A lot of world~全て遠き理想郷~   作:紅 幽鹿

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第11話~宝石の暴走~

 

 幽香さんと戦い、ジュエルシードを手に入れてから数日が経ち、私達は現在フェイトの家で待機している状態だ……。

「う~ん、こっちの世界の食事もまあ、中々悪くないよね」

「ほら、プライミッツご飯だよ」

「ワン!」

 待機している間、アルフは人間の姿でドックフードを食べ、私は白い小型犬のプライミッツにご飯を食べさせている。

「さて、うちのお姫様は……っと」

 アルフは食事を食べ終えると、フェイトを呼びに寝室に向かって行った……。

 さてと、私も準備するか……。

 私は服の中から、『ドラグノフ狙撃銃』を取り出し、『実弾』を装填した……。

 

~~~~~~

 

~~~~~~

 

 夜……私達はジュエルシードを探しに街に出て、建物の上から街を見下ろす。

 フェイト達が言うには反応は此処らしいのだが……。

「フェイト、この辺かい?」

「うん。この辺りだと思うんだけど大まかな位置しかわからないんだ」

「確かにこれだけゴミゴミしていると探すのも一苦労だね」

「アルフの言う通りだな……それで、どうする?」

「ちょっと乱暴だけど周辺に魔力流を撃ちこんで強制発動させるよ」

 街中での強制発動……結構危険だが……。

「待て、それなら私がやろう」

「大丈夫?結構疲れるよ」

 フェイトが私を心配そうな表情で見てくるが……。

「安心しろ、私はその程度では疲れんよ……。それに、今回はフェイトがなのは以外に邪魔されないように援護するだけだからな……」

 私は、足元に置いてあるドラグノフを見る……。今回は絶対に姉さんが来るはずだ……その対応の為に私はドラグノフを持ってきた……。

「それとアルフ、強制発動をした瞬間、広域結界を張ってくれ」

「分かったよ」

「では……やるぞ」

 私の足元に魔法陣が出現し、魔力が一気に流れ出し、天候が変わっていった……。

 

~sideout~

 

~side霊夢~

 

 私達がジュエルシードを探している途中、なのはの帰宅時間になって、美鈴さんがなのはを送って行こうとした瞬間……。

「こんな街中で強制発動?!」

 さっきまで、晴れていた天候が曇りだし、雷が落ちる……。

 これを見たなのはは走り出し、私達はなのはを見失わないように走る。

「レイジングハート、お願い!」

「「「「装符【武装形態】!」」」」

「ハルモニア!」

[イエス、マイスター。セットアップ!]

 美鈴さんの指に嵌めてある白のリングに黒の宝石が付いた指輪から声が聞こえ、次の瞬間、私達の服装は変わり、美鈴さんの服は白と黒の二色で騎士が着そうな服に変わり、その手には白と黒の二振りの槍、私達もそれぞれの武器を手に持ち、ジュエルシードの所に向かう。

 

~sideout~

 

~side幸夜~

 

 私が魔力流での強制発動を行いしばらくすると、青い光が溢れる。

 どうやら、ジュエルシードが発動したようだ。

「見つけた!」

「けど、あっちも近くにいるみたいだけどね」

 アルフの視線を辿り見てみると、ジュエルシードの近くにはなのはと霊夢達……そして、姉さんがいた。

「早く片付けよう。バルディッシュ!」

[シーリングモード・セットアップ]

 バルディッシュが変形し、なのはとフェイト、お互いがジュエルシードに向かって杖を構える。

 私はドラグノフを構え、姉さん達の牽制の為に足元に弾を撃ち、姉さんは飛んできた銃弾を二振りの槍で弾き、動きを止める。

 そして、二人の杖から放たれた桃色の光と金色の光がジュエルシードに突き刺さる。

「リリカル、マジカル」

「ジュエルシード、シリアル19」

「「封印!」」

 二人の言葉と共にさらに一回り大きな砲撃がジュエルシードに突き刺さり、ジュエルシードの溢れる光は消え、なのはがゆっくりとジュエルシードに近づいていく……。

 

~sideout~

 

~sideなのは~

 

 アリサちゃんやすずかちゃんとも初めて会った時は、友達じゃなかった。

 話を出来なかったから。分かりあえなかったから。

 アリサちゃんを怒らせちゃったのは、私が本当の気持ちを思っていることを言えなかったから。

「やった。なのは、早く確保を」

「そうはさせるかい!!」

 オオカミが襲いかかってくるけど、ユーノ君がシールドを張って守ってくれた。

 ユーノ君のシールドが破れて、フェイトちゃんと私の視線が絡み合う。

 目的がある同士だから、ぶつかり合うのはしょうがないのかもしれない。

 だけど、知りたいんだ!

「この前は自己紹介できなかったけど、わたしはなのは。高町なのは。私立聖祥大付属小学校三年生」

 私はもう迷わない、霊夢ちゃん達みたいに真っ直ぐに行けないかもしれない……だけど、この想いは貫いてみせる!

 

~sideout~

 

~side幸夜~

 

「この前は自己紹介できなかったけど、わたしはなのは。高町なのは。私立聖祥大付属小学校三年生」

 私はこの眼でなのはの瞳を見る……。あぁ、覚悟に満ちた瞳だ……どんなことがあろうと、自分の想いを貫こうとする意志がある者の瞳だ……。

「あぁ、やはりどの時代も人というのは素晴らしい……」

 私はドラグノフを捨て、跳んで、姉さん達の前に降り立つ。

「あら、ドラグノフは使わないんですか、幸夜?」

 姉さんが微笑み、デバイスとバリアジャケットを解除しながら言ってくる……クッ、理由は分かっているくせに……。

「なのはのあんな瞳を見たら、流石の私も狙撃などと言う無粋な行為などしないさ」

「そうですか」

 姉さんが嬉しそうに答え、霊夢達も嬉しそうな表情になっている……どうして、そんな嬉しそうな表情になるんだ?

「「では……」」

 私と姉さんの声が重なり、霊夢達は私と姉さんから距離を取る……。どうやら、私と姉さん二人で闘わせてくれるらしい……。ありがたい。

「八雲家長女……『人外最優』八雲美鈴!」

「八雲家長男……『人外最悪』八雲幸夜!」

 私と姉さんは互いに脚に力を入れ……。

「「いざ、参る!!」」

 私と姉さんは同時に駆け出し、お互いに片腕で弧を描くように回し……。

「「一喰い(イーティングワン)!」」

 同じ技がぶつかり、互いの技の威力は相殺される。

 そして、互いに違う攻撃を繰り出そうとした瞬間……。

 世界は一瞬だけ『白』に染まった……。

 私は元の色に戻った世界を見て、魔力が流れ出ているジュエルシード、それぞれのデバイスに罅が入ったなのはとフェイト……。

 世界が一瞬だけ白に染まったのは、あのジュエルシードのせいだろう。だが、私達の肉体に変化はない……。それは、まだ初撃……劇で言う序章だ……故に次に来るのは『本命』……。

 次の瞬間、私の予想は当たることになる。

 ジュエルシードから、膨大な魔力の奔流が流れる……。

 クッ!姉さんの能力ならこの場所の近くにいる霊夢達なら助かるだろう……。だが、ジュエルシードの近くにいるなのはとフェイトがいる……デバイスを使えない彼女達はどうなる?

 ……ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

 彼女たちとは会って数日しか経っていない、赤の他人のような存在かもしれない……。だが、私にとっては彼女達はもう私の『刹那』……ありふれた『日常』だッ!

 ならどうする八雲幸夜?彼女達を助ける為にお前ならどうする?

「創造開始(クリエイト・オン)!」

 私は歪な形の短剣を創りだし、そのまま、私自身の心臓に突き刺した……。

 

~sideout~

 

~side フェイト~

 

 私は二度目の魔力の奔流に飲み込まれて、しばらくしてから眼を開けるとそこには地面が抉れて、建物が崩壊していた……。

 あれ?でも、痛くない……傷も一つも付いてない……どうして?

「幸夜さん?!」

 すると、幸夜がいた方から、驚いたような声が聞こえてきた……。

 嫌な予感がして、すぐにその場所を見た……。

 そこには……。

 心臓部分に短剣を刺し、大量の血で出来た水溜りの上に立っている幸夜がいた……。

 え、どうして?

「宝具『裏切痛み(ベッレイアルペイン)』で、キミ達のダメージを私が全て受けた……安心しろ、キミ達に後遺症は無い……」

 幸夜の声は、まるで母親が小さい子供をあやすように優しい声だった……。だけど、そんな姿を見て安心なんかできないよ!!

 そして、幸夜は暴走状態のジュエルシードを見ると……。

「形成(イェツラー)――   冷酷女王銃(メアリー・ゲヴェーア)」

   Yetzirah――        Mary Gewehr

 

  「世界の全てよ凍れ、    美しいまま永遠に」

Seien Sie gefrorene Welt alles, und ist schön; in Ewigkeit

 

 幸夜の手の中に、一つの装飾銃が出現する……。

 何、あの装飾銃?私はあの装飾銃が怖い……。

 私は幸夜の出した装飾銃に禍々しい何かを……まるで、何人かの人を……沢山の人を■■してきた様な禍々しさを感じて恐怖する……。

 でも……。

 どうして、あの装飾銃を握る幸夜を見て、涙が流れるんだろう?

 

~sideout~

 

~sideなのは~

 

 私は二度目の魔力の奔流に飲み込まれて、しばらくしてから眼を開けるとそこには地面が抉れて、建物が崩壊していた……。

 あれ?でも、痛くないの?……傷も一つも付いてない……どうして?

「幸夜さん?!」

 すると、霊夢ちゃんの驚いたような声が聞こえてきた……。

 嫌な予感がして、すぐにその場所を見る……。

 そこには……。

 心臓部分に短剣を刺し、大量の血で出来た水溜りの上に立っている幸夜君がいた……。

 え、どうしてなの?

「宝具『裏切痛み(ベッレイアルペイン)』で、キミ達のダメージを私が全て受けた……安心しろ、キミ達に後遺症は無い……」

 幸夜くんの声は、まるで母親が小さい子供をあやすように優しい声だった……。どうして?どうして、幸夜君はそんな状態になってるの?……私達のダメージを全て受けたってどういうことなの?

 そして、幸夜君は暴走状態のジュエルシードを見る……。

「形成(イェツラー)――   冷酷女王銃(メアリー・ゲヴェーア)」

   Yetzirah――       Mary Gewehr

 

  「世界の全てよ凍れ、    美しいまま永遠に」

Seien Sie gefrorene Welt alles, und ist schön; in Ewigkeit

 

 幸夜君の手の中に、一つの装飾銃が出現する……。

 私はあの装飾銃を怖いと感じた。

 私は幸夜君の出した装飾銃に禍々しい何かを……まるで、お兄ちゃん達と行った博物館で展示されていた……人を■■してきた道具の様な禍々しさを感じる……。

 でも……。

 あの装飾銃を握る幸夜君を見て、悲しくなるのは、どうしてしてなの?

 

~side霊夢~

 

 私達は二度目の魔力の奔流に飲み込まれて、しばらくしてから眼を開けるとそこには地面が抉れて、建物が崩壊していた……。

 あれ?でも、痛くない……傷も一つも付いてない……どうして?

 私は不思議に思いながら顔を上げると……

「幸夜さん?!」

 私達の目の前には、心臓部分に短剣を刺し、大量の血での水溜りの上に立っている幸夜さんがいた……。

「宝具『裏切痛み(ベッレイアルペイン)』で、キミ達のダメージを私が全て受けた……安心しろ、キミ達に後遺症は無い……」

 幸夜さんの声は、まるで母親が小さい子供をあやすように優しい声だった……どうして?どうして、あなたはいつもそうなの?『前世』でもそうだった……どうして自分が傷つくことで、私達を守ろうとするの?

 そして、幸夜さんは暴走状態のジュエルシードを見る……。

「形成(イェツラー)――   冷酷女王銃(メアリー・ゲヴェーア)」

   Yetzirah――        Mary Gewehr

 

  「世界の全てよ凍れ、    美しいまま永遠に」

Seien Sie gefrorene Welt alles, und ist schön; in Ewigkeit

 

 幸夜さんの手の中に、幸夜さんの聖遺物の一つ……『冷酷女王銃(メアリー・ゲヴェーア)』が出現して、その引き金を引いた……。

 

~sideout~

 

~side幸夜~

 

「形成(イェツラー)――   冷酷女王銃(メアリー・ゲヴェーア)」

  Yetzirah――        Mary Gewehr

 

  「世界の全てよ凍れ、    美しいまま永遠に」

Seien Sie gefrorene Welt alles, und ist schön; in Ewigkeit

 

 私は聖遺物『冷酷女王銃』を『形成』し、引き金を引く……。

 聖遺物『冷酷女王銃』の形成時効果は『氷の魔弾』を撃つこと……この魔弾である程度のものは凍結させることが出来る……。

 故に、暴走状態のジュエルシードを凍結という形で封印できる。

 私は封印したジュエルシードを素手で掴み、フェイトの所に向かう。

「こ、幸夜……」

 私がフェイト達の所に向かうと、フェイトとアルフが心配そうな表情で此方を見てくる……あぁ、そう言えば剣を刺した状態で血だらけのままだったな……

 私は自分の心臓に刺した短剣を抜く。

「安心しろ、これ位の怪我大丈夫だ。短剣の方も心臓を突き破るくらいの威力は無いさ」

「「で、でも……」」

「ほら、今もちゃんと歩けている、意識もしっかりしている。だから、安心しろ」

 フェイト達の心配そうな表情はまだ続いているが、とりあえずなのは達の所を向き……。

「では、ごきげんよう」

 私は足元にスキマを開き、フェイト達の家に向かった……。

 さて、フェイト達をどうやって説得するかな?

 

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