壊すだけの爆弾魔がたったひとつ、守りたいもの。
そして彼が誓ったこと。
今回は私が死神になるまでの話を書こうと思います。
文法や国語的なものはめちゃくちゃだと思うので、
生暖かい目で見てくださると嬉しいです。
これは少し昔の話だ。
私が死神になる前の話だ。
私は昔は爆弾魔だった。
おかしな話だろう?
死神になる前が爆弾魔だなんて。
当時の私は破壊や爆発が好きだった。
そこにある物が一瞬で崩れ去る瞬間、
それが好きで破壊をし続けてきた。
といっても無差別って訳じゃない。
簡単に言えば「間引き」みたいな物だ。
使用者や持ち主が腐っていたり、
もしくは建物自体がダメになっていたり、
そういう物を壊していった。
爆弾魔をやっておきながら、
無差別に人を殺すのが嫌だったんだ。
そんなふうに、破壊の毎日。
自分で何かを「作る」ということはしなかった。
自分には必要ないというのが理由だったが、
今思えば、壊れるのが怖かったんだろう。
だから私はずっと私は孤独だったし、
大切なものすら無かった。
あるのは破壊のための爆弾だけ。
そんなある日、奇妙な尋ね人が現れた。
黒いローブをドクロ。
手に持っているのは…、剣?
ドクロ顔は言う。
「君がロッキードで良いんだね?」
「なんだ不審者。いきなり話しかけるなんて怖いぞ。」
私の名前を知ってのなら、きっと警察とかの関係の人間だろうと思った。
「はぁ…、爆弾魔なんかに怖いとは言われたくないなぁ…。」
「悪かったな。…で?逮捕しに来たのか?」
するとドクロ顔の奴はキョトンとした様子で首を傾げる。
何かおかしなことでも言ったのだろうかと思っていると、少し驚いた様子でドクロ顔は言う。
「え!?死神だよ!死神!見てわからないの??」
「どう見たって不審者だ。」
「うぐ………。この見た目気に入ってたのに……。」
その時初めて自分は気づいた。
こいつは女だ。
「もしかして俺のファンか何かかな?変わった見た目や言動で引きつけようって作戦か?」
たまに自分はファンがいる。
大体気が狂っているか、危機感の薄いヤツだ。
どちらも私はそんなに好きではない。
「なら、この剣を見れば信じる?」
なにやら背中の剣を自慢げに見せる。
死神なら普通は鎌を持つだろう。
「なんだそれは。まさかそれで命を狩るのか?」
「え?そうだよ?」
見た目は死神っぽくするのに、
武器は死神っぽくはしないのが謎なんだが。
変なコスプレイヤーみたいだ。
「まぁ、信じてやろうじゃないか。で?要件はなんだ?」
「君の命を取りに来たんだ。そろそろ死ぬからね。」
「死因はなんだ。」
「爆発した建物が、君の予想外の方向に倒れる。そして派手な爆音の中、君は瓦礫に埋もれ死ぬ。」
「わぉ。中々いい死に方じゃないか。早々真似できるような死に方じゃないな。」
「私も今までで初めてだよ。こんな満ち足りたような死に方。だから私が来たの。」
「…どういうことだ?」
「つまり、君にはもう少し後悔しながら死ぬべきなの。大丈夫、寿命は少し伸ばしてあげるからさ。
生き甲斐見つけて、後悔しながら死になよ。」
ドクロ顔は見た目通りな恐ろしいことを言う。
つまり、悪人らしく死ねということか。
まぁ、寿命が伸びるのはいい事かもな。
「要望があれば聞くよ。無理難題じゃなきゃね。」
なら、せめて今持っていないものを要望しようと考えた。
自分に無いものは多い。
けど、これだけは今までで欲しかったものだった。
「友達だ。」
「へ?友達?」
「そうだ、形だけでいい。……そうだなぁ、あんたみたいなマヌケがちょうどいいかもな。」
「ま、マヌケっ……!?」
驚愕の表情を浮かべる。
どう考えたってマヌケだ。
「賢すぎたり、完璧すぎても、色々と接しづらいだろ?そういうことさ。」
「不本意だけど、君が言うならそうしよう……。」
少し不貞腐れた態度で言った。
「友達なら、この仮面は外すべきだね。」
「仮面なのか、それ。」
仮面を外すと、身なりは普通の少女だった。
もっと厳つい顔を想像してたのだが、
イメージの真逆の感じだった。
「意外と可愛い顔をしてるじゃないか。」
そんなふうにからかってみるとコロッと態度を変える。
「ふぉ!?は、そ、そんな……。へへ…」
恥ずかしいような、満更でもないような感じだ。
こいつをからかうのは中々楽しい。
「あと俺はロッキードだ。「君」ではない。」
「私は「リーパー」とでも呼べばいいよ。」
たしか英語で死神という意味だっただろうか。
まぁ、そのまんまな感じだが、分かりやすいから良しとしよう。
それからしばらくだ。
まぁ、一般人らしい事を色々とやった。
ゲームとかショッピングとか。
遠出なんかもしたりしたな。
半年程、そんなことをした。
私は初めて、爆発や破壊以外で楽しさを覚えた。
まぁ、このまま死ぬのなら後悔はないだろうな。
リーパーがそのまま見送るのなら悔いはない。
今日は夜景を見に来た。
あまり自分は堪能した事がなかった為、
リーパーと来たかったという訳だ。
「はぇー…綺麗だよねぇ…。」
「これで見納めというわけか。」
そう、次の日は自分の命日となる。
やりたかったことはまだある。
だが、欲張りすぎも良くないんだろう。
そう思い、今日はこれで一日を終えて、明日を迎えようとした。
「あのさ……私。」
「どうした?愛の告白か何かか?」
そんな風にからかってみる。
すると慌てるわけでもなく、ただ、悲しげな表情を浮かべて言う。
「私は君に死んで欲しくないと思っちゃった…。このままじゃ、君の命を狩る事が出来ないな…。」
意外な反応と発言だった。
狩るときは、ようやく終わったと喜ぶものだと思っていたからだ。
「それが、問題なのか?」
狩れなくても、他にも死神はいるだろう。
何も無理して狩る必要は無い。
そう思っていた。
「問題なんだ。ちょっと説明をするとね。」
説明を聞いた。
つまりは任務遂行は絶対との事だ。
失敗例や放棄の例はほとんどない。
だが遂行出来なかった時の結末は非常に簡単。
消えるのだ。
サーっと跡形もなく。
死神は死なない。
いや、死ぬことがほとんど無いためそう思われてるだけだそう。
死ぬ時は任務遂行出来なかった時だ。
いつかは感情移入して、そんなふうに消えるらしい。
だが、殆どはそんな余地もなく死ぬので、私のような例は稀なのだというのは、後で知った。
「君が死ぬのは良くないな。」
「なんで…?勿論死ぬのも嫌だけど…」
「確かに君はマヌケだけど良い奴だろ?」
「………?」
リーパーは首を傾げる。
「俺は良い人は殺したくないんでね。それが死神であろうとね。」
「尚更狩りづらくなるじゃない……。」
「選択は君に任せる。君が死ぬのは嫌だ。だけど、君のせいで僕が死ぬのも気が引ける。」
後悔なんてしないと思った。
まさか、こんな一言で気持ちが変わるとは思ってもいなかった。
意外と人の心は揺らぎやすいものだと実感した。
次の日、いつ死んでもいいように、今日は家にいることにした。
のんびりと2人ですごして死を迎える。
どちらが死ぬのかは彼女次第だ。
彼女はあるのものを渡す。
それは帽子だった。
黒い帽子にドクロのマーク。
「死人にプレゼントか。」
「お出かけに行かない?それを君に最後に被って欲しくてね。」
出かけると言っても、簡単なショッピングみたいな物だ。
食べ物を買って、色んなところをブラブラと歩いて。
そうして帰る。
こんな感じで一日はあっという間にすぎる。
こういう時ばかり時間の流れが早く感じる。
夜、彼女が倒れる。
「おい、どうした!」
彼女の手足は薄く消えかかっていた。
彼女は自分が死ぬことを選んだ。
「やっぱり、無理だったよ…。ロッキード、君を死なせるなんてね。」
「……マヌケだ。それだけじゃない、オマケに馬鹿だ。」
心の底からそう思った。
もう彼女はどんどん消えかかる。
「あはは……、そうかもね。でも君が生きてくれればそれでいい。悪い人かもしれないけど、私はいい人に感じた。だから、生きて欲しいと思ったの。」
元々、爆弾魔になったのも、腐った世の中を変えたいと思ったからだ。
快感だの、楽しさとかの感情は後から出来た。
彼女はもう間の無く消える。
そう確信する。
「それに君のことが―――」
最後まで言う前に消えた。
正確には死んだ。
残ったのは彼女のくれた帽子と彼女の持っていた剣。
そしてもう一つ。
彼女の「力」だ。
死神が死ぬ時、その能力や力は受け継がれる。
それは死神が救った人間。
残酷なものさ。
結末は変わらないんだ。
誰かが必ず死んで、死神はそこにいる。
救われた人間は死神という呪縛に縛られる。
声が聞こえてくる。
「ふん、人間に感情移入か。くだらん。」
「……何者だ。」
「名乗る理由がない。だが、あの小娘より上の存在とだけ言っておこう。」
「お前は任務を遂行出来るのか?」
出来なきゃ死ぬ。
それでは彼女の死は無駄だ。
「やるさ。ただし…。」
「ただし?なんだ。」
「俺の…「私」の自由にさせてもらいます。今までで私がやってきたように命を狩る。
爆弾は使いませんけどね。」
不慣れな敬語で言ってみる。
自分は昔の自分でないのだと言い聞かせる為に。
「良いだろう。それなら問題は無い。」
そう言って、声は聞こえなくなる。
そして初めて泣いた。
初めて誰かのために涙を流した。
いくらか時は経った。
今回は人間の事をもっと知るために、
人間の世界で暮らすことになった。
…といっても半分は休暇みたいなものだ。
何しろ必須の事らしいが、
私のようなイレギュラーは既に人間の事を知っている。
だから気を楽にして過ごせば良いらしい。
死神の活動も構わないが程々にとの事だ。
私は元々自由だ。
言われなくてもそうする。
「ふむ、「バーチャルYouTuber」とな。興味深い。
死神としてやってみる価値はありそうだ。」
ネットで大きく活動すれば、人間のことについて、知らないことも知れるかもしれない。
だが、楽しそうでもある。
…彼女の時のような出会いはあるだろうか。
そんな淡い期待を持ち、パソコンを開いた。
続きは私自身で築き上げるんです。
これが私の過去ですね。
日記というか、自伝というか、そんな気持ちで書きました。
なかなかの文量になってしまいましたが、どうでしたか?