ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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5話 新生オカルト研究部!

放課後、俺達はオカ研の部室に集まり、部活動に入る………のだが、今日はいつも通りというわけじゃなかった。

四月に入り、まず行われる恒例行事、それは―――――新入部員の勧誘だ。

新年度に入ると、どこの部活もすぐに新入生を取り込もうと、あの手この手で誘いをかけ始める。

敷地のあちこちでは、今も立て札をもった二年生、三年生がアピールをしていたりする。

野球部やサッカー部などの運動部から、吹奏楽部や将棋同好会のような文化部まで、多くの部活動が存在するこの駒王学園では、毎年この時期は勧誘で賑わっている。

………で、たまに熱くなりすぎた部員達の間でいざこざがあったりするのだが、

 

「去年はソーナが見事に説得していたけど、今年はゼノヴィアだからな。どうなることやら」

 

「アハハ………」

 

生徒会に所属しているメンバーは見回りを強化し、生徒達の仲介役になるのがこの時期の主な仕事だったりする。

去年はソーナが理論立てて、生徒達を説得、納得させていたが、今年はゼノヴィアだ。

確かにゼノヴィアは仕事熱心だし、この学園のことが好きであることには間違いない………けど、あいつの場合は拳で語り合わそうとするからなぁ。

以前もそんなことがあって、匙が泣きついてきたことがあったんだよ。

今回はそうならなきゃ良いけど………。

 

それは置いておいて、オカルト研究部について話を戻そう。

俺達も当然、新入部員を募っている。

しかし、悪魔、天使、堕天使と異形の存在、裏の世界に関わる者が集うこの場所に、一般の学生を参加させるわけにはいかない。

まぁ、本音を言えば、いつかそんな日が………という夢はあるが、それはまだ先になりそうだしな。

それで、今年度の新入部員として我らがオカルト研究部に入部したのは―――――。

 

「こちらが今年度から私達と一緒に部活をすることになった三人です。皆さん、仲良くしてあげてください」

 

アーシア部長の紹介を受けて、ペコリと頭を下げる三人の女生徒達。

 

「ルフェイ・ペンドラゴンです。よろしくお願いします」

 

《ベンニーアと申やす。改めてよろしくお願いしやすぜ》

 

「兵藤サラです。よろしく………お願いします」

 

三人の自己紹介に俺達先輩部員が拍手を送る。

いやー、三人とも制服が似合っていて、まさにピカピカの一年生って感じだな!

こうして新しい後輩が出来たということは、とても嬉しいことだけど、先輩として頼られるようにしっかりしなきゃだ。

特にギャスパーなんて、滅茶苦茶気合いを入れているようで、

 

「僕にも後輩が………。頼れる先輩になれるよう頑張りますぅ!」

 

「ギャー君、すごい汗かいてる」

 

二年生になったギャスパーは、自分にも初の後輩ができたとのことで、先輩らしく振る舞えるか緊張していた。

人前に出ても逃げなくなったし、戦っている時なんて、俺を真似て拳で殴りあってるんだ。

初めは戸惑うかもしれないけど、ギャスパーだって、先輩らしくなれるさ!

………多分!

 

「イッセー先輩! 多分とか言わないでくださいよぉ! 僕だって先輩なんですから!」

 

「おまえも本格的に、俺の心を読む術を身につけやがったのか」

 

なんなんだよ、どいつもこいつも俺の心ばっかり読みやがって!

そんなに分かりやすいのか、普段の俺は!?

俺のプライベートは!?

 

「「「「ないない」」」」

 

「なんで、ハモってんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

泣くぞ!

割りとマジで!

まぁ、もう毎度のことだけどさ!

 

とにかく、ギャスパーは先輩らしく見えるよう頑張れや!

とりあえず、そろそろ男の娘は卒業しても良いんじゃないだろうか!

 

俺がツッコミをする中、アーシアが続ける。

 

「それから、中等部からトスカさん。初等部からは九重さんが放課後に遊びに来ることになりました」

 

ルフェイ達に続いて紹介されたのは、中等部の制服姿のトスカさんと、初等部の制服姿の九重だ。

流石に部員としてではないが、それぞれ、授業が終わった後にこの部室に遊びに来ることになっている。

 

九重は前々からこの学園に通いたいという申し出があったので、リアスの手配もあり、無事に初等部に通えることになったんだ。

今は通学の都合もあって、兵藤家にホームステイしている。

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

緊張気味に挨拶するトスカさんに続き、九重が元気よく言う。

 

「よろしく頼むのじゃ! イッセー、高等部の敷地は広いのぅ! 私も早く大きくなりたいのじゃ!」

 

ハハハ、九重が高等部に通うまではもう少し時間かかるかな?

しかし、高校生の九重か………。

きっと、八坂さんに似て、おっぱいが大きく育つに違いない!

うーむ、そうなると九重の成長が待ち遠しいな!

 

『いっそのこと、八坂ちゃんを押し倒してみるのもありじゃないかしら?』

 

イグニスさんや、流石にそれは九重に怒られるんじゃないだろうか?

つーか、京都の妖怪達を束ねる九尾の御大将に下手なことしたら、色んな人から怒られそうな気がするんですけど。

 

『大丈夫じゃないの? というか、私が色々と妄想しちゃってて我慢できないのよ。八坂ちゃんを喘がせたい………!』

 

この駄女神、とんでもないこと言ったよ!

娘さんも目の前にいるんだぞ!?

確かにあのおっぱいは生で拝んでみたいけど!

 

俺の横では、トスカさんが木場に話をしていて、

 

「イザイヤ、後で漢字を教えてほしいのだけど、良い?」

 

「それじゃあ、後で一緒に勉強しようか、トスカ」

 

トスカさんも木場と同じように普通に学校に通いたいとのことで、こちらもリアスの手配もあり、中等部への転入が決まった。

教会育ちの彼女には新鮮で、分からないことも多いだろうけど、そこは皆でサポートしていけば良いさ。

同じ教会育ちのメンバーだって、そうやって今に至るのだから。

 

というか、木場!

おまえは特にトスカさんを支えてやれ!

そんでもって、金輪際ホモホモしい発言をするんじゃないぞ!

お願いだから!

 

新入部員と部室に遊びに来ることになった二人の紹介が終わると、部室の奥からレイヴェルがティーカートを押しながら姿を見せる。

ティーカートの上にはケーキと人数分の紅茶が用意されていて、

 

「アーシアさんに頼まれて、ケーキを焼きましたの。紹介も終わったことですし、これから歓迎会といきましょう」

 

おおっ、レイヴェル手作りのケーキか!

レイヴェルのケーキも美味いんだよな!

 

アーシアが微笑みながら言う。

 

「私がオカルト研究部に入部した時を思い出します。あの時もこうやって、リアスお姉様がケーキを焼いてくださいました」

 

そういや、アーシアが来たときもリアスが手作りケーキを用意してくれて、歓迎会をやったっけか。

あの時は歓迎される側だったアーシアが、今ではオカ研を率いる部長だもんな。

こうして改めて見ると、アーシアが凄く逞しくなったように見えてだな………。

 

「イッセーさん? どうしたのですか?」

 

じっと見つめる俺を怪訝に思ったのか、アーシアが首を傾げながら訊いてくる。

そんなアーシアの頭をポンポンと撫でながら俺は、

 

「アーシア、立派になったな………グスッ」

 

ちょっと感動して、涙が出てきた。

 

「あんたはお父さんか」

 

すかさずアリスのツッコミが飛んできたのは、良い流れとも言えよう。

 

木場も苦笑しながら言う。

 

「まぁ、イッセー君は僕達よりも年上だからね」

 

「改めて考えると二十歳の高校生って凄いわよね。イッセー君、今年で二十一になるけど」

 

木場とイリナの言葉が俺の心を抉っていく! 

地味に気にしてるんだから、そういうこと言わないでくれませんかね!?

 

「ああ、そうだよ! 俺は今年で二十一歳の高校三年生だよ、馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」

 

ダァンッと床に拳を叩きつける俺!

泣きながら!

 

でもね、仕方ないじゃん!

異世界での三年がこっちの世界じゃ一瞬だったんだもん!

どうすることも出来ないじゃん!

こんな俺でもね、戸籍上はまだ十代なんだよぉぉぉぉぉぉ!

 

床に突っ伏して泣く俺の肩に、アリスが手を置いて微笑みを見せる。

 

「でも、新入生見たときに『若いなぁ』って思ったでしょ?」

 

「それな!」

 

中学を卒業し、高校生になった新入生を見て、俺とアリスは感じてしまったんだ。

―――――二十代と十代の違いというものを。

俺にもあんな時期があった、俺もあんな風に初々しい時期があったと感じてしまった途端に思い知らされる。

時の残酷さを、俺達はあの頃には戻れないということを………!

 

私達(二十代)はきっと彼女達(十代)とは別の存在なのよ。もっと色々やっておけば良かったなぁ………グスッ」

 

「諦めよう、アリス。俺達はもう………グスッ」

 

「いやいや、二人とも大袈裟すぎるよ。というより、まだ若いんですから、そういうこと言う歳じゃ………」

 

「「君も………いつか私と同じ絶望に突き当たることになる!」」

 

「どんな絶望!? それほどのことなのかい!?」

 

新生オカルト研究部でも、木場のツッコミは冴えていた。

 

 

 

 

歓迎会で盛り上がる最中、俺はあることに気づいた。

それはサラの表情に少し曇りがあるということ。

今は美羽と話していて、いつも通りのように見えるが、時折、暗い表情を見せていた。

アーシア達と話すときも変わりはないので、ここの居心地が悪い、というわけじゃなさそうだが………。

 

気になった俺は隣に座るルフェイに訊ねてみた。

 

「なぁ、ルフェイ。サラってさ、クラスで何かあったのか?」

 

俺の問いにルフェイは少し困り顔で話してくれた。

 

「ディルムッドさん―――――サラさん、実はクラスに馴染めてなくて………。他の方から嫌われているという訳じゃないんです。サラさんと話したいという方はいるのですが、サラさんの雰囲気が近寄りにくいらしくて………」

 

最後の言葉に俺は「ああ、なるほど」と納得してしまった。

サラはかつて自身に起きた出来事から、周囲との関わりを極力絶ってきた。

今は俺や美羽、家に住むメンバーには心を開いてくれていて、以前と比べると良く話すようになっているが、それ以外ではそうでなかったりする。

例えば『D×D』メンバーにしても、サラ個人があまり付き合いのないメンバーとは、かなり短い言葉で会話を終了させてしまっている時がある。

更に言えば、サラの方から話しかけることはほとんどない。

それは別に嫌っているとか、話したくないとか、そういうことじゃないんだ。

 

「サラ自身が周りとどう接すれば良いのか分からないってことか」

 

「そうみたいです。今まで、誰とも深く関わろうとしなかった方ですから………クラスメイトに話しかけられると、どう返したら良いのか分からずに、緊張してしまっているようでして」

 

その緊張した状態が話しかけにくい空気を作ってしまい、結果、クラスに馴染めずにいると。

いやはや、参ったね。

美羽が中学に入った時も緊張はしていたが、そういうことはなかったからなぁ。

サラの生い立ちがここに来て、大きな障害になってしまったということか。

特に一般人と話す時は何を話したら良いのか、話題が見つからなくて困っているというのもあるのだろう。

 

ここはお兄ちゃんとして一肌脱いでやらねば………!

と言っても、どうしたものかね?

アドバイスをしたとしても、余計に緊張して状況が悪化する、なんてこともあり得る。

サポートをするならば、自然な流れで会話を持っていく方が良い………はず。

だけど、俺とサラでは学年も違うのでサポートしにくいってのもあるんだよ。

となるとだ………。

 

「ルフェイ、サラのことサポートしてやってくれないか? 多分、ルフェイと一緒なら、クラスの子とも話しやすいと思うんだ」

 

ルフェイは愛嬌もあるし、とても話しやすい性格だ。

今だって、もうクラスにも馴染んでいるみたいだしな。

それなら、ルフェイが仲介役を担ってくれれば、サラも話しやすくなるんじゃないかな?

 

俺のお願いにルフェイは微笑みながら頷いてくれた。

 

「はい、お任せください。私で良ければいつでも力になりますから」

 

 




イッセー「『サラちゃん、友達百人出来るかな?』計画を発動する! 美羽軍曹よ、準備は良いか!」

美羽「大丈夫であります、お兄ちゃん隊長! サラちゃんのためなら、ボクは脱ぐよ!」

イッセー「『一肌』が抜けてるぞ、美羽軍曹!?」

美羽「あっ………はぅぅ」

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