ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 リターンズ   作:ヴァルナル

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7話 気を遣うのは難しい

「あぁ~」

 

湯船に肩まで浸かり、声を漏らす俺。

悪魔の仕事を終えた後の風呂は格別だ。

温かいお湯が体の芯から疲れを取り除いてくれる。

家を改築した後では風呂場の広さも公衆浴場並に広くて、足を伸ばしてゆっくり浸かれるので、風呂は俺の楽しみの時間だったりする。

それに―――――。

 

「はぁぁ………今日も一日が終わったね~」

 

俺の隣に入ってくる美羽。

美羽は湯船に腰を下ろすと、俺の肩に頭を置いて、甘えるような仕草をしてくる。

 

兄妹の混浴はいつものこと。

こうして、二人で寄り添って一日の疲れを取るのは、ほとんど習慣とも言える。

でもね………この時間が最高なんだよぉぉぉぉぉぉぉ!

これが無ければ、一日は終えられない!

それくらいに、美羽との混浴は外せないものなのだ!

 

お湯に浮かぶおっぱい!

白くて眩しい太もも!

胸の谷間に流れていく水滴がとってもエッチで………!

それに加えて、美羽の甘えモードが堪らなく可愛いんだよ!

 

おっと、言っておくが、ここにいる女の子は美羽だけじゃないぞ?

アリス、ニーナ、レイヴェル、リーシャと眷属の女の子達も俺と一緒に混浴だ!

背中の流し合いをしている光景はいつも平和的で、

 

「あれ~? お姉ちゃん、また育ったんじゃないの? ちょっと感触が―――――」

 

「ひゃっ! ニ、ニーナ、あんた、わざと………ふぁぁん!」

 

「ふむふむ、感度も良い感じに………やっぱり、お兄さんにいつも揉まれてるからかな?」

 

「あ、あんたねぇ………! いい加減にしないと怒るわよ!?」

 

「えへへ~。お姉ちゃんのおっぱいムニムニ~」

 

「やっ、そこ………ダメぇ………あんっ!」

 

うむ、元王女姉妹は今日も平和だ。

レイヴェルとリーシャだって、こんな感じで、

 

「リーシャ様は相変わらず綺麗なお肌をしていますわ。それにスタイルも」

 

「うふふ、ありがとうございます。でも、レイヴェルさんも可愛いですし、胸もイッセー好みになってきていると思いますよ?」

 

ワルキュリアはサリィとフィーナを寝かしつけるとかで、今はいないけど。

あと、いないのは………。

 

「サラちゃんはやっぱり恥ずかしいみたい」

 

と、美羽が苦笑しながら教えてくれた。

 

サラちゃんは元々こういうのが苦手みたいだしね。

心を開いてくれたとは言え、流石に男との混浴は難しいか………お兄ちゃんとしてはちょっと残念!

 

俺はふと、美羽に訊ねてみた。

 

「なぁ、美羽。サラのことなんだけど」

 

「あ、お兄ちゃんも気付いてた? 最近、学校であまり元気がないからボクも気になってたんだよね」

 

美羽もサラの様子が気になっていてようだ。

俺はルフェイから聞いた話を美羽に話してみる。

学校でのサラの悩みを知った美羽は、小さく息を吐いた。

 

「そっか………。サラちゃん、クラスではそんな感じなんだね。サラちゃんはこの家に来るまではずっと一人だったし、そうなるのも仕方がないのかな………」

 

「ああ。本人はなんとかしようとは思っていると思う。でも、どうすれば良いのか分からない、そんな感じなんだろうな。美羽が初めて学校に通った時とはまた違うんだよなぁ」

 

「………ボクも色々あったけど、一人って訳じゃなかったしね。それに、お兄ちゃんが同じクラスにいたし、松田君や元浜君もサポートしてくれたから、クラスに馴染めたんだよね」

 

「まぁ、美羽の性格もあるけどな。美羽も緊張はしてても、人を惹き付けるところがあるから。サラの場合はその逆なんだよな」

 

緊張してしまった結果、昔の冷たい雰囲気を出してしまう。

それに、今まで関わってきた人は裏の人間ばかり。

何を話せば良いのか、どういう風に接すれば良いのか分からないんだ。

 

人を寄せ付けない空気を出してしまう、これを改善できれば、解決に向けての一歩になると思うけど………そこが難しいんだよね。

ルフェイにもサポートをお願いしてみたものの、サラ自身が改善できなければ、後々も引きずることになるかもしれない。

 

「おっさんか先生に相談してみようかね………」

 

「モーリスさんとアザゼル先生に?」

 

「あの二人なら人生経験も豊富だし、この手の解決方法も分かるかもしれないしな」

 

ただ、教えてもらったとして、そいつを俺がサラに伝えられるか………。

友達の作り方を教えるって以外と難しいもんだな。

 

美羽が微笑みを浮かべて言う。

 

「気長に見ていこうよ。高校生活は始まったばかりだしね。これからまだ三年もあるんだから、クラスの人と話す機会なんていくらでもあるよ。そうすれば、ほんの少しのきっかけで友達は作れると思うな。それに………」

 

「それに?」

 

俺が聞き返すと、美羽は親指を立てて言った。

 

「サラちゃんの外見と内面のギャップ萌えってのもあると思うんだ!」

 

「意義なし!」

 

それは十分にあり得る話だ!

つーか、俺もそれにやられた!

クールな外見だが、中身は甘えん坊な妹キャラってだけで、あらゆる者のハートを撃ち抜いていくんだよ!

 

なるほど、美羽の言う通りだ。

三年もあれば、何かと話す機会はあるもんだ。

その中でサラの性格を知れば、誰もが印象を塗り替えられるだろう。

 

………いや、ちょっと待てよ。

もし、そこでクラスの男子共がサラちゃんの魅力にやられて、告白でもしたら………。

 

許しません!

にぃにはそんなの許しませんよ!

そりゃあ、サラが好きになって、本当に幸せになれるのなら、血涙を流しながらでも認めるしかないが………。

だが、一回でもサラたんを泣かせてみろ、にぃにが本気出すぞ、この野郎!

 

まぁ、その話はともかくだ。

これからは長い目で見守っていく方向でいってみよう。

そして、サラがこれからの三年間を楽しめるよう、可能な限りのサポートをしていく。

これで決まりだな。

 

胸の中のモヤモヤが晴れた気がした俺は、背を伸ばす。

 

「美羽と話してスッキリした気がするよ。………っと、そろそろ上がらないと。小猫ちゃんを待たせてるし」

 

「いつものやつ?」

 

「そうそう、いつものやつ」

 

 

 

 

「………どうですか?」

 

「うん、気持ちいいよ」

 

風呂から上がった俺は、小猫ちゃんの部屋にいた。

ベッドの上では、上半身裸になった俺の胸に抱かれる形で寄り添う、猫耳モードの小猫ちゃんとの二人きりだ。

まぁ、二人きりといっても、こいつはそういうものではない。

これは仙術による治療だ。

 

先の戦いで、俺は生命力を極限まで使い果たし、肉体も精神も危機的状況に陥った。

皆の協力もあって、今はこうして普段通りの生活を遅れているが、完全に回復した訳じゃない。

 

例えば、ここに水の入った容器があるとする。

水が生命力、水が入っている容器を生命の泉としよう。

俺の場合、あの戦いでこの水をほとんど使い果たし、ほとんど空になってしまっていた。

更にはガラスのコップにも全体にヒビが入り、崩壊寸前だったんだ。

 

多くの人達が、俺に生命力を分けてくれたのだが、肝心の器がボロボロでは意味がない。

そこで、今は美羽とアリスの擬似神格を一時的に俺に戻し、器の崩壊をギリギリのところで止めている。

分かりやすく言えば、全体にヒビの入った容器を外側からテープで固定、保護しているようなイメージだ。

 

………で、小猫ちゃんがやってくれているのは、この器の修理になる。

仙術を用いて、器に入っているヒビの一つ一つを修復し、元の状態へと戻す。

これが俺が受けている治療の一つになる。

 

錬環勁気功で気を操作できるなら、自分で治せるんじゃないかと思う人もいるだろうけど、これに関しては無理だ。

外科医が自分の手術は出来ないのと同じようにね。

 

なので、俺は毎晩、風呂上がりに小猫ちゃんに仙術治療を施してもらっているのだ。

………薄い生地の白装束を着ている小猫ちゃんにな!

 

「朱乃さんにもらったこの衣装は特別製なので、良い気が練られるんです」

 

小猫ちゃんがそう説明をくれるが………。

 

いや、分かるよ?

俺も気の操作に関する知識や技は会得してるし。

この白装束も見たときに、特別製なんだなってのは理解できた。

でもね………生地が薄すぎて、小猫ちゃんの体の感触がほぼダイレクトに伝わってくるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!

 

今の小猫ちゃんは小柄で、おっぱいも小さい………だがしかし!

そこに確かな柔らかさと儚い存在感があるのだよ!

治療をしてもらっているのに、こういうことを考えるのはなんだけど、この感触をずっと楽しんでいたい!

 

頬をほんのり染めながら、小猫ちゃんが言ってくる。

 

「………イッセー先輩、あんまり動かれると色々と擦れて………くすぐったいです」

 

今の小猫ちゃん、白装束の下は何も身に着けてないから………ゴクリ。

いやいやいや、落ち着け、俺。

今は小猫ちゃんを抱き締めて癒されるだけで十分じゃないか。

 

小猫ちゃんが言ってくる。

 

「今のイッセー先輩の生命力は、すごく不安定な状態です。普通に生活するだけなら、問題はありません」

 

今の俺は応急処置で生きているにすぎない。

小猫ちゃんの言う通り、普通に生活するだけなら問題もないのだろう。

でも、この先、何が起きるか分からない。

もし、強い力を使えば、その時は―――――。

 

「イッセー先輩は私が絶対に治してみせます。そして、今度は私がイッセー先輩を守ってみせます」

 

だから、と小猫ちゃんは続ける。

俺の背中に手を回して強く抱きついてくると、目元を潤ませて―――――。

 

「もう………いなくならないでください。イッセー先輩がいなくなったら、私は………」

 

そう言うと、小猫ちゃんの頬に涙が伝った。

 

………そうだよな。

俺、皆に二回もそういうところを見せてるんだよな。

一回目はロスウォードに殺された時、二回目はアセムとの戦いの時だ。

 

俺は小猫ちゃんの頭を撫でて微笑んだ。

 

「何度も辛い思いをさせてごめんな? でも、何があっても俺はいなくならないよ。約束しただろ、小猫ちゃんのこと、お嫁に貰うって。幸せにするまで死ねないよ」

 

「………ダメです。幸せになっても、一緒にいてくれないと嫌です」

 

「そうだな………訂正するよ。ずっと一緒だ」

 

俺の答えに小猫ちゃんは最高に可愛い笑顔で、

 

「………はい!」

 

ちょ………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!

小猫ちゃん、そのスマイルはズルいって!

治療中に昇天しそうになっちゃうでしょうが!

イッセー先輩の死因、悶死になっちゃうよ、小猫ちゃん!

 

俺が小猫ちゃんの可愛さに悶えていると、小猫ちゃんが顔を真っ赤にしながら言ってきた。

 

「………先輩、やっぱりあの方法を試そうと思うんですけど」

 

「そ、それはもしや、房中術というやつでは………?」

 

俺が聞き返すとコクりと頷く小猫ちゃん。

 

房中術というのは、気の使い方に長けた女性が男性に気を分け与えることで………男女が一つになることで、仙術使いである女性から直接、男性の体へ気を送る術のことだ。

この提案は、治療が始まった時にも提案されたことなのだが、

 

「い、いや、小猫ちゃんとも経験はあるし、その申し出は嬉しいけど………。それって、確か避妊具は―――――」

 

「な、なしです」

 

うん、それはマズいだろう!

小猫ちゃんが発情期に突入した時だって、子供が出来たら母子共に危ないから、色々と大変なことになったわけでして!

 

「で、でも、それでイッセー先輩が治るのなら私は構いません!」

 

小猫ちゃんんんんんんんんっ!

なんで、そんな気合い入れてるのぉぉぉぉぉぉぉ!?

 

「おおおおおお落ち着こう! 俺の治療なんて、多少時間かかっても良いから!」

 

「善は急げで………!」

 

「だから、急いじゃダメだって! って、小猫ちゃん!? 何してるの!? なんで、俺の寝巻きに手を………あぁっ!? 下着まで持っていかれたぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

どうしよう、俺、後輩の女の子にスッポンポンにされちゃったよ!

つーか、変なスイッチ入ってませんか!?

 

「にゃぁぁ………イッセー先輩………」

 

「はぅっ!?」

 

突然のくすぐったい感触。

見れば、小猫ちゃんが俺の体を小さな舌でペロペロと舐め始めていて………!

俺の感じるところを絶妙な舌加減で攻めてくる!

えぇい、流石は猫又と言ったところなのか!

小猫ちゃんの内に眠る、猫又のエロエロな本能がこれでもかと、俺の体を刺激してくる!

 

これ、何してたんだっけ!?

治療してたんだよね!?

俺、完全に襲われてるんですけど!

これはあれですか、エロビデオとかでよくある、入院中にナースさんからエッチな治療をされてしまう、あの展開なんですか!?

ナース服じゃないけど!

 

「先輩………イッセー先輩………ここ、気持ちいいですか?」

 

ヤバいヤバいヤバい!

このままでは本格的に子作りになってしまう!

 

よし、こうなったら我が左手よ!

今は亡き右腕の分まで、おまえが働くしかない!

おまえが小猫ちゃんを止めるんだ!

俺の指令を受けて、左手は動き出し―――――。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇ、俺の左手ぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

 

ぷにゅん

 

 

 

左手は吸い込まれるように、小猫ちゃんのおっぱいへ。

 

「にゃんっ! イッセー先輩、そんなにクリクリされると………んっ………にゃぁぁ」

 

おぃぃぃぃぃぃ!

俺の左手、何やってんだぁぁぁぁぁぁ!

揉むどころかクリクリしちゃってんじゃねぇか!

ピンポイントで攻めちゃってるだろうが!

直球ストレート、ど真ん中ストライクだろうが!

 

「イッセー先輩………!」

 

「うおっ!?」

 

物凄い力でベッドに押し倒された俺。

その上に小猫ちゃんがまたがってきて―――――キスしてきた。

唇を放すと小猫ちゃんは恍惚とした表情で、

 

「もう、我慢………できません」

 

肩からスルッと脱げていく白装束。

その時―――――。

 

 

「にゃふふふー。白音もかなり大胆になったにゃ」

 

 

突然聞こえてきた第三者の声!

慌てて声のした方を見ると、ベッドの下から覗き込んでいる黒歌の姿が!

姉の登場に小猫ちゃんも理性を取り戻したようで、

 

「ね、姉さま!? な、なんでここに………」

 

小猫ちゃんの問いに、黒歌は呆れたように言う。

 

「なんでって、赤龍帝ちんの治療は私もすることになってるの忘れたの?」

 

………そうでした。

俺の治療、小猫ちゃんと黒歌の猫又姉妹で引き受けてくれてるの忘れてたわ。

ま、まぁ、黒歌が時間通りに来てくれないってのもあるんだけど。

 

「いつからいたの?」

 

「白音が『もう………いなくならないでください。イッセー先輩がいなくなったら、私は………』って言ってる時にゃん」

 

「結構、前からいたんじゃないか! 止めてくれても良いだろ!?」

 

「いやー、面白そうだったから。赤龍帝ちんと白音の子作り見るのもありかなって」

 

妹の子作りシーンとか普通、気まずくなると思うんですけど!

この猫又のお姉さんは本当にエロエロですね!

ま、まぁ、このタイミングで出てきてくれたのは、小猫ちゃんを止めるためだと思うんだけど………。

 

黒歌はイタズラな笑みを浮かべると、着物をはだけさせて、ベッドに上がってくる。

そして、先程の小猫ちゃんのように俺にまたがってきて、

 

「まぁ、白音はまだ早いし、房中術するなら、私の方が良いにゃん♪ 私は強い子を授かれるし、赤龍帝ちんは治療できるし。一石二鳥にゃん」

 

「あ、あのなぁ………これは一石二鳥とか、そんな考えでするもんじゃないからな?」

 

「ぶー。赤龍帝ちんは意外と真面目にゃん」

 

黒歌の一言にガクッと肩を落とす俺。

なんか、どっと疲れたというか………。

とりあえず、小猫ちゃんも落ち着いてくれたし、良かったのかな?

 

 

………ここで俺は完全に油断していた。

 

 

「確かに一石二鳥なんて考えは良くないわ。やる時はそう、相手の全部を自分のものにするくらいの気概でやらないと!」

 

どこからか現れたイグニス!

出現するやいなや、黒歌の着物を剥ぎ取ってしまった!

 

揺れてる!

剥かれた瞬間にブルンブルン揺れてるよ!

脳内保存しとかなきゃだな!

相変わらず凄いおっぱいだ!

 

「にゃー!? なにするにゃ!?」

 

一瞬で剥かれた黒歌の抗議に、駄女神は指を横に振って、不敵な笑みで告げた。

 

「この流れですることといえば、決まってるじゃない。―――――4Pよ!」

 

「おぃぃぃぃぃぃ! いきなり出てきてなに言ってんだぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「だって、さっきまで子作りの話してたし」

 

「そうだとしても! なぜに、おまえが出てくる!? つーか、おまえがやろうとしてるのは一方的なハント!」

 

「ちょっとくらい良いじゃない。大丈夫、その代わりにイッセーには猫又姉妹丼を経験させてあげるから。というか、猫又姉妹丼を皆が待ってる! 大丈夫、私がほどよく導いてあげるわ!」

 

「『イグニス、私を導いてくれ………!』って、なるか馬鹿! つーか、皆って誰だよ!? ほどよくってどんな感じ!?」

 

ホンット、急に入ってくるのやめてよね!

おまえが来るとツッコミが追い付かないんだよ!

今だって、気づいたら全裸になってるし!

いつ脱いだの!?

 

すると、途端にイグニスは俯いて、悲しげな声で言った。  

 

「だって、しょうがないじゃない。私、あなたに神名を明かした時に、一生分のシリアスを使いきってしまったんだもの………」

 

「あれだけで!?」

 

「頑張っても、三秒しかシリアス顔出来なくなったのよ?」

 

「頑張れよ! もうちょっと頑張ろうよ!」

 

「無理だピョン☆」

 

「諦めるなぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

俺のツッコミが部屋に響いた時だった―――――。

扉が開き、部屋に入ってくる者がいた。

 

「お兄ちゃん、大変だよ! ………あっ」

 

「イッセー様、大変ですわ! ………あっ」

 

美羽とレイヴェルだった!

慌てて入ってきた様子の二人だったが、部屋の中を見て、急に言葉を詰まらせた。

 

うん、そりゃそうなるよね。

この部屋には俺、小猫ちゃん、黒歌、イグニスがいて、全員が全裸でベッドの上にいるんだもの。

そんなところに飛び込んできたら、気まずくなるよね。

 

美羽はレイヴェルの肩にポンッと手を置くと、レイヴェルは顔を赤くしながら頷いた。

そして、二人ともすごすごと部屋から出ていき、

 

「これ、必要だったら使ってね」

 

扉を閉める直前、美羽がコ○ドーム三十個入りの箱を部屋の中に置いていった。

パタンと扉が閉まった瞬間―――――。

 

「それ、どんな気遣いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 

 


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