ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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9話 おっさんが女子力高くても良いじゃない

 

客間に招かれた俺達一行はテーブルを囲んで、それぞれ席に着く。

座ると、タリアが紅茶の入ったティーカップが置いていった。

 

「どーぞ!」

 

「ありがとう」

 

元気良く言うタリア。

大好きな主人が帰ってきたことがよほど嬉しいようだ。

そんな彼女を見ているとついつい微笑んでしまう。

彼女とは初対面のリアスや木場も同様に優しげな笑みを向けている。

 

タリアも元気一杯ではあるが、その所作は丁寧だ。

この紅茶も彼女が淹れたもので、

 

「おっ、良い味じゃねーか。腕を上げたな?」

 

「ホント!? やったー!」

 

モーリスのおっさんに褒められて「わーい! わーい!」と小躍りするタリア。

尻尾をブンブン振っての大喜びだ。

 

なんかあれだな。

見たまんま、飼い主に懐くワンコって感じだ。

 

一方、もう一人の方はいたって落ち着いた振る舞いをしている。

 

「こちらも召し上がりください」

 

と、ゾルが茶菓子を並べた小皿を置いていく。

物腰柔らかにお辞儀をして、主人であるモーリスのおっさんの後ろに立つ。

その姿は主人に尽くす忠犬のようだ。

 

モーリスのおっさんが言う。

 

「アザゼル達は初めてだったな。こっちの坊主がゾルレオ。俺達はゾルって呼んでる。で、こっちではしゃいでるのがタリアだ」

 

おっさんからの紹介に続き、ゾルことゾルレオは胸に手を当てて深くお辞儀をした。

 

「私はゾルレオ。モーリス様の従者をしております。モーリス様があなた方の世界に渡った後は、主にこの屋敷の管理を任されております。こちらは双子の妹タリア」

 

丁寧な口調で名乗るゾルに対して、タリアは手を上げてニパッと笑って言う。

 

「私はタリア! ゾルと一緒に屋敷の掃除とか、洗濯とか色々やってます! 好きなものは甘いものとご主人!」

 

なんとも対照的な二人だが、こう見えて上手くやれているようだ。

いや、ここは兄のゾルがタリアの面倒を見ていると言った方が正しいのか。

 

タリアは自己紹介を終えた後、小走りでおっさんの元に寄る。

 

「ご主人ご主人! あれやって!」

 

「あれって………。おまえなぁ、もう十四にもなる娘が言うことじゃねーぞ?」

 

「歳とか関係ないもん! 久し振りなんだもん! やってやって!」

 

「揺らすな揺らすな。わーったよ。ほれ」

 

おっさんは観念したように自身の膝をポンポンと叩く。

主人のお許しを得たタリアは目を輝かせて、膝に飛び乗った。

よく小猫ちゃんが俺の膝に座ったりしてるけど、あれと同じだな。

 

小猫ちゃんの場合はいつの間にか座ってるって感じだけど、こっちはアプローチが中々に激しい。

これも猫と犬の違いなのかね?

 

アザゼル先生が言う。

 

「随分懐かれてるな」

 

「懐かれ過ぎてちょいと困ってるがな? ゾルくらいがちょうど良い」

 

「光栄です」

 

端的に答えているが、見ると尻尾をブンブン揺らしている。

なんて分かりやすい双子なんだ。

 

リアスが微笑む。

 

「タリアはモーリスのことが大好きなのね」

 

「うん!」

 

「そう。少し気になったのだけど、二人の首についてるそれは何かしら?」

 

タリアとゾルの首には金属で出来た首輪が付けられたており、魔法陣が刻まれている。

それがただの装飾ではなく、魔法的な力を持っているのは確かだ。

 

そっか。

この世界について、あまり知らない者からすると違和感があるのか。

俺も最初はそうだった。

あの首輪は――――。

 

ゾルが首輪を撫でながら言う。

 

「これは隷属の首輪。つまり奴隷契約の印です」

 

「奴隷?」

 

一瞬、言葉に詰まるリアス。

しかし、その後すぐにモーリスのおっさんへと視線を向ける。

その視線は鋭いもので、

 

「モーリス。あなたは無茶苦茶だし、苛めるのが好きなのは知ってるけれど………こんな幼い子達に手を出すなんて」

 

「なんかとんでもない勘違いをしているようだな。つーか、おまえ、俺をそんな風に見てたの? 誰が苛め好きだ」

 

「まぁ、モーリスが無茶苦茶なのは前からだし」

 

クッキーを摘まむアリス。

冷ややかな視線を向けるリアス。

そんな二人におっさんは爽やかな笑みを浮かべた。

 

「わかったよ。今度、修行を百倍にしてつけてやる」

 

「「ごめんなさい」」

 

二人は涙目で謝罪するのだった。

 

モーリスのおっさんは、膝の上でご機嫌なタリアの頭を撫でる。

 

「ま、奴隷契約を結んでるってのは否定してねぇ。ちょいと訳ありでな」

 

「ほう? なにかあったのか?」

 

アザゼル先生の問いにゾルが答えた。

 

「私とタリアは戦争で家族を亡くし、住処を転々としていました。そして、流れ着いた先で奴隷商人に捕まり、奴隷となったのです。この首輪は持ち主を示すためのもの。奴隷になった当時から身に付けていたものになります」

 

「モーリスの前にも主人がいたのか?」

 

「はい。幸い二人揃って買われましてね。前の主人のところでは、私達双子は労働力として扱われていたのです」

 

「で、その主人から俺が買い取ったわけだ」

 

モーリスのおっさんの答えに、木場が問う。

 

「なぜそのようなことを?」

 

「そいつはそこの馬鹿のせいだな」

 

おっさんが視線を向けたのは俺だった。

 

あ、うん。

分かってますよ?

俺の口から言えってことですよね?

 

俺は軽く咳払いをして話した。

 

「昔、その国に用があって行ったんだ。二人と出会ったのはその時なんだけど………まぁ、酷いもんだった。痩せこけた二人が重たいものを運んで、しかも、当時の主人も子供相手に鞭なんて打っちゃったりしてさ。正直、胸くそ悪い光景だったよ」

 

「そこをイッセー君が助けたということ?」

 

レイナの質問に俺は首を横に振った。

 

「助けることは出来なかった。というか止められた」

 

「止められた?」

 

モーリスのおっさんが言う。

 

「奴隷ってのは、国から認められた身分であり、所有者の財産だ。それを力ずくで奪ってみろ。強盗扱いで、犯罪者一直線だ。オーディリア内ならまだ誤魔化しようもあるが、他国じゃそうはいかん」

 

当時の俺は理解してなかった。

いや、理解はしているけど、納得できていなかったんだろう。

俺よりずっと年下の子供が暴力に震えながら働かせられている光景に。

今、目の前に同じ光景があったのなら、やり用を考えられるかもしれないが、昔はそこまで大人じゃなかった。

 

おっさんが続ける。

 

「俺達にもそれなりに身分があり、役目もあった。だから、そんなところで問題を起こすわけにもいかん。ってことで、一番簡単なやり方で解決した」

 

「おまえが買い取ったと」

 

「相手も商売なんでな。妙な執着さえ持っていなければ、金で解決できる。だが、無限に資金があるわけじゃないで、そこの馬鹿には『今回限りだ』って説教はしたよ。なぁ、イッセー?」

 

「覚えてるよ」

 

あの時はながーいお説教をくらったよ。

おかげで、自分の行動が危ない橋を渡ろうとしていたんだってことはよく学んださ。

 

二人はおっさんに買い取られた後、ワルキュリアに預けられることになった。

当時、二人は文字も読めない状態だったので、メイド長によりみっちりと仕込まれることに。

一般的な教養から、メイドとしての技能、料理、それから戦闘技術まで。

 

リアスが目元をひくつかせる。

 

「ワルキュリアが教える戦闘って………」

 

「基礎的なものもあるが、ほぼ暗殺術に近いな。だが、あんな時代だったんで、むしろそっちの方が良かったんだよ」

 

おっさんは二人に自分の身を守るための術を持たせたかったようだ。

敵意にいち早く気付き回避する術、いざという時に身を守る術。

ワルキュリアが教える技はそういったものが多い。

ただ………この二人の物覚えが良いからか、ワルキュリアは一通りを教え込んでしまったようだけどね。

 

リアスが言う。

 

「経緯は分かったわ。でも、その首輪は外さないの?」

 

「当時は戦時中だったんで、人族は魔族を、魔族は人族を排斥していた時代だ。それはオーディリアでも同様。奴隷から解放した途端、周囲から何をされるかわからん。帰る当てもない状態で放すなら、いっそ俺の奴隷としてしまった方が安全だったんだよ。俺の所有物に手を出す馬鹿はいないからな」

 

先ほど、おっさんが言ったように奴隷とは財産になる。

つまり、奴隷の立場にすることで、二人は『剣聖』モーリス・ノアの財産になったんだ。

最強の剣士様の所有物に傷をつけたり、ぞんざいな扱いをできる人はいない。

実際、これは効果覿面で、おっさんの名によって二人は守られていた。

 

おっさんは二人を見て言う。

 

「戦争も終わって、二つの種族間の蟠りも解消する方向に進んでいる。奴隷制度も人拐いみたいな不法なものは取り締まられるようになった。それに、おまえ達もこの町には随分と馴染んできたんだ。町の連中も今となっては良くしてくれるだろう? そろそろ、その首輪を外しても良いんじゃないか?」

 

おっさんからの提案だ。

奴隷の身分から解放されれば、自由に生きることができる。

町の人達もおっさんの所有物としてではなく、ゾルレオ、タリアという一人の人間として見てくれている。

もうその首輪は必要ないだろう。

 

しかし、二人は首を横に振った。

 

「私はモーリス様に救われました。今、このような生活が出来ているのは全て主人のおかげ。この恩を返すためにも、あなたに仕え続けたい。この首輪は私から主人への忠誠の証なのです」

 

「昔は嫌いだったけど、今はご主人のものって感じがして好きなんだよね! だから、首輪はずっと付けとく!」

 

「だそうだ。前にも聞いたんだが、全く同じ返答だよ」

 

肩をすくめるおっさん。

この二人はとことん、おっさんのことが好きらしい。

 

それからしばらくは雑談が続いた。

といっても、ほとんどタリアが俺達の世界についての質問をしまくってるって感じだ。

出会った頃はお互いにそこまで余裕もなかったしね。

これを機に色々と聞きたかったんだろう。

出てくるワードの一つ一つに目をキラキラさせるもんだから、こちらもつい口が軽くなってしまう。

 

タリアの質問ラッシュが落ち着いたところで、ゾルが尋ねてきた。

 

「尋ねるのが遅くなりましたが、今回はどうされたのですか? 以前お話しした際には、次会うのは数年後だろうとのことでしたが」

 

「少々事情が変わってな。今後、こっちに戻る機会が増えそうなんだよ」

 

「そうなの!?」

 

「それは私共も嬉しい限りです」

 

おっさんの言葉に尻尾をブンブン回すワンコな双子。

二人の反応におっさんは苦笑しながら続ける。

 

「でだ。今後のために、向こうの世界とこっちの世界を繋ぐ装置をこの家に置くことになったんだよ。地下室は空いているよな?」

 

「ええ。モーリス様が最後に使用されたままです。無論、清掃はしております」

 

「ありがとよ。てなわけで、アザゼル。装置は地下室に設置してくれ。あの装置を見た限り、スペースは十分足りるだろうからな」

 

そう言われてアザゼル先生は頷く。

 

「助かる。早速、作業に入らせてもらってもいいか? 今日中に調整まで仕上げてしまいたいんでな」

 

「分かった」

 

おっさんは膝に座るタリアを下ろして席を立ち、俺達もそれに続く。

案内されるまま廊下を進んだ。

その中で窓、廊下の隅、各部屋も覗いてみたが埃一つない。

更に庭も綺麗に手入れされている。

 

その様子にアリスが感心する。

 

「想像以上にしっかり管理されてるわね。これもワルキュリアの教育のおかげかしら?」

 

「主人より留守を任されたのですから当然です。それに――――」

 

「中途半端にやるとワルキュリア先生から叱られる………」

 

犬耳と尻尾を完全に丸めてしまうタリア。

メイド長のしごきはそんなに厳しかったのか。

というか、俺達の世界に来てからロリコンを爆発させてるところが目立ちすぎて、メイド長だったの忘れそうになってたよ。

 

階段を下り、目的の地下室についた。

中はおっさんの言う通り十分な空間があり、あの装置を置いても余裕の広さだ。

 

アザゼル先生が言う。

 

「これだけあれば十分だな。今から指示するから、おまえ達は指示に従って動いてくれ」

 

俺達が頷くなか、モーリスのおっさんはというと、

 

「じゃ、後は任せるわ。俺はゆっくりさせてもらうからよ」

 

「おっさんは手伝ってくれないのかよ?」

 

「俺が戦力になるわけねーだろ。余計に仕事が増えても知らんぞ」

 

「それもそうか」

 

機械音痴だったわ、この人。

 

 

 

 

設置作業を開始してから六時間ほど経っただろうか。

アザゼル先生とリーシャをメインメカニックとして、サブをレイナ。

俺、アリス、リアス、木場の四名でその補助だ。

 

アザゼル先生の言った通り、本当に一日仕事だ。

基本フレームを組み、配線を繋ぎ、魔方陣を作動させたら時間を置く。

待ってる間に別のパーツを組み合わせて、似たような工程を幾らか挟んで、細かい調整をやっていく。

この繰り返しだ。

 

普段からこの手のものを取り扱っている先生やリーシャはともかく、レイナが想像以上に精通していて驚いたよ。

そのことをレイナに伝えると、

 

「こっち方面に知識がないとアザゼル様がこそこそ何をやってるか分からないから………フッ」

 

と、影のある表情で返された。

いつの間にか苦労人属性が増してるような………。

俺はもっとレイナのことを労ってあげるべきなんだろうな。

今度、リフレッシュにどこか連れていってあげよう。

 

大体の工程が終わり、現在。

アザゼル先生とリーシャが装置を起動させ、最後の調整を行っているところだ。

複雑怪奇な魔方陣とそこに魔術文字が幾つも浮かび上がり、二人はそれを操作していっている。

 

正直、ずっと見ていても何をやってるかわからん。

魔法に詳しいメンバーでも、流石に分野が違いすぎて分からないだろうな。

 

一息ついていると、アザゼル先生が言った。

 

「繋がったぞ。これで『門』をここに固定できるはずだ」

 

「ということは、こちらに来る時に使った『門』は閉じたということで良いのね?」

 

リアスがそう尋ねた。

 

来る時に使った装置と今設置した装置を繋いだということは、来る時に通った『門』の出口を変更したということになる。

上手くいっていれば、朱乃達が見張っている『門』は消えているはずだが………。

 

などと考えていると、通信用の魔方陣が展開する。

声の主は朱乃だった。

 

『たった今、こちらの『門』が消えました。そちらが上手くいったということでよろしいでしょうか?』

 

「そっちが消えたのなら接続は出来ているだろう。少し待ってろ」

 

アザゼル先生はそう言うと、目の前に展開している『門』に手をかざし、そのままゆっくり潜っていった。

 

そして――――

 

 

「遅いな」

 

「遅いわね」

 

三十分ほどが過ぎたがアザゼル先生が帰ってくる気配がない。

本当に繋がったのか、これ?

 

木場が心配そうな表情を浮かべる。

 

「何かトラブルでもあったのでしょうか?」

 

「段取りではあちらに行った後、すぐに戻る予定でなんだけど………」

 

レイナも不安そうだ。

一方、先生と同じくメインメカニックを勤めたリーシャは平気な様子で、

 

「システムの動作は良好なので、恐らく二つの世界間の移動に時間がかかっているだけだと思いますよ」

 

「そうなの? 来る時はそんなに時間がかかってなかったように思うのだけれど」

 

「『門』の内と外で時間の流れが異なるのでしょう。モニターの反応を見るにもうそろそろ………帰ってきましたね」

 

リーシャに促され、『門』を見ると虹色に揺らめく空間の向こうからぬっと先生が現れた。

見た感じ無事そうだ。

 

戻ってきたアザゼル先生はリーシャに問う。

 

「どれくらいかかった?」

 

「三十分くらいですね」

 

「そんなにか? 向こうに行って、すぐに戻ってきたつもりだがな。………いや、二つの世界を行き来することを考えれば早いと見るべきか」

 

「ですね。改良の余地はあるかもしれませんが、今日は装置の設置が無事に終わったということで良しとしましょう」

 

リーシャの言葉にアザゼル先生は頷く。

どうやら、これで今日の任務は完了らしい。

朱乃にも完了の旨を伝え、見張り役のメンバーもこの地下室に直接転移してもらうことになった。

 

正直、もうクタクタだ。

細かい作業が多いし、レイナの指示があったとはいえ難しい部分もあり、普段の戦闘よりもよっぽど神経を使う羽目になった。

 

見張り役の方は、こちらもこちらで疲れた様子だ。

転移してきた皆にも少し疲労の色が見える。

 

「何も起こらないから、かなり退屈だったよ」

 

と、ゼノヴィアが愚痴をこぼしていたほどだ。

六時間以上、何もなければ体力的な疲れよりも精神的にくるだろうな。

しかもだ、

 

 

ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ………

 

 

ゼノヴィアの腹も何かを訴えかけてきた。

 

「ち、違うぞ? これはその………イッセーと子作りをしたくてだな!」

 

「どんな誤魔化し方!?」

 

ゼノヴィアの主張に皆が笑っていると、地下室の扉が開けられた。

開けたのはタリアだった。

 

「皆、ご主人が呼んでこいって………わっ、なんかいっぱいる!?」

 

「伝えておいただろ? 皆、俺の仲間だから大丈夫だよ」

 

「そっか! ならいいや!」

 

すんなり信じてくれるのは嬉しいけど、それはそれで大丈夫なのだろうか。

そんな屈託のない笑顔をされると心配になっちゃうよ。

 

「皆の紹介はするとして………おっさんが呼んでるって?」

 

「うん! 晩御飯だから全員来いって行ってた!」

 

言われて気づいた。

なんか、廊下の向こうから香ばしい匂いが漂ってきている。

うん、空きっ腹にこれは良くない。

こんなのを嗅ぐと――――――

 

 

ぐるるるるるるるるるるる………

 

 

俺の腹も盛大になった。

アザゼル先生が笑いながら言う。

 

「勇者様の腹もこう言ってるし、飯にするか。ぶっ通しだったんで俺も限界だ」

 

「アハハ………ですね」

 

作業中は気にならなかったけど、終わった途端これだ。

他のメンバーも同様だったんで、このまま全員揃っておっさんの元へと移動する。

騎士団長の邸宅だけあって、これだけの人数で食事が出来る部屋もあるのだが、部屋に入った時、目に入ったのは豪勢な料理の数々。

そして、エプロンを身に付け配膳するおっさんとゾルの姿。

 

「おー、お疲れさん。腹減ったろ?」

 

「そりゃそうだが、よくこれだけ作れたな」

 

アザゼル先生が感心すると、おっさんはゾルとタリアの頭をポンポンと撫でる。

 

「こいつらが買い出しから料理と色々と手伝ってくれたんでな。その辺の小皿に盛り付けてるのはこの二人が作ったやつだ」

 

「えへへ」

 

「お口に合えば良いですが」

 

照れ臭そうにする二人。

そんな二人を微笑ましく思いながら、俺達は食卓を囲うのだった。

 

 

ちなみに。

 

 

おっさんが作ったデザートを食べている時、

 

「最近、女子力でもモーリスに勝てる気しないのよね………」

 

というアリスの呟きに女性陣がダメージを受けたのは別の話である。

 

 

 

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