戟の応酬から一転、鍔競り合いの状態で拮抗するモーリスのおっさんとストラーダの爺さん。

すると、ストラーダの爺さんが左腕を振り上げ、拳を握り――――拳に聖なる力を宿した!

 

「ぬぅんッ!」

 

放たれる聖拳ッ!

超至近距離から繰り出されたそれを回避するべく、おっさんは大きく後ろに跳ぶ。

 

おっさんは木刀で肩を叩きながら言う。

 

「流石に片手でやり合うにはキツい相手だな………ん? ちょっと待てよ………。そういや、良いもんもってたんだった!」

 

ニヤリと笑むと、左手に持っていたボールを――――ストラーダの爺さん目掛けて投球した!

良いもんってボールのことかよ!?

まさかのボールで攻撃!?

そんなのありか!?

とんでもない速度で投げられたボールが爺さんへと迫る!

 

爺さんは木刀を手放すと、両手を構え、真正面からボールを受け止めにかかる。

爺さんがボールをキャッチした瞬間、周囲の空気が激しく揺れた!

今の投球にどんだけ力籠めてんの!?

 

ストラーダの爺さんが言う。

 

「体の芯に響く攻撃は久しぶりだ。ならば、此方も返そうかッ!」

 

そう言うと、爺さんの腕があり得ないくらい膨れ上がる!

聖なるオーラが腕を纏っていて―――――こちらからも凄まじい豪速球が放たれた!

聖なるオーラを纏ったボールがおっさんを襲う!

 

「ぐおっ!? やりやがったな、爺さんッ!」

 

お返しにとばかりに投げ返すおっさん!

 

「フフフ、まだまだッ!」

 

更に投げ返す爺さん!

 

「うおらぁ!」

 

更に更に投げ返すおっさん!

 

「ぬあぁっ!」

 

更に更に更に投げ返す爺さん!

 

「ずおぉりゃぁ!」

 

更に更に更に更に投げ返すおっさん!

 

「うぉぁっ!」

 

更に更に更に更に更に投げ返す爺さん!

そこからも砲撃のようなボールの投げ合いが続く!

 

 

ズドォォォォォンッ!

バゴォォォォォンッ!

ズガァァァァァンッ!

ズドドドドドドドッ!

 

 

もうミサイルを投げているのか、ボールを投げているのか分からないような音が響く中、俺は叫んだ。

 

「あんたら、それもうドッジボールじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!」

 

音とか全然違うけど、完全にドッジボールやってるよね、それ!?

俺が知ってるやつじゃないけど、ドッジボールだよね、それ!?

競技用のボールで何始めてんだよ!?

 

ボールを投げ合いながら、おっさんが言う。

 

「気にするな! 人にボールを投げるという点では間違っちゃいねぇ!」

 

「パスするならな! 種目変わってるからね、これ!」

 

「赤龍帝ボーイ、男には引けぬ時があるのだ!」

 

「それ今じゃないよね!?」

 

このツッコミしか出てこないドッジボールに男の何をかけてるの!?

俺にはおっさん二人がボケ合ってる光景にしか見えません!

 

俺のツッコミにおっさんが舌打ちする。

 

「ったく、しょうがねぇな。そこまで言うなら、こいつでどうだ!」

 

おっさんは柄に『熱海』の文字が刻まれた木刀を握り、ボールを打ち返した!

 

「鋭いな! こちらも―――――ぬんッ!」

 

ストラーダの爺さんが柄に『洞爺湖』の文字が刻まれた木刀で跳ね返す!

それからおっさんがボールを木刀で打ち返し、更にそのボールを爺さんが木刀で打ち返す!

 

「さっきとなにか変わりましたかぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ドッジボールからほぼ変わってないんですけど!

素手か木刀かの違いしかないんですけど!

 

「ボールの威力が段違いになったろ」

 

「だからなんだ!?」

 

ボールの威力が変わっても状況はなんにも変わってないんだよ!

おっさん二人が木刀でボールの打ち合いしてるってどんな状況だよ!?

試合が進んでないんですけど!

 

アナウンサーが声をあげる。

 

『二人のドッジボールに会場が沸いています! すごい声援が送られていますッ!』

 

「なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

まさかのおっさん二人のドッジボールを応援!?

てっきり苦情がくると思ってたんですけど!

 

『盛り上がっているのは主に中年男性のようですが、これはやはり?』

 

アナウンサーの問いにアジュカさんが答える。

 

『うむ。二人の激闘に自分を重ねたのだろう。歳を取ってもまだやれるのだと。若者にはまだまだ負けないくらいの力が中年にはあるのだと。彼らの戦いは多くの中年男性の心に火を灯したようだ』

 

眠れるおっさん達の心に火をつけたと!?

そんな馬鹿な!

 

「凄すぎる………あの威力でも壊れないなんて! 競技用ボールの耐久性は化け物か!」

 

「そこじゃねぇだろぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

誰だ今のコメント言ったやつ!

確かに怪物二人の攻撃に耐えるボールも凄いけれども!

今呟くべきコメントじゃないよね!

つーか、俺以外も誰かツッコミしろよ!

 

俺は美羽に視線を送ってみる。

だけど………

 

「え、えーと………」

 

あ、美羽のやつ向こうの方向きやがった!

 

よぅし、それならアリスだ!

我らが『女王』にツッコミをしてもらおう!

 

「ピ~ピピピ~ピュゥゥゥ~♪」

 

「口笛吹いてごまかすなよ!?」

 

ツッコミ放棄しやがった!

 

リーシャとワルキュリアはそんなキャラじゃないし、サラもツッコミは無理だ。

ならば、期待の新星に頼むしかねぇ!

俺は百鬼とボーヴァの方を向いて―――――

 

「ボの字、よく見ておいた方がいい。あれが先輩の師匠の戦い方だ」

 

「主の臣下としては見逃せない戦いだ」

 

真面目かッ!

ダメだ、新人二人はなんでもかんでも真面目に受け止めすぎている!

 

激しいボールの打ち合いの中、モーリスのおっさんが笑む。

 

「大分、体が暖まってきやがった。ここいらでいっちょうやってみるかい?」

 

おっさんの問いにストラーダの爺さんが言う。

 

「大技か! 望むところ!」

 

次の瞬間、二人のオーラが爆発的に膨らみ始める!

二人は両の手で木刀を強く握り、振り上げた。

木刀の刀身にオーラが集まっていく!

 

 

「熱海―――――」

 

「洞爺―――――」

 

 

 

 

「「天衝ッッッッッ!!!!!!!!」」

 

「大技っていうか、ただのパクり技だろうがぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

俺のツッコミが轟く中、壮絶なパクり技がぶつかった―――――

 




~あとがき~

イグニス「領域展開――――『魔乳羅魅亜守(まにゅーらみあす)』」

イッセー「またパクってきたな!? つーか、それ技というより人の名前じゃね!?」

イグニス「効果は領域内にあるおっぱいの乳揺れを確実に見れるというものよ。おっぱいだろうとちっぱいだろうと、何でも揺らしてみせる!」

イッセー「なにその自信に満ちた表情!? ………いや、待てよ。体育の授業とかで使えば、もしかして…………」

アリス「あんたはあんたで有効活用しようとしてんじゃないわよ!?」
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