ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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活動報告でサラちゃんのイラスト(鉛筆書き)を載せてみました。


6話 赤龍帝眷属の平和な一日

部活が終わり、夜になると俺達の仕事が始まる。

そう、悪魔としての仕事だ。

兵藤家から徒歩二十分ほどのところにある学習塾、その地下に設けられた『兵藤一誠眷属事務所』に俺達赤龍帝眷属は集まり、その日の仕事に取り掛かる予定になっている。

 

上級悪魔に昇格した今でも、俺はリアスの『兵士』なのだが、緊急の案件やよっぽど大きな問題が起こらない限りは別行動だ。

なので、部活終了後には俺を含めた赤龍帝眷属メンバーと、大学部に進学したリアスと朱乃の二人が入れ替わりに部室に入るという風になっている。

 

エレベーターで地下に降り、事務所の扉の前に立った俺は扉を開ける。

すると事務所には既に数名がいて、

 

「おー、お疲れさん。今日の学校はどうだった?」

 

冥界の新聞を広げ、煎餅をかじるモーリスのおっさん。

 

「あら、お帰りなさい。こちらで進められる分については、ある程度終わらせてありますよ、イッセー」

 

ソファに座り、紅茶を飲むリーシャ。

机には全面揃えられたルービックキューブが置かれていて………さっきまでやってたのかな?

 

「イッセー様、皆様。今日も学業に励まれたようで。今、皆様のお茶を淹れますね」

 

キッチンにてお茶の準備に取り掛かるメイド服姿のワルキュリア。

 

「待ってたよ、お兄さん。お帰りなさい♪」

 

そう言って、抱きついてくるのはニーナ!

くぅぅぅ………おっぱいがこれでもかと押し付けられてくる!

この柔らかな感触!

長い髪から漂ってくる良い香り!

これだけでも、疲れが吹き飛ぶし、悪魔の仕事へのやる気も出てくるってもんだ!

でもね、ニーナちゃんはそれだけでは終わらない。

ニーナちゃんは抱きつくと同時に、ほっぺにお帰りのチューをしてくれるのだ!

もうね、言葉を失うくらいに幸せだよ!

お兄さん、色々とはち切れそう!

 

「おう、ただいま。………相変わらずくつろいでるなぁ、皆」

 

事務所の中を見渡して苦笑する俺。

 

俺の眷属はほとんどが異世界アスト・アーデの住人だったのだが、俺が頼み込んだ結果、こうしてこちらの世界に来て、赤龍帝眷属の一員になってくれている。

でだ、こちらの世界には向こうの世界には無いものがたくさんあるためか、見るもの聞くもの全てに興味津々で………。

モーリスのおっさんに至ってはテレビゲームにハマり始める程だ。

この間も小猫ちゃんとゲームしてたけど、端から見てると孫娘と遊ぶお爺ちゃんって感じだった。

 

「おっさんは今日、何してたんだ?」

 

「俺か? 俺は喫茶店でご近所のマダム達とのんびりお喋りしてたさ。あとは本屋行ったり、親父狩り狩りしたり」

 

「ちょっと待って。今、親父狩り狩りって言った?」

 

「言った。良く分からんが、おまえ達くらいのガキが、中年のおっさん相手にかつあげしててな。まとめて拳骨してやったのさ。他にもそういう連中がいるって言うんで、ガキ共が集まる場所に行って、全員しばいてきた。下らんことをする奴ってのはどこの世界にもいるもんだねぇ」

 

そう言って湯呑みに口をつけるおっさん。

 

それ………手加減したよね?

おっさんが本気出すと、ほとんどの相手が死ぬからね?

木場なんて修行で精神崩壊しかけたし。

つーか、なんなんだよ、『親父狩り狩り』って!?

親父狩りを逆にハントすると!?

聞いたことねーよ、そんな単語!

 

ま、まぁ、人助けしてるし、しばかれたのもそいつらの自業自得みたいなところはあるし。

おっさんも素人相手の加減くらい分かってるだろうしね。

 

すると、ワルキュリアが言った。

 

「最終的には全員を縄で縛り上げて、警察というところに放置してきました。『私達は親父狩り犯です』という張り紙付きで。皆さん、最初は泣き叫んでましたが、警察署の前に着いた途端、安堵の表情を浮かべていましたね」

 

「うぉい!? 警察署に連れていかれて安心するって何した!? ひょっとして拷問とかした!? つーか、ワルキュリアも一緒にいたのかよ!?」

 

「いえ、私は偶々、モーリス様と出会しまして。元々は公園で幼女の観察………もとい、公園の警備に当たっていました」

 

「それは警備していたの!? 逆に職質されそうなんですけど!?」

 

「どこの世界でも幼女は素晴らしいですね。あの無垢な瞳、白い肌。穢れを知らない存在………そう、幼女とは純粋を体現した存在と言っても過言ではなく………じゅるり」

 

「お巡りさーん! ここに不審者がいますぅぅぅぅぅぅ!」

 

一見、真面目な性格のワルキュリアだが、一つ大きな欠点がある。

それは重度のロリコンというところだ。

向こうの世界でも暇な日は、一日公園で幼女の観察をしていた。

ベンチに座って幼女を見守る、それだけ。

フリーの日には、朝から夕方までそれだけで過ごしていたこともある。

 

ワルキュリアが汚物を見るような目で俺に言う。

 

「イッセー様には言われたくありませんね。城にいた頃、メイド達の着替えを覗いて、何回アリス様に黒焦げにされていたことか。このド変態」

 

「そうだね! 俺も人のこと言えないね!」

 

確かにメイドさん達の着替えを覗いたこともあったね!

城の人達はその手のことに寛容だったから、ついつい欲望に身を任せてしまいました!

その結果、アリスから鉄拳制裁をくらったのは懐かし………そうでもないや。

今もたまに鉄拳制裁されてるし。

 

「そ、それはあんたが戦場のど真ん中で私の胸を………その………吸ったりしてくるから」

 

モジモジしながら、ボソボソと言うアリス。

 

禁手に至った時もアリスの乳首をつついたし、こっちの世界に来てからはT・O・S(ツイン・おっぱい・システム)だの『乳の宴』だので、戦場の真ん中でおっぱいを吸うことになったし………。

普通に考えたら、殴られてもおかしくないことしてるわ。

それでも吸わせてくれたアリスに感謝してるよ!

 

「お姉ちゃんはツンデレデレだもんね」

 

「デレ一個多いし! わ、私、そんなにデレデレしてないし!」

 

とにかくアリスさんはツンデレということだな!

可愛いぞ、アリス!

 

………ワルキュリアの方はもうツッコミしないでおこう。

反撃されて言い返せなくなるし。

というか、ワルキュリアさんって俺の眷属ですよね?

時々、俺に向けられる視線や言葉が眷属のそれじゃないんですけど。

 

「いえいえ、私も普段は普通に接していますよ。ただ、イッセー様が変態的な行為をしなければ、ですが。あなたは主の前に女性の敵ですから」

 

主の前に敵って言われたよ!

それでも言い返せない俺って………。

ゴメンね、洋服崩壊(ドレスブレイク)とか使っちゃって!

 

「この間も転んだ拍子に胸を揉まれましたしね。あなたは本当におっぱい大好き変態野郎ですね。やはり、股間に生えているものを取り除いてしまった方が良いのかもしれません」

 

「ホンット、スイマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ! それだけは勘弁してくださいぃぃぃぃぃぃ!」

 

あの時のワルキュリアさん、超怖かったです!

ニコニコしながら、ナイフ構えてたもん!

無言の圧力が半端じゃなかったもん!

 

でも、おっぱいはとてもとても柔らかかったです!

ありがとうございました!

 

俺は話題を切り換えるべく、今度はリーシャに話を振った。

 

「リーシャは今日一日、何をしてたの?」

 

すると、返ってきた言葉は俺の予想を少し越えてくるものだった。

 

「私は冥界に………ソーナさんの学校に行ってきました」

 

マジでか!

ソーナの学校ということはアウロス学園に行っていたと!

確か、クリフォトが起こしたあの事件の後でも、ちょくちょく見学会を開いているとのことだったが………。 

 

「今日はちょうど見学会の日でして。私もソーナさんから魔法の講師として声をかけられていたので、一度見ておこうかと」

 

そういや、リーシャを眷属に誘った時にそんな話を聞かされたな。

リーシャが微笑みながら言う。

 

「良いところでしたね。本格的な授業を始めるには、もう少し時間や人材が必要だとは思いますが、ソーナさん達の熱意があれば、きっと良い学校になると思います」

 

アスト・アーデの魔法学校で教師をしていたリーシャがこう言うなら、ソーナの学校も上手くいくのだろう。

まだ時間も、人も、知識も不足しているところはある。

だからこそ、彼女達は冥界の子供達の未来のために、自分達が出来ることを最大限に実行していくと思う。

そして、日々の研鑽は、きっと彼女達の夢を叶えてくれるだろう。

 

ふと、俺はあの二人についてリーシャに訊ねることにした。

 

「サリィとフィーナは?」

 

リーシャは二人の妖精と契約している。

それが火の妖精たるサリィと水の妖精たるフィーナだ。

二人共、凄い妖精さん達なのだが………見た目も性格も子供なんだよね。

グリゴリの研究施設の見学に行った時なんて、まるで遊園地に来た子供みたいにはしゃいでいたし。

 

俺の質問にリーシャが答える。

 

「あの二人なら、イッセーのお母さんとハンバーグを作っていますよ」

 

「あ、今日の晩飯はハンバーグなのね」

 

 

 

~その頃、兵藤家キッチンでは~

 

 

サリィ「ペーターペーターペッタンコー」

 

フィーナ「見てください、こんなに大きなのが出来ました!」

 

咲「ああ………孫ってこんな感じなのかしら………。どうしよう、ニヤニヤが止まらない………!」

 

エプロンを着け、テーブルの上で生地を捏ねるサリィとフィーナ。

そして、それを見守る咲。

 

ハンバーグを捏ねるはずだった咲の手はカメラを構え、二人の少女達を撮影している。

そして、鼻からは真っ赤な川が流れていて、

 

サリィ「どうしたの、サキ? 鼻血出てる」

 

フィーナ「大丈夫ですか?」

 

咲「大丈夫大丈夫。それより、二人共、一回だけで良いから『お祖母ちゃん』って呼んでみてくれる?」

 

咲のお願いに二人は顔を見合わせて、一言。

 

サリィ&フィーナ「「お祖母ちゃん………?」」

 

可愛らしく首を傾げて言う二人に、咲は―――――

 

咲「Yahhhhhhhhhhh!!!! Magooooooooooo!!!! Fooooooooo!!!!」

 

 

~その頃、兵藤家キッチンでは 終~

 

 

多分、孫孫言いながら可愛がってるんだろうなぁ。

母さん、小さい子供を見る度に呟いてるし。

ホント、どんだけ孫が欲しいんだよってツッコミたくなるけど、年取ったらそういう風になるのかね?

 

美羽がニーナに訊ねる。

 

「ニーナさんはこっちの生活に慣れた?」

 

「まだ慣れないところはあるけど、すっごく楽しいですよ。今日も朝はお家で家事の手伝いをして、お兄さんのお母さんと、サリィちゃんとフィーナちゃんの四人で買い物に行ったりしてましたし。………たまに自動ドアにビクッてなるけど………」

 

なるほどなるほど、ニーナも自動ドアはまだ慣れていないのね。

その辺りはアリスと同じ反応だな。

流石は姉妹。

 

一部、不穏な発言があったものの、うちのアスト・アーデから来てくれた眷属メンバーは平和な一日を過ごしていたようだ。

こっちの世界にも大分と慣れてくれたようだし、主としては何よりかな?

 

俺はふと、疑問に思ったことをニーナに訊ねてみた。

 

「ニーナはこっちの学校に通うつもりはないのか?」

 

俺の問いにニーナは「うーん」と腕を組んで悩み顔で言った。

 

「興味はあるし、通ってみたい気持ちはあるんだけど………」

 

そう言って、ニーナがチラッとアリスを見た。

 

「お姉ちゃんが歳をごまかして、お兄さんと同じ学年になってるから、すっごく行きにくい」

 

「んなっ!? べ、別に良いでしょ………? そんなの関係なしに通えば良いじゃない」

 

「私、十七なんだよ? 今年で十八。つまり、普通に通えばお兄さん達と同じ高校三年生になるわけ。でも、そこに本当は二十歳のお姉ちゃんがいる。もし、私が通い始めたら、ややこしいことになると思わない?」

 

ニーナの言うことは最もだ。

もし、ニーナが学園に通うとすれば、三年生から転入という形になるだろう。

しかし、そこには実姉のアリスがいる。

名前からして、二人が姉妹なのは明らかだし、俺と美羽の時みたいに双子と思われるだろう。

事情を知らない人からすれば、別に何と言うことはないかもしれないが、身内の俺達にとっては違和感しかない。

じゃあ、アリスと同じように歳をごまかして、下の学年に入れば良いのか、と問われるとそれはそれで………。

 

ニーナがため息を吐く。

 

「あーあ、お姉ちゃんが歳をごまかすから、面倒なことになっちゃった」

 

「うぅぅ………」

 

妹に言われて申し訳なさそうにする姉。

この件に関して、俺はどう助太刀してやれば良いのか分からないや。

 

肩を落とすアリスに、ニーナはイタズラな笑みを浮かべて言う。

 

「いいよ、お姉ちゃん。お姉ちゃんが学校でお兄さんとの時間を作る分だけ、お兄さんとのイチャイチャタイムを貰うから。お風呂とか寝るときとか」

 

「ちょ、ニーナ!? そ、そんな等価交換あり!?」

 

「ありありだもーん♪」

 

アリスの抗議を華麗にスルーしていくニーナ。

この姉妹、いつも妹が主導権握っていくな………。

 

ニーナが言う。

 

「まぁ、通うことになった時は、双子ってことにするしかないかな」

 

「その時はリアスに相談してみようか」

 

学園のことはリアスに相談するのが一番!

ということで、ニーナが通いたくなったら、リアスと話し合って決めよう。

 

俺は鞄を置いて椅子に座ると、レイヴェルから資料を受け取り、ざっと目を通していく。

すると、ある書類に目が止まった。

 

「アセムが構築した世界の調査依頼が来てるな」

 

俺の言葉にレイヴェルが頷く。

 

「はい。あの世界の権限はイッセー様がお持ちなので」

 

アセムが創造したあの世界は、門が閉じた今でも存在しているらしく、その管理権限は俺にある………というか、アセムの奴が勝手に俺に譲渡していたらしい。

あの野郎、どこで茶目っ気だしてるんだ!

それは茶目っ気と言って良いのか!?

 

「つーか、あの世界って地球の三分の一の大きさがあるとか言ってなかった? それを俺達に調査しろと?」

 

ちょっと絶望してみても良いかな?

良いよね?

依頼書には隅から隅まで調べて、出来るだけ情報がほしいって書いてるけど………無理。

だって、広すぎるんだもの!

そもそも、何をどう調べたら良いわけ!?

 

「なぁ、レイヴェル………これって、拒否は」

 

「ダメです。魔王様方からの直接の依頼ですから。それに各勢力からも情報の提供を求められているので、下手に断るわけにはいきませんわ」

 

「デスヨネー」

 

今までは俺が意識を失っていたり、入院したりしていたから、待ってくれていた。

しかし、ある程度回復したのだから、調べてほしいと言われるのは当然のことで………。

 

「オ、オーケィ………。そ、そんじゃあ、今度、アザゼル先生と日程を確認しようか」

 

「それでは、今後のスケジュールを調整しておきますわ」

 

うぅぅ………レイヴェル、やっぱり仕事には厳しいなぁ。

俺、寝込みそうだよ………。

そのうち、アリスみたいに「仕事やだー!」ってごねてしまいそうだ!

 

涙目になる俺。

そんな俺の耳元でレイヴェルは小さな声で囁いた―――――。

 

「無事に終わった時はその………わ、私の胸を好きなだけ触って良いですわ」

 

「今日も張り切っていこうか!」

 

デキるマネージャーは、俺のヤル気スイッチを押すのも上手だった。

 




というわけで、今回もほのぼのです。
アセム戦の後の物語なので波乱よりも、ほのぼのな話が話が書きたいこの頃(笑)

特別編の方も書いてはいるのですが、もう少し時間がかかりそうです。
もう暫しお待ちを!m(_ _)m
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