A lot of world~全て遠き理想郷~ 作:紅 幽鹿
私は異世界から来たタクトと一緒に転生者の魂を消滅させ、フェイト達と合流する為マンションに戻ったのだが……血の臭い?
私は、血の臭いのする原因があるであろう部屋まで行き、そこの扉を開けると……。
「あ、幸夜……」
涙を流しているアルフと身体の至る所に鞭傷を付け、寝ているフェイトがいた……。
~~~~~~
~~~~~~
「なるほど……つまり、フェイトの体の傷はフェイトの母親がやったものか……」
「そうだよ、あのババアが……」
アルフの憎悪の籠った声を聞きながら、私はフェイトの体の至る所にある傷を見る。
「アルフ、お前の話では、フェイトの母親は相当フェイトの事を嫌ってるようだが……」
「そうだよ!フェイトがこんなにも頑張っているのに、アイツは褒めるどころか、こんな酷いことをするんだよ!こんなことをしている奴が、フェイトの事を好きな筈が無いよ!!」
アルフはまるで訴えるように、言ってくるが……。
「だが、私はどうもその母親がフェイトの事を嫌っているとは思えん……」
「どうしてだい?!」
「理由は、フェイトにある傷だ……この傷は一見、酷そうに見えるが、そこまで酷い傷ではない、暫くすれば普通に回復して、傷跡も残らない……それで、私がそう思う最大の理由は……この傷から憎悪などの負の感情が見られない……むしろ、その母親は泣いているように感じる……」
「如何いうことだい?」
「質問するが、フェイトの母親は昔は優しかったか?」
私の質問にアルフが暫く考えこみ……
「……確か優しかったよ。だけど、急にフェイトに対して冷たくなったんだよ」
「そうか……」
どうやら、何か裏がありそうだな……。
「とりあえず、フェイトの傷を治そう」
私とアルフは寝ているフェイトの傷の治療を始めた……。
~sideout~
~side三人称~
フェイト達が海鳴市にいる頃、まるでRPGに出てくるような城の形をした『時の庭園』、その『時の庭園』の一室で、一人の女性が泣いていた……。
「うっうっ……フェイト、ごめんなさい、ごめんなさい。フェイト……」
泣いている女性……プレシア・テスタロッサは自分の娘の名前を呼びながら謝罪の言葉を口にし続けている。
「どうしたのです、プレシア・テスタロッサ?」
そんなプレシアの背後から、仮面を付け道化師の様な姿をした男が現れる。
「アルバート!」
プレシアは自分の背後に立つ男の名前を憎悪の籠った声で呼び、姿を見る。
「そんな眼で見ないで下さいよ……興奮しちゃうじゃないですか」
自分を見るプレシアの眼にアルバートは頬を赤らめ、身震いする。
「……変態」
「フフ、自覚していますよ。それと、私の言ったことはちゃんと守っていますよね?守ってないのでしたら……」
「ちゃ、ちゃんと守っているわ!だから、あの娘には……フェイトには手を出さないで頂戴!」
プレシアの表情はフェイトを鞭で叩いていた時とは違い、自分の子を守る母親の表情をしていた……。
「フフフ、あなたが約束を守っている間は大丈夫ですよ。ですが……あの娘自身は大丈夫ですかね?」
そう言い残し、アルバートは闇の中に消えて行った……。
~sideout~
~side幸夜~
フェイトの傷の治療を終え、フェイトが目覚めたと同時にジュエルシードの発動を感じ、私達はとある公園に来ていたが……。
「バリアーが硬すぎるよ!」
「根っ子がうっとしいわね!」
ジュエルシードが発動し、物語に出てきそうな姿に変わった木がバリアーは発動するし、木の根っこは伸ばすしと、手強くなっていた為、私達はたまたま遭遇したなのは達と共に戦っている。
「(木の根っこがうっとおしい……なあ、『暗黒天体』か『超新星爆発』の魔術、使って良いか?)」
【絶対に、駄目です!】
【使ってはならんぞ!】
「……冗談で言ったつもりなんだが……ハッ!」
エターナルとムルムルとそんなやり取りをしながら、『モード・ツヴァイ』にしたエターナルで木の根っこをバラバラに切り刻む。
「幸夜、どうします?」
「……姉さんの能力でどうにかならない?」
木の根っこを世界調和槍(ワールド・ハーモニクス・ランス)で払いながら近づいてきた姉さんに聞かれ、姉さんの能力『調和を司る程度の能力』でどうにかならないか聞くが……。
「私も考えてみましたが、無理ですね。能力を使ったと同時に結界が消え、周りに認識されてしまいます。幸夜の能力ではどうですか?」
「私も姉さんと同じだ……それに、『創造と終焉を司る程度の能力』を使ってもなのは達に『終焉』が当たる可能性がある」
「そうですね……とりあえず私は、なのはさん達の手助けをしてきますね……ハッ!」
姉さんは迫りくる木の根を槍の高速連続突きで破壊してから、空中に浮く木の根の破片を足場に跳躍し、なのはたちの所に向かった。
そして……。
「何よこれ?!」
「何これ?!」
突然、驚いたような声が聞こえ、その声が聞こえた場所を向くと……。
「あ、アリサちゃん?!」
アリサと黒髪の坊主頭で眼鏡を掛けた少年がそれぞれ違う場所に立っていた。
~sideout~
~side???~
「ハァ~鬱だ……」
僕、野比のび太はそんな言葉を溜息と同時に出した。
今日も学校で、学友、幼馴染達にいつも通りイジメられ、ガキ大将でジャイアンと呼ばれている幼馴染に殴られ、先生に心配されるが何でもないと言い続ける毎日……。
「鬱だ……」
そんな風に顔を伏せていたからだろうか、僕は自分の周りが変化していたことに気づいていなかった……。
「何よこれ?!」
女の子の大きな声が聞こえて、僕は顔を上げると僕の目の前には怖い顔をした木の怪物にコスプレ?の様な姿をした女の子達に全身黒ずくめで狐のお面を被った子にオオカミがいた。
「何これ?!」
「あ、アリサちゃん?!」
さっき聞こえてきた声の女の子とコスプレをして木の怪物と戦っている女の子は、どうやら知り合いらしい。
すると、木の怪物が僕に向かって根っこを伸ばしてきた。
「うわっ?!」
僕の頭の中では『死』と言う言葉が浮かびあがり、眼を瞑りながら恐怖と来るであろう衝撃と痛みを我慢する為に身体を強張らせるけど……。
……あれ、全然痛くない?
僕は恐る恐る眼を開けると……。
「えっ?」
僕が元々いたであろう場所に根っこが突き刺さっていて、僕はそこから数メートル離れていた。
ちょっと待って、僕は……『棒立ちの状態でここまで移動』したの?
~sideout~
~sideアリサ~
「ハァ~なのはの馬鹿……少しは私達にも相談しなさいよ」
私は溜息と同時にそんな言葉を出していた。
なのはの奴、分かりやすいのよ。私とすずかがどれだけ心配してるか……少しは考えなさいよ。
そんな風に友達に対しての愚痴をこぼしていたからなのか、私は自分の周りが変化していたことに気づいていなかった……。
「何よこれ?!」
ふいに私が顔を上げると、私の目の前には怖い顔をした木の怪物にコスプレ?の様な姿をしたなのは達がいた。
「何これ?!」
「あ、アリサちゃん?!」
私の声で、私の事に気が付いたなのはが驚きの声を上げていた。
すると、木の怪物が私に向かって根っこを伸ばしてきた。
「きゃっ?!」
私は咄嗟の行動で、後ろの方に体重を移動させて動いた。こんな事をしても無駄なのに……けど
「えっ?」
私の体を凄い勢いで後ろに移動し、私の体があった場所に根っこが突き刺さり、私は元の場所から数メートル移動していた……い、一体何が起きたの?
~sideout~
~side幸夜~
私は自分の身に起こった現象に驚いているアリサと少年の方を見る。
【幸夜、あれは……】
「(ああ……だが、如何いうことだ?……アリサとあの少年は『聖遺物』と『契約』している)」
しかも……。
「(少年とアリサの聖遺物には既に大量の魂が宿っている……)」
何故だ?……まあ、とりあえずはジュエルシードを何とかするか……。
「なのは、フェイト!私達があのバリアーを破壊するからジュエルシードを二人で封印しろ!」
「うん」
「分かったの!」
私の言葉に二人が頷き、私は霊夢達の方を見る。
「妖夢、咲夜、私達であの木の根を破壊し、霊夢と魔理沙はバリアーを破壊してくれ!……創造開始(クリエイト・オン)」
私は『創造』を使い、一本の日本刀を創りだす。
「呪符≪斬撃の呪い≫」
「奇術≪ミスディレクション≫」
「人符≪現世斬≫」
日本刀を振い、ありとあらゆる物を切断する『呪い』を放ち、木の根を切断し、咲夜は無数のナイフを木の根に放ち、ナイフで木の根を地面に縫い付け、妖夢は取り出した刀で木の根を斬り裂く。
「霊夢、魔理沙!」
「夢符≪夢想封印 集≫」
「恋符≪マスタースパーク≫」
複数の光弾と超極太レーザーが発射され、バリアーを破壊し、二つの弾幕は止まることなく木に直撃し、次の瞬間には木は元の姿に戻り、ジュエルシードが出現する。
[シーリングモード・セットアップ]
[シーリングフォーム・セットアップ]
「ジュエルシード、シリアル7!」
「封印!」
辺りが一瞬だけ光に包まれるが、光は直ぐに晴れ、封印済みのジュエルシードが空中に浮かぶ……
「……ジュエルシードには、衝撃を与えたらいけないみたいだ」
「うん。昨夜みたいなことになったら、私のレイジングハートも、フェイトちゃんのバルディッシュも可哀相だもんね……」
「だけど……これは譲れないから」
そう言って、フェイトはデバイスを構える。
「私は、フェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど……」
なのはもデバイスを構える。
この場にいる誰しもが二人を止めたり、動いたりはしない……ここからは、彼女達二人が主人公の劇だ……。
二人が同時に飛び出し、互いのデバイスがぶつかり合う……だが、突然青い光が溢れ、レイジングハートとバルディッシュが何者かに止められた。
「ストップだ!」
乱入者に唖然とする二人。
「ここでの戦闘は危険過ぎる。」
現れたのは、黒いコートを着た少年、手にはデバイスが握られている。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ!詳しい事情を聞かせてもらおうか。」
少年……クロノ・ハラオウンはそう言い放った。