A lot of world~全て遠き理想郷~ 作:紅 幽鹿
では、第二十話をどうぞ!
海での共同戦線を終えた後、私は鈴仙を連れてアースラ内にある医務室に来ていた。
医務室に誰も居ないことを確認し、符を使って扉が開かないようにする。
……流石に今からする光景を第三者に見られると不味いからな。
符に呪力を込め終え振り向くと、鈴仙が顔を真っ赤にしていた……何故だ?
「そ、その幸夜?/////」
「どうした?」
「あ、あのね。確かに私たちは身体は子供でも精神的には大人よ?でも、だからって人の居ない医務室に連れ込んで、しかも扉を開けられないようにするなんて……」
鈴仙、勘違いしてないか?君が考えてるような事は絶対ない、だから頬を染めるな、目を瞑るな、口を窄めるな。
現在の鈴仙の身体に私は興味はないッ!!
【何気に酷いですね、幸夜】
メアリーの非難が聞こえるが、私は気にしない。
私はいまだに目を瞑っている鈴仙の肩に手を置くと、ビクッと肩が強張ったのを感じる。
私は鈴仙の耳に顔を近づけ……。
「はむっ」
「ウキャァァァァ!!」
医務室で、知り合いの耳をしゃぶってアッパーを喰らう小学生がいた……てか、私だ。
「急に何をするんだ?」
「それはこっちのセリフよ!耳を噛まないでよ!」
「噛んではないしゃぶっただけだ!」
「どれも一緒じゃない!」
そう言いながら鈴仙は私がしゃぶっていた方の耳を触り、顔をしかめる。
「耳がべたべた……」
「官能的だろ?」
「……私に喧嘩を売ってるのかしら?」
拳を震わせながら、鈴仙は言う。……鈴仙に喧嘩を売る?いやいや、私はただ鈴仙を弄ってるだけさ。取り敢えず、当初の目的を果たすか。
私は銀のトレーと消毒済みのピンセットと術を施したメスを鈴仙の目の前に出す。
「何これ?」
懐疑的な視線を向けてくる鈴仙に先ほど黒焦げになった腕を見せると、鈴仙は驚いたような表情になり……。
「まだ、再生してないの?!」
そう、聖遺物の使徒であり化け物でもある私がまだ傷の回復が出来ていないのだ。
まあ、そもそも私があの程度の攻撃で傷つくこと自体が可笑しいのだが、やはり以前より弱体化している……。
だが弱体化していたとしても、この程度の傷の回復なら一瞬なのだが今回は回復が遅い……。いや、回復自体がされないのは可笑しすぎる。
「これで、腕を切開して腕の中にある何かを取ってくれ。たぶんそれが、再生の邪魔している原因だ」
「で、でもここは医務室だと言っても無菌じゃないのよ?」
「そんなものは関係ない。原因さえ取り除けばすぐ再生する。それなら、感染症の心配はない……さあ、やってくれ」
「……分かったわよ!」
私は鈴仙の前に腕を突き出し、鈴仙はメスを入れ切開し始める。
「ちょ、ちょっと、肉が腐ってるわよ!」
鈴仙に言われ覗いて見る……うわぁ、普通なら切断ものの腐敗だぞ?と、考えているうちに鈴仙はメスからピンセットに持ち替えており、再生の邪魔をしていた原因を取り出し終えていた。
すると、腐っていた肉はグチュグチュと床に落ち、無くなった部分を補うかのように新たな肉が生まれ、手術創は元々無かったかのように閉じていき、黒焦げになっていた腕が元の白い肌に戻る。
「幸夜これは?」
先程まで私の腕の中に入っていた物であろう。鈴仙が銀のトレーに乗せて見せてきた物は、逆十字の形をしたカプセルに薊の花が入っていた物だった。
「呪いだな」
「呪い?」
「ああ、そのカプセルの薊の花は聖書では罪の植物とされている。それを触媒に逆十字を刻んだカプセルを相手に打ち込むことで発動する、対象を気絶することすら許されない痛みを与え続け、肉を魂を腐らせる呪いだ」
「それがさっきの雷の中に?」
「ああ、本来ならあの程度の魔法でダメージは負わないが、呪いは別だ。私は呪いに干渉しやすい性質だからな」
言いながら、私はもう片方の腕にメスで鈴仙がやったように切開し、ピンセットでもう一つのカプセルを取り出し銀のトレーに入れ、見ると腕の再生は既に終わっていた。
「さて、戻るか」
銀のトレーを持ち、貼っていた符を外し魔術で焼却してから鈴仙と共に医務室から出ていった。
~~~~~~
~~~~~~
私たちがなのはたちのいる場所に着くと、モニターには露出が激しい服を着たおばさんが映っていた……。
「……目が腐る」
「ちょっ、いきなり失礼なの?!」
私の言葉になのはがツッコミを入れてくるが……しょうがないだろ、いい歳したおばさんが肌をあんなに露出させると……見たら腐るって……あれか、無間叫喚地獄か何かか?
「で、このモニターに映ってるBBAは誰だ?」
「フェイトさんのお母さんのプレシア・テスタロッサさんだそうですよ」
「この素敵な女性が?」
「凄い変わりようなの?!」
なるほど流石はフェイトの母親だな、まあ、フェイト宅で見た写真とは違うように感じるが……気のせいだろう。
「で、姉さん。このプレシアさんは、あっち側の魔法を使うのか?」
「説明を聞く限り、そのようですよ」
ふむ、ならば違うのか?
「どうしたんですか、幸夜?」
姉さんが心配そうな表情を浮かべて、表情に出てしまっていたか?ふむ、ならちょっとした冗談で安心させよう。
「姉さん」
「はい、何ですか?」
私は鈴仙の隣に立ち、鈴仙の腕に自分の腕を絡ませ……。
「紹介するね、私の旦那様////」
私は恥ずかしそうな声色で言う。この時、恥じらう乙女のような表情をするのを忘れない。
「「「「「「「ハッ?」」」」」」」
「え、ちょ、え?!」
瞬間、空気が凍った。面白いほどに凍った。そんな中、鈴仙が面白いほど狼狽えている。
「な、何言ってるのよ幸夜?!」
「ひ、酷い!私にあんな事しておいて!!」
「いや、だから何言ってるの?!」
「私の閉じているものを無理矢理こじ開けたじゃない!!」
私はその場に泣き崩れる真似をすると鈴仙はその場で狼狽えていると……。
「鈴仙さん」
「ヒッ、美鈴さん。ち、違うんですよ、幸夜の言っていることは出鱈目で!」
「ええ、分かってますよ」
「そ、そうですよね。分かってくれてますよね?!」
姉さんの言葉に安心したのか鈴仙は胸を撫で下ろす……流石にこの程度は嘘だと分かるか……。
「ええ、ですから……とりあえず裏に行きましょうか?」
姉さんが、物凄くいい笑顔で鈴仙にとっての死刑宣告を言い放ち、鈴仙の顔を真っ青にしながら助けを求めるように周りを見渡すが……。
「「「「「「「………」」」」」」」
皆が冷たい瞳で鈴仙を見ており、それぞれ陰陽玉、ミニ八卦炉、銀のナイフ、楼観剣、蓬莱の玉の枝を準備しており、妹紅に関しては背中から炎の翼を生やし、いつでも鈴仙を焼却できる準備をしている……流石に助けるか。
「待って、姉さん!」
「なんですか、幸夜?大丈夫ですよ、私たちがきっちり鈴仙さんにO☆HA☆NA☆SHIしておきますから」
鈴仙に向けていたいい笑顔ではなく、とても安心できる優しい表情を私に向けてきた。
私はそんな姉さんの腕を掴み、涙を瞳に浮かべながら掴んでいない方の腕で自分のおなかを撫で、その意味が分かったのか姉さんが顔を青褪める。
「ま、ま、まさか、こ、こ、幸夜」
「うん、できたみたい……」
「そんなわけあるかァァァァァァ!!!!!」
鈴仙の全身全霊であろうツッコミが艦内中に響いた……。
~sideout~
~sideプレシア~
「フフフ、自分の娘になかなか酷いことをするじゃないですか、プレシア?」
「黙りなさい、アルバート!」
私は目の前に現れたアルバートを睨み付けるが、アルバートは気持ち悪い笑みを浮かべるだけだった。
「いえいえ、事実じゃないですか。まあ、私が脅しているからと言う理由があるかもしれませんが……ですが、あそこまで傷つけられないでしょう?」
「黙りなさい……」
「ああ、そうでしたね。彼女はしょせん人形……あなたの娘のアリシアのにせm「黙りなさい!!」おやおや、恐ろしい形相だ」
私は魔力弾を放つがアルバートは障壁を使わずに片手で平然と受け止め、粉々にする。
「気を付けてくださいよ、今のは手加減してくださったようですから咎めませんが……次同じようなことをしたら、あの人形がどうなってもしりませんよ?」
「ッ……」
私は悔しさで唇を噛む……さっきの魔力弾だって、手加減なんてしていなかった……むしろ、アイツを殺す勢いで放ったものだ……なのに!!
「おや、お客さんのようですよ?!」
そう言うと、アルバートはその場から消えると同時に爆発音が辺りに響き渡り、土煙の中からフェイトの使い魔であるアルフが現れる……。
きっと、フェイトの様子を見てこっちに来たのね。
アルフは殴り掛る勢いで向かってくるが、私の障壁によって拒まれる。しかし、アルフは障壁を破り、私の服を掴む。
「アンタは母親で、あの子はアンタの娘だろ!あんなに頑張っている子に、あんなに一生懸命な子に、何であんな酷いことが出来るんだよ!!」
そんなこと分かってるわよ、フェイトがどれだけ私のことを思って頑張ってくれていることくらい……。
表情に出てしまっていたのか、服を掴んでいた力が少しだけ緩む。私は片手をアルフの腹部辺りまでもっていき、魔力弾を放つ。
魔力弾を喰らったアルフは数メートル吹き飛び、その場に崩れ落ちる。
「あの子は使い魔の造り方が下手ね、余分な感情が多すぎるわ」
「フェイトは、アンタの娘は、アンタに笑ってほしくて、優しいアンタに戻ってほしくて、あんなに!……ウグッ」
……演じなさい、プレシア・テスタロッサ。私はフェイトたちの敵じゃないといけないの、フェイトやその使い魔を守るためにも……。
「邪魔よ……消えなさい!!」
私は取り出していたデバイスをアルフに向けるが、アルフは地面に穴をあけこの場から脱出した……。
~sideout~
~sideアルバート~
アルフがこの時の庭園から脱出したのを見て、内心ほくそ笑む……。
「ここまでは、原作通りですね」
私の計画が進んでいる証拠です……後は、最終決戦あたりでアリシアの存在をバラし、フェイト・テスタロッサに絶望を与える……。
ククク、あぁ、楽しみですね、絶望の中にいるフェイト・テスタロッサの肉体を貪るのが、今から想像しただけでも……いきり勃ってしまいますよ。
まあ、不安要素として何故かこの世界にいる東方キャラや八雲美鈴、八雲幸夜と言う存在……まあ、八雲幸夜は男のようですし、殺しましょう。そして、女性たちには絶望を与え……。
ククク、クハハハハハハハハハハ!!!!!!!!
幽「はい、後書きです!」
幸「皆様、お久しぶりです。長い間、待たせてすまない」
幽「本当にすみませんでした!!」
幸「それで、作者。どうして遅れたんだ?」
幽「いや、あの……壊されたんだ」
幸「壊された?」
幽「家族に、まあ、事故みたいな物だからしょうがないんだけど、データを保存していたUSBが破壊されたんだ……」
幸「だが、念のためにそのUSBの他にも、予備と予備の予備のUSBもあったんだろ?……まさか」
幽「うん、三本とも破壊された……」
幸「……作者」
幽「次回はなるべく早く投稿できるようにします。どうか皆様、見捨てないで下さい!」
幸「私からも頼む」
幽「では、皆様また次回にお会いしましょう」
幸「みなさん、さようなら」